「や(ヤ)」の博多・糸島弁
1 | ~や 《詳しくはこちら》 |
【標準語】~だ、~かい? 【意味等】 (1)「~だ」の~や 《意味》~だ、感嘆の意を表す 《用例》「速か球ヤなあと思うたら…高校ん時い、甲子園い出たと?たいしたもんヤ」 →「速い球だなあと思ったら…高校の時に、甲子園に出たの?たいしたものだ」 (2)「~かい?」の~や 《意味》~なの?、疑問の意を示す 《用例》「おまやぁ…誰ヤ?」「博多先輩の…弟ヤ?」「なら…山笠いな出るとヤ?」 →「お前は…誰だ?」「博多先輩の…弟なの?」「じゃあ…山笠には出るのかい?」 |
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2 | やーやー 《詳しくはこちら》 |
【標準語】やいのやいの 【意味等】うるさく、何度も諸方から急き立てられる様、感情的に激しく相手に迫る様 【参考】 ・由来の「やいのやいの」は間投助詞「や」と終助詞「い、の」の連接形を重ねた言葉 ・「やーやー」は「やいのやいの」の音変異 【同義】やーやー、やいやい 【用例】「そえんヤーヤー、しちこいたらしゅう言わんちゃ…明日いな、ぜんな返す」 →「そんなにやいのやいのと、ひつこく言わなくても…明日には、お金は返す」 |
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3 | ~やい 《詳しくはこちら》 |
【標準語】~なさい 【意味等】~なさい(少し丁寧な命令) 【参考】軽い命令形で、尊敬の助動詞「やる」の命令形のみ残ったもの 【類義】~てんやい ・軽い命令形で、接続助詞「て(で)」+「やる」がつまって転化したもの 【用例】 ・「せっかくやけん、飯なっと食べヤイ」→「せっかくなので、飯でも食べなさい」 ・「まあだ食いきいなら、食うテンヤイ」→「まだ食えるなら、食ってみなさい」 |
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4 | やい 《詳しくはこちら》 |
【標準語】競走、競技 【意味等】競うこと、お互いに争うこと、せりあい 【参考】由来は、競り合うの「合う」 【同義】ぐうちょ、くっちょ、ぐっちょう、やい、やっこ 【用例】「小学校の時まで、走りヤイしたんだあ…俺の方が速かったとばってん」 →「小学校の時までは、駆けっこをしたら…俺の方が速かったんだけどなあ…」 |
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5 | やいけん |
【標準語】じゃんけん 【意味等】じゃんけん、「グー、チョキ、パー」で勝敗を決める遊び 【同義】じゃいけん、やいけん 【参考】掛け声「やいけん、しっ」→「じゃんけん、ぽん」 【用例】「王様ゲームのルールな…ヤイケンで勝った人が、負けた人い命令ばすると」 →「王様ゲームのルールは…じゃんけんで勝った人が、負けた人に命令をするんだ」 |
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6 | やいとう |
【標準語】灸 【意味等】お灸、経穴に温熱刺激(モグサに着火)を与えて治癒を促す民間療法 【参考】由来は「焼き処」の音変異、関西から九州にかけて広く使われる 【用例】「悪そうばっかりしなあけん…でけそこなわんごと、ヤイトウば据えとこう」 →「悪戯ばかりするので…駄目な大人にならないように、お灸を据えておこう」 |
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7 | やいや |
【標準語】やれやれ 【意味等】あれあれ、あちゃー、これはまた、失敗したり困ったときに発する感嘆詞 【参考】由来は「やれやれ」の音変異 【類義】あいた、わいたー(誇張した言い方) 【用例】「ヤイヤしもうた、三徳ば忘れてきた…すまんばってん、ああた出いとって」 →「あちゃーしまった、財布を忘れてきた…悪いんだけど、あなたが支払っといて」 |
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8 | やいやい 《詳しくはこちら》 |
【標準語】やいのやいの 【意味等】「やーやー」に同じ 【用例】「ヤイヤイ言わんちゃ、お菓子なたいそある…心配せんでちゃ配っちゃる」 →「やいのやいの言わなくても、お菓子は沢山ある…心配しなくても配ってあげる」 |
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9 | やえしちごう |
【標準語】がんじがらめに 【意味等】身動きができない状態、入り組んで、もつれて、状況が複雑に 【同義】やえしちごう、やえひちごう 【用例】「借金ばして…家屋敷ば売らなあいかんごとヤエシチゴウいなっとうとげな」 →「借金をして…家屋敷を売らなきゃならないほど状況が複雑になっているそうだ」 |
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10 | やえひちごう |
【標準語】がんじがらめに 【意味等】「やえしちごう」に同じ 【用例】「浮気のバレて、離婚する…せんって、ヤエシチゴウいなっとんなあげな」 →「浮気がバレて…離婚する…しないと、がんじがらめになっているそうだ」 |
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11 | やおいかん 《詳しくはこちら》 |
【標準語】容易でない、辛い 【意味等】 (1)「容易でない」のやおいかん 《意味》容易くない、難しい、簡単にできない、ちょっとそっとではいかない 《用例》「気安うしようごたが、やりそこのうたら大怪我するけん…ヤオイカンとよ」 →「簡単にしているようだけど、失敗したら大怪我するので…容易じゃないんだよ」 (2)「辛い」のやおいかん 《意味》困る、弱る、苦しい、大変だ 《用例》「次々い風邪で休みなあけん、人手の足らんごとなってヤオイカンとですよ」 →「次々と風邪で休まれるので、人手が足らなくなって困っているんですよ」 【参考】やお(柔らかい:容易い)+いかん(いかない)→簡単にいかない、辛い |
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12 | やおうなる 《詳しくはこちら》 |
【標準語】和やかになる 【意味等】柔和になる、穏やかになる、気力が和らぐ、ものやわらかになる 【参考】やおう(柔らかく)+ なる → のどやかになる 【用例】「はしかか男やったばってん、ちいっとボケてきなって…やおうなんなった」 →「性格が刺々しい男だったけど、少し認知症になってから…柔和になっちゃった」 |
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13 | やおか 《詳しくはこちら》 |
【標準語】柔らかい、容易い 【意味等】 (1)「柔らかい」のやおか 《意味》固くない、硬くない、こわくない、軟らかい 《用例》「突きたての餅な…温うしてヤオカ、わっか姉ちゃんの尻べたのごたあ」 →「突きたての餅は…温かくて軟らかい、若いお姉さんのお尻のようだ」 (2)「容易」のやおか 《意味》容易い、簡単 《用例》「手のいる仕事と思うとったが、誰っちゃしきい、ヤオカ仕事やった」 →「手間のかかる仕事だと思っていたけど、誰でもできる、容易い仕事だった」 【参考】由来は「柔らかい」の音変異 |
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14 | やおつり |
【標準語】引越し、新築家屋に住み始める 【意味等】 (1)「引っ越し」のやおつり 《意味》転居、転宅、住所移転 《同義》やおつり、やなおり 《用例》「本社い転勤になりましたもんやけん、東京いヤオツリするごとなりました」 →「本社に転勤になったものですから、東京に転居することになりました」 (2)「新築家屋に住み始める」のやおつり 《意味》新築家屋への転居、またその祝宴 《類義》やがため(新築の祝宴) 《用例》「30歳で新築しんしゃって、明日がヤオツリげな…頑張らっしゃあねえ」 →「30歳で新築されて、明日が新居への引っ越しだそうよ…頑張られますねえ」 【参考】由来は「屋移り(やうつり)」の音変異 |
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15 | やおる |
【標準語】弱まる 【意味等】弱くなる、勢いがなくなる 【参考】由来は「矢折る」の音変異、戦う手段をなくし戦力が弱まること 【用例】「台風の通り過ぎたけん、明け方いな風雨のヤオル…休校いなならんばい」 →「台風が通り過ぎたので、明け方には風雨が弱まる…休校にはならないよ」 |
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16 | やがため |
【標準語】新築の祝宴 【意味等】新築祝いの宴、やおつり(屋移り)前の親戚や大工などを招いた酒宴 【参考】由来は「屋固め」、祝宴で家屋への居住を確定させる 【類義】やおつり、「屋移り」も新築の祝宴の意がある 【用例】「嬉しかったっちゃろうね…ヤガタメでご主人の、ベロベロい酔うちゃあ」 →「嬉しかったんだろうな…新築の祝宴でご主人が、へべれけに酔っ払っている」 |
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17 | やかましか 《詳しくはこちら》 |
【標準語】うるさい、口うるさい、厳しい、忙しい 【意味等】 (1)「うるさい」のやかましか 《意味》騒がしい、うるさい、喧しい 《用例》「ああ…ヤカマシカ。テレビの音の聞こやあせん、大声でしゃべらんのって」 →「ああ…うるさい。テレビの音が聞こえやしない、大声でしゃべらないでくれ」 (2)「口うるさい」のやかましか 《意味》理屈っぽい、小言が多い、小理屈ばかり言う…不快で聞きたくない 《用例》「ヤカマシカ…そえな言い様ななかろうもん、俺っちゃ付き合いのあると」 →「小言が多いなあ…そんな言われ方はないだろ、俺だって付き合いがあるんだ」 (3)「厳しい」のやかましか 《意味》こだわりがある、厳しい、 《用例》「あの作家先生な、時間いヤカマシカけん…約束の5分前い訪問せなあぜ」 →「あの作家先生は、時間に厳しいので…約束の5分前に訪問しないといかんぞ」 (4)「忙しい」のやかましか 《意味》煩わしい、せわしい、忙しい 《用例》「手順の多して、順番も面倒らしか…操作するとのヤカマシカ機械やなあ」 →「手順が多くて、順番も面倒くさくて、操作するのが煩わしい機械だなあ」 【参考】由来は「囂し(かまし)」と「姦し(かしまし)」の2種類の説がある 《説1》や(弥:ますますの意を添える接頭語)+かましい(囂し:うるさい状態) 《説2》や(弥:ますますの意を添える接頭語)+かしましい(姦し:うるさい状態) 【類義】しゃあしい、しゃあらしい、しぇからしい、せわしい、せからしい…など |
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18 | やかましもん 《詳しくはこちら》 |
【標準語】口うるさい人 【意味等】ご意見番、うるさ型、見識者 【類義】やかましや→口うるさい性格 【参考】やかましか(口うるさい)+もん(者) 【用例】「ばばしゃんなヤカマシモンやったが…爺さんな仏様のごと静かな人やった」 →「祖母は口うるさい人だったが…祖父は仏様のように静かな人だった」 |
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19 | やかましや 《詳しくはこちら》 |
【標準語】口うるさい性格 【意味等】うるさ型、文句を言わずにいられない性質 【類義】やかましもん→口うるさい人 【参考】やかましか(口うるさい)+や(屋) 【用例】「今度の課長なヤカマシヤやけん、何かあったら…呼びつけて怒んなあと」 →「今度の課長は口うるさい性格なので、何かあったら…呼びつけて怒るんだ」 |
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20 | やがらもがら |
【標準語】がらくた 【意味等】値うちのない雑多な道具、つまらない物品 【参考】由来不明、海賊の武器に「やがらもがら」というものがあるが関連は不明 【用例】「閉店セールい行たが、よかとな売れっしもうて、あるたあヤガラモガラ」 →「閉店セールに行ったけど、良いのは売れてしまって、あるのはガラクタ」 |
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21 | やきやき 《詳しくはこちら》 |
【標準語】熱っぽい、やきもき 【意味等】 (1)「熱っぽい」のやきやき 《意味》熱を持つ、焼ける感覚、火照る 《参考》身体に異常が発生したときに感じる不快な感覚のひとつ (2)「やきもき」のやきやき 《意味》ひやひや、はらはら、いらいら 《参考》精神的なひっ迫などの焦燥感から派生する感情のひとつ 【参考】由来は「焼き」の反復語で「やきやき」、感覚や感情として使う |
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22 | やきやきする 《詳しくはこちら》 |
【標準語】熱っぽくなる、やきもきする 【意味等】 (1)「熱っぽくなる」のやきやきする 《意味》熱を持っている、むかむかする、火照っている 《参考》身体の一部が熱を持ったり、消化不良になったときの感覚 《用例》短い用例 ・顔のヤキヤキスル→顔が赤くなる(火照る) ・胸のヤキヤキスル→胸やけがする(消化不良) (2)「やきもきする」のやきやきする 《意味》ひやひやする、はらはらする、いらいらする 《参考》精神的なひっ迫による焦りや怒りなどで気をもむこと 《用例》「結果発表な、まだかいな?合格しとるやろうか?ああ…ヤキヤキする」 →「結果発表は、まだなのか?合格しているだろうか?ああ…やきもきする」 【参考】やきやき(熱っぽい、やきもき)+する |
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23 | やく |
【標準語】厄年 【意味等】災難に遭うといって恐れ慎む年(陰陽道)、厄年 【参考】由来は「やくどし」を短めた言い方 |
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24 | やくない 《詳しくはこちら》 |
【標準語】つまらない、役に立たない 【意味等】 (1)「つまらない」のやくない 《意味》価値がない、取るに足りない 《用例》「創業祭の記念品ば配んなったが…ほんに粗品、ヤクナイもんやった」 →「創業祭の記念品を配ってたけど…本当に粗品、取るに足らないものだった」 (2)「役に立たない」のやくない 《意味》役に立たない、使い物にならない 《用例》「福引の特賞の当たったばってん、ヤクナカげさっか食器セットやった」 →「福引の特賞に当たったんだけど、使い物にならない品のない食器セットだった」 【同義】しかたむない、しかとむない、しかともない、やくない 【参考】「益無い」または「役無い」の音変異で、利益がないや役に立たないの意 |
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25 | やくやく |
【標準語】わざわざ 【意味等】念に念を入れて、くれぐれも、ことさらに 【参考】由来は、古語の「役役(やくやく)」で同意、本来は「個々の役目」のこと 【用例】「このボタンば押さんごと、ヤクヤク言うとったとい…押しなあっちゃもん」 →「このボタンを押さないように、くれぐれも言ってたのに…押しちゃうんだもの」 |
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26 | やぐらまわし |
【標準語】櫓回し 【意味等】刈り取った稲わらの干し方のひとつ 【参考】穂の部分を結束して茎の部分を円形に広げて干す、櫓のような形状になる |
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27 | やけくさか |
【標準語】焦げ臭い 【意味等】きな臭い、焼け焦げた匂いがする、何か焼けている臭さがする 【参考】やけ(焼ける)+くさか(臭い)→きな臭い 【用例】「ヤケクサカ!ストーブの上い洗濯もんのおてて燃えよう、こらあおおごと」 →「焦げ臭い!ストーブの上に洗濯物が落ちて燃えている、こりゃ大変だ」 |
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28 | やけはた |
【標準語】火傷 【意味等】火や熱湯などの高温に触れて皮膚を傷めること、また、その傷 【参考】由来は「焼け肌(やけはだ)」、「焼け端」説もあるが意味は不明 |
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29 | やける |
【標準語】蒸れる、のぼせる 【意味等】 (1)「蒸れる」のやける 《意味》熱を持つ、米麦が湿気をおびて熱を持つ 《参考》蒸れたり発酵したりするなどして物理的に熱を帯びること 《用例》「畑いマルチば張ってん…土のヤケルけん細菌の死んで、病気いなりにっか」 →「畑にマルチを張ってごらん…土が蒸れるので最近が死んで、病気になりにくい」 (2)「のぼせる」のやける 《意味》いらだつ、焦る、赤面する、あがる 《参考》緊張や怒りなどの影響で精神的に熱を帯びること 《用例》「あえな顔で…こえな美人ば彼女いしたげな、なんか間違うとう…ヤケルや」 →「あんな顔で…こんな美人を彼女にしたそうだ、何か間違っている…いらだつよ」 |
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30 | やけん |
【標準語】だから 【意味等】であるから、だからして 【同義】だけん、やけん 【参考】や(そうや)+から(接続詞:原因や理由を示す) 【用例】「なん、忘れた?ヤケン…ちゃんとメモばしとけって、言いよっつろうが」 →「何、忘れた?だから…ちゃんとメモをしておけと、言っていたでしょうが」 |
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31 | ヤサイエンドウ |
【標準語】シロエンドウ(農業用語) 【意味等】マメ科エンドウ属の越年草、エンドウの白色品種で花や種子が白色のもの 【参考】ヨーロッパ原産の野菜、種子の他に若い豆果も食べられる |
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32 | やざいかざい |
【標準語】一切合切 【意味等】ある物すべて、全部 【参考】由来は「屋財家財」財産すべての意 【類義】そうよう、あるしこ 【用例】「留守いしとったが、ぬすとの…金目のもんなヤザイカザイ、のうなった」 →「留守にしていたら…泥棒が、金目の物はある物すべて、無くなった」 |
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33 | やしまご |
【標準語】玄孫(やしゃご) 【意味等】自分から四等親にあたる直系卑族、孫の孫、ひ孫の子 【参考】由来は「玄孫(やしわご)」の音変異、漢字「玄」の意味は…はるか遠い |
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34 | ヤジラミ |
【標準語】アオダイショウ 【意味等】青大将、ナミヘビ科 ナメラ属に分類されるヘビ、屋敷に棲みつく青大将 【参考】由来は「家虱」家敷に棲みつくことから「家のシラミ」説が有力 【関連】ネズミの天敵なので重宝され駆除されることは少ない 【同義】オナヌッサン、ヤジラミ 【用例】「田舎やけん、ヤジラミの天井裏い棲みついて…たまいネズミば食いよると」 →「田舎なので、青大将が天井裏に棲みついて…たまにネズミを食っているんだ」 |
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35 | ヤズ |
【標準語】ブリ(幼名) 【意味等】体長50cm程度のブリ、ハマチ、スズキ目アジ科に分類される海水魚の一種 【参考】ブリは成長に伴い、モジャコ→ツバス→ヤズ→ワサラ→ブリと呼び名が変わる |
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36 | やすい 《詳しくはこちら》 |
【標準語】容易い 【意味等】容易、やさしい、わけない、簡単 【同義】きやすい、やすい 【用例】「世界の平和な…みんなの願い、ばってん、維持するたあヤスイことやなか」 →「世界の平和は…みんなの願い、でも、維持することは容易いことではない」 |
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37 | やすうかう 《詳しくはこちら》 |
【標準語】侮る 【意味等】甘く見る、見下げる、なめてかかる、軽く見る、馬鹿にする 《参考》やすう(容易に)+かう(買う:引き受ける)→簡単と思って対応する 《用例》「しゃばかと思うてヤスウカウけん…あんかといボコボコいされるったい」 →「弱いと思って侮るから…あんなやつにボコボコにされちゃうんだ」 |
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38 | やすっぽう |
【標準語】安物 【意味等】格下の品物、品質などが劣る安価な物 【参考】やす(安い)+っぽう(軽蔑の表現)、「安っぽい」の音変異の説もある 【用例】「稼ぎようっちゃけん、ヤスッポウばっかり買いなんな、貧相い見ゆるばい」 →「稼いでるんだから、安物ばかり買うなよ、貧相に見えるぞ」 |
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39 | やせがます 《詳しくはこちら》 |
【標準語】やせっぽち 【意味等】痩せた人、やせて細い人、痩せこけている人 【参考】由来は古語の「干魳(ひがます)」に出る、漢字で「痩魳(やせがます)」 ・カマスの干物のことであるが、その姿かたちから、痩せ細った人を嘲る言い方 【同義】ひがます、やせがます、やせぎす、やせっぽす、やせこんこつ 【類義】がじくる:痩せ細った状態、貧相になった様 【用例】「嫁いするならワリワリした女性がよか、ヤセガマスは美人でちゃ…好かん」 →「嫁にするならゴツイ体形の女性がいい、痩せっぽっちは美人でも…嫌いだ」 |
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40 | やせぎす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】やせっぽち 【意味等】「やせがます」に同じ 【参考】「痩螽蟖」から出る、「螽蟖」はキリギリス、「螽」はイナゴ ・「螽(いなご)」などの昆虫は、古来、痩せた生き物として認識されている 【用例】「ポッチャリしたとが好いとう、ヤセギスな…一緒いおって気の落ち着かん」 →「ポッチャリした人が好きだ、痩せた人は…一緒にいて気が落ち着かない」 |
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41 | やせこつ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】やせっぽち 【意味等】「やせがます」に同じ 【参考】由来は「痩根骨(やせこんこつ)」(手足が痩せている)の音変異と思われる 【用例】「えらいヤセコツやが…そえん食の細かと?虐待やらしよりめえな?」 →「ひどく痩せているけど…そんなに食が細いの?虐待などしてないでしょうね?」 |
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42 | やせこんこつ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】やせっぽち 【意味等】「やせがます」に同じ 【参考】語源は「痩根骨」(手首や足首が細く痩せていること)と思われる ・根骨には、手根骨(手首の骨)と足根骨(足首の骨)があり、手足首を構成する骨 【用例】「子供い、よかもんば食わせなぁ…ヤセコンコツで、がじけよるが」 →「子供に、いいものを食べさせなきゃ…痩せっぽっちで、貧相になってるよ」 |
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43 | やせっぽす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】やせっぽち 【意味等】「やせがます」に同じ 【参考】「痩せっぽち」の音変異、よく似た言葉に「よわっぽす:弱虫」がある ・やせ(痩せ)+ぽす(法師)→痩せっぽち、よわ(弱い)+ぽす(法師)→弱虫 【用例】「こまかときゃヤセッポスやったが…えらい、じょうもんさんになったねえ」 →「小さい時は痩せっぽちだったけど…とても、綺麗なお嬢さんになったねえ」 |
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44 | やぜなか |
【標準語】鬱陶しい 【意味等】うるさい、うざい、煩わしい、面倒臭い、やるせない 【同義】やぜなか、やぜらしか 【類義】うっとうらしか、しぇからしか、めんどうらしか 【由来】同義「やぜらしか」の短縮・音変異 【用例】「テレビ観よるとい横でベチャベチャ…ヤゼナカ、何て言いよるか聞こえん」 →「テレビ観てんのに横でペチャクチャ…うるさい、何て言ってるのか聞こえない」 |
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45 | やぜらしか |
【標準語】鬱陶しい 【意味等】「やぜなか」に同じ 【参考】「うぜらしい」「うざったい」という地域もあり、同じ由来と思われる ・「うぜうぜ」や「うざうざ」は、虫など「うじゃうじゃ」気持ち悪い状態を表す ・由来は「うぜらしい」の音変異、やぜ(うざい)+らしい(状況)と思われる 【用例】「あれが来るなら飲みい行かん…酔うたらグゼグゼ言うて、ヤゼラシカとぜ」 →「あいつが来るなら飲みにかない…酔ったらくだを巻いて、鬱陶しいんだよ」 |
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46 | やたて |
【標準語】鉄槌 【意味等】大型の金槌、鉄製の杭打ち 【同義】ぼんごし、やたて 【参考】由来は不明 |
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47 | やっこ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】競走、競技 【意味等】「やい」に同じ 【参考】や(相)+こ(競う/類例:かけっこ、睨めっこ)→相競う 【用例】「わっか娘の、相撲取りと食いヤッコしなったが…きやすう勝ちなった」 →「若い娘が、相撲取りと大食い競争したんだけど…簡単に勝っちゃった」 |
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48 | やっこくる |
【標準語】焼き捨てる 【意味等】焼いて捨てる、焼いて放置する 【同義】やっこくる、やっこする 【参考】やっ(焼く)+こくる(接尾語:動詞の連用形について動作を強調) 【用例】「彼と別れたけん、思い出の写真やら何やら…そうようヤッコクリようと」 →「彼と別れたので、思い出の写真や何やと…すべて焼き捨てているの」 |
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49 | やっこする |
【標準語】焼き捨てる 【意味等】「やっこくる」に同じ 【参考】やっ(焼く)+こする(動作を強調する接尾語:「こくる」に同じ) 【用例】「この書類ばヤッコスッタら、証拠いなるとののうなって…完全犯罪たい」 →「この書類を焼き捨てたら、証拠になるものが無くなって…完全犯罪だよ」 |
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50 | やっさい 《詳しくはこちら》 |
【標準語】しきりに 【意味等】何度も、たびたび、ひっきりなしに 【同義】やっさい、やっさか、やっさと、やっさに、やっさり、やっされ、やっさんこいさ、やっちゃんこいし 【参考】由来は不明、「身をやつすほど熱中する」の「やつす」が語源という説あり 【用例】「さいぜんから、ヤッサイ吐気のするとやが…何か悪かとば食うたかいな?」 →「さっきから、しきりに吐気がするんだけど…何か傷んだものを食ったのかな?」 |
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51 | やっさか 《詳しくはこちら》 |
【標準語】しきりに 【意味等】「やっさい」に同じ 【用例】「ダウンしたっちゃ、ヤッサカ起き上がってしかかんなあ…根性のあるぜ」 →「ダウンしても、何度も起き上がって殴りかかっていくんだ…根性があるよ」 |
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52 | やっさと 《詳しくはこちら》 |
【標準語】しきりに 【意味等】「やっさい」に同じ 【用例】「振られたっちゃ、ヤッサト告白しなあとやが…ストーカーと違わんもん」 →「振られても、何度も告白するんだけど…ストーカーと違うことない」 |
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53 | やっさに 《詳しくはこちら》 |
【標準語】しきりに 【意味等】「やっさい」に同じ 【用例】「明日あ早かけん、ヤッサニ帰れて言いようとい…5次会まで行っとんなあ」 →「明日は早いので、しきりに帰れと言ってるのに…5次会まで行っちゃったんだ」 |
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54 | やっさもっさ |
【標準語】大騒ぎ 【意味等】どたばた、やかましい様子、大騒動、取り騒ぐ様 【参考】由来は諸説ある ・やっさ(かろうじて、大急ぎで)+もっさ(意味なし:調子合わせ)→どたばた ・平安時代の神楽歌「きりぎりす」に出る「オッサマッサ」の音変異 ・『栄華物語』の記事、法成寺建立の際の掛け声「エサマサ」に出る 【用例】「初めとの作品で…新人賞、取材やらお祝いやら…ヤッサモッサしよります」 →「初めての作品で…新人賞、取材やお祝いなどで…大騒ぎになっています」 |
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55 | やっさり 《詳しくはこちら》 |
【標準語】しきりに 【意味等】「やっさい」に同じ 【用例】「爺しゃんの、ヤッサリおんなじ事ば訊いてきなぁが、ぼけよんなれん?」 →「爺ちゃんが、たびたび同じ事を訊いてくるんだけど、認知が始まってない?」 |
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56 | やっされ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】しきりに 【意味等】「やっさい」に同じ 【用例】「男の人から、ヤッサレ電話のかかってきよるごたるが…誰な?彼氏な?」 →「男の人から、しきりに電話がかかってきているようだが…誰だい?彼氏かい?」 |
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57 | やっさんこいさ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】しきりに 【意味等】「やっさい」に同じ 【用例】「質問な…いっぺんに訊いちゃり、ヤッサモッサ訊かれたら…仕事いならん」 →「質問は一度に訊いてくれないか、ひっきりなしに訊かれたら…仕事にならない」 |
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58 | やっしゃぶ |
【標準語】乱れ髪 【意味等】女性の乱れ髪、髪が乱れていること 【参考】由来は不明。やっしゃ(夜叉)+ぶ(ぶる:振る舞うことを表す接尾語) 【用例】「ああた、髪ば長うしとうけん…ヤッシャブなったら、幽霊のごとえずか」 →「あなた、髪を長くしているので…乱れ髪になったら、幽霊のように怖い」 |
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59 | ~やった 《詳しくはこちら》 |
【標準語】~だった 【意味等】~でした(過去の事実を断定する言い回し) 【参考】やっ(やる)+た(過去の助動詞)→だった(過去に行ったという意味) 【類義】~んやった 《意味》~なかった(過去を打ち消す言い回し) 《参考》~ん(~ない:打消し)+やった(だった)→~なかった 【関連】語尾につかない「やった」は、過去の行為が成功した喜びの感情も表す 【用例】「♪ああああ~♪長崎ぃは~…♪今日ぉもぉ~♪ぁ雨ぇヤッタ~♪」 →「♪ああああ~♪長崎ぃは~…♪今日ぉもぉ~♪ぁ雨ぇだった~♪」 |
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60 | やったかみたか |
【標準語】一か八か 【意味等】伸るか反るか、運を天に任せてするさま、成功するか失敗するか 【参考】やるなり見るなり…やってみないと結果は分からないという意味 【同義】うんてんばんてん、とったかみたか、やったかみたか 【用例】「最終レース…ヤッタカミタカで財布の金ばそうよ突っ込んだら、しまえた」 →「最終レース…伸るか反るかで財布の金をすべて掛けたら、オケラになった」 |
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61 | やったやった 《詳しくはこちら》 |
【標準語】でかしたでかした 【意味等】行為が成功したことに歓喜・祝福する言葉「やった」の反復語 【参考】やっ(やる:でかす)+た(過去の助動詞)→でかした 【用例】「ヤッタヤッタ…フィーバー10連チャン、今日のパチンコな大勝ちばい」 →「でかしたでかした…フィーバー10連チャン、今日のパチンコは大勝ちだい」 |
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62 | やっちゃんこいし 《詳しくはこちら》 |
【標準語】しきりに 【意味等】「やっさい」に同じ 【用例】「ヤッチャンコイシい話しかけてくるけん、手元の狂うた…集中でけめえが」 →「ひっきりなしに話しかけてくるので、手元が狂った…集中できないでしょ」 |
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63 | やってかます |
【標準語】やってのける 【意味等】やり遂げる、やり通す、し遂げる、やりのける 【参考】やって(して)+かます(する:衝撃を与えるややっつけるの意) 【用例】「難しかプロジェクトの責任者いなった…ヤッテカマイて成功させちゃる」 →「難しいプロジェクトの責任者になった…やり遂げて成功させてやる」 |
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64 | やっとかっと 《詳しくはこちら》 |
【標準語】かろうじて 【意味等】やっとのことで、どうにかこうにか、わずかに、ぎりぎり 【同意】ほにょっと、やっとかっと、やっとこっと 【参考】由来不明、やっと(やっとこさ)+かっと・こっと(調子づけで意味なし) 【用例】「電車の遅れたと…駅から必死豆炭で走って、ヤットカット間におうたとよ」 →「電車が遅れたんだ…駅から一生懸命に走って、やっとのことで間に合ったんだ」 |
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65 | やっとこっと 《詳しくはこちら》 |
【標準語】かろうじて 【意味等】「やっとかっと」に同じ 【用例】「塾いやって、家庭教師もつけて…で、ヤットコットあの大学い通んなった」 →「塾にやって、家庭教師もつけて…で、かろうじてあの大学に合格したんだ」 |
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66 | やっとる 《詳しくはこちら》 |
【標準語】失敗する、罰が当たる 【意味等】 (1)「失敗する」のやっとる 《意味》やり損ねる、良くないことをする 《同義》やっとる、やらかす、やりかぶる、やりそこのう 《参考》由来は「失敗をやっている」の言い換え、悪く言うときにも使う 《用例》「バンパーの凹んどうたあ…よおと確認せんでバックして、ヤットルったい」 →「バンパーが凹んでいるのは…よく確認せずにバックして、やり損ねたんだ」 (2)「罰が当たる」のやっとる 《意味》天罰だ、因果応報だ 《参考》由来は、日ごろの行いが「失敗」を招いたという悪口 《用例》「客ば騙くらかいて…捕まんなった、だめしか稼ぎばするけん…ヤットル」 →「客を騙して…捕まっちゃった、汚い稼ぎ方をするから…罰が当った」 |
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67 | やっとるたい 《詳しくはこちら》 |
【標準語】罰が当っている 【意味等】天罰が下っている、因果応報だ 【参考】やっとる(罰が当った)+たい(です)→罰が当ったんだよ 【用例】「安か給料でこき使うけん、従業員のいっぺんに辞めたげな…ヤットルタイ」 →「安い給料でこき使うから、従業員が一度に辞めちゃったそうだ…因果応報だ」 |
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68 | やっぱあ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】矢張り(やはり) 【意味等】やっぱり、予想した通り、結局は 【参考】 ・由来は「やはり」の音変異「やっぱり」が、さらに音変異したものと思われる ・「やっぱし」「やっぱー」「やっぱ」などに音変異して、広く全国で使われる 【同義】やっぱあ、やっぱれ 【用例】「旨かもんも食うて、旅行な楽しかったばってん…ヤッパア家がいっち良か」 →「旨いものも食って、旅行は楽しかったけど…やはり家が一番良い」 |
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69 | やっぱれ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】やはり(矢張り) 【意味等】「やっぱあ」に同じ 【用例】「ヤッパレ、これが犯人やった。この俳優な悪役の多かけん、すぐ分かった」 →「やはり、こいつが犯人だった。この俳優は悪役が多いので、すぐ分かった」 |
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70 | やど |
【標準語】糠味噌 【意味等】糠床、野菜などを漬け込む糠を加工し発酵させたもの、その容器(桶や甕) 【参考】語源は「宿」、漬物を漬ける(糠味噌・乳酸菌の)宿の意でしょうか? 【用例】「こだわんなあ人あ、ねまらんごと…毎日、ヤドば掻き混ぜて大事いしなあ」 →「こだわってる人は、傷まないよう…毎日、糠床を掻き混ぜて大事にしている」 |
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71 | やなおり |
【標準語】引っ越し 【意味等】「やおつり」(1)に同じ 【参考】由来は「家直り」、住所移転のこと 【用例】「市営住宅の抽選い当たったけん、やっと仮設住宅からヤナオリでけます」 →「市営住宅の抽選に当たったので、やっと仮設住宅から引っ越しできます」 |
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72 | ~やない |
【標準語】~ではない 【意味等】~じゃない、否定の宣告・主張 【同義】~やない、~やなか 【用例】「ちがあ…そえんヤナイ、そえな包丁の持ち方しよったら…手ば切るが」 →「違う…そうじゃない、そんな包丁の持ち方をしてたら…手を切っちゃうぞ」 |
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73 | ~やなか |
【標準語】~ではない 【意味等】「~やなか」に同じ 【用例】「俺ヤナカ…おらあ、たいがい悪そうばってん…そえな卑怯かこたあせん」 →「俺じゃない…俺は、それなりにワルだけど…そんな卑怯なことはしない」 |
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74 | やね |
【標準語】やに、竹藪、家屋の陰の部分、山際 【意味等】 (1)「やに」のやね 《意味》脂、ヤニ 《参考》めやね→目やに、まつやね→松脂 (2)「竹藪」のやね 《意味》竹林、タケが群生している所、たかやぶ 《参考》由来不明 (3)「家屋の陰の部分」のやね 《意味》家の陰になる部分 《参考》由来不明、屋根の下なので「やね」?家屋の根っ子で「やね(家根)」? (4)「山際」のやね 《意味》山の日陰地、山の際 《参考》由来不明、山の根っ子にで「山根」?さらに音変異で「やね」? |
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75 | やねこぎとうぐわ |
【標準語】開墾鍬(農業用語) 【意味等】竹藪のタケを根こそぎ引き抜く唐鍬の一種 【参考】やね(竹藪)+こぎ(扱ぐ→根こそぎ引き抜く)+とうぐわ(唐鍬:農具) 【用例】「今あ重機のあるばってん、昔なヤネコギトウグワで開墾しよんなったげな」 →「今は重機があるけど、昔は開墾鍬で開墾していたそうだ」 |
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76 | やねふきさん |
【標準語】屋根職人 【意味等】屋根を葺く職人、屋根屋 【用例】「棟上げのしまえたけん…明日からヤネフキサンの、現場い入んなあと」 →「棟上げが終わったので…明日から屋根を葺く職人が、現場に入るんだ」 |
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77 | やぶくら |
【標準語】藪 【意味等】草木が繁茂し合っている所、草木や竹などが群生した所 【同義】やぶくら、やぶんごう、やぼ、やぼくら 【参考】やぶ(藪)+くら(蔵:覆われた・閉じられた部分) |
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78 | ヤブレガサ |
【標準語】カヤツリグサ 【意味等】蚊帳吊草、カヤツリグサ科カヤツリグサ属の一年生植物 【参考】田畑や畔などに生える雑草 |
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79 | やぶんごう |
【標準語】藪 【意味等】「やぶくら」に同じ 【参考】やぶ(藪)+ん(の)+ごう(ごうな/豪な→甚だしい、大きな) |
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80 | やぼ |
【標準語】藪、乱れ髪、イバラ 【意味等】 (1)「藪」のやぼ 《意味》「やぶくら」に同じ 《参考》由来は「やぶ(藪)」の音変異 (2)「乱れ髪」のやぼ 《意味》櫛が入っていないグチャグチャの髪型 《参考》藪のように手を加えていない乱れた髪型 (3)イバラ 《意味》刺(とげ)が多い低木類の総称 《参考》薮状に繁茂する性質があるため |
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81 | やぼくら |
【標準語】藪 【意味等】「やぶくら」に同じ 【参考】「やぶくら」の音変異 |
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82 | やま |
【標準語】博多祇園山笠、山車 【意味等】 (1)「博多祇園山笠」のやま 《意味》博多祇園山笠の総称、追い山笠や飾り山笠はもちろん祭全体をいう 《用例》「博多っ子やなかばってん、ヤマのぼせで…毎年、糸島からかきいきなあ」 →「博多っ子じゃないけど、博多祇園山笠好きで…毎年、糸島から参加するんだ」 (2)「山車」のやま 《意味》祭礼で参加者が引いたり担いだりして移動する山車や山笠 |
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83 | ヤマイニシギ |
【標準語】ゴマギ 【意味等】胡麻木、スイカズラ科ガマズミ属の落葉小高木 【参考】枝葉からゴマのような香りがする |
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84 | ヤマイモ |
【標準語】ヤマノイモ 【意味等】山の芋、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性多年草、またその担根体の芋 【参考】自然薯とも呼ばれ、粘性が高く…すりおろして、そのまま生でも食べられる |
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85 | ヤマイン(やまいん) |
【標準語】オオカミ、野良犬 【意味等】 (1)「オオカミ」のヤマイン 《意味》イヌ科イヌ属のオオカミ亜目のオオカミ、ニホンオオカミ(絶滅種) 《参考》昔は日本各地に生息していたが20世紀初頭に絶滅した (2)「野良犬」のやまいん 《意味》野犬、飼い主のいないイヌ、野生化したイヌ 《参考》やま(山などに棲む野良)+いん(犬)、ニホンオオカミの誤用 |
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86 | ヤマウサギ |
【標準語】ニホンノウサギ、カマドウマ 【意味等】 (1)「ニホンノウサギ」のヤマウサギ 《意味》日本野うさぎ、ウサギ目(兎形目)ウサギ科ノウサギ属に分類されるウサギ 《参考》旧和名はノウサギ、野生のウサギで昔は食用に狩られていた (2)「カマドウマ」のヤマウサギ 《意味》 ・バッタ目カマドウマ科に分類される昆虫の一種 ・御釜蟋蟀(オカマコオロギ)、竈馬(カマドウマ)便所蟋蟀(便所コオロギ) 《参考》狭所や暗所、湿気のある所などに生息するため、御釜や竈、便所を名に持つ |
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87 | ヤマエンバ |
【標準語】ヤンマ 【意味等】蜻蜓、トンボ目不均翅亜目ヤンマ科の昆虫の総称、及びオニヤンマ科の昆虫 【参考】大型のトンボ、広義にはエゾトンボ科やサナエトンボ科などの昆虫も含む |
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88 | やまおろし |
【標準語】山颪(やまおろし) 【意味等】桜の花が咲くころ背振山地から吹きおろす強い風 【関連】佐賀県側では山から吹き下ろす寒風を「背振おろし」と呼んでいる |
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89 | やまかき |
【標準語】山笠行事 【意味等】博多祇園山笠の一連の行事、「やま」(1)に同じ |
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90 | やまかわじん 《詳しくはこちら》 |
【標準語】偏屈な人 【意味等】反対ばかりする人、性質が偏っている人、ひねくれている人 【参考】由来は「山川人」、山と言えば川と言うように反対のことをしたがる人 【類義】げってん→変人 【用例】「うちゃあ、あたきも…かかしゃんもヤマカワジンやけん、喧嘩ばっかし」 →「うちは、私も…妻もひねくれ者なので、喧嘩ばかり」 |
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91 | やまぐさかり |
【標準語】秣刈(まぐさかり) 【意味等】肥料や牛馬の飼料とする草を山に刈りに行くこと 【参考】やまぐさ(山の万久佐:馬草・蒭・秣)+かり(刈り) 【関連】昔は有機農法だったので、牛馬の糞尿は肥料、牛馬は農機具として重要だった |
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92 | やまこう |
【標準語】両方の先端が尖った担い棒 【意味等】両端に藁束などを突き刺して担いで運ぶ棒 【同義】そがりぼう、そぎぼう、とんがりぼう、やまこう 【類義】いない棒(棒の両端に桶などの荷物をかけて担いで運ぶ棒) 【参考】尖り棒:両端を削いで尖らせた棒 |
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93 | やましお |
【標準語】山津波 【意味等】土石流、山体崩壊、豪雨や地震等での地盤液状化に起因する大規模な山崩れ 【参考】由来は「山潮(やましお)」山肌が液状化して麓に向かって崩れ流れる現象 【用例】「伊豆のヤマシオなあ…投棄した残土げな、原因な手抜き工事…人災らしか」 →「伊豆の山津波は…投棄した残土だそうだ、原因は手抜き工事…人災らしい」 |
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94 | やまぜ |
【標準語】東南風 【意味等】東南の方から吹いてくる風 【参考】由来は「山背」、山地を背に吹いてくるところからいう 【関連】全国各地域で「やませ、やまぜ」で使われる、地域によって風の吹き方が違う |
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95 | ヤマタケ |
【標準語】イタドリ 【意味等】虎杖、タデ科の多年生植物、春先の若芽は食用になる 【参考】由来は、若葉を揉んで傷につけると痛みが和らぐ・取れることから「痛取り」 |
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96 | ヤマチョウチョウ |
【標準語】アゲハチョウ 【意味等】揚羽蝶、チョウ目アゲハチョウ上科内のひとつの分類単位 【参考】アゲハチョウは、日本では主にナミアゲハをいう |
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97 | ヤマテラシ |
【標準語】ハクサンボク 【意味等】白山木、レンプクソウ科ガマズミ属の常緑小高木 |
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98 | ヤマナシ |
【標準語】ザイフリボク 【意味等】采振木、バラ科ザイフリボク科の小高木、シデザクラ |
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99 | やまねこ |
【標準語】密造酒、野良猫、猿 【意味等】 (1)「密造酒」のやまねこ 《意味》密造酒、林の中などに隠して秘かに造った酒、密売酒 《参考》糸島弁、主に「どぶろく」のこと、対馬でも使われる方言 《用例》「昔な、税務署からヤマネコ捜しい…藁小屋やら棒ば刺して調べよんなった」 →「昔は、税務署から密造酒を捜しに…藁小屋などに棒を刺して調べていたよ」 (2)「野良猫」のやまねこ 《意味》どろぼうねこ、人に飼われていないネコ、どらねこ 《同義》ぬすとねこ、やまねこ 《用例》「ヤマネコの物置い子ば産んで…飼いもされんで、おうじょうしとります」 →「野良猫が物置に子を産んで…飼うこともできないので、困っているんです」 (3)「猿」のやまねこ 《意味》山猿、田舎から出てきた者を小馬鹿にする語 |
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100 | やまねこの めのひかる おそろしや はよにげれ |
【標準語】鬼ごっこの20まで数える言い方 【意味等】1~20、20文字を言う事で20まで数えたこととする言葉 【参考】山猫の目の光る…怖ろしや早よ逃げれ→山猫の目が光る…怖ろしい早く逃げろ |
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101 | やまのかみ |
【標準語】口うるさい女房 【意味等】嚊(かかあ)、結婚してから何年も経って口やかましくなった妻 【参考】由来は「山の神」、山の神は時々荒れることから、全国的に広く使われる方言 |
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102 | やまのみゆる |
【標準語】山が見える 【意味等】今後の見通しがつく、先の目安がつく 【用例】「難工事やったばってん…トンネルのでけて、ヤマノミユルごとなってきた」 →「難工事だったけど…トンネルが完成し、今後の見通しがつくようになってきた」 |
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103 | やまみ |
【標準語】魚見(漁業用語) 【意味等】魚群などの状況を見張るための海際の高台の小屋、またそこでの見張番 |
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104 | やまのくずれる |
【標準語】幼児が不機嫌になる 【意味等】子どもが不機嫌になり手を焼く、なだめが効かないほど不機嫌になる 【参考】由来は「山崩れ」、山津波(土石流や山体崩壊)など手がつけられない状況 |
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105 | ヤマミカン |
【標準語】シャシャンボ 【意味等】南燭、ツツジ科スノキ属の常緑小高木、小さな実が生り食べられる 【参考】由来は、古語名の「サシブ(烏草樹)」の音変異 |
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106 | ヤマユリ |
【標準語】山中に生えるユリ 【意味等】鬼百合(オニユリ)、山百合(ヤマユリ)、ユリ科ユリ属の多年生植物 【参考】オニユリは中国原産、ヤマユリは在来種、どちらもユリネは食べられる |
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107 | やや |
【標準語】赤ん坊、母、人形 【意味等】 (1)「赤ん坊」のやや 《意味》赤ちゃん、やや子、生まれて間もない子、あかご(赤子)、みどりご(嬰児) 《同義》やや、ややさん 《参考》由来は「漸漸子(やうやうこ)」次第に大きくなる子の意 (2)「母」のやや 《意味》母親、やや(赤ん坊)の女親 《参考》由来不明、「親(おや)」の音変異と思われる (3)「人形」のやや 《意味》人形 《参考》由来不明、人形はままごと(遊び)の赤ちゃん役で使われるためか? |
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108 | ややくるしか 《詳しくはこちら》 |
【標準語】面倒臭い、難しい 【意味等】 (1)「面倒臭い」ややくるしか 《意味》非常に煩わしい、面倒、とても鬱陶しい 《用例》「こえんヤヤクルシカたあ、俺の性い合わん…もう、せん、ほからかいとく」 →「こんなに面倒臭いのは、俺の性に合わない…もう、しない、放ったらかしとく」 (2)「難しい」のややくるしか 《意味》ややこしい、手こずる、難儀する 《用例》「すぐ片付くと思うとったが、保証やら裁判やら…ヤヤクルシュウなりよう」 →「すぐ片付くと思ってたが、保証や裁判などと…難しいことになりつつある」 【同義】めんどい、めんどうらしか、ややくるしか、ややくろしか 【類義】うっとうらしか(鬱陶しい) 【参考】由来は諸説 《説1》古語「ややむ(思いわずらう)」に由来する ・ややむ(思いわずらう)+くるしか(苦しい)→精神的に苦しい 《説2》「やや(赤ん坊)」の世話の面倒さに由来する ・ややこ(赤ん坊:世話が面倒)+しか(である)→お世話が面倒 |
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109 | ややくろしか 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ややこしい 【意味等】「ややくるしか」に同じ |
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110 | ややさん |
【標準語】赤ん坊 【意味等】「やや」(1)に同じ |
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111 | やらかす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】失敗する 【意味等】「やっとる」(1)に同じ 【用例】「料理の来んって、客のはらかきようたあ…あたきが、注文ばヤラカイたと」 →「料理が来ないって、客が怒っているのは…私が、注文をやりそこなったの」 |
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112 | やらやら 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ひりひり、いりいり 【意味等】 (1)「ひりひり」のやらやら 《意味》 ぴりぴり、皮膚や喉などが痛みや辛みなどの小さな刺激を感じる様 《用例》「この店の麻婆豆腐な、えらい辛かったや…まーだ、舌のヤラヤラしよう」 →「この店の麻婆豆腐は、ひどく辛かったよ…まーだ、舌がぴりぴりしている」 (2)「いりいり」のやらやら 《意味》 刃物などよく切れそうな様、尖って鋭い様 《参考》博多・糸島弁の「いりいり」は、引き締った様や反応が鋭敏で賢い様を言う 《用例》「あんたぁ、包丁ば砥ぐとの上手か…ヤラヤラして、何ちゃ切りょうごたる」 →「あなたは、包丁を研ぐのが上手だ…よく切れそうで、何でも切れそうだ」 |
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113 | やり 《詳しくはこちら》 |
【標準語】しなさい、ください、あげなさい 【意味等】 (1)「しなさい」のやり 《意味》やりなさい 《同義》し、せれ、やり 《用例》「午後から、友達のあすびい来なあとなら…今のうちい宿題ばヤリんしゃい」 →「午後から、友達が遊びに来るのなら…今のうちに宿題をおやりなさい」 (2)「ください」のやり 《意味》ちょうだい 《用例》「旨かろうごたあミカンやね…ヤリ」「300円…井田原のとやけん、甘かよ」 →「旨そうなミカンだね…ちょうだい」「300円…井田原のものだから、甘いよ」 (3)「あげなさい」のやり 《意味》やりなさい 《用例》「独り占めせんと…弟の泣きよろうが、あんた兄ちゃんやけんヤリんしゃい」 →「独り占めするなよ…弟が泣いているだろ…あんたお兄さんだからあげなさいよ」 【同義】やり、やりない、やんない 【参考】活用(否定)の例(1)と(3) ・「やらん」:(1)しない、(3)譲らない ・「やられん」:(1)することができない、(3)譲ることができない |
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114 | やりかえる |
【標準語】やり直す、作り変える 【意味等】 (1)「やり直す」のやりかえる 《意味》最初からやり直す 《用例》「あんたんとこい修理い出いたとい、ようなっとらん…すぐいヤリカエテ」 →「あなたの所に修理に出したのに、よくなってない…すぐにやり直して」 (2)「作り変える」のやりかえる 《意味》作り変える、同様のものに仕立て直す 《用例》「データの重とうなって、システムの動かんけん…プログラムばヤリカエテ」 →「データが重たくなって、システムが動かないので…プログラムを作り変えて」 【参考】やり(実行する)+かえる(替える)→実行し直す、仕立て直す |
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115 | やりかぶる 《詳しくはこちら》 |
【標準語】失敗する 【意味等】「やっとる」(1)に同じ 【用例】「10個で注文した弁当の…100個も来とうって?あらーっ、ヤリカブッた」 →「10個で注文した弁当が…100個も来てるって?あらーっ、やり損ねた」 |
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116 | やりぎ |
【標準語】挽臼の柄 【意味等】挽臼を回すときに使う木の取手、挽臼を回すために差し込む木製の柄 |
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117 | やりそこのう 《詳しくはこちら》 |
【標準語】失敗する 【意味等】「やっとる」(1)に同じ 【用例】「計算ばヤリソコノウとる…商品な無うなったとい、箱のたいそ余っとう」 →「計算を間違えてる…商品は無くなったのに、箱が大量に余っている」 |
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118 | やりちらかす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】あれこれ手をつける、仕事を途中で放棄する、物品を譲渡しまくる 【意味等】 (1)「あれこれ手をつける」のやりちらかす 《意味》たくさんの仕事などに手を出す 《参考》やり(実施)+ちらかす(いちめん乱雑にする)→雑多なことに手をつける 《用例》「事業ばヤリチラカスたあ…事業拡大やなか、本業の回りよりめえが」 →「事業を多種多様に始めるのは…事業拡大じゃない、本業が滞っているでしょ」 (2)「仕事を途中で放棄する」のやりちらかす 《意味》仕事などを途中で放棄する、いい加減な仕事をする 《同義》やりちらかす、やりっぱなし 《参考》やり(実施)+ちらかす(いい加減にする、投げ出す)→いい加減な仕事をする 《用例》「提出期限な明日までんとい、5時いなったら…ヤリチラカイテ帰っとう」 →「提出期限は明日までなのに、5時になったら…仕事を放ったらかして帰ってる」 (3)「物品を譲渡しまくる」のやりちらかす 《意味》必要以上に物品をたくさんの人にあげる 《参考》やり(譲渡)+ちらかす(やりまくる)→物品を譲渡しまくる 《用例》「粗品やけん、ただぐらい思うてヤリチラカシようが…経費のかかっとうと」 →「試供品だから、無料と思って配りまくっているけど…経費が掛かってるんだ」 |
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119 | やりっぱなし 《詳しくはこちら》 |
【標準語】なげやり、ぞんざい 【意味等】 (1)「なげやり」のやりっぱなし 《意味》いい加減、無茶苦茶、放任、物事を粗略にすること 《参考》物事を途中で投げ出すようないい加減な様 《同義》やりちらかす(2)、やりっぱなし 《用例》「あえなたあ雇われん…仕事なヤリッパナシやけん、かえって手のいる」 →「あんなやつは雇えない…仕事がいい加減だから、かえって手が掛かる」 (2)「ぞんざい」のやりっぱなし 《意味》無礼、乱暴 《参考》いい加減の極み、後先考えない行為 《用例》「あんかとい任いてよかと?ヤリッパナシやけん、さっち客ともめるが…」 →「あんなやつに任せていいの?後先考えないから、必ずお客ともめちゃうぞ…」 【参考】漢字で「遣りっ放し」、遣るけど最終的に放ったらかしにすること |
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120 | ~やろ |
【標準語】~でしょ 【意味等】~だろ、~だろう、~でしょ、~でしょう 【同義】~ちゃろ、~ちゃろう、~やろ、~やろう、~やん 【参考】話し手の推量や想像を表す 【用例】「料理いな、糸島野菜ば使うとうとヤロ?伊都菜彩で、買うてきたとヤロ」 →「料理には、糸島野菜を使ってるんでしょ?伊都菜彩で、買ってきたんだろ」 |
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121 | ~やろう |
【標準語】~でしょ 【意味等】「~やろ」に同じ 【用例】「これヤロウ?ああたが言いよった、幻の饅頭な…1個300円するとヤロ?」 →「これだろう?あなたが言っていた、幻の饅頭は…1個300円するんでしょ?」 |
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122 | やわあする 《詳しくはこちら》 |
【標準語】やわらかくする 【意味等】軟らかくする、柔らかくする 【参考】やわあ(やわらかく)+する 【用例】「泳ぐ前い…脚の攣らんごと、ストレッチばして…身体ばヤワアシテ」 →「泳ぐ前に…脚が攣らないように、ストレッチをして…身体を柔らかくして」 |
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123 | ~やん |
【標準語】~でしょ 【意味等】「~やろ」に同じ 【用例】「これヤン、おまいが探しよったマンガ…手塚治虫の初期の作品ヤン」 →「これでだろ、お前が探していたマンガ…手塚治虫の初期の作品でしょ」 |
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124 | やんぎもんぎ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】遮二無二 【意味等】無理矢理に、無茶苦茶に、是が非でも、是非とも 【同義】さりむり、やんぎもんぎ 【類義】さっちもっち:無理矢理 【参考】由来は不明 【用例】「あのおばしゃん、厚かましたとやもん…ヤンギモンギ割り込んできなあと」 →「あのおばさん、厚かましいんだよ…無理矢理に割り込んでくるんだよ」 |
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125 | やんちゃつく |
【標準語】(子供が)だだをこねる 【意味等】わがままなことをする 【参考】やんちゃ(強情、わがまま)+つく(憑依する)→だだをこねる 【関連】全国的に「やんちゃ」は「素行が悪い」「不良」などの意でも使われる 【用例】「あっちの息子ろん、ジュースば飲ませれってヤンチャヅイテ…手い合わん」 →「あちらの息子さん、ジュースを飲ませろとだだをこねて…手に負えない」 |
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126 | やんない 《詳しくはこちら》 |
【標準語】しなさい、ください、あげなさい 【意味等】「やり」に同じ 【用例】「旨かろうごたる、おはぎやねえ…余っとうなら、俺いもいっちょヤンナイ」 →「美味しそうな、おはぎたねえ…余ってるなら、俺にも一つちょうだい」 |