あぽ、のんぎり、へっちん、んこ
【標準語】うんこ
【品詞】名詞
【意味】うんち、糞(くそ、ふん)、大便
【参考】動物の肛門から出される排泄物
【同義】あぽ、のんぎり、へっちん、んこ
《参考》
・「あぽ」、「のんぎり」の由来は不明、「のんぎり」は糸島弁
・「へっちん」の由来は「雪隠(せっちん)」の音変異
・「雪隠」は元々便所の意味、唐の雪竇禅師が霊隠寺の厠を司ったことに由来
・「んこ」は「うんこ」の短縮形の音変異
【用例】
・「あんた…な~んか臭か、屁ばこいたろ?」「違ぁ、さいぜんいんのアポば踏んだったい」
→「あなた…何だか臭い、おならをしたでしょ?」「違う、さっき犬の糞を踏んだんだよ」
・腹ん具合の…悪かったい、ちょっとアポしてこう…まりかぶろうごたあ
→腹具合が…悪いんだよ、ちょっとうんこしてこよう…漏らしそうだ
・ぶりっと…気持ちよう出たけん、よおと見たら…たまがるごと太かノンギリやったばい
→ぶりっと…気持ちよく出たので、よく見たら…びっくりするぐらい太い大便だったよ
・山ん中やけん、誰も見とらん…チリ紙ばやるけん、木の陰でヘッチンばしてきない
→山の中だから、誰も見てない…ティッシュをあげるので、木陰で野糞をしておいで
「あぽ」を使った言葉
(1)あぽいろ
【標準語】黄褐色
【品詞】名詞
【意味】うんこ色
【参考】
・大便と色彩が似ていることから、黄褐色をいう
・「あぽ(うんこ)」+「いろ(色)」→うんこ色
【用例】
・土産いもろうた靴、ブランド品でたっかっちゃろうばってん…おらあ、アポイロな履かん
→土産にもらった靴、ブランド品で高価なんだろうけど…俺は、黄褐色は履かない
・あたしゃあ…中学生いなりとうなか、制服なげさっかし…ジャケットな…アポイロやが
→わたしは…中学生になりたくない、制服は品がないし…ジャケットは…うんこ色だよ
(2)あぽたご
【標準語】肥桶、
【品詞】名詞
【意味】肥たご、肥料用の糞尿を天秤棒で担って運ぶ桶
【参考】
・「あぽ(うんこ)」+「たご(担桶)」→うんこを担いで運ぶ桶
【用例】
・有機農法の流行っとうって言うたっちゃ、アポタゴばいのうとんなあ人やら…見らんねえ
→有機農法が流行っていると言っても、肥桶を担いでいる人なんて…見ないねぇ
・窒素分ばやって…上手い野菜ば育つるとい、アポタゴであぽば運んで撒きよったと
→窒素分を与えて…上手に野菜を育てるのに、肥たごで大便を運んで撒いていたんだ
(3)あぽたれ、あぽちん、あぽたん
【標準語】愚か者
【品詞】名詞
【意味】馬鹿、阿呆、無知
【同義】あぽたれ、あぽちん、あぽたん
【参考】
・「あぽ(うんこ、あほ)」+「たれ(垂れる)、ちん・たん(敬称:ちゃん)」
【用例】
・うちの息子なアポタレやけん、ちんくいも…アポチンやらアポタンしか集まらん
→うちの息子は愚か者だから、友達も…バカとアホしか集まらない
・このアポチン!おんなし間違いば…やっさりしてくさ、何回…言うたら分かるとや?
→この馬鹿!同じ間違いを…何度も繰り返しやがって、何回…言ったら分かるんだ?
(4)あぽかき
【標準語】肥掻き
【品詞】名詞
【意味】肥掻き用のアワビの貝殻、アワビの貝殻
【参考】
・糞尿を掻き出すための道具にアワビの貝殻が使われていた
・糞尿を肥料に使っていた時代、肥壺に付着した糞尿をアワビの貝殻で掻き取っていた
【用例】
・アポカキのそぜたけん、今度…魚ば売りい来る時、アポカキば…やり
→肥掻きが壊れちゃったので、今度…魚を売りに来る時に、アワビの貝殻を…ちょうだい
・アポガキのたいそ捨てちゃるが、昨日な…えらいごっつおうば食うたとな?
→アワビの貝殻が大量に捨ててあるけど、昨日は…すごいご馳走を食ったのかい?
「へっちん」を使った言葉
(1)へっちんこく、ふんづまる
【標準語】行き詰る
【品詞】動詞
【意味】進退に窮する、にっちもさっちもいかなくなる、どうにもこうにもできなくなる
【同義】ふんづまる、へっちんこく
【参考】
・「へっちん(うんこ)」+「こく(体の外に放出する)」→うんこが出てしまう
・「ふん(うんこ)」+「づまる(詰まる)」→うんこが途中で詰まる
【用例】
・支店ば出すごとしとったばってん、コロナでヘッチンコイテ…やめいなった
→支店を出すようにしていたんだけど、コロナで行き詰って…やめることになった
・どうも…自転車操業やったごたあ、ヘッチンコイテ…倒産しとう
→どうも…自転車操業だったようだ、にっちもさっちもいかなくなって…倒産してる
(2)へっちんごや
【標準語】便所
【品詞】名詞
【意味】厠、トイレ、雪隠
【参考】
・へっちん(雪隠:大便、厠)+こや(小屋)→便所
【用例】
・朝から渋り腹やん、うっ…来た、あすこのヘッチンゴヤで、あぽしてくるけん
→朝から下痢気味なんだ、うっ…来た、あそこのトイレで、うんこをしてきてくるから
・どえんしたと?具合の悪かと?ヘッチンゴヤい何回も行きよるが…腹のせきよらんな?
→どうしたの?具合が悪いの?トイレに何回も行ってるけど…お腹が痛いんじゃない?
(3)へっちんだいく
【標準語】腕の未熟な大工
【品詞】名詞
【意味】叩き大工、下手糞な大工、技術のない大工
【参考】
・建築技術が未熟で、便所ぐらいしか造れない使いようのない大工
・「へっちん(うんこ)」+「だいく(大工)」→糞のような大工
【用例】
・あすこの工務店い屋根の修繕ば頼うだが…ヘッチンダイクやったけん、失敗こいた
→あそこの工務店に屋根の修繕を頼んだけど…腕の未熟な大工だったので、失敗だった
・ヘッチンダイクばってん…愛想なえらいよかけん、仕事なよう頼まれよんなあごたあ
→技術が未熟な大工だけど…愛想がとても好いので、仕事はよく頼まれているようだ
(4)ヘッチンムシ
【標準語】ウジ
【品詞】名詞
【意味】蛆、ハエ目短角亜目・環縫短角群に属する昆虫の幼虫
【参考】
・「へっちん(便所)」+「むし(虫)」→便所虫→ウジ
【参考】
・ネズミの死んでヘッチンムシの沸いとう…ぞごぞごしょうごと、きしょくわるか
→ネズミが死んでウジが湧いている…鳥肌が立つくらい、気持ちが悪い
・詐欺で騙されたんだあ…ぜんいなると思うて、悪かとの…ヘッチンムシのごと湧いてくる
→詐欺で騙されたら…金になると思って、悪いやつが…ウジ虫のように湧いてくる
イラストによる状況解説
【翻訳】「どこに行ってるんだ?」「うんこ」
【博多・糸島弁検索】
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