ぬくい、ぬくか
【標準語】暖かい、温かい
【品詞】形容詞
【意味等】気温や水温があたたかいこと
【参考】語源は京ことばの「ぬくい」、西日本や東北など全国で広く使われる
【同義】ぬくい、ぬくか、ぬっか
【関連】「ぬくい」には「おつむが足りない」という意もある
【用例】
・このコーラ、冷蔵庫い入れんで…ひなたい出しとったろ?ヌクウなっとう
→このコーラ、冷蔵庫に入れずに…ひなたに置いていたでしょ?暖かくなってる
・半袖でよかぐらいヌッカとい、冬のごたあ服ば着てから…そらあヌクカろう
→半袖でよいくらい暖かいのに、冬のような服を着ちゃって…そりゃあ暑いでしょう
■「ぬくい」に関連することば
(1)ぬくされ
《意味》暑いさなか、夏や初夏などの気温が高い(蒸し暑い)状態
《用例》「このヌクサレい、汗じっくりいなって…どこさい行きよらっしゃあと?」
→「この暑い中、汗ぐっしょりになって、どちらへお出かけですか?」
(2) ぬくたまり
《意味》陽だまり、お日様が射して暖かい場所・範囲
《参考》ぬく(ぬくい:暖かい)+たまり(一定の範囲の場所)
《用例》「ネコなぬっかとこばよう知っとう、縁側のヌクタマリでかたまって…寝とるばい」
→「ネコは暖かい場所をよく知っている、縁側の陽だまりでかたまって…寝ているよ」
(3) ぬくたらしか
《意味》蒸し暑い、湿度が高いのに風がなくて蒸し暑い
《用例》「今日な朝からヌクタラシカ…具合の悪うなろうごと、えぐりもうらしかや」
→「今日は朝から蒸し暑い…具合が悪くなりそうなほど、ひどく蒸し暑いなあ」
(4)ぬくぬく
《意味》暖か、温か、あたたかくしている、何の不自由もない
《関連》「ぬくぬくと暮らしている」は、不自由なく快適に暮らしているという意味
《用例》「今晩な寒うなるけん、風呂い入ってパジャマ着て…ヌクヌクして寝ない」
→「今夜は寒くなるので、風呂に入ってパジャマ着て…暖かくして寝なさい」
(5)ぬくめ
《意味》役立たず、無能である、働きがない、役に立たない者
《参考》手伝いに来ても座を温めるだけ…ものの役に立たない、またその者
《用例》「子供会から手伝いい来たが…子どもな遊び事ばっかりで、ヌクメやもん」
→「子供会から手伝いに来たけれど…子ども遊んでばかりいて、役立たずだもの」
(6)ぬくめる
《意味》あたためる、あたたかな温度にする、あたたかい状態を維持する
《用例》「遅かったなあ…晩ご飯なまーだやろ?ご飯ばヌクメルけん…待っとって」
→「遅かったねぇ…晩ご飯はまだでしょ?ご飯を温めるので…待っていて」
(7)ぬくもる
《意味》あたたまる、暖房器具や温かな飲食物などで自分の身体を適温にする
《参考》冷えた自分の身体を適温にすること
《用例》「外あ寒かったろう?早う…こたつい入ってお茶ども飲うで…ヌクモンない」
→「外は寒かったでしょ?早く…こたつに入ってお茶でも飲んで…温まりなさい」
(8)ぬっかもん
《意味》暖かい飲食物
《参考》鍋や汁物、熱燗など、寒いときに食べると温まる飲食物
《用例》「寒かったろう?ヌッカモン食うて、たんたん飲うで…温もっていきんしゃい」
→「寒かったでしょ?暖かい物を食べて、熱燗飲んで飲んで…温まっていきなさい」
イラストによる状況解説
【翻訳】「この…暑い中…我慢比べなんかするなよ!室温は42℃もある」「ぬおおお…ちっとも暑くなんかないぜ…」「あったかくなんてない…寒さで凍えそうだ…」
【博多・糸島弁検索】
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