やおい、やおか
【標準語】柔らかい、容易い
【品詞】形容詞
【意味等】
(1)「柔らかい」のやおか
《意味》固くない、硬くない、こわくない、軟らかい
《用例》
・突きたての餅な…温うしてヤオカ、やや子のほおべたやら…姉ちゃんの尻べたのごたあ
→突きたての餅は…温かくて軟らかい、赤ちゃんのほっぺや…お姉さんのお尻のようだ
・ああたの畑の土な、えらい肥えてヤオカねえ…肥料な何ば使いよらっしゃあと?
→あなたの畑の土は、とても肥えて柔らかいねえ…肥料は何を使ってらっしゃるの?
・こらあ…ヤオカ、いつ買うた煎餅な?賞味期限な一昨年やが…しいけてしもうとう
→これは…柔らかい、いつ買った煎餅だ?賞味期限は一昨年だぞ…湿気ってしまってる
(2)「容易い」のやおか
《意味》容易な、簡単な
《参考》「やおいかん」は「やおか(簡単な)+いかない→容易ではない」
《用例》
・よか金額やけん…手のいる仕事と思うとったが、誰っちゃしきい、ヤオカ仕事やった
→高額なので…手間のかかる仕事だと思っていたけど、誰でもできる、容易い仕事だった
・この成績で九大医学部い行くと?世の中そえんヤオカなら…父ちゃんな億万長者やが
→この成績で九大医学部に行くの?世の中そんな容易いなら…父さんは億万長者だよ
・資金もなかとい、ここまで会社の大きゅうなった、振り返ってみたら…ヤオイカンやった
→資金もないのに、ここまで会社が大きくなった、振り返ってみたら…簡単じゃなかった
【参考】由来は「柔らかい」の音変異
「やおか」に関連することば
(1)やおうなる:和やかになる
《意味》柔和になる、穏やかになる、気力が和らぐ、ものやわらかになる
《参考》やおう(柔らかく)+ なる → のどやかになる
《用例》
・あらあ…はしかか男やったばってん、ちいっとボケてきなって…ヤオウナンナッタ
→あいつは…刺々しい男だったけど、少し認知症になってから…柔和になっちゃった
・歳ば取ったらヤオウナルって言うが、うちのばばさんな…有名か意地悪ばばさんやが
→歳を取ったら柔和になると言うけど、うちの婆さんは…有名な意地悪婆さんだよ
・ヤオウナッタら…あもうなるけん、熟すとば待っとったら…カビの生えてしもうた
→柔らかくなったら…甘くなるので、熟すのを待ってたら…カビが生えてしまった
(2)やおうする、やわあする、やおうなす、やわあなす:軟らかくする
《意味》軟らかくする、柔らかくする
《同義》やおうする、やわあする、やおうなす
《参考》やおう(やわらかく)+ する → やわらかくする
《用例》
・博多っ子な…ラーメンなカタ麺、うろんなヤワ麺…大将!ごぼ天うろん、ヤワアシテ
→博多っ子は…ラーメンは硬麺、うどんは軟麺…大将!ごぼう天うどん、軟らかくして
・ああた、身体の固か…ストレッチして関節ばヤワアセナあ、アキレス腱の切るるが
→あなた、身体が硬い…ストレッチして関節を柔らかくしないと、アキレス腱が切れるよ
イラストによる状況解説
【翻訳】
《やおうなる①》
「若い時は、すーぐ癇癪を起していたから…怖かった!」
「じゃあ…だいぶん和やかになっちゃったんだねぇ」
《やおうなる②》
「煎餅は…乾燥材を入れて…保存してないと、軟らかくなると言っていただろ!ぷんぷん」
「そこまで…和やかにはなっていないよ!すぐ、怒っちゃうんだ…」
「これは…軟らかいはずだよ…濡れ煎餅だもの…」
【博多・糸島弁検索】
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