さんにょう

【標準語】計算、精算

【品詞】名詞

【意味】

(1)「計算」の「さんにょう」

《意味》利害の損得の予測、計算、見積り、打算

《用例》

・ちゃんと収支ば…サンニョウしたと?経費のかかり過ぎて…赤字いなるばい
 →ちゃんと収支を…計算したの?経費がかかり過ぎて…赤字になるぞ

・おきなか契約やけん…3社いサンニョウしてもろうたが、やっぱあ…予算の足らん
 →大きな契約なので…3社に見積もりしてもらったけど、やっぱり…予算が足りない

・おまやあ…商売人な向いとらん、人の好かばっかりで…サンニョウばしっきらん
 →お前は…商売人に向いてない、人が好いばかりで…利害の損得の予測ができない

(2)「精算」の「さんにょう」

《意味》勘定、割前、支払い、会計

《用例》

・「マスター…サンニョウして」「そうようで45,000円」「マスター…つけいして」
 →「マスター…会計して」「全部で45,000円」「マスター…つけにして」

・忘年会のサンニョウな…済んだ、ちょぼっと会費の余ったけん…2次会い行くばい
 →忘年会の支払いは…済んだ、ちょっとだけ会費が余ったので…2次会に行くぞ

・今日な割勘…5人やけんサンニョウな4,832円、立替えとうけん…後で集金するけん
 →今日は割勘…5人だから割前は4,832円、立て替えてるから…後で集金するから

【参考】由来は「算用(さんよう)」の音変異

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イラストによる用例解説

【翻訳】
《上段》
「お会計してちょうだい!」
「はい…税込み16,530円です」
「うまかった…」
《下段》
「一人…いくらになるか、計算して!」
「5,510円でーす…」
「えっ?割り勘?俺は…お金はないぞ!」
「おごりじゃないの?」

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「さんにょう」を使った言葉

さんにょうび

【標準語】精算日

【品詞】名詞

【意味】支払日、支払いを約束した日、月末など清算の取り決めをした日

【参考】さんにょう(精算)+び(日)→精算日

【用例】

・月末がサンニョウビばってん、今月な売り上げの落てて…払いきりめえごたあ
 →月末が支払日だけど、今月は売り上げが落ちて…払えないかもしれない

・サンニョウビな給料日って…ツケいしとったが、給料よりか…飲み代の方が多か
 →精算日は給料日と…ツケにしていたが、給料よりも…飲み代の方が多い

さんにょうのあわん、よみのあわん

【標準語】利益にならない、分別がない

【品詞】連体詞

【意味】

(1)「利益にならない」の「さんにょうのあわん」

《意味》計算が合わない、得にならない、ためにならない、不利、不利益

《用例》

・夏祭い…露店ば出店したとやが、朝から雨いなって…ヨミノアワンやねえ
 →夏祭に…露店を出店したんだけど、朝から雨になって…利益にならないよ

・どんどんチェーン店ば増やしよったら…サンニョウノアワンごとなって潰れたげな
 →どんどんチェーン店を増やしてたら…利益が出なくなって潰れたそうだ

・大盛いするたあ…よかが、サンニョウノアワンことば続けよったら…店ののうなるが
 →大盛にするのは…いいけど、計算が合わないことを続けてたら…店が無くなるよ

(2)「分別がない」の「さんにょうのあわん」

《意味》物事をわきまえない、物事の道理や善悪を考えない、損得を考えない

《用例》

・当日い「気の乗らんけん止むる」やら、ヨミノアワンことば言うやついな…もう頼まん
 →当日に「気が乗らないのでやめる」なんて、無分別なことを言うやつには…もう頼まん

・儲かろうが…マルチ商法やろ?サンニョウノアワン商売ばしよったら…捕まるばい
 →儲かるだろうが…マルチ商法だろ?道理のない商売をしてたら…捕まっちゃうぞ

・こえな値段なら…下請けなそうよう減収やろ?こえなヨミノアワンことば…しなんな
 →こんな値段なら…下請けはすべて減収だろ?こんな下請けいじめなんか…するなよ

【同義】さんにょうのあわん、よみのあわん

【参考】

・「さんにょうのあわん」は、さんにょう(計算、あるべき答え)+の+合わん(合わない)

・「よみのあわん」は、よみ(読み、見込み、道理)+の+合わん(合わない)

イラストによる用例解説

【翻訳】
《さんにょうのあわん》
「原材料の値上がりで…採算が合わないんですよ!お願いですから…買ってくださいな…」
「これは…どうしたことか!うわあ~、高くなっている」「ひええええ」
《よみのあわん》
「この店は…ブラックだもの!今日で…バイト辞めます」
「俺も…辞めます!」
「シフト…組んでるんだぜ!分別がないことをするなよー!急に…言われても…」
「今日だけでいいから…働いて…」
「止めても…無駄ですよ!」

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めのこざんにょう

【標準語】目計算

【品詞】名詞

【意味等】目の子勘定、数量などを目で確かめながら計算すること

【参考】

・めのこ(目子:目で検算)+ざんにょう(算用:計算)

・「めじきり」「めっそう」「めのきざん」した数値を、暗算などで計算する

【用例】

・これば…そうよう売りたかとばってん、メノコザンニョウで幾らぐらいいなるかいな?
 →これを…すべて売りたいんだけど、目計算で幾らくらいになりますか?

・この山ば宅地開発するとやが、メノコザンニョウで何件建って、何人ぐらい住むと思う?
 →この山を宅地開発するんだけど、目の子勘定で何件建って、何人くらい住むと思う?

・この畑のサツマイモば…掘るとやが、メノコザンニョウで…一人で何日かかると思う?
 →この畑のサツマイモを…掘るんだが、目の子勘定で…一人で何日かかると思う?

イラストによる用例解説

【翻訳】
「目計算で…刺身…何人分になる?重さ20㎏、長さは90cm」
「1人前が100gとして、目計算で…100人分は十分にあるんじゃないか」

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