このレンズは、引き伸ばし用レンズです。

ミラーレス一眼に、マウント変換リングやヘリコイド、接写リングなどの部品を組み合わせると、撮影用に使うことができます。

引き伸ばしレンズは、フィルムを忠実に焼き付けるためのレンズで、歪曲収差や色収差などが極力抑えられた設計になっており、撮影用レンズとして使っても優秀です。

 

 

しかし、そのままでは使えないので、前記部品をつけて撮影用レンズの機能を持たせて遊ぶ、いわゆるレンズ遊びで可也小学校周辺を中心に撮影してきました。

引き伸ばしレンズは、製品によってフランジバックが異なるため、専用のマウントアダプターはありません。35㎜や45㎜、50㎜と画角が広い方がフランジバックは短く、75㎜、80㎜、100㎜と画角が大きくなるに従ってフランジバックは長くなる傾向にあります。

ヘリコイドや接写リングなどの部品を組み合わせ、無限遠が出るようにして普通のレンズしてのように使ったり、接写リングでマクロ撮影ができるようにしたり、撮りたい写真を撮れるように設定するのがこの遊びの醍醐味です。蛇腹カメラのレンズも、同様の方法で遊ぶことができます。

 

さて、今回のレンズはFUJINON-EX 50mm f2.8、ライカL39マウントです。フランジバックが極端に短く、これまで普通のレンズとして使うことを諦めていましたが、加工用の薄いタイプのⅯ42-Eマウント変換リングを入手し、使えるようになりました。

今回は「レンズ」→「L39-Ⅿ42変換リング」→「ヘリコイド(17㎜-32㎜)」→「Ⅿ42-Eマウント変換リング」→「カメラ」の順に手持ちの部品をつなぎ、無限遠が出るようにしました。マクロ撮影にはM42の接写リングを使いました。

 

 

学校周囲の田んぼ道の路肩に、白い花が咲いています。花の中にカナブンもいて、これはヘリコイドを伸ばしてマクロ撮影。おもしろい。雨上がりだったので花びらはもちろん、カナブンにも水滴がついている。解像度も高く、撮影用レンズとしてもレベルは高いと思います。

 

 

近くの藪には、カラスウリの朱色が鮮やか。葉の裏にはカタツムリもいました。ヤマイモの葉も枯れはじめ、足元にはムカゴがポロポロと落ちていました。

今回のレンズは引き延ばしレンズの中では明るい方なので、開放ではかなりボケます。ボケは玉ボケで素直だと思います。0.8倍程度のワイコンも組み合わせ、やや広角気味での撮影もしてみました。

 

 

秋真っ盛り、あぜ道には彼岸花がモリモリと咲いています。近隣の住宅からはキンモクセイも香っていました。色ノリも良いレンズです。