きも
【標準語】内臓、心
【品詞】動詞
【意味】
(1)「内臓」の「きも」
《意味》心臓、肝臓、はらわた
《参考》主に心臓と肝臓のこと、内臓全体の事も言う
《用例》
・貧血気味やったら…鶏のキモば食うとよか、血の濃ゆうなる
→貧血気味だったら…鶏のレバーを食うといい、血が濃ゆくなる
・俺のキモの…おかしゅうなりよう、検査したら…心房細動げな
→俺の心臓が…おかしくなってる、検査したら…心房細動だって
・牛のキモとニラ、ニンニク、キャベツば買うてきたけん、今日なホルモン鍋
→牛の内臓とニラ、ニンニク、キャベツを買ってきたから、今日はホルモン鍋
(2)「心」の「きも」
《意味》心根、その人の心の底にある生まれつきの性格
《用例》
・あの人あ…キモの優しか、悪う言う人あ…一人もおらん
→あの人は…心根が優しい、悪く言う人は…一人もいない
・あらあ…キモの綺麗かけん、誰からっちゃ…動物からっちゃ好かるる
→あいつは…心がきれいだから、誰からでも…動物からでも好かれる
「きも」をつかった言葉
(1)おおぎももち、きもちゃん
【標準語】胆の太い人
【品詞】名詞
【意味等】大胆な人、大きな心根の人
【同義】おおぎももち、きもちゃん
【参考】
・おおぎももち:おお(大)+きも(心根)+もち(持ち)
・きもちゃん:きも(心根)+ちゃん
【用例】
・あらあ…オオギモモチ、偉か人いっちゃ「間違うとう」って言いきい
→あいつは…大胆者、偉い人にでも「間違っている」って言えるんだ
・ああたの嫁ごなキモチャンやけん、かかさんより強かもん
→君の奥さんは肝が太いから、姑さんより強いな
(2)きもちん
【標準語】気持ち
【品詞】名詞
【意味等】心持ち、心地
【用例】
・久しぶりい温泉に入ったばってん、キモチンよかー
→久し振りにお温泉に入ったけど、心地いいなぁー
・物置な…ムカゼやらゴッカブロウのよう出る、キモチン悪かけん…入りとうなか
→物置は…ムカデやゴキブリがよく出る、気持ち悪いので…入りたくない
(3)きものきれる
【標準語】決断力がある
【品詞】副詞
【意味等】物事を思い切って行える、決断力が強い
【用例】
・今度の店長な…キモノキレル、プロジェクトば…どんどん進めなあ
→今度の店長は…決断力がある、プロジェクトを…どんどん進めている
・上い立つもんな…キモノキレラないかん、そえんなからなあ…下のもんなついて来ん
→上に立つ者は…決断力がないといかん、そうじゃないと…下の者がついて来ない
(4)きものこまか
【標準語】臆病
【品詞】名詞
【意味等】落着きがなくちょっとした事でも怖がること、臆病者
【用例】
・えずがって…暗かとこい行っきらんとや?おまやあ…キモノコマカねえ
→怖がって…暗い所に行けないのかい?お前は…臆病者だなあ
・あらあ…ノミの心臓やもん、何かあったら心配困憊…キモノコマカと
→あいつは…ノミの心臓だもの、何かあったら心配困憊…臆病なんだ
(5)きものひゆる
【標準語】肝が冷える
【品詞】動詞
【意味等】驚き恐れてヒヤリとする、突然のことに驚愕する
【用例】
・あのお化け屋敷な…えずか、出るまでずーっと…キモノヒユル
→あのお化け屋敷は…怖い、出るまでずっと…ドキドキヒヤヒヤ
・急い…子供の飛び出いて、もう少しで轢くとこやった…キモノヒエタ
→急に…子供が飛び出して、もう少しで轢くとこだった…ヒヤッとした
(6)きものふとか
【標準語】大胆
【品詞】名詞、副詞
【意味等】ものに恐れない様、事に動じない様
【用例】
・西郷隆盛な…キモノフトーカイメージのあると
→西郷隆盛は…物事に動じないといったイメージがあるんだ
・あらあ…キモノフトカっちゃなか、馬鹿やけん…えずかとの分からんと
→あいつは…物怖じしないんじゃない、馬鹿だから…怖いのが分からないんだ
(7)どぎものすわっとる
【標準語】度胸がある
【品詞】副詞
【意味等】じたばたしない、どっしり構えている
【用例】
・あらあ…大もんになるばい、がられたっちゃ…ねらみ返すごとドギモノスワットル
→あいつは…大物になるぞ、叱られても…睨み返してくるように度胸がある
・あらあ…頭も性格もよか、ドギモノスワッチッテ…男前、好かん男たい
→あいつは…頭も性格も好い、度胸があって…男前、嫌な男だよ
イラストによる状況解説
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