五穀豊穣と無病息災を祈る

毎年、12月第3土曜日の深夜「白糸の滝」下流、福岡県糸島市白糸地区熊野神社のそばの川付川で行われる寒みそぎ。400年ほど続く山里の伝統行事で、五穀豊穣と無病息災を祈ります。

今回は、PENTAX SMC Takumar 50mm f1.4とSuper-takumar 85mm f1.9、Super multi coated Takumar 135mm f2.5の3種類の画角のオールドレンズで撮ってきました。撮影は1脚での自然光、また、他のカメラマンが放つフラッシュの光をいただく方法を撮りました。

今年の寒みそぎは、12月21日の深夜に開催。境内には100人以上の男たちが集結。中には小学生ほどの子どもや九州大学の学生さんの姿もあります。そして、それを多くのカメラマンや見物客などが取り囲むように集まり、たくさんの人で賑わいました。

冬の深夜、こごえる空気の中、神社境内に火が焚かれ、締め込み姿の男衆が集まります。神事の後、新米3升3合が入った奉納米の三つの桶を担ぎ、たいまつと提灯を先頭に、約200メートル離れた白糸の滝が流れ込む、冷たい川付川に設けられた「みそぎ場」に入ります。

水温は5度以下。腰まで水につかった男たちは「オイサッ、オイサッ」と大声を野山に響かせ、水を掛け合って身を清めます。体から湯気が立ち上がります。極寒の川の中、肩を組んで大きな輪を作ったり小さな輪をつくったり、十数分間休むことなく声を張り上げ、何度も何度も水を掛け合います。

男たちが雄たけびを上げながらみそぎを続ける間、3人の年男が上流で米をとぎます。みそぎの後にその米を炊き、飯を高く細く積み上げ最後に一粒のせて一晩神様にお供えします。翌朝、高く盛り付けた米粒の傾き具合で翌年の実りを占います。