今回は、蛇腹カメラのレンズVest Pocket Kodak Model Bです。

かなり昔のコダック社のカメラで、レンズは単レンズ。ターレット絞り(絞りの穴が1~4まであり、回転させて選択)なので「ベス単フード外し」の荒業はできません。

今回は、絞りはすべて開放(№1)で撮影しましたが、実際のf値はわかりません。ネット情報によると開放でf11程度らしいです。

M42マウントの確保

このレンズをミラーレス一眼カメラで使うためには、一旦、蛇腹カメラからレンズユニット部分を外し、M42マウントに加工してあげる必要があります。まずは、蛇腹レンズからレンズユニットをカニ目レンチで外します。レンズユニットの固定リングを外すだけなので、蛇腹カメラへの復帰は可能です。

次にM42のボディーキャップ中央に、レンズ裏のねじ径と同じ大きさの穴を空けます。ボディーキャップは、ネットで安価に購入できます。問題なのは丸い穴を空けるボディーキャップの中心位置で、ディバイダーなどを駆使して決める(探す)しかありません。

中心が決まれば、ディバイダーでレンズ裏のねじ径と同じ大きさに円形の傷をつけ、それを指標に穴を空けます。穴が空いたらレンズを差し込み、裏側からカニ目レンチでリングを絞めて固定。レンズキャップをつければ後玉の保護もできます。

 

フランジバックはまちまち

 

同じVest Pocket Kodakでもフランジバックはまちまちで、既製品のマウントアダプターはありません。そのため、引き延ばしレンズを使うときと同じように、汎用性のあるヘリコイドや接写リングなどの部品を組み合わせ、撮影用レンズとして使います。


このレンズ、何ミリなのか画角の明記がありません。おそらく80mm程度だと思います。フランジバックは長いので…

「レンズ(M42ボディーキャップ加工済)」→「M42接写リング(大:30mm)」→「ヘリコイド(17-32㎜)」→「Ⅿ42-Eマウント変換リング」→「カメラ」の順、

または…

「レンズ(M42ボディーキャップ加工済)」→「M42接写リング(大:30mm)」→「M42-Eマウントレンズアダプター」の順に手持ち部品をつなげば、少し深めのオーバーインフで無限遠が出ます。

レンズユニットにはシャッターがついているので、レンズ側のシャッターはバルブにしておきます。シャッターを開いておかないと真っ暗です。

 

モノクロで撮れば魅力的なレンズ

 

相当昔のレンズで、カラーで撮影すると眠たい写りです。そんな理由で出番もなく、防湿庫の隅に眠っていましたが、当時はモノクロフィルムでの撮影しかできなかったことに、はたと気づきモノクロで撮ってみました。


今回のカメラはα7。カラーは「光」、モノクロは「影」を写すと言われますが、モノクロで撮れば写りが優しく、時には力強く、描写には力があります。他にも手持ちの蛇腹カメラがいくつかあるので、いずれ紹介していきたいと思います。

前記したように、L39-Ⅿ42変換リングを加えれば、引き伸ばしレンズも同じように使うことができるので、いろんなレンズを試してみたい、遊んでみたいという私みたいな欲張りには、お勧めです。