さいたら

【標準語】お節介、悪戯ごと

【品詞】形容動詞

【意味】

(1)「お節介」の「さいたら」

《意味》余計なお節介、余計なお世話、余計な口出し

《参考》

・必要ないことに口出しをしたり世話を焼いたりすること

・迷惑、またはありがた迷惑なお節介やお世話、口出し

《用例》

・あんたあ発言しなんな、あんたのサイタラな…話のややこしゅうなるだけ
 →あんたは発言するな、あなたの余計な口出しは…話がややこしくなるだけ

・折角…和解しかけよったとい、あれがへっぱくやらサイタラ言うけん、わやいなった
 →折角…和解しかけてたのに、あいつが屁理屈など口出ししてくるので、無駄になった

・あの人あ…口だけ番長、良かれと思うて…サイタラ言いよんなあけん、手い合わん
 →あの人は…口だけ立派、良かれと思って…余計な口出しするので、手に負えない

(2)「悪戯ごと」の「さいたら」

《意味》戯れ事、戯れ言、からかいの行為・発言、軽はずみな行為・発言

《参考》若干の悪意や関心を持った行為・発言

《用例》

・あの子ば好いとんなあけん…サイタラしなあ、あえんしたら…嫌わるるとい
 →あのこを好きだから…ちょっかい出している、あんなにしたら…嫌われるのに

・娘が子供んときい…ようサイタラしよったけん、大人いなったっちゃ…まあだ嫌われとう
 →娘が子供のときに…よくからかっていたので、大人になっても…まだ嫌われている

【参考】

・「さいたら」の由来は「才太郎畑:冥土だが地獄と極楽との間にある、どっちつかずの所」

・そこから「さいたら」は「中途半端なこと、無駄な仕事、益のないこと」の意となる

・諸説あるが、広島では「ぱっとしない」の意味など、地域によって意味にずれがある

・また甲州弁では「せいたら」というなど、地域によって音変異によるずれがある

「さいたら」を使った言葉

さいたらまわす

《標準語》余計なお節介をする

《品詞》連体詞

《意味》

・余計なお節介(相手側にとっては迷惑なこと)をする

・他人の仕事に手出しや口出しをすること

・出しゃばって世話をすること

【参考】

・さいたら(お節介)+ まわす(回す:周囲を巻き込む、影響を与える)

【用例】

・あんたあ…サイタラマワシなんな、話の…いっちょんまとまらんごとなりよろうが
 →あなたは…余計な口出すするな、話が…ちっともまらないようになってるでしょ

・ああたの姉さん…縁談話って聞いたら、サイタラマワシなあけん…みんな困っとうと
 →あなたの姉さん…縁談話と聞いたら、余計なお世話を焼くので…みんな困っているよ

・頼むけん…サイタラマワシなんな、ああたのせいで…何回もひどか目いおうとるとばい
 →頼むから…関わらないでくれ、あなたのせいで…何回もひどい目に遭っているんだよ

・あいついな…言いなんなよ、サイタラマワシたがるけん…ややこしゅうなるばい
 →あいつには…言うなよ。余計な世話をしたがるから…ややこしくなちゃうぞ

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イラストによる用例解説

【翻訳】
「彼女にフラれたってかい?まかせなさい!
 母さんは市会議員だから…政治力でなんとかしてあげよう…」
「おまえ…それはよせよ、ややこしくなるから…余計なことはするな!」
「父さんは…黙ってな!」
「うえっ、うえーっ」

 

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