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「あ(ア)」の博多・糸島弁

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1 ああ 【標準語】
 おお
【意味等】
 思い出した時に発することば
【用例】
・アア…今日な嫁ごの誕生日やった!ケーキ買うて帰ろう
 →おお…今日は妻の誕生日だった!ケーキ買って帰ろう
 
2 あああっ 【標準語】
 あれまあ(幼童語)
【意味等】
 思いがけないことに出会って、驚いた時に発することば
【用例】
・アアアッ…兄ちゃんの、わがだけ…アイス食いよんしゃあ
 →あれまあ…兄ちゃんが、自分だけ…アイス食ってるよ
 
3 ああた 【標準語】
 あなた
【意味等】
 2人称の、あなた
【用例】
・アアタ…誰やった?物忘れのひどうして…よう分からん
 →あなた…誰だった?物忘れがひどくて…よくわからない
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4 ああとうと 【標準語】
 あなとうと(安名尊)
【意味等】
 神仏を拝する時の唱えことば
【用例】
・もう…お籠りな始まっとう、神主さんのアアトウト言いよる
 →もう…参籠が始まってる、神主さんが祝詞を唱えてるよ
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5 あーとーと 【標準語】
 あなとうと(安名尊)
【意味等】
 神仏を拝する時の唱えことば
【用例】
・お宮い来たけん…賽銭ば上げて、アートート言うてこう
 →神社に来たから…賽銭を上げて、お参りしてこよう
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6 ああのこうの 【標準語】
 ああだこうだ
【意味等】
 ああでもないこうでもない、しきりに何事か言う表現
【用例】
・ああたが横からアアノコウノ言うけん…やりそこのうた
 →あんたが横からああだこうだ言うから…失敗しちゃった
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7 ああらやあ 【標準語】
 ああら
【意味等】
 「あら」を強めて、強い感動を表すことば
【用例】
・アアラヤア…1月んとい「志摩の四季」いツクシの出とう
 →ああら…1月なのに「志摩の四季」にツクシが売られてる
 
8 あーん 【標準語】
 あなとうと(安名尊)
【意味等】
 神仏を拝する時の唱えことば(幼児語)
【用例】
・お盆で帰ってきとうっちゃけん、仏様い…アーンしてきない
 →お盆で帰って来てるんだから、仏壇に…お参りしておいで
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9 あいそんこそもない 【標準語】
 無愛想
【意味等】
 愛想がない、素っ気ない、可愛げがない
【用例】
・こかあ何な…おらあ客ぜ!アイソモコソモナイ…もう帰る!
 →ここは何だ…俺は客だぞ!無愛想な態度で…もう帰る!
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10 あいそんこそもなか 【標準語】
 無愛想
【意味等】
 愛想がない、素っ気ない、可愛げがない
【用例】
・ここの店員な何な…おらあ客ぜ!アイソンコソモナカ!
 →ここの店員は何だ…俺は客だぞ!無愛想な態度で!
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11 あいた 【標準語】
 しまった
【意味等】
 あちゃー、失敗したときや困った時などに発することば
【用例】
・アイタ…葬式い来たとい、ご霊前ば忘れてきてしもうた
 →しまった…葬式に来たのに、ご霊前を忘れてきてしまった
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12 あいた 【標準語】
 痛い
【意味等】
 いてて、熱い、予期せぬ痛みや熱さなどに発することば
【用例】
・アイタ!ネコばもざくったら…かきさかれっしもうた
 →痛い!ネコを触っていたら…引っ掻かれてしまった
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13 あいた 【標準語】
 飽きた
【意味等】
 継続するのが億劫になること、続けることが苦痛な状態
【用例】
・ビフテキや?ごっつおーばってん、毎日やけん…もうアイタ
 →ビフテキかい?ご馳走だけど、毎日だから…もう飽きた
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14 あいて 【標準語】
 仲間(漁業用語)
【意味等】
 同じ漁船に乗り組む仲間のこと
【用例】
・漁い出るときゃ3人、いっつも…親父と弟がアイテたい
 →漁に出るときは3人、いつも…親父と弟が乗組む仲間だ
 
15 あいなか 【標準語】
 合間
【意味等】
 真ん中、おおむね中間、相中、中途
【用例】
・もうらしかあ!熱中症防止い…アイナカでよおと水分ば取り
 →蒸し暑い!熱中症予防に…合間で十分に水分を取って
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16 あいらしい 【標準語】
 愛らしい
【意味等】
 可愛い、可愛らしい
【用例】
・今度の転校生…見たや?心臓のあおぐごと…アイラシイと
 →今度の転校生…見た?ドキドキしちやうほど…可愛いよ
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17 あいらしか 【標準語】
 愛らしい
【意味等】
 可愛い、可愛らしい
【用例】
・アイラシカ子ネコば拾うたが、アパートやけん飼われん
 →可愛らしい子ネコを拾ったけど、アパートだから飼えない
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18 あえくる 【標準語】
 混ぜる
【意味等】
 混ぜ返す、混ぜて調味する、ひっくり返す
【用例】
・この料理な…切った生野菜い、ゴマダレばアエクルとでける
 →この料理は…切った生野菜に、ゴマダレを混ぜるとできる
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19 あえくる 【標準語】
 愚弄する
【意味等】
 人をばかにして弄ぶ、ひやかす、からかう、ごまかす
【用例】
・ネコば…アエクンらんと、掻き裂かれたっちゃ知らんばい
 →ネコを…からかうなよ、引っ掻かれても知らないぞ
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20 あえる 【標準語】
 混ぜる
【意味等】
 混ぜ返す、混ぜて調味する、ひっくり返す
【用例】
・こらあ万能調味料ばい、たいがいの食材なアエタら食わるる
 →これは万能調味料だ、だいたいの食材は混ぜたら食える
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21 あえる 【標準語】
 愚弄する
【意味等】
 人をばかにして弄ぶ、ひやかす、からかう、ごまかす
【用例】
・もつるけんって…女性ばアエルたあ止めり、痛い目い遭うが
 →モテるからって…女性を弄ぶのは止めな、痛い目に遭うよ
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22 あえる 【標準語】
 落ちる
【意味等】
 木の実などのほか、汚れや色などが落ちること
【用例】
・こえん汚いたら、洗濯したっちゃアエルかどうかわからん
 →こんなに汚したら、洗濯しても落ちるかどうかわからん
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23 あえる 【標準語】
 垂れる
【意味等】
 鼻血や膿、涙などの体液が垂れる・流れる
【用例】
・鼻水のアユルけんって…ちり紙で鼻んすば詰めなんな
→鼻水が垂れるからって…ティッシュで鼻の穴を詰めるな
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24 あお 【標準語】
 緑と青
【意味等】
 青色と緑色のどちらも「アオ」という
【用例】
・天気のよか、空なアオアオして…畑の野菜もアオアオしとる
 →天気が好い、空は青々して…畑の野菜も緑々している
 
25 あおいきつく 【標準語】
 息切れする
【意味等】
 走るなどして呼吸が激しくて息苦しいこと
【用例】
・アオイキツキようが大丈夫な?病院い行たほうがよかよ
 →息苦しそうだけど大丈夫?病院に行ったほうがいいよ
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26 あおいきつく 【標準語】
 青息吐息
【意味等】
 辛い思いなどしてため息をつくこと
【用例】
・コロナで客の減って、経営のきつか…アオイキツキよります 
 →コロナで客が減って、経営が厳しい…青息吐息ですよ
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27 あおぐ 【標準語】
 動悸がする
【意味等】
 心臓の鼓動が強くなる、早くドキドキすること
【用例】
・愛らっさ、話しかけられたんだ心臓のアオグ…一目惚れたい
 →可愛いなあ、話しかけられたら動悸がする…一目惚れだよ
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28 あおじ 【標準語】
 紫斑
【意味等】
 強く打たれた時など、皮膚に出る内出血の紫色の斑点
【用例】
・首筋いアオジのあるが…彼氏の吸い付きなったとやなかな?
 →首筋に紫斑があるけど…彼氏に吸い付かれたんじゃない?
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29 あおしがき 【標準語】
 渋を抜いた柿
【意味等】
 醂柿、渋抜き(淡す:あわす)をした柿の実、淡せ柿
【用例】
・渋柿ば焼酎い漬けてアオシガキいしたと?こら、旨かねえ
 →渋柿を焼酎に漬けて渋抜き柿にしたの?こら、旨いねえ
 
30 あおじむ 【標準語】
 紫斑ができる
【意味等】
 内出血の紫色の斑ができる、内出血する
【用例】
・目の下のアオジンどうが、叩きやいの喧嘩ばしたとね?
 →目の下が内出血してるが、殴り合いの喧嘩をしたのか?
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31 あおす 【標準語】
 渋を抜く
【意味等】
 さわす、醂す、「淡す(あわす):渋抜き」の音変異
【用例】
・渋柿やけん…ブッカンで食うか、アオサな食われん
 →渋柿なので…熟し柿で食うか、渋抜きしないと食えない
 
32 あおすたんぼうぶら 【標準語】
 あおびょうたん(青瓢箪)
【意味等】
 顔色の悪い虚弱な人、顔色が悪い人(あざけって言う)
【用例】
・舞台で上がっしもうて、アオスタンボウブラいなっとう
 →舞台で上がってしまって、青ざめちゃってるよ
詳細
33 あおなかし 【標準語】
 仰向け
【意味等】
 顔や物の面を上に向けること、仰臥位
【用例】
・日焼けで背中の真っ赤…アオナカシで寝られんごと痛かと
 →日焼けで背中が真っ赤…仰向けで寝れないほど痛いんだ
詳細
34 あおなけおよぎ 【標準語】
 背泳
【意味等】
 仰向けになって泳ぐ泳ぎ方、バックストローク、背泳ぎ
【用例】
・おらあ高校生ん時、アオナケオヨギで県大会で優勝したと
 →俺は高校生の時、…背泳ぎで県大会で優勝したんだ
詳細
35 あおなけ 【標準語】
 仰向け
【意味等】
 顔や物の面を上に向けること、仰臥位
【用例】
・機械体操ばするけん、マットの上いアオナケいなり
 →機械体操をするので、マットの上に仰向けになって
詳細
36 アオビキ 【標準語】
 アオガエル、アマガエル
【意味等】
 アマガエル科の両生類の総称、青蛙、雨蛙
【用例】
・やかましゅうアオビキの鳴きようが、雨やなかや?
 →うるさくアオガエルが鳴いてるけど、雨じゃないのか?
 
37 あおもん 【標準語】
 青魚
【意味等】
 サバやイワシ、アジ、サンマなどの背の青い魚の総称
【用例】
・アオモンな…ねまるとの早かけん、刺身なら今日中い食い
 →青魚は…傷むのが早いので、刺身なら今日中に食って
 
38 あおもん 【標準語】
 青野菜
【意味等】
 葉物などの青野菜の総称、葉物野菜
【用例】
・このごらあアオモン食べんけん、青汁ば飲みようと
 →最近は青野菜を食べないので、青汁を飲んでるんだ
 
39 あおもん 【標準語】
 山菜
【意味等】
 ワラビやゼンマイ、ヤマウドなどの山菜の総称
【用例】
・うちのばばしゃんな、アオモンば採りい行くとが楽しみたい
 →私のお婆ちゃんは、山菜を採りに行くのが楽しみなんだ
 
40 あがあ 【標準語】
 上がる
【意味等】
 雨が上がる、治まる
【用例】
・えらい降りよるが明こうなってきた、じきい雨なアガア
 →すごく降ってるけど明るくなってきた、じきに雨は上がる
 
41 あかあか 【標準語】
 燈火
【意味等】
 ともしび、あかり
【用例】
・イカ釣り船のたいそ出とう、沖いアカアカのえらい見ゆる
 →イカ釣り船がたくさん出てる、沖に燈火がいっぱい見える
 
42 あかあか 【標準語】
 明るい状況
【意味等】
 電灯や炎などが明るく照らす様子
【用例】
・福岡大空襲で東の空のアカアカして、おおごとやったげな
 →福岡大空襲で東の空が明るい状況で、大変だったそうだ
 
43 あがい 【標準語】
 あの様に
【意味等】
 あんなに、あのとおりに
【用例】
・美人で頭の良うして性格も好か…アガイなとが彼女いほしか
 →美人で頭が良くて性格も好い…あの様な人が彼女にほしい
詳細
44 あかか 【標準語】
 明るい
【意味等】
 照度が十分にあって物がはっきりよく見える様
【用例】
・部屋のえらいアカカばってん、LEDい替えたけんね?
 →部屋がとても明るいけれど、LEDい替えたからかい?
 
45 あかし 【標準語】
 燈火
【意味等】
 ともしび、あかり
【用例】
・鍾乳洞の中な真っ暗すみやけん、アカシば持って行かなあ
 →鍾乳洞の中は漆黒だから、あかりを持って行かなくちゃ
 
46 あかし 【標準語】
 薪
【意味等】
 細い薪、燃料にする木、焚き物
【用例】
・焚火ばするとなら、乾いたアカシば使わなあ…すぼるが
 →焚火をするんなら、乾いた薪を使わないと…煙るよ
 
47 あがしこ 【標準語】
 あんなに
【意味等】
 あれだけ(沢山・おびただしい)
【用例】
・アガシコ尽くしたとい、男のでけたら電話いいも出なれんと
 →あんなに尽くしたのに、男が出来たら電話にも出ないんだ
詳細
48 あかちょこべえ 【標準語】
 あかんべえ
【意味等】
 下瞼を指で引き下げて赤い目の裏を見せる行為
【用例】
・アカチョコベエ…お前やら、いっちょん好かん…ばーか
 →あっかんベー…お前なんか、大嫌いだ…ばーか
詳細
49 あがっさ 【標準語】
 あれほど
【意味等】
 あれほどたくさん、あんなにいっぱい
【用例】
・たいそ客の来たっちゃあ…アガッサありゃ、足りろうもん
 →いっぱい客が来ても…あれほどあったら、足りるでしょ
 
50 あかてのごい 【標準語】
 山笠の若手補佐役
【意味等】
 各町からの若手の補佐役、博多山笠で最初に授かる役職名
【用例】
・あらあ頑張りよう、アカテノゴイば任しょうと思うとう
 →あいつ頑張っている、若手の補佐役を任そうと思っている
 
51 あかてのごい 【標準語】
 染め抜き手拭い
【意味等】
 船名やマークを入れて大漁祝いの引き出物にする日本手拭い
【用例】
・そらあ、糸島丸のアカテノゴイやろ?俺も持っとう
 →それは、糸島丸の染め抜き手拭いでしょ?俺も持っている
 
52 アカハラ 【標準語】
 アカハライモリ
【意味等】
 イモリ科イモリ属に分類される両生類の一種、ニホンイモリ
【用例】
・このごらあ…田いアカハラなおらんが、農薬のせいかいな?
 →最近は…田にイモリがいないけど、農薬のせいかな?
 
53 あかはら 【標準語】
 赤痢
【意味等】
 下痢や腹痛がひどい伝染病、血痢、疫痢
【用例】
・昔…学校でアカハラの流行って、検査で浣腸ばされたや
 →昔…学校で赤痢が流行って、検査で浣腸をされちゃった
 
54 あかまま 【標準語】
 赤飯
【意味等】
 祝い事の時などに炊く小豆を混ぜて炊いたご飯、おこわ
【用例】
・昔な…かかさんの、誕生日いアカママば炊いちゃんしゃった
 →昔は…お母さんが、誕生日に赤飯を炊いてくれた
 
55 あかむ 【標準語】
 魚群が来ている
【意味等】
 マグロなどの魚群で海面が赤みがかる
【用例】
・海のアカミよる…嬉しかー、今日な大漁いなるばい
 →海中に魚群が来ている…嬉しいー、今日は大漁になるぞ
 
56 あかもん 【標準語】
 赤みがかった魚
【意味等】
 タイやアカハタ、アカウオなどの表面が赤みがかった魚
【用例】
・刺身もよかばってん…アカモンな煮付けで食うたがうまか
 →刺身もいいが…赤みがかった魚は煮付けで食ったらうまい
 
57 あがり 【標準語】
 休憩
【意味等】
 仕事を一時休んでゆっくりすること、休止
【用例】
・腹の減ったー。お昼いなったけん、昼アガリいしまっしょう
 →お腹がすいたー。お昼になったんで、昼休憩にしましょう
 
58 あがり 【標準語】
 終了
【意味等】
 お終い、終わり
【用例】
・くたぶれたー。暗うなってきたけん、今日なアガリいしょう
 →くたびれたー。暗くなってきたので、今日は終りにしよう
 
59 あがり 【標準語】
 揚げ句
【意味等】
 ある行為の末、揚げ句、とどのつまり
【用例】
・あの悪そうな…バイク盗うで、アガリい事故で大怪我たい
 →あの悪ガキが…バイク盗んで、揚げ句に事故で大怪我だよ
 
60 あがりぐさ 【標準語】
 最後の田の草取り
【意味等】
 収穫前の最後の草取り、あがり(終わり)+くさ(草)
【用例】
・ヒエのたいそあるが…アガリグサせな稲刈りでけんばい
 →ヒエがたくさんある…最後の除草せんと稲刈りできんぞ
 
61 あかる 【標準語】
 上がる
【意味等】
 雨が上がる、治まる
【用例】
・えらい降りよるが明こうなってきたけん、じきいアカル
 →すごく降ってるけど明るくなってきたので、じきに上がる
 
62 あかる 【標準語】
 明ける
【意味等】
 夜が明ける、明るくなる
【用例】
・いっちょん帰って来んけん…夜のアカルまで待っとった
 →ちっとも帰って来ないので…夜が明けるまで待っていた
 
63 あがん 【標準語】
 あの様に
【意味等】
 あんなに、あのとおりに
【用例】
・免許証ば取ったら…アガン車が欲しかが、えらいたっか
 →免許証を取ったら…あんな車が欲しいけど、すごく高い
詳細
64 あがんしこ 【標準語】
 あんなに
【意味等】
 あれだけ(沢山・おびただしい)
【用例】
・アガシコ食うたとい…もう腹の空いた?やけん…太るったい
 →あんなに食ったのに…もう腹が減った?だから…太るんだ
詳細
65 あがんなざっせい 【標準語】
 お上がりください
【意味等】
 お客を室内に招き入れるときの言葉
【用例】
・遠かとこば…挨拶やら後でよござすけん…アガンナザッセイ
 →遠い所を…挨拶なんか後でいいから…お上がりください
 
66 あがんなざっせい 【標準語】
 お召し上がりください
【意味等】
 お客に飲食を勧めるときの言葉
【用例】
・せっかく…作ったけん、熱かうちいアガンナザッセイ
 →せっかく…作ったので、熱いうちにお召し上がりください
 
67 あがんなっせい 【標準語】
 お上がりください
【意味等】
 お客を室内に招き入れるときの言葉
【用例】
・玄関先で話すごたあことやなかけん…アガンナッセイ
 →玄関先で話すようなことじゃないので…お上がりください
 
68 あがんなっせい 【標準語】
 お召し上がりください
【意味等】
 お客に飲食を勧めるときの言葉
【用例】
・たいそ釣ってきとうけん…遠慮せんでアガンナッセイ
 →たくさん釣ってきたので…遠慮せずお召し上がりください
 
69 あぎ 【標準語】
 顎(あご)
【意味等】
 人や動物の口を構成する顎骨を中心とする部分
【用例】
・髭ばアギい生やいて、つやつけて…もちょう思うとろ?
 →髭を顎に生やして、格好つけて…モテようと思ってんの?
詳細
70 あきおとり 【標準語】
 前より悪くなること
【意味等】
 以前よりも見劣りすること
【用例】
・愛らしかとい、髪型替えたらアキオトリして…おかあしか
 →可愛いのに、髪型替えたら前より悪くなって…ちょっと変
詳細
71 あきおとり 【標準語】
 経過とともに悪くなること
【意味等】
 優れたものが成長するに従い劣ったものになること
【用例】
・春先まで良かったとい、日照不足で…アキオトリしとう
 →春先まで良かったのに、日照不足で…収穫が落ちている
詳細
72 アキザクラ 【標準語】
 コスモス
【意味等】
 キク科コスモス属の1年草の総称、秋桜
【用例】
・歴史公園のアキザクラな「王墓まつり」ん時ゃあ満開たい
 →歴史公園のコスモスは「王墓まつり」の時には満開だよ
 
73 あきさなか 【標準語】
 農繁期
【意味等】
 秋の最中、稲刈りなどの収穫で忙しい時期
【用例】
・アキサナカな、大型コンバインで徹夜で稲刈りしよんなあ
 →農繁期は、大型コンバインで徹夜で稲刈りをしているよ
 
74 あぎたぶら 【標準語】
 顎(あご)
【意味等】
 人や動物の口を構成する顎骨を中心とする部分
【用例】
・安か肉やけん硬か、食うたらアギタブラの痛うなってきた
 →安い肉だから硬い、食ったら顎が痛くなってきた
詳細
75 あぎと 【標準語】
 顎(あご)
【意味等】
 人や動物の口を構成する顎骨を中心とする部分
【用例】
・あの人あ顔のしゃくれとうけん、アギトの長う見ゆる
 →あの人は顔がしゃくれているので、顎が長く見える
詳細
76 あきない 【標準語】
 行商
【意味等】
 一般的な商売、あき(収穫の秋)+ない(行い)→売り歩く
【用例】
・リヤカーい野菜やら積んで、西新さいアキナイい行てきた
 →リヤカーに野菜など積んで、西新方面に行商に行ってきた
 
77 あぎゃん 【標準語】
 あの様に
【意味等】
 あんなに、あのとおりに
【用例】
・第1問な、アギャン…こぎゃんしたら、きやすう解くる
 →第1問は、あのように…このようにしたら、簡単に解ける
詳細
78 あきるる 【標準語】
 呆れる
【意味等】
 意外な出来事に呆気にとられること、唖然とすること
【用例】
・釜の飯…そうよう食うた?ああたの大食いいな…アキルル
 →釜の飯…残らず食ったの?あんたの大食いには…呆れる
 
79 あく 【標準語】
 灰
【意味等】
 火が燃え尽くした後に残る粉、燃え殻
【用例】
・馬鈴薯ば植えるときゃ、切り口の腐らんごとアクば付けり
 →馬鈴薯を植える時は、切り口が腐らないように灰を付けて
 
80 あぐ 【標準語】
 うけ(筌)の戻り
【意味等】
 筌(魚を捕獲する漁具)の細い竹を編んだ漏斗状の部分
【参考】
・筌は魚を誘い入れて漁をとる籠状の漁具、水中に沈めて使う
・蓋に仕掛けがあり、魚が入ると出られないようになっている
 
81 あくしゃあうつ 【標準語】
 持て余す
【意味等】
 どうしたらよいか扱い方や処置に苦しむ、困り果てる
【用例】
・ごめんばってん、そえんもろうたっちゃ…アクシャアウツが
 →悪いけど、そんなに貰ったって…持て余すよ
 
82 あくせいうつ 【標準語】
 持て余す
【意味等】
 どうしたらよいか扱い方や処置に苦しむ、困り果てる
【用例】
・男の子ば預かったが、えらい悪そうでアクセイウチよる
 →男の子を預かったけど…すごくやんちゃで困り果てている
 
83 あくせん 【標準語】
 くしゃみ
【意味等】
 肺の空気を一気に出す生理現象、「はくしょん」の音変異
【用例】
・さあきからアクセンの出るが、誰か噂しようっちゃろうや
 →さっきからくしゃみが出るけど、誰か噂してるんだろう
 
84 あくばる 【標準語】
 飽き飽きする
【意味等】
 嫌になるほど飽きる→あく(飽く)+ばる(張る)
【用例】
・爺しゃんの嫌ごといなアクバル、おらあ…この家ば出ていく
 →爺さんの小言には飽き飽きする、俺は…この家を出ていく
 
85 あぐり 【標準語】
 網漉針(あみすきばり)
【意味等】
 漁網を補修するときに使う道具
【参考】
・漁網を編んだり修理したりする時に使う竹製の針
・平網針や竹網針ともいう
 
86 あけざかや 【標準語】
 売り酒屋
【意味等】
 酒の販売店、造り酒屋(つくりざかや)は酒の醸造店
【用例】
・兄しゃんが造り酒屋で、弟がアケザカヤでその酒ば売りよる
 →兄さんが酒蔵で、弟が酒の小売店でその酒を売っている
 
87 あげな 【標準語】
 あのような
【意味等】
 あんな、使い方によっては対象物を見下した言い方
【用例】
・俺いしかかってくるとばい、アゲナおうどうもんなあおらん
 →俺に突っかかって来るんだぜ、あのような横着者はいない
詳細
88 あげなか 【標準語】
 あのような
【意味等】
 あんな、使い方によっては対象物を見下した言い方
【用例】
・浮気やらしとらん、アゲナカ女やら知らん。信じちゃれ
 →浮気なんかしてない、あんな女なんか知らん。信じてくれ
詳細
89 あげなかもん 【標準語】
 あのくらいのもの
【意味等】
 あんなもの、対象物を尊重しない見下した言い方
【用例】
・いかもんやろ?おらあアゲンカモンな食わんぜ、腹のせく
 →げて物だろ?俺はあんなものは食わないよ、お腹をこわす
詳細
90 あけなんこ 【標準語】
 ありのまま
【意味等】
 開けっ広げ、そっくりそのまま、隠し事のないこと
【用例】
・あら…へくいやけん何でっちゃ知っとう…アケナンコやもん
 →あいつは…親友だから何でも知ってる…隠し事無しだもん
 
91 あげほうじ 【標準語】
 あげどき(揚斎)
【意味等】
 お寺で行う年忌法要、お寺で教を上げるだけの簡単な法事
【用例】
・コロナの流行りようけん、7回忌な寺でのアゲホウジたい
 →コロナが流行ってるから、7回忌は寺での揚斎だよ
 
92 あけらん 【標準語】
 わがまま
【意味等】
 周囲をはばからず自分勝手に振る舞うこと、身勝手
【用例】
・甘やかされとんなあけん、辛抱りきのなか…アケランやん
 →甘やかされているから、辛抱ができない…我がままだよ
 
93 あけらんまわす 【標準語】
 駄々をこねる
【意味等】
 子供が我がままを言う、子供が甘えてむずがる
【用例】
・アイス買うてって…アケランマワスけん、おうじょうした
 →アイスを買ってくれと…駄々をこねるので、とても困った
 
94 あけん 【標準語】
 呆気
【意味等】
 意外な出来事に呆気にとられ何も言えない様子、唖然
【用例】
・事故って聞いてアケンとしたが、どうものうして…よござした
 →事故って聞いて唖然としたけど、無事で…よかったですね
 
95 あげん 【標準語】
 あの様に
【意味等】
 あんなに、あのとおりに
【用例】
・おなごいキャーキャー言われて、アゲンもてたらよかろうね
 →女性にキャーキャー言われて、あんなモテたらよいだろうな
詳細
96 あげんか 【標準語】
 あのような
【意味等】
 あんな、使い方によっては対象物を見下した言い方
【用例】
・しかかってくるとばい、アゲナおうどうもんなあおらんばい
 →突っかかって来るんだぜ、あのような横着者はいないよ

詳細

詳細

97 あけんとけんと 【標準語】
 呆然と
【意味等】
 呆気にとられている様子、気が抜けて唖然とする様
【用例】
・子供のひょくっと飛び出いてきて、アケントケントしたばい
 →子供が急に飛び出してきて、呆然としちゃったよ
 
98 あこうなる 【標準語】
 赤面する
【意味等】
 恥ずかしい、照れる、顔が赤くなる、あこう(赤く)+なる
【用例】
・酔うてブリいなって踊って、思い出いただけでアコウナル
 →酔って真っ裸になって踊って、思い出しただけで赤面する
 
99 あごだす 【標準語】
 くたびれる
【意味等】
 顎を出す、疲れて元気がない、尽き果てる、疲れ果てる
【用例】
・見たら楽しかろうごたあが、アゴダスけん…せんがよかよ
 →見たら楽しそうだけど、くたびれるので…やめたがいいよ
 
100 あごたん 【標準語】
 顎(あご)
【意味等】
 人や動物の口を構成する顎骨を中心とする部分
【用例】
・硬かとば食うたら…よう噛むけん、アゴタンの鍛えらるる
 →硬い物を食ったら…よく噛むので、顎が鍛えられる
詳細
101 あごたん 【標準語】
 おしゃべり
【意味等】
 余計なことを言う、口が軽い、口数が多い、雄弁
【用例】
・ここだけの話って言うても、アゴタンやけん…すぐい広がる
 →ここだけの話と言っても、口が軽いので…すぐに広がる
詳細
102 あごたん 【標準語】
 口達者
【意味等】
 余計なことを言う人、口が軽い人、口数が多い人
【用例】
・アゴタンやけん、冷飯からほけの出るごと…上手い話しきい
 →口達者だから、冷飯から湯気が出るように…上手に話せる
詳細
103 あごたんたたき 【標準語】
 屁理屈野郎
【意味等】
 理屈や道理に合わない議論をする人、屁理屈をこね回す人
【用例】
・アゴタンタタキが、嫌われとうとの…分からんとかいな?
 →屁理屈野郎め、嫌われてるのが…分からないんだろうか?
詳細
104 あごたんたたく 【標準語】
 理屈をこねる
【意味等】
 役に立たない理屈や道理に合わない議論をくどくどという
【用例】
・あれがアゴタンタタクけん、なあも決まらんで…長引きよう
 →あいつが理屈をこねだすから、何も決まらず…長引いてる
詳細
105 あごたんたたく 【標準語】
 つべこべ言う
【意味等】
 逆らったり、あれこれと生意気にしゃべりたてる
【用例】
・そえん、アゴタンタタイタっちゃあ…でけんもんなでけん
 →そんなに、つべこべ言っても…出来ないものは出来ない
詳細
106 あごっとう 【標準語】
 顎(あご)
【意味等】
 人や動物の口を構成する顎骨を中心とする部分
【用例】
・アゴットウい髭やら生やして…つやつけて…何かいやらしか
 →顎に髭なんか生やして…格好つけて…何だか胡散臭い
詳細
107 あごっとう 【標準語】
 おしゃべり
【意味等】
 余計なことを言う、口が軽い、口数が多い、雄弁
【用例】
・アゴットウやけん、守秘義務って言うたっちゃ…守りきらん
 →口が軽いから、守秘義務って言われたって…守れない
詳細
108 あごっとう 【標準語】
 口達者
【意味等】
 余計なことを言う人、口が軽い人、口数が多い人
【用例】
・あらあ…アゴットウでカリスマ性なあるけん、政治家向き
 →あいつは…口達者でカリスマ性はあるから、政治家向きだ
詳細
109 あごっとうたたき 【標準語】
 屁理屈野郎
【意味等】
 理屈や道理に合わない議論をする人、屁理屈をこね回す人
【用例】
・性分やろうが…そえんやけんアゴットウタタキって嫌わるる
 →性分だろうが…そんなだから屁理屈野郎って嫌われる
詳細
110 あごっとうたたく 【標準語】
 理屈をこねる
【意味等】
 役に立たない理屈や道理に合わない議論をくどくどという
【用例】
・あれがアゴットウタタクけん、契約ば解除されっしもうた
 →あいつが理屈をこねるから、契約を解除されてしまった
詳細
111 あごっとうたたく 【標準語】
 つべこべ言う
【意味等】
 逆らったり、あれこれと生意気にしゃべりたてる
【用例】
・あれがアゴットウタタクけん、客のはらかいて帰んなった
 →あいつがつべこべ言うから、客が怒って帰っちゃった
詳細
112 あざ 【標準語】
 ほくろ(黒子)
【意味等】
 先天的に皮膚に点在する黒斑(痣と黒子の区別はない)
【用例】
・親子やねえ…父ちゃんの脚のおんなし所いアザのある
 →親子だなあ…父ちゃんの脚の同じ所にホクロがある
 
113 あさあがり 【標準語】
 朝食
【意味等】
 朝ごはん、あさ(朝)+あがり(召し上がる)→朝飯
【用例】
・アサアガリな6時から9時まで…バイキングいなっとります
 →朝食は6時から9時まで…バイキングになっております
 
114 あさおり 【標準語】
 朝食
【意味等】
 朝ごはん、朝飯
【用例】
・この旅館のアサオリな豪華やねぇ…鯛茶漬やら付いとう
 →この旅館の朝食は豪華だねぇ…鯛茶漬けなんか付いている
 
115 あさじまい 【標準語】
 朝事参り
【意味等】
 浄土真宗の信徒の早朝の勤行、標準語では朝の身支度
【用例】
・婆さんな信心深かけん、毎朝…アサジマイい念仏ば上げなる
 →婆ちゃんは信心深いので、毎朝…朝事参りで念仏を上げる
 
116 あさづけ 【標準語】
 短期間で漬ける漬物
【意味等】
 糠や塩などに漬け込んだ漬物(浅漬)、糠味噌漬け、塩漬け
【用例】
・はざひきダイコンやらハクサイな、アサヅケいしたら…旨か
 →間引きダイコンや白菜は、さっと漬物にしたら…旨い
 
117 あさづけ 【標準語】
 野菜を干さずに漬ける漬物
【意味等】
 青菜や根菜を干さないで漬けた漬物
【用例】
・ダイコンばアサヅケいしたんだあ、さっぱりして…旨かと
 →ダイコンを干さずに漬けたら、さっぱりして…旨いんだ
 
118 あさって 【標準語】
 見当違い
【意味等】
 見込み違い、向くべき方向や判断を誤っていること
【用例】
・誰か悪そうしとう、案内の矢印の…アサッテの方ば向いとう
 →誰か悪戯してる、案内の矢印が…誤った方向を向いている
 
119 あさのとう 【標準語】
 早朝
【意味等】
 朝早く、早旦、あさの(朝の)+とう(疾に:とうに)
【用例】
・直売所い出すけん、アサノトウから収穫い行て出荷準備たい
 →直売所に出すから、朝早くから収穫に行って出荷準備だよ
 
120 あさのま 【標準語】
 午前中
【意味等】
 あさの(朝の)+ま(間)→朝の間:午前中
【用例】
・昼から用のあるけん…病院いなアサノマい行てきとこう
 →昼から用があるので…病院には午前中に行っておこう
 
121 あさのま 【標準語】
 朝食
【意味等】
 朝ごはん、朝飯、あさの(朝の)+ま(まま:飯)
【用例】
・何ちゃよかけん…アサノマな食わなあ、脳い糖分の行かん
 →何でもいいから…朝食を食わないと、脳に糖分が行かない
 
122 あさる 【標準語】
 探す
【意味等】
 探し求める、ひっくり返して探す、たくさんの中から探す
【用例】
・休みの日な、ネットで骨董品ばアサルとが…楽しみやもん
 →休みに日は、ネットで骨董品を探すのが…楽しみなんだ
詳細
123 あさる 【標準語】
 掻き回す
【意味等】
 引っ掻き回して探す、グチャグチャに掻き回す
【用例】
・ハッカーのサーバーの中ばアサッテ、データば壊いとう
 →ハッカーがサーバーの中を荒らして、データを壊している
詳細
124 アジウリ 【標準語】
 マクワウリ
【意味等】
 ウリ科キュウリ属のつる性一年草、味瓜、昔のデザート果物
【用例】
・久々いアジウリば食うたが、メロンのごとはうまみのうなか
 →久々にマクワウリを食ったが、メロンみたいに美味くない
 
125 あしぇ 【標準語】
 汗
【意味等】
 体温調節などのために皮膚から出る体液
【用例】
・この店な…先代の、血とアシェと涙の結晶やけん…潰されん
 →この店は…先代の、血と汗と涙の結晶なので…潰せない
 
126 あしぇがく 【標準語】
 汗ばむ
【意味等】
 汗ぐむ、結露する、あせ(汗)+がく(かく)→汗ばむ
【用例】
・今日な…えらいもうらしか、じっとしとってもアシェガク
 →今日は…すごく蒸し暑い、じっとしていても汗ばむ
詳細
127 あしぇがく 【標準語】
 急ぐ
【意味等】
 早く終わらせる、急がせる
【用例】
・締め切りな…5時やけん、みんな…ちいっとアシェガイて
 →締め切りは…5時だから、みんな…少し急いで
詳細
128 あしぇがく 【標準語】
 むずがる
【意味等】
 小さな子供がむずがる、眠くなるなど機嫌が悪くなる
【用例】
・赤ちゃんの…眠とうなんなって、アシェガイて泣きよんなる
 →赤ちゃんが…眠たくなっちゃって、むずがって泣いてるよ
詳細
129 あしぇがく 【標準語】
 腐る
【意味等】
 料理が腐る、主に煮物などが傷む、
【用例】
・温うなってきたけん、このごらあ…料理のすぐいアシェガク
 →暖かくなってきたので、この頃は…料理がすぐに腐る
詳細
130 あしかた 【標準語】
 足跡
【意味等】
 歩いて地面についた足の形、あし(足)+かた(型)→足跡
【用例】
・このアシカタな、ネコのコンクリートば打ってすぐ歩いたと
 →この足跡は、ネコがコンクリートを打ってすぐ歩いたんだ
 
131 アジコ 【標準語】
 アジ
【意味等】
 アジ科アジ亜科に含まれる魚の総称、鯵、主にマアジ
【用例】
・野北漁港の波止で、今、おきなかアジコのよう釣れようげな
 →野北漁港の波止で、今、大きなアジがよく釣れてるそうだ
 
132 アジコ 【標準語】
 小鯵
【意味等】
 小型のアジ、小さめのアジ、小ぶりのアジ
【用例】
・「志摩の四季」でアジコの安かったけん、南蛮漬ば作った
 →「志摩の四季」で小アジが安かったので、南蛮漬を作った
 
133 あじこじ 【標準語】
 あちこち
【意味等】
 あっちこっち、由来は「あちこち」の音変異
【用例】
・京都い行て、お寺やら名所旧跡やら…アジコジ観てきた
 →京都に行って、お寺や名所旧跡など…あちこち観てきた
 
134 あじこじ 【標準語】
 あれこれ
【意味等】
 由来である「あちこち」の意味の拡大、ああだこうだ
【用例】
・子どものくせい…アジコジくちへんじしなあ、こざにっか
 →子どものくせに…ああだこうだ口答えする、小憎たらしい
 
135 あしのつと 【標準語】
 ふくらはぎ、こむら
【意味等】
 脛の裏の膨らんだ部分、あしの(脚の)+つと(苞)
【用例】
・スピードスケート選手な、アシノツトの大きゅうして…硬か
 →スピードスケート選手は、ふくらはぎが大きくて…硬い
 
136 あしのはら 【標準語】
 足の裏
【意味等】
 由来は「足の平」の音変異?、立って地面に接地する部分
【用例】
・山で…そんくぎば踏み貫いて、アシノハラば大怪我したと
 →山で…竹の切り株を踏み貫いて、足の裏を大怪我したんだ
 
137 あしふみ 【標準語】
 足踏み脱穀機
【意味等】
 足踏みを動力とする籾を稲藁から取り外す(脱穀する)農具
【用例】
・コンバインで脱穀するけん、家いアシフミやらなか
 →コンバインで脱穀するから、家に足踏み脱穀機なんて無い
 
138 あじめし 【標準語】
 五目飯
【意味等】
 味飯、魚肉や野菜など具材を入れて炊いた飯、主にかしわ飯
【用例】
・運動会の弁当な、アジメシのお握りい…唐揚げも入れちゃる
 →運動会の弁当は、五目飯のお握りに…唐揚げも入れてやる
 
139 あじもこうけもなか 【標準語】
 味も香りもしない
【意味等】
 あじも(味も)+こうけも(香気も)+なか
【用例】
・一流レストラン?たっかばっかしで…アジモコウケモナカ
 →一流レストラン?高いばかりで…旨くもなんともない
詳細
140 あじもこうけもなか 【標準語】
 優しさも人情味もない
【意味等】
 「味も香りもしない」の意味拡大、対応が冷たい、事務的
【用例】
・よおと聞かんで「つあーらん」…役場なアジモコウケモナカ
 →よく聞きもせずに「駄目です」…役場は事務的過ぎる
詳細
141 あじもこっけもなか 【標準語】
 味も香りもしない
【意味等】
 あじも(味も)+こっけも(香気も)+なか
【用例】
・偉かととごっつおー食うたが、緊張で…アジモコッケモナカ
 →偉い人とご馳走食べたけど、緊張で…味も香りもしない
詳細
142 あじもこっけもなか 【標準語】
 優しさも人情味もない
【意味等】
 「味も香りもしない」の意味拡大、対応が冷たい、事務的
【用例】
・金持ちいいな好うするが、貧乏かといなアジモコウケモナカ
 →金持ちには好くするけど、貧乏なやつには対応が冷たい
詳細
143 あじもしゃしゃらもなか 【標準語】
 味も香りもしない
【意味等】
 あじも(味も)+しゃしゃら(爽やかさも)+なか
【用例】
・このスイカな5,000円もしたとやが、アジモシャシャラモナカ
 →このスイカは5,000円もしたんだけど、味も香りもしない
詳細
144 あじもしゃしゃらもなか 【標準語】
 優しさも人情味もない
【意味等】
 「味も香りもしない」の意味拡大、対応が冷たい、事務的
【用例】
・ぜんいならんと思うたら、アジモシャシャラモナカごとなる
 →金にならんと思ったら、優しさも人情味もないようになる
詳細
145 あじもせせらもなか 【標準語】
 味も香りもしない
【意味等】
 あじも(味も)+せせら(爽やかさも)+なか
【用例】
・この豆腐…スーパーの安売品やけんか、アジモセセラモナカ
 →この豆腐…スーパーの安売品だからか、味も素っ気もない
詳細
146 あじもせせらもなか 【標準語】
 優しさも人情味もない
【意味等】
 「味も香りもしない」の意味拡大、対応が冷たい、事務的
【用例】
・ボトルば入れんけん…アジモセセラモナカごとなんなった
 →ボトルを入れないから…冷たい対応になっちゃった
詳細
147 あしもと 【標準語】
 残穀、落穂
【意味等】
 収穫時や脱穀時に足元に散らばっている稲のくずや残殻
【用例】
・作業も終えるけん、脱穀機のアシモトな…そうよ集めとって
 →作業が終わるので、脱穀機の残り殻は…全部集めておいて
 
148 あじろ 【標準語】
 漁場
【意味等】
 水域の中で特に漁獲の多い所、網代、よく魚が釣れる場所
【用例】
・アラやらのアジロな沖やけん、漁なひしていじゅういなる
 →クエなどの漁場は沖だから、漁は一日がかりになる
 
149 あじろ 【標準語】
 釣り場
【意味等】
 行きつけの釣り場所、よく魚が釣れる場所
【用例】
・あすこのアジロな立入禁止、今年も海い落てて死んどんなあ
 →あそこの釣り場は立入禁止、今年も海に落ちて死んでるよ
 
150 あず 【標準語】
 砂土、川砂
【意味等】
 含水・通水性のある花崗岩系の砂土、川や池の底の砂土
【用例】
・シバば張るとい…下いアズば撒いたら、水はけのようなる
 →芝生を張るのに…下に川砂を撒いたら、水はけがよくなる
 
151 あすこ 【標準語】
 あそこ
【意味等】
 場所や部位を指し示すことば、あのところ、かしこ
【用例】
・「アスコい眼鏡のあるけん取って」「アスコってどこ?」
 →「あそこに眼鏡があるから取って」「あそこってどこ?」
 
152 あすこらへん 【標準語】
 あの辺り
【意味等】
 あの辺、あそこの周辺、概ねの場所を指し示す言い方
【用例】
・昔の駐在所な、今の駄菓子屋の隣…アスコラヘンにあった
 →昔の駐在所は、今の駄菓子屋の隣…あの周辺にあった
 
153 あすこんにき 【標準語】
 あの辺り
【意味等】
 あの辺、あすこん(あそこの)+にき(傍ら、近く、周辺)
【用例】
・あっちの奥さんな、確か…アスコンニキから嫁い来ちゃあ
 →あちらの奥さんは、確か…あの辺りから嫁いで来ている
 
154 あずのきれん 【標準語】
 はっきりしない
【意味等】
 判然としない、不明瞭、はっきり分からない、由来は不明
【用例】
・境界立会い行たが…図面と現況のずれてアズノキレン
 →境界立会に行ったけど…図面と現況がずれて判然としない
 
155 あずのきれん 【標準語】
 決断力がない
【意味等】
 思い切りが悪い、本来の「判然としない」の意味拡大
【用例】
・決めきらんで…何でっちゃ上いお伺い、アズノキレン男たい
 →決められずに…何でも上にお伺い、判断力のない男だよ
 
156 あすび 【標準語】
 遊興
【意味等】
 料亭や酒場など風俗でのお遊び、慰みごと
【用例】
・アスビ人ばってん…紳士で粋な男やけん、アスビな綺麗か
 →遊び人だけど…紳士で粋な男だから、遊び方がスマートだ
詳細
157 あすび 【標準語】
 趣味
【意味等】
 好きなことをして楽しむ、手遊び、弄び、冗談、悪戯
【用例】
・ああたの作品なすごか…アスビの域ば越えとる
 →あなたの作品はすごい…趣味の域を越えている
詳細
158 あすびごと 【標準語】
 遊興
【意味等】
 料亭や酒場など風俗でのお遊び、慰みごと
【用例】
・あっちゃ、仕事なすったりやが…アスビゴトな好いとんなあ
 →あちらさんは、仕事はダメだけど…遊興ごとは好いている
詳細
159 あすびごと 【標準語】
 趣味
【意味等】
 好きなことをして楽しむ、手遊び、弄び、冗談、悪戯
【用例】
・大事かことば話すけんアスビゴトせんで、ちゃんと聞きない
 →大事なことを話すので手遊びせずに、ちゃんと聞きなさい
詳細
160 あすびもん 【標準語】
 玩具
【意味等】
 遊びに使う道具、あすび(遊び)+もん(もの)
【用例】
・「お年玉な…貯金、アスビモンやら買わんと」って言われた
 →「お年玉は…貯金、玩具なんか買わないの」って言われた
詳細
161 あすびもん 【標準語】
 慰み者
【意味等】
 からかいの対象となる人や動物
【用例】
・ああたの息子な、友達いアスンビンいされて虐められよるが
 →あなたの息子は、友達に慰み者にされて虐められているよ
詳細
162 あすぶ 【標準語】
 遊興する
【意味等】
 料亭や酒場など風俗でお遊する
【用例】
・せっかく…なかずい来たっちゃけん最終電車までアスブばい
 →せっかく…中洲に来たんだから最終電車まで遊興するぞ
詳細
163 あすぶ 【標準語】
 遊ぶ
【意味等】
 好きなことをして楽しむ、手遊び、悪戯
【用例】
・ゲームしてアスブけん、学校のひけて…家いアスビい来
 →ゲームして遊ぶから、学校が終わって…家に遊びにおいで
詳細
164 あすんもん 【標準語】
 玩具
【意味等】
 遊びに使う道具、あすび(遊び)+もん(もの)
【用例】
・年寄りやけん…このごろのアスンモンな、使い方の分からん
 →年寄りなので…このごろの玩具は、使い方が分からない
詳細
165 あすんもん 【標準語】
 慰み者
【意味等】
 からかいの対象となる人や動物
【用例】
・戦争やけんって、女性ばアスンモンいするやら…許されん
 →戦争だからって、女性を慰み者にするなんて…許せない
詳細
166 あせがいとる 【標準語】
 腐っている
【意味等】
 料理、主に煮物が傷んでいるときに言う
【用例】
・味のおかあしか、このイモの煮っ転がしなアセガイトウ
 →味が変だ、このイモの煮っ転がしは腐っている
詳細
167 あせがく 【標準語】
 汗ばむ
【意味等】
 汗ぐむ、結露する、あせ(汗)+がく(かく)→汗ばむ
【用例】
・今日な…えらいもうらしか、じっとしとったっちゃアセガク
 →今日は…すごく蒸し暑い、じっとしていても汗ばむ
詳細
168 あせがく 【標準語】
 急ぐ
【意味等】
 早く終わらせる、急がせる
【用例】
・締め切りな…今日の5時やけん、みんな…ちいっとアセガイて
 →締め切りは…今日の5時だから、みんな…少し急いで
詳細
169 あせがく 【標準語】
 むずがる
【意味等】
 小さな子供がむずがる、眠くなるなど機嫌が悪くなる
【用例】
・赤ちゃんの…眠とうなって、アセガイて泣きよんなる
 →赤ちゃんが…眠たくなって、むずがって泣いてるよ
詳細
170 あせがく 【標準語】
 腐る
【意味等】
 料理が腐る、主に煮物などが傷む、
【用例】
・温うなってきたけん、このごらあ…料理のすぐいアセガク
 →暖かくなってきたので、この頃は…料理がすぐに腐る
詳細
171 アゼクジリ 【標準語】
 ケラ
【意味等】
 キリギリス亜目コオロギ上科ケラ科に分類される昆虫の総称
【用例】
・ケラばアゼクジリって言うたあ、畦ば…くじるけんやろ?
 →ケラをアゼクジリと言うのは、畦を…ほじくるからだろ?
 
172 あせくる 【標準語】
 探す
【意味等】
 探し求める、しひっくり返して探す、たくさんの中から探す
【用例】
・がらくた市やら、好かとのなかかアセクルとが…楽しみたい
 →がらくた市など、好い物がないか探すのが…楽しみなんだ
詳細
173 あせくる 【標準語】
 掻き回す
【意味等】
 引っ掻き回して探す、グチャグチャに掻き回す
【用例】
・潔癖症やけん、みんなが箸でアセクル鍋やら…食いきらん
 →潔癖症だから、みんなが箸で突き回す鍋なんて…食えねえ
詳細
174 あせこ 【標準語】
 あせも(汗疹)
【意味等】
 汗のために皮膚にできる細かい水泡性の発疹
【用例】
・こらあ…かいかろう?背中いアセコのいっぱいでけとるもん
 →こりゃ…痒いでしょ?背中に汗疹がいっぱいできてるもの
 
175 あせごいか 【標準語】
 汗かき
【意味等】
 汗かき、汗をかきやすい人、汗をかきやすい体質
【用例】
・もうらっさ。ああたアセゴイカけん…手のごい貸いちゃろう
 →蒸し暑いね。あなた汗かきだから…タオル貸してあげよう
詳細
176 あせごうか 【標準語】
 汗かき
【意味等】
 汗かき、汗をかきやすい人、汗をかきやすい体質
【用例】
・アセゴウカけん、今日のごたる日な…汗じっくりいなる
 →汗かきだから、今日のような日は…汗びっしょりになる
詳細
177 あせじくり 【標準語】
 汗びっしょり
【意味等】
 汗だく、あせ(汗)+じくり・じっくり(ぐっしょり)
【用例】
・汗ごいかけん、こえんもおらしか日な…汗ジックリいなる
 →汗かきだから、こんな蒸し暑い日は…汗びっしょりになる
詳細
178 あせじっくり 【標準語】
 汗びっしょり
【意味等】
 汗ぐっしょり、あせ(汗)+じくり・じっくり(ぐっしょり)
【用例】
・毎日…アセジックリでパンツの蒸れて…キンタマの痒いか
 →毎日…汗だくでパンツが蒸れて…キンタマが痒い
詳細
179 あせぼ 【標準語】
 あせも(汗疹)
【意味等】
 汗のために皮膚にできる細かい水泡性の発疹
【用例】
・ちゃんと赤ちゃん見よる?可哀相かごとアセボのでけとう
 →ちゃんと赤ちゃん見てる?可哀相なくらい汗疹ができてる
 
180 あぜまめ 【標準語】
 畔豆
【意味等】
 田んぼの畔に播いた豆の総称(大豆、小豆、黒豆)
【用例】
・農地ば有効活用するごと、畔い播いた大豆やらが…畔豆たい
 →農地を有効活用するよう、畔に播いた大豆などが…畔豆だ
 
181 あせる 【標準語】
 探す
【意味等】
 探し求める、しひっくり返して探す、たくさんの中から探す
【用例】
・真夜中い…つまみば作るとい冷蔵庫ばアセルたあやめり
 →真夜中に…酒の肴を作るのに冷蔵庫を散らかすのはやめて
詳細
182 あせる 【標準語】
 掻き回す
【意味等】
 引っ掻き回して探す、グチャグチャに掻き回す
【用例】
・ニワトリの落葉ばアセルたあ…餌の虫のおるけんやろ?
 →ニワトリが落葉を掻き回すのは…餌の虫がいるからだろ?
詳細
183 あたい 【標準語】
 わたし
【意味等】
 自分をさす自称代名詞、主に女性が使う言い方
【用例】
・ああた、アタイのことば好いとうげなね…つきおうてよかよ
 →あなた、わたしのことが好きらしいね…付き合っていいよ
詳細
184 あたき 【標準語】
 わたし
【意味等】
 自分をさす自称代名詞、主に女性が使う言い方
【用例】
・ぜんい困っとうけんって…そえな悪かこたあしきりらん
 →お金に困ってるからって…そんな悪いことはできません
詳細
185 あたきんがい 【標準語】
 わたしの家
【意味等】
 私んち、私の家族、あたしん(私の)+がい(家)
【用例】
・アタキンガイな…ネコ好きやけん、家いな8匹もおるとやが
 →我が家は…ネコ好きなので、家には8匹もいるんだよ
詳細
186 あたきんがた 【標準語】
 わたしの家
【意味等】
 私んち、私の家族、あたしん(私の)+がた(家)
【用例】
・あのアパートの2階がアタキンガタ、家賃なたったの2万円
 →あのアパートの2階が私んち、家賃はたったの2万円
詳細
187 あたし 【標準語】
 わたし
【意味等】
 自分をさす自称代名詞、主に女性が使う言い方
【用例】
・よかろ、アタシの車…新車ばい。アタシとデートしょうえ
 →いいでしょ、私の車…新車だよ。私とデートしようよ
詳細
188 あたしんがい 【標準語】
 わたしの家
【意味等】
 私んち、私の家族、あたしん(私の)+がい(家)
【用例】
・アタシンガイの姉さんな…えらい美人、女優いなんなった
 →我が家の姉さんは…すごい美人、女優になっちゃった
詳細
189 あたしんがた 【標準語】
 わたしの家
【意味等】
 私んち、私の家族、あたしん(私の)+がた(家)
【用例】
・あの豪邸がアタシンガタ、昔…どっかの領事館やったげな
 →あの豪邸が私んち、昔…どこかの領事館だったそうだ
詳細
190 あただい 【標準語】
 新たに
【意味等】
 新しく、あただ(あたら:新し)+い(に)
【用例】
・申請方法の変わったけん、アタダイ計画書ばだいちゃり
 →申請方法が変わったので、新たに計画書を出してください
 
191 あただい 【標準語】
 急に
【意味等】
 突然に、出し抜けに、間がなく急である様
【用例】
・アタダイ契約解除って言われたっちゃ…工事に入っとうとよ
 →突然に契約解除と言われても…工事に入ってるんだよ
 
192 あただい 【標準語】
 いまさら
【意味等】
 今改めて、今になって、事新しく
【用例】
・「おらあ反対やった」って?アタダイなんば言いようとや
 →「俺は反対だった」だと?いまさら何を言っているんだ
 
193 あたまからほけだす 【標準語】
 かんかんになって怒る
【意味等】
 あたまから(頭から)+惚けだす(湯気を立てる)→激怒
【用例】
・先生の…アタマカラホケダシよんなあが、何のあったとな?
 →先生が…かんかんになって怒ってるけど、何があったの?
 
194 あたますき 【標準語】
 くうとうびょう(空頭病)
【意味等】
 カイコの軟化病の一つで頭部が半透明になって死ぬ病気
【用例】
・アタマスキな…カイコい細菌の寄生する、秋口い流行る病気
 →空頭病は…カイコに細菌が寄生する、秋口に流行る病気
 
195 あたまのさら 【標準語】
 頭蓋骨
【意味等】
 髑髏、頭蓋、頭の頂
【用例】
・古墳ば発掘しよったら、甕棺からアタマノサラやら出てきた
 →古墳を発掘していたら、甕棺から頭蓋骨などが出てきた
 
196 あたら 【標準語】
 新た
【意味等】
 新しく、由来は不明「あたらし(新し)」の音変異?
【用例】
・バイキングな、皿の料理ののうなったらアタライ補充さるる
 →バイキングは、皿の料理がなくなったら新たに補充される
 
197 あたら 【標準語】
 急
【意味等】
 突然、出し抜け、間がなく急、やにわ
【用例】
・アタラ…子供の飛びだいてきたけん、ひいたかと思うた
 →突然…子供が飛び出してきたので、ひいたかと思った
 
198 あたら 【標準語】
 いまさら
【意味等】
 今改めて、今になって、事新し
【用例】
・「せんのきゃよかった」って?アタラなんば言いようと
 →「やらなきゃよかった」だと?いまさら何を言っている
 
199 あたらい 【標準語】
 新たに
【意味等】
 新しく、あただ(あたら:新し)+い(に)
【用例】
・財源不足で、アタダイ消費税なあがるが…給料な上がらん
 →財源不足で、新たに消費税は上がるが…給料は上がんない
 
200 あたらい 【標準語】
 急に
【意味等】
 突然に、出し抜けに、間がなく急である様
【用例】
・アタダイ「離婚」って言うたっちゃあ…おらあ納得しきらん
 →突然「離婚」と言われても…俺は納得できない
 
201 あたらい 【標準語】
 いまさら
【意味等】
 今改めて、今になって、事新しく
【用例】
・返しきらん?アタダイなんば言いようとや…利子つけて返せ
 →返せない?いまさら何を言っているんだ…利子つけて返せ
 
202 あたりこくじゅう 【標準語】
 隣近所
【意味等】
 近所近辺、近くの場所、近く、この周辺
【用例】
・誘拐やなかとな?アタリコクジュウば探したが…おんなれん
 →誘拐じゃないのか?近所近辺を探したけど…いないんだ
 
203 あたりこくちゅう 【標準語】
 隣近所
【意味等】
 近所近辺、近くの場所、近く、この周辺
【用例】
・空襲でアタリコクチュウ火の海たい…たいそ亡うなっちゃあ
 →空襲で近所近辺が火の海だよ…たくさん亡くなられている
 
204 あたりまわる 【標準語】
 触る
【意味等】
 軽く手であたる、手を触れる
【用例】
・触診でアタルマワルとで、どこの悪かか…たいがい分かる
 →触診で軽く触れることで、どこが悪いか…だいたい分かる
 
205 あたりまわる 【標準語】
 中風になる
【意味等】
 脳血管障害(脳卒中)の後遺症で身体に麻痺がおこる
【用例】
・酒飲みやったが、職場でたあれてアタリマワッとんなるげな
 →酒飲みだったけど、職場で倒れて中風になったらしいよ
 
206 あっこ 【標準語】
 あそこ
【意味等】
 場所や部位を指し示すことば、あのところ、かしこ
【用例】
・「見ゆる?アッコいゴウズのおる」「えらい…おきなか」
 →「見える?あそこにカメがいる」「とっても…大きい」
 
207 あったらありぎり 【標準語】
 あるならあるだけ
【意味等】
 ありったけ、あったら(あるなら)+ありぎり(ある限り)
【用例】
・たいそ用意しとうけん、アッタラアリギリ飲うで食うて
 →たくさん用意してるから、ありったけ飲んで食って
詳細
208 あったらしか 【標準語】
 もったいない
【意味等】
 惜しい、残念だ、由来は古語の「惜し(あたら)し」で同意
【用例】
・役所ば辞めて…芸人いなるげな、安定しうといアッタラシカ
 →役所を辞めて…芸人になるそうな、安定してるのに惜しい
 
209 あったられん 【標準語】
 もったいなくない
【意味等】
 惜しくない、くだらん、愚かな、「あったらしか」の対義語
【用例】
・仕事ば辞めたばってん、夢ば叶えるためやけんアッタラレン
 →仕事を辞めたけど、夢をかなえるためだから惜しくない
 
210 あっち 【標準語】
 あの人
【意味等】
 あちらさん、彼の人、第三者を指し示す
【用例】
・馬鹿息子って言われよったが、今ぁ人気アーティストたい
 →馬鹿息子と言われてたけど、今は人気アーティストだよ
 
211 あっち 【標準語】
 あの家
【意味等】
 あちらの家族、あの家庭、他の組織(集団)などを指し示す
【用例】
・アッチゃあ今晩カレーやが、前ば通ったら…匂いのしよる
 →あの家は今晩カレーだよ、前を通ったら…匂いがしてる
 
212 あっちゃこっちゃ 【標準語】
 あちこち
【意味等】
 ものが反対になること、逆さま
【用例】
・ああたとあたきの靴なアッチャコッチャやが、こら酔うとう
 →あなたと私の靴があべこべになっている、こりゃ酔ってる
詳細
213 あっちゃこっちゃ 【標準語】
 あべこべ
【意味等】
 あっちこっち、前後のつじつまのあわないこと
【用例】
・おりおうて話し、話のアッチャコッチャいなって、わからん
 →落ち着いて話せ、話のつじつまが合わなくて、わからない
詳細
214 あっちゃこっちゃ 【標準語】
 ああだこうだ
【意味等】
 ああでもないこうでもない、とやかく口出しをする様を表す
【用例】
・ああたがアッチャコッチャ言うけん…やりそこのうたろうが
 →あんたがああだこうだ言うから…失敗しちゃっただろう
詳細
215 あっつあい 【標準語】
 あちらへ
【意味等】
 彼方へ、あちらの方へ、あっち+さい(~へ)→あっちへ
【用例】
・弟子なとらん、もう来なんな…迷惑ばい、アッツアイ行へ
 →弟子はとらない、もう来るな…迷惑だ、あっちへ行け
 
216 あっと 【標準語】
 すみません
【意味等】
 ごめんなさい、ありがとう、恐縮や感謝の意を示す感嘆詞
【用例】
・アット…ああたのプリン食うたや、まどうけんこらえて
 →すまん…あなたのプリン食べたよ、弁償するので我慢して
 
217 あっと 【標準語】
 あがめたてまつるもの(崇め奉るもの)
【意味等】
 神様、仏様、月、太陽、星など信仰の対象となるもの
【用例】
・七五三な…綺麗かべべば着て、神社でアットいお参りしょう
 →七五三は…綺麗な着物を着て、神社で神様にお参りしよう
 
218 あっぱっぱあ 【標準語】
 簡単服
【意味等】
 夏用の女性用ワンピース、大正時代に大阪で発祥した婦人服
【用例】
・昔な…暑か日な、通気性のよかアッパッパアば着よった
 →昔は…暑い日は、通気性のよい簡単服を着ていた
 
219 あっぱらぱん 【標準語】
 開けっ広げ
【意味等】
 無頓着、気にしない性格、能天気、大雑把、いい加減
【用例】
・アッパラパンやけん、なあも考えんで…よかごとしなあもん
 →能天気だから、何も考えずに…いいように振る舞うんだ
 
220 あっぱらぱん 【標準語】
 開けっ放し
【意味等】
 あけっぴろげ
【用例】
・網戸せんでアッパラパンやけん、家い蚊のたいそ入っとう
 →網戸せずに開けっ放しだから、家に蚊がたくさん入ってる
 
221 あておごり 【標準語】
 わざと𠮟る
【意味等】
 事態収拾のため身内を叱る、あて(当て)+おごり(怒り)
【用例】
・喧嘩相手が社長の息子やけん、我が子ばアテオゴリしよる
 →喧嘩相手が社長に息子なので、我が子をわざと叱ってる
 
222 あてこ 【標準語】
 胸当て
【意味等】
 赤ちゃんのよだれかけ
【用例】
・赤ちゃんの…よだれば垂らしなーけん、アテコばつけない
 →赤ちゃんが…よだれを垂らすので、胸当てをつけなさい
詳細
223 あてこ 【標準語】
 腹当て
【意味等】
 お祭や消防の法被などの下につける腹当て
【用例】
・明日の水防訓練い着ていく…アテコ、どこいなおいた?
 →明日の水防訓練に着ていく…腹当て、どこにしまった?
詳細
224 あてこすり 【標準語】
 マッチ
【意味等】
 燐寸、擦って使う発火用具
【用例】
・飲み屋やらホテルのアテコスリ箱ば集むるとが、趣味げな
 →飲み屋やホテルのマッチ箱を集めるのが、趣味らしい
 
225 あてしゃん 【標準語】
 胸当て
【意味等】
 赤ちゃんのよだれかけ
【用例】
・アテシャンのビシャビシャいなっとう、はよ替えたがよかよ
 →涎掛けがビチャビチャになってる、早く替えたがいいよ
詳細
226 あてしゃん 【標準語】
 腹当て
【意味等】
 お祭や消防の法被などの下につける腹当て
【用例】
・アテシャンい入れたタバコなか、訓練の時い落といたごたあ
 →腹当てに入れたタバコがない、訓練の時に落としたようだ
詳細
227 あてっぽす 【標準語】
 あてずっぽう
【意味等】
 はっきりした理由もなしに行う・言うこと、またそのさま
【用例】
・知らんくせい、アテッポス言うたっちゃ…つぁーるもんかい
 →知らないくせに、当て推量で言っても…だめじゃないか
詳細
228 あど 【標準語】
 かかと(踵)
【意味等】
 きびす、由来には「足掻処(あがきと)」説がある
【用例】
・あいた…ストッキングの伝線した、アドの荒れとう
 →しまった…ストッキングが伝線した、踵が荒れている
 
229 あど 【標準語】
 靴のかかと
【意味等】
 靴のかかとの部分
【用例】
・よか靴やけん…アドば修繕してもろうて…大事い履くと
 →いい靴なので…踵を修繕してもらって…大切に履くんだ
 
230 あといり 【標準語】
 後添い
【意味等】
 後妻(夫)、離別や死別後に再婚で家に入る妻・夫
【用例】
・最初の旦那な…死んで、アトイリの養子さんも死になった
 →最初の旦那は…亡くなり、後添いの養子さんも亡くなった
 
231 あとうだえ 【標準語】
 あなとうと(安名尊)
【意味等】
 神仏を拝する時の唱えことば
【用例】
・今日なお彼岸やけん…仏壇で、アナトウト言うてきんしゃい
 →今日はお彼岸なので…仏壇で、お参りしてきなさい
詳細
232 あとえだ 【標準語】
 うしろあし(後肢)
【意味等】
 動物や昆虫の後肢、頭から最も遠い脚一対
【用例】
・イノシシのアトエダばもろうたけん、今晩なシシ鍋いしょう
 →イノシシの後肢をもらったので、今晩はシシ鍋にしよう
 
233 あとがけ 【標準語】
 あとかけぞうり(後掛草履)
【意味等】
 かかとを固定して脱げにくくした草履、かかと固定式の草履
【用例】
・夏の革靴な蒸れて…あなまたくされいなる、アトガケがよか
 →夏の革靴は蒸れて…指の間が水虫になる、後掛草履がいい
 
234 あとくちのわるか 【標準語】
 後味が悪い
【意味等】
 食べた後に口の中に残る味が悪い、口の中に嫌な味が残る
【用例】
・うまかばってん…好かん匂いの残って、アトクチノワルカ
 →うまいけど…嫌な匂いが残って、後味が悪い
 
235 あとくちのわるか 【標準語】
 最後に嫌な気分になる
【意味等】
 物事が終わった後の嫌な気分、片付いたのに悪い気持ち
【用例】
・解決したが…いっち悪かたあ無罪、アトクチノワルカ
 →解決したけど…一番悪い奴は無罪、最後は嫌な気分だ
 
236 あとさん 【標準語】
 あがめたてまつるもの(崇め奉るもの)
【意味等】
 神様、仏様、月、太陽、星など信仰の対象となるもの
【用例】
・病気の…はようようなるごと、アトサンい参ってきない
 →病気が…早くよくなるよう、神仏にお参りしておいで
 
237 あとさん 【標準語】
 後家
【意味等】
 未亡人、夫を亡くして独り身になった妻
【用例】
・あっちのアトサンな…まあだわっかけん、再婚させにゃあ
 →あちらの後家さんは…まだ若いので、再婚させなきゃ
 
238 アトサンビキ 【標準語】
 アオガエル、アマガエル
【意味等】
 アマガエル科の両生類の総称、青蛙、雨蛙
【用例】
・壁いアトサンビキのおるが…おかあしか色いなっとう
 →壁にアオガエルがいるけど…変な色になっている
 
239 あとじえ 【標準語】
 後悔
【意味等】
 してしまったことを後で悔やむこと、後知恵
【用例】
・アトジエな…なあもならん、次い何ばするか…考えらなあ
 →後悔は…何にもならない、次に何をするか…考えなくちゃ
 
240 あとぞい 【標準語】
 後添い
【意味等】
 後妻(夫)、離別や死別後に再婚で家に入る妻・夫
【用例】
・お前と別れたっちゃ…アトゾイばもらうけん、心配しなんな
 →お前と離別しても…後妻をめとるから、心配するなよ
 
241 あとと 【標準語】
 すみません
【意味等】
 ごめんなさい、ありがとう、恐縮や感謝の意を示す感嘆詞
【用例】
・アトト…ごめんばってん出かくるけん…出直いちゃらん?
 →すまん…悪いけど出掛けるので…出直してくれないか?
 
242 あとと 【標準語】
 あがめたてまつるもの(崇め奉るもの)
【意味等】
 神様、仏様、月、太陽、星など信仰の対象となるもの
【用例】
・お盆な…ご先祖様の帰ってくるけんアトトいお参りせな
 →お盆は…ご先祖様が帰ってくるので仏様にお参りしなきゃ
 
243 あととり 【標準語】
 嫡子(ちゃくし)
【意味等】
 家を継ぐ子供、世継ぎ、後継ぎ
【用例】
・あれがアトトリ息子やが、ほんにい…店ば継ぎなあやろうか
 →あれが後継ぎの息子だけど、本当に…店を継ぐだろうか
 
244 あとばね 【標準語】
 泥はね、はね
【意味等】
 跳ね上げ、ぬかるみで跳ね上がる泥、また裾についた汚れ
【用例】
・走ったろ?白かズボンのアトバネで、だめしゅうなっとう
 →走っただろ?白いズボンが泥はねで、汚くなっている
 
245 あなぜ 【標準語】
 戌亥の風、北西の強風
【意味等】
 秋から冬にかけて吹く北西の寒風(強風で漁師が嫌う)
【用例】
・冬なアナゼで時化るけん、牡蠣小屋で稼ぎよります
 →冬は北西の強風で時化るので、牡蠣小屋で稼いでいます
 
246 あなとうと 【標準語】
 あなとうと(安名尊)
【意味等】
 神仏を拝する時の唱えことば
【用例】
・今日なお彼岸やけん…仏壇で、アナトウト言うてきんしゃい
 →今日はお彼岸なので…仏壇で、お参りしてきなさい
詳細
247 あなまた 【標準語】
 足指の股
【意味等】
 足の指の間、あ(趾:あしゆび)+な(の)+また(股)
【用例】
・アナマタの蒸れん…指の入る靴下ば買うてきて
 →足指の間が蒸れない…指が入る靴下を買ってきて
 
248 あなまた 【標準語】
 足指の股のただれ
【意味等】
 水虫などの細菌による足指の間のただれ
【用例】
・かいか…アナマタの赤うなっとう、こらあ水虫やが
 →痒い…足指の股のただれが赤くなってる、これは水虫だよ
 
249 あなまたくされ 【標準語】
 趾間白癬(しかんはくせん)
【意味等】
 水虫菌(白癬菌)で足指の股がふやけ、赤くただれる症状
【用例】
・こらアナマタクサレやが、うつるけんスリッパば履きなんな
 →こりゃ趾間白癬だよ、うつるからスリッパを履かないで
 
250 あにさん 【標準語】
 にいさん
【意味等】
 兄、お兄さん、年上の男性
【用例】
・アニサンな…もつるねえ、お前い似らんで…好か男やもん
 →お兄さんは…モテるなあ、お前に似らずに…好い男だもの
 
251 あねさん 【標準語】
 嫂(あによめ)
【意味等】
 兄嫁、兄の妻、義理の姉
【用例】
・ああたのアネサンな、早良から来らっしゃったっちゃろ?
 →あなたの兄嫁は、早良から嫁いで来られたんでしょ?
 
252 あねさん 【標準語】
 姉さん
【意味等】
 姉、お姉さん、年上の女性
【用例】
・アネサンな、えらいじょうもんさんやねえ…おらあ好いとう
 →お姉さんは、すごく綺麗だねえ…俺は好きだなあ
 
253 あねしゃん 【標準語】
 嫂(あによめ)
【意味等】
 兄嫁、兄の妻、義理の姉
【用例】
・ああたのアネシャンな、実家い…あるいちゃるとやろ?
 →あなたの兄嫁は、実家に…里帰りされているんでしょ?
 
254 あねしゃん 【標準語】
 姉さん
【意味等】
 姉、お姉さん、年上の女性
【用例】
・アネシャンな…えずか、こまか時い…こなされよたっちゃん
 →お姉さんは…怖い、ちっちゃい時に…虐められていたんだ
 
255 あのくさ 【標準語】
 あのね、ねえ
【意味等】
 話しかける時や言うことをためらう時などの出だしのことば
【用例】
・アノクサ、言いにっかとばってん…ファスナーの開いとうが
 →ねえ、言いにくいんだけど…ファスナーが開いてるよ
詳細
256 あのくさあ 【標準語】
 あのね、ねえ
【意味等】
 話しかける時や言うことをためらう時などの出だしのことば
【用例】
・痴漢?そえなことするもんや、アノクサ…おらあ生徒会長ぜ
 →痴漢?そんなことするもんか、あのね…俺は生徒会長だよ
詳細
257 あば 【標準語】
 浮子、漁網の端につける浮き
【意味等】
 漁網を浮かせる浮き(昔は樽、今は空玉)、由来は「網端」
【用例】
・網ば敷くけん動き出いたら…アバばつけて海いなんこんで
 →網を敷くので動き出したら…浮子をつけて海に投げ込んで
 
258 あば 【標準語】
 川流防止の網
【意味等】
 漁や木材などの川流防止のための網や杭、縄などの部材
【用例】
・鯉攻めのコイな…川いアバば張った生簀で、泥ば吐かしょう
 →鯉攻めのコイは…川に網を張った生簀で、泥ば吐かせよう
 
259 あばかん 【標準語】
 収まりきれない
【意味等】
 収まらない、入りきれない、「あばく」の否定形
【用例】
・荷物ば送るとやが、ちっと多かけん…60サイズなアバカン
 →荷物を送るけど、少し多いので…60サイズでは入りきれん
 
260 あばかん 【標準語】
 始末に負えない
【意味等】
 多すぎや大きすぎで始末に負えない、たまらない
【用例】
・ゴッカブロウの…ゴキブリホイホイじゃアバカンごとおる
 →ゴキブリが…ゴキブリホイホイじゃ手に負えんほどいる
 
261 あばくる 【標準語】
 皮膚が荒れる
【意味等】
 出来物や虫刺されで皮膚が荒れる、腫れる、ただれる
【用例】
・蚊の喰うた所ば…掻きむしったらアバクルばい
 →蚊に刺された所を…掻きむしったらただれるよ
詳細
262 あばくる 【標準語】
 酒の席で乱れる
【意味等】
 酒に酔い常軌を失った行為をする、宴席で酩酊し礼儀が乱れる
【用例】
・酔うたらアバクルけん、中洲いな…連れて行っちゃらん
 →酔ったら荒れるので、中洲には…連れて行ってあげない
詳細
263 あばくる 【標準語】
 溢れる
【意味等】
 いっぱいで溢れる、こぼれる、器から溢れこぼれる
【用例】
・酒な弱かっちゃけん、そえんアバクルごと注ぎなんな
 →酒に弱いんだから、そんなに溢れるように注がないでよ
詳細
264 あばける 【標準語】
 皮膚が荒れる
【意味等】
 出来物や虫刺されで皮膚が荒れる、腫れる、ただれる
【用例】
・蚊の喰うた所ば…掻きむしったろ?…アバケトウが
 →蚊に刺された所を…掻きむしっただろ?…ただれてるよ
詳細
265 あばける 【標準語】
 酒の席で乱れる
【意味等】
 酔って常軌を失った行為をする、宴席で酩酊し礼儀が乱れる
【用例】
・覚えとらん?ああた、アバケテ…ちんちん出いて踊ったろう
 →覚えてない?あなた、酔って…ちんちん出して踊っただろ
詳細
266 あばける 【標準語】
 溢れる
【意味等】
 いっぱいで溢れる、こぼれる、器から溢れこぼれる
【用例】
・断水しょうごたあけん、湯船い水ばアバケルごと入れとって
 →断水しそうなので、湯船に水を溢れるくらい入れておいて
詳細
267 あばれこぼれ 【標準語】
 溢れる
【意味等】
 いっぱいで溢れる、こぼれる、器から溢れこぼれる
【用例】
・風呂の湯はり機能の…そぜとう、お湯のアバレコボレしよる
 →風呂の湯はり機能が…壊れてる、お湯が溢れこぼれている
詳細
268 アブッテカモ 【標準語】
 スズメダイ
【意味等】
 スズキ目スズメダイ科に分類される魚類、干物は酒の肴
【用例】
・アブッテカモな…あぶって食うたら、カモのごたあ味のする
 →スズメダイは…あぶって食ったら、カモのような味のする
 
269 あぶのめんたま 【標準語】
 魚の目
【意味等】
 鶏眼、表皮の角質層が厚くなって真皮に食い入ったもの
【用例】
・アブノメンタマのでけて…痛うして行かれん、車で送って
 →魚の目ができて、痛くて行けない、車で送って
 
270 あぶらいれ 【標準語】
 油性薬剤の散布機、油性薬剤の散布作業
【意味等】
 かつては害虫防除に石油系の薬剤を農地に散布していた
【用例】
・昔ゃあ…この時期、ウンカ防除でアブライレばしよった
 →昔は…この時期、ウンカ防除で油性薬剤の散布をしていた
 
271 あぶらさし 【標準語】
 油性薬剤の散布機、油性薬剤の散布作業
【意味等】
 かつては害虫防除に石油系の薬剤を農地に散布していた
【用例】
・納屋のアブラサシな…昔、ウンカの防除い使いよった
 →納屋の油性薬剤の散布機は、昔、ウンカの防除に使ってた
 
272 あぶりこ 【標準語】
 火斑(あまみ)
【意味等】
 火胼胝(ひだこ)、血管の増殖拡張などによる肌の赤い部分
【用例】
・たき火の側い長うおったけん…足いアブリコの出とう
 →たき火の側に長くいたので…足に火斑が出ている
 
273 あふる 【標準語】
 動悸がする
【意味等】
 心臓の鼓動が強くなる、早くドキドキすること
【用例】
・危機一髪…5秒遅かったら死んどるが、アフルねえ
 →危機一髪…5秒遅かったら死んでるよ、ドキドキするねえ
詳細
274 あぺ 【標準語】
 汚い
【意味等】
 不潔、汚い、汚れている、清潔でないことの幼児言葉
【用例】
・アペ…何ちゃ口い入れんと、赤ちゃんな…見とかなあえずか
 →汚い…何でも口に入れるな、赤ちゃんは…見てないと怖い
詳細
275 あぺち 【標準語】
 汚い
【意味等】
 不潔、汚い、汚れている、清潔でないことの幼児言葉
【用例】
・うわっ…臭か、あぽば踏んだ!アペチ…ズボンいもついとう
 →うわっ…臭い、糞を踏んだ!汚い…ズボンにもついている
詳細
276 あぺちい 【標準語】
 汚い
【意味等】
 不潔、汚い、汚れている、清潔でないことの幼児言葉
【用例】
・ああたたちゃあ…あぽばせせくるよろ?アペチイけんやめり
 →あんたたちは…糞をいじっているでしょ?汚いので止めて
詳細
277 あぺちか 【標準語】
 汚い
【意味等】
 不潔、汚い、汚れている、清潔でないことの幼児言葉
【用例】
・アペチカ…たんたん飲んで酔うて…まりかぶっとんしゃる
 →汚い…酒を飲んで酔って…ウンチをお漏らししてるよ
詳細
278 アヘル 【標準語】
 アヒル
【意味等】
 カモ科のマガモを原種とする家禽、生物学的にマガモと同種
【用例】
・知っとう…アイガモなあアヘルとマガモの掛け合わせげな
 →知ってる…アイガモはアヒルとマガモの掛け合わせだって
 
279 あぽ 【標準語】
 うんこ
【意味等】
 糞(くそ、ふん)、大便、動物の肛門から出される排泄物
【用例】
・腹具合の悪か、ちょっとアポしてこう…まりかぶろうごたあ
→腹具合が悪い、ちょっとうんこしてこよう…漏らしそうだ
詳細
280 あぽいろ 【標準語】
 黄褐色
【意味等】
 うんこ色、「あぽ(うんこ)」+「いろ(色)」
【用例】
・ブランド品でたっかろうばってん…アポイロの靴な履かん
 →ブランド品で高価なんだろうけど…黄褐色の靴は履かない
詳細
281 あぽかき 【標準語】
 肥掻き、アワビの貝殻
【意味等】
 肥掻き用のアワビの貝殻、アワビの貝殻
【用例】
・アポカキのそぜたけん、ここいあるアポカキば…やり
 →肥掻きが壊れたので、ここいあるアワビの貝殻を…頂戴
詳細
282 あぽたご 【標準語】
 肥桶
【意味等】
 肥たご、肥料用の糞尿を天秤棒で担って運ぶ桶
【用例】
・有機農法なよかが、アポタゴばいのうてまでな…せん
 →有機農法はいいけど、肥桶を担いでまでは…しない
詳細
283 あほたれ 【標準語】
 愚か者
【意味等】
 馬鹿、阿呆、無知、「あほ(あほ)」+「たれ(垂れ)」
【用例】
・息子なアホタレ、ちんくいな…アポチンとアポタンばっかし
 →息子は愚か者、友達は…バカとアホばかり
詳細
284 あぽたれ 【標準語】
 愚か者
【意味等】
 馬鹿、阿呆、無知、「あぽ(うんこ)」+「たれ(垂れ)」
【用例】
・アポタレやん、おなごい騙くらかされて…ぜんば盗られとう
 →馬鹿だから、女に騙されて…金を盗られている
詳細
285 あぽたん 【標準語】
 愚か者
【意味等】
 馬鹿、阿呆、無知、「あぽ(うんこ)」+「たれ(垂れ)」
【用例】
・アポタン!おんなし間違いして、何回…言うたらよかとや?
 →馬鹿!同じ間違いしやがって、何回…言ったらいいんだ?
詳細
286 あぽち 【標準語】
 汚い
【意味等】
 不潔、汚い、汚れている、清潔でないことの幼児言葉
【用例】
・あぽば踏んだ!アポチ…プロック塀いぬすくりつけとこう
 →うんこを踏んだ!汚い…プロック塀に塗りつけておこう
詳細
287 あぽちか 【標準語】
 汚い
【意味等】
 不潔、汚い、汚れている、清潔でないことの幼児言葉
【用例】
・おてとーとば食わんと…アポチカ、腹のせくばい
→落ちているものを食うな…汚い、お腹をこわすぞ
詳細
288 あぽちん 【標準語】
 愚か者
【意味等】
 馬鹿、阿呆、無知、「あぽ(うんこ)」+「ちん(敬称)」
【用例】
・アポチンが!したらいかんことば…なしてするとや?
 →馬鹿者が!やっちゃ駄目なことを
 
   
・たき火しよったら、火いあぶられて…足いアポメの出とう
 →たき火してたら、火にあぶられて…足に火胼胝が出ている
 
290 あまか 【標準語】
 味が薄い
【意味等】
 塩味が薄い、塩味が足りない
【用例】
・お吸いもんの…ちったあアマカごたあ、醤油ばさしとこう
 →お吸い物が…少し薄いようだ、醤油をさしておこう
 
291 あまかこと 【標準語】
 でたらめ
【意味等】
 馬鹿なこと、口からでまかせ、勝手なこと
【用例】
・わがが悪かといアマカコト言うて、他人のせいいする
 →自分が悪いのに口から出まかせ言って、他人のせいにする
詳細
292 あまかこと 【標準語】
 淫らなこと
【意味等】
 馬鹿なこと、口からでまかせ、勝手なこと
【用例】
・あすび人な…じょうもんさんい、アマカコト言うとが仕事
 →プレイボーイは…綺麗な女性に、出まかせに口説のが仕事
詳細
293 あまかこと 【標準語】
 やってはいけないこと
【意味等】
 無用なこと、自分に都合が良いこと、身勝手なこと
【用例】
・したらいかん、みんない…アマカコトしよると思わるる
 →やっちゃ駄目、みんなに…身勝手なことしてると思われる
詳細
294 あまがみ 【標準語】
 戯食(じゃれぐい)
【意味等】
 犬や猫などがじゃれて軽く噛むこと、優しくかむこと
【用例】
・彼女の甘えてアマガミしなあと、何か…いやらしかろ?
 →彼女が甘えて優しく噛むんだ、何だか…いやらしいだろ?
 
295 あまがみ 【標準語】
 油紙(ゆし)
【意味等】
 桐油(きりゆ)や荏(えごま)などを和紙に塗った防水紙
【用例】
・アマガミな…アマの種の亜麻仁油ば、和紙い塗って作るげな
 →油紙は、アマの種のアマニ油を、和紙に塗って作るそうだ
 
296 あまっこと 【標準語】
 でたらめ
【意味等】
 馬鹿なこと、口からでまかせ、勝手なこと
【用例】
・許いちゃれ?アマッコト言いなんな、万引きな犯罪たい
 →許してくれ?勝手なこと言うんじゃない、万引きは犯罪だ
詳細
297 あまっこと 【標準語】
 淫らなこと
【意味等】
 馬鹿なこと、口からでまかせ、勝手なこと
【用例】
・アマッコトば…えらい好いとるが、ちったあ変態やなかな?
 →淫らなことが…とても好きだが、少し変態じゃないの?
詳細
298 あまっこと 【標準語】
 やってはいけないこと
【意味等】
 無用なこと、自分に都合が良いこと、身勝手なこと
【用例】
・アマッコトすんな、そえなことしたら迷惑しょうが
 →余計なことするな、そんなことしたら迷惑するだろ
詳細
299 アマノリ 【標準語】
 アサクサノリ(甘海苔)
【意味等】
 ウシケノリ科で膜状の海藻の総称、「アマノリ」は学術名である
【用例】
・糸島も…アマノリば養殖しよんなあ、糸島産で売りよった
 →糸島も…浅草海苔を養殖している、糸島産で売っていた
 
300 アマビキ 【標準語】
 アオガエル、アマガエル
【意味等】
 アマガエル科の両生類の総称、青蛙、雨蛙
【用例】
・やかましゅうアマビキの鳴きようが、降るっちゃなかや?
 →うるさくアオガエルが鳴いてるけど、降るんじゃないの?
 
301 アマメ 【標準語】
 ゴキブリ
【意味等】
 アブラムシ、フナムシのことを言う地域もある
【用例】
・音ものう…こっつあい飛んでくる、よおと見たらアマメやん
 →音も無く…こっちに飛んでくる、よく見たらゴキブリだよ
 
302 あみごや 【標準語】
 網倉
【意味等】
 海辺の網などの漁具を保管する小屋、簡単な作業をする小屋
【用例】
・ごち網漁の始まるけん、アミゴヤから…網ばそうよう出いて
 →ごち網漁が始まるので、網倉から…網を全部出して
 
303 あみだな 【標準語】
 網棚
【意味等】
 岸壁近くに作られた網を干したり、繕ったりする竹棚
【用例】
・ごち網ば…修繕するけん、アミダナんとこまで運んじゃり
 →ごち網を…修繕するから、アミダナの所まで運んでくれ
 
304 あみどこ 【標準語】
 魚網運搬具
【意味等】
 梯子状で脚がある魚網をのせて運ぶ運搬具
【用例】
・ごち網ば…アミドコで船まで運ぶけん、ちょっと手伝うて
 →ごち網を…運搬具で船まで運ぶから、ちょっと手伝って
 
305 あみる 【標準語】
 潜水する
【意味等】
 魚介類を捕るため水中に潜る、あま(海)+いる(入る)
【用例】
・糸島なあ…サザエやら捕るといアミルたあ、海士が多か
 →糸島は…サザエなど捕るのに潜るのは、海士が多い
 
306 あみをたてる 【標準語】
 網入れする
【意味等】
 魚網を海中に敷設する、定置網を立てる
【用例】
・姫島な、地の人たちでアミヲタテテ…管理しとんしゃるげな
 →姫島は、地元住民で定置網を立てて…管理してあるそうだ
 
307 あめがた 【標準語】
 麦芽水飴
【意味等】
 もち米と麦芽で作る水飴、「あめがた」は商品名、佐賀名産
【用例】
・出産祝いな…アメガタがよか、母乳のよう出るげな
 →出産祝いは…麦芽水飴がよい、母乳がよく出るそうだ
 
308 アメドリ 【標準語】
 アビ
【意味等】
 アビ目アビ科アビ属の鳥、アビ科の海鳥の総称のこともいう
【用例】
・アメドリな…冬の渡鳥で、泳ぎよったらマガモい似とう
 →アビは…冬の渡鳥で、泳いでいたらマガモに似ている
 
309 あやくるしい 【標準語】
 怠い
【意味等】
 病気や疲れで心身がだるい、由来は不明
【用例】
・コロナの後遺症かいな?アヤクルシカけん…休うで寝とう
 →コロナの後遺症かな?怠いので…休んで寝ている
 
310 あやくるしい 【標準語】
 無器用
【意味等】
 筋肉痛や障害など手足に力が入らない、
【用例】
・まあだね?ああた…アヤクルシカけん、時間のかかるな
 →まだなの?あんた…不器用だから、時間が掛かるね
 
311 あやしこ 【標準語】
 あんなに
【意味等】
 あれだけ(沢山・おびただしい)
【用例】
・晩飯ばアヤシコ食うたとい、腹の空いた?やけん太るったい
 →晩飯をあんなに食ったのに、腹減った?だから太るんだよ
詳細
312 あやす 【標準語】
 愚弄する
【意味等】
 人をばかにして弄ぶ、ひやかす、からかう、ごまかす
【用例】
・面白かけんって…ネコばアヤスたあ止めり、掻き裂かるるが
 →面白いからと…ネコをからかうは止めろ、引っ掻かれるよ
詳細
313 あやす 【標準語】
 落ちる
【意味等】
 木の実などのほか、汚れや色などが落ちること
【用例】
・汚れのアヤスけん、ぬるま湯い…いっとき漬けときんしゃい
 →汚れが落ちるから、ぬるま湯に…しばらく漬けときなさい
詳細
314 あやす 【標準語】
 垂れる
【意味等】
 鼻血や膿、涙などの体液が垂れる・流れる
【用例】
・このきびしょないかん、アヤスけん食卓い丸か跡のつく
 →この醤油差しはよくない、垂れるので食卓に丸い跡がつく
詳細
315 あゆる 【標準語】
 愚弄する
【意味等】
 人をばかにして弄ぶ、ひやかす、からかう、ごまかす
【用例】
・下級生ばアユルたあ止めり、ほんに…つまらん男やねえ
 →下級生を虐めるのは止めろ、本当に…つまらない男だなあ
詳細
316 あゆる 【標準語】
 落ちる
【意味等】
 木の実などのほか、汚れや色などが落ちること
【用例】
・騙されたと思うて…使うてん、ひどか汚れの…ようアユル
 →騙されたと思って…使って、ひどい汚れが…よく落ちる
詳細
317 あゆる 【標準語】
 垂れる
【意味等】
 鼻血や膿、涙などの体液が垂れる・流れる
【用例】
・ぞうたんばっかし言うて、笑い過ぎて…鼻水ばアユルごたあ
 →冗談ばかり言って、笑い過ぎて…鼻水が垂れそうだ
詳細
318 あら 【標準語】
 あいつは
【意味等】
 「あれは」や「あのことは」の他に人称として使われる
【用例】
・アラ…おうちゃっか、今度…ぼてくりこかいちゃろう
 →あいつ…横着だ、今度…ボコボコにしてやろう
 
319 あらあ 【標準語】
 あいつは
【意味等】
 「あれは」や「あのことは」の他に人称として使われる
【用例】
・アラア…お前の妹や?お前い似らんで…愛らっさ
 →あいつ…お前の妹か?お前に似てなくて…可愛いなあ
 
320 あらいてきた 【標準語】
 時化てきた
【意味等】
 高波がたち…海が荒れてきた、あらいて(荒れて)+きた
【用例】
・台風の来ようけん…アライテキタ、今日な漁い出られん
 →台風が来てるから…時化てきた、今日は漁に出られない
 
321 あらおこし 【標準語】
 最初の耕起
【意味等】
 荒起こし、最初の田耕、あら(新・荒)+おこし(耕起)
【用例】
・トラクターでのアラオコシで…緑肥のレンゲば鋤き込むと
 →トラクターでの最初の耕起で…緑肥のレンゲを鋤き込むの
 
322 あらかっとう 【標準語】
 間隔が開く
【意味等】
 間隔が広がること、主に姫島で漁業用語として使われる
【用例】
・網ば揚ぐるとい…船のアラカットウ、まちっと寄せれ
 →網を揚げるのに…船の間隔が開いている、もう少し寄せろ
 
323 あらぎもとる 【標準語】
 出端を挫く
【意味等】
 機先を制する、あらぎも(荒肝:肝っ玉)+とる(取る)
【用例】
・勝ちたかならガツンと一発、アラギモトッテ攻め込みない
 →勝ちたいならガツンと一発、出端を挫いて攻め込みなさい
 
324 あらけ 【標準語】
 初作、初作物
【意味等】
 開墾した農地での初作物、由来は古語の「新墾(あらき)」
【用例】
・新規就農者の開墾して、アラケのオリーブで油ば絞ったと
 →新規就農者が開墾して、初作のオリーブで油を絞ったんだ
 
325 あらけなか 【標準語】
 荒々しい
【意味等】
 あらけ(荒気)+なか(ない:強める接尾語)→荒々しい
【用例】
・見た目なアラケナカが気持ちな優しか、付き合うてみらん?
 →見た目は粗野だけど気持ちは優しい、付き合ってみない?
詳細
326 あらけなか 【標準語】
 甚だしい
【意味等】
 程度が甚だしい、雑な、大変な、尋常じゃない
【用例】
・アラケナカ揺れ方やったけん、地滑りでおおごとやが
 →甚だしい揺れ方だったので、地滑りで大変だよ
詳細
327 あらしこ 【標準語】
 若い農民
【意味等】
 漢字で「新し児」、農家で力仕事をする元気な若者
【用例】
・糸島な…新規就農い人気やけん、アラシコの増えよう
 →糸島は…新規就農に人気だから、若い農業者が増えている
 
328 あらしこ 【標準語】
 力仕事の農作業
【意味等】
 あらしこ(若い農業者)が頼りにされる力仕事の農作業
【用例】
・耕作放棄地の復活なアラシコやけん…やおいかんとぜ
 →耕作放棄地の復活は大変な農作業だから…きついんだぞ
 
329 あらしここなし 【標準語】
 愚図ついた天気
【意味等】
 あらしこ(若い農業者)+こなし(いじめ)
【用例】
・稲刈りばしたかが、アラシココナシで…いっちょんされん
 →稲刈りしたいけど、愚図ついた天気で…ちっともできない
 
330 あらしろかき 【標準語】
 初代掻き
【意味等】
 田植え前にトラクターで水田を荒くかき混ぜる最初の代掻き
【用例】
・もう…アラシロガキな?早期コシヒカリば植えるとかいな?
 →もう…初代搔きかい?早期コシヒカリを植えるのかな?
 
331 あらた 【標準語】
 株田
【意味等】
 刈株が残ったままの耕す前の田
【用例】
・アラタい緑肥レンゲば植えたが、タコゾウムシいやられた
 →株田に緑肥レンゲを植えたけど、タコゾウムシにやられた
 
332 あらて 【標準語】
 荒目網
【意味等】
 漁網の両翼に付けた目の粗い引網、地引網の部分名称
【用例】
・アラテな、網の両端やらい付いとう…目の粗か網のこったい
 →荒目網は、網に両端などに付いてる…目が粗い網のことだ
 
333 あらて 【標準語】
 水口(みなくち)
【意味等】
 水田への取水口、用水路をから田に水を引き入れるための口
【用例】
・アラテば見い行って、水路いおてて…死んどんなる
 →水口を点検しに行って、水路に落ちて…亡くなられた
 
334 あらまが 【標準語】
 初代掻き
【意味等】
 田植え前にトラクターで水田を荒くかき混ぜる最初の代掻き
【用例】
・アラマガな、馬鋤(まが)で…荒目い代掻きばするこったい
 →初代掻きは…馬鋤で…荒目の代掻きをすることだよ
 
335 アラムギ 【標準語】
 オオムギ
【意味等】
 大麦、イネ科オオムギ属の穀物、ビール麦などの品種がある
【用例】
・糸島のビール用のアラムギな、たいがい「一番搾り」の原料
 →糸島のビール用の大麦は、おおかた「一番搾り」の原料
 
336 あらむぎ 【標準語】
 粗麦(そばく)
【意味等】
 精白していない麦、粗挽きのほとんど加工していない麦
【用例】
・アラムギの収量な多かが、収穫前の雨で…品質なようなか
 →粗麦の収量は多いけど、収穫前の雨で…品質は良くない
 
337 あらもん 【標準語】
 乱暴者
【意味等】
 言動が荒い人、無法者、あら(荒い)+もん(者)→乱暴者
【用例】
・こまか時からアラモンやったが、おせいなって…ヤクザやが
 →子供の頃から乱暴者だったが、大人になって…ヤクザだよ
詳細
338 あらもん 【標準語】
 豪胆な人
【意味等】
 あら(荒気:勇気)+もん(者)→勇気のある者、豪儀な人
【用例】
・アラモンやけん、友達のこなされよったら…しかかっていく
 →勇気者だから、友達が虐められてたら…殴りかかっていく
詳細
339 あらんもん 【標準語】
 違う物
【意味等】
 別の物、他の物m(あらぬ:違う)+もん(もの)→違う物
【用例】
・部品ば頼うどったがアランモンのきたけん…でけとらん
 →部品を頼んでいたが違う物がきたので…出来ていない
 
340 ありぎり 【標準語】
 あるだけ
【意味等】
 ありっきり、すべて、あり(ある)+ぎり(かぎり)
【用例】
・梅の実の欲しか?そこい生っとうけん、アリギリ…ちぎり
 →梅の実が欲しい?そこに生ってるから、あるだけ…採って
詳細
341 ありな 【標準語】
 あいつは
【意味等】
 「あれは」や「あのことは」の他に人称として使われる
【用例】
・アリな…分数の計算の分かっとらん、そうよう…間違うとる
 →あいつは…分数の計算がわかってない、全部…間違ってる
 
342 ありゃあ 【標準語】
 あいつは
【意味等】
 「あれは」や「あのことは」の他に人称として使われる
【用例】
・大丈夫な?お使い頼うだが…あさっての方さい行きよんなる
 →大丈夫か?お使い頼んだら…見当違いの方に行ってるよ
 
343 あるき 【標準語】
 里帰り
【意味等】
 嫁がしばらく実家に帰ること、お産などで実家に帰ること
【用例】
・娘じょうの…東京からアルイテこらっしゃったと?
 →娘さんが…東京から里帰りされたの?
 
344 あるきぞめ 【標準語】
 里帰りの儀
【意味等】
 結婚後に初めて嫁が実家へ帰る行事、里びらき、里がよい
【用例】
・昔な…結婚して三日目い、アルキゾメで実家い挨拶しよった
 →昔は…結婚して三日目に、里帰りの儀で実家に挨拶してた
 
345 あるしこ 【標準語】
 あるだけ
【意味等】
 ありっきり、すべて、ある(ある)+しこ(だけ)
【用例】
・俺の奢りやけん…店いある酒ばアルシコ飲うで…騒いじゃり
 →俺の奢りだから…店にある酒をすべて飲んで…騒いでくれ
詳細
346 あれしこ 【標準語】
 あんなに
【意味等】
 あれだけ(沢山・おびただしい)
【用例】
・アレシコ眠ったとい、眠たか…睡眠の質の悪かとやろうや
 →あんなに眠ったのに、眠たい…睡眠の質が悪いんだろうよ
詳細
347 あわしこ 【標準語】
 あんなに
【意味等】
 あれだけ(沢山・おびただしい)
【用例】
・アレシコ勉強したとい点数の悪か…頭の悪かとかいな?
 →あんなに勉強したのに点数が悪い…頭が悪いんだろうか?
詳細
348 あん 【標準語】
 あの
【意味等】
 あの、彼の、遠い所にあるものやここにないものを指す
【用例】
・アン男たい、中学校ん時えらいわるそうやった、あいつたい
 →あの男だよ、中学校の時すごく不良だった、あいつだよ
 
349 あんがい 【標準語】
 あの様に
【意味等】
 あんなに、あのとおりに
【用例】
・美人で頭も性格もよか…アンガイなとが彼女やったらよかね
 →美人で頭も性格もよい…あの様な人が彼女だったらいいね
詳細
350 あんかうつ 【標準語】
 錨を下ろす
【意味等】
 錨を沈める、あんか(アンカー:anchor)+うつ(打つ)
【用例】
・釣れるポイントやけん、流されんごと…アンカウツけん
 →釣れるポイントだから、流されないよう…錨を下ろすから
 
351 あんき 【標準語】
 気楽
【意味等】
 苦労(心配ごと)のないこと、呑気、安楽、漢字で「安気」
【用例】
・アンキで…よかなあ、おらあ忙しゅうして…死のうごたあ
 →気楽で…いいなあ、俺は忙しくて…死にそうだよ
 
352 あんくさ 【標準語】
 あのね、ねえ
【意味等】
 話しかける時や言うことをためらう時などの出だしのことば
【用例】
・アンクサ、言いにっかとやが…ストッキングの伝線しとうが
 →ねえ、言いにくいんだけど…ストッキングが伝線してるよ
 
353 あんげえ 【標準語】
 あちらへ
【意味等】
 あちらの方へ、彼方へ(方向を示す遠称)
【用例】
・さっきまでおったが、用のあるって…アンゲエ行きなった
 →さっきまでいたけど、用があるって…あちらへ行ったよ
 
354 あんげえ 【標準語】
 あの様に
【意味等】
 あんなに、あのとおりに
【用例】
・アンゲイ好か男い迫られたんだあ、あたしゃあ浮気しょうや
 →あんなに好い男に迫られたら、私は浮気するでしょう
詳細
355 あんげえ 【標準語】
 あんなに
【意味等】
 あのようにいっぱい、あんなにたくさん
【用例】
・アンゲエ食うたとい…まーだ食うと?デザートな…別腹?
 →あんなに食ったのに…まだ食うの?デザートは…別腹?
詳細
356 あんこきだす 【標準語】
 ぼろが出る
【意味等】
 中身が出る、あん(餡:中身)+こき(激しい様)+だす
【用例】
・育ちの良かってやが、箸の持ち方でアンコキダイとる
 →育ちが良いそうだけど、箸の持ち方でボロが出ている
 
357 あんしゃん 【標準語】
 にいさん
【意味等】
 兄、お兄さん、年上の男性、由来は「あにさん」の音変異
【用例】
・アンシャンの…はらかいて、くらいちゃあって言いよるが
 →兄さんが…怒って、殴ってやるって言ってるよ
 
358 あんじょう 【標準語】
 にいさん
【意味等】
 兄、年上の男性、由来は「あにじゃ(兄者)」の音変異
【用例】
・アンジョウな…秀才やったが、仕事あ…なんしござあと?
 →兄さんは…秀才だったけど、仕事は…何をしているの?
 
359 あんつきしょう 【標準語】
 あの野郎
【意味等】
 いない人を激しく罵る言い方、あの+つきしょう(畜生)
【用例】
・俺の悪口ば…言いよう?アンツキショウ…くらいちゃあ
 →俺の悪口を…言ってる?あの野郎…殴り飛ばしてやる
 
360 あんつきしょう 【標準語】
 あの畜生
【意味等】
 そこにいない人を激しく罵る・すごく羨むときに指す言い方
【用例】
・宝くじで7億円当たって豪邸ば建てて…アンツキショウが
 →宝くじで7億円当たって豪邸ば建てて…あの畜生め
 
361 あんなあ 【標準語】
 あのね、ねえ
【意味等】
 話しかける時や言うことをためらう時などの出だしのことば
【用例】
・アンナア…やおいかんやろうが、ここが辛抱のしどころやが
 →あのね…苦しいだろうが、ここが辛抱のしどころだよ
 
362 あんなり 【標準語】
 あのまま
【意味等】
 あん(あの)+なり(まま)→あの状態が継続している状況
【用例】
・壊れたばってん、直しきらんけん、アンナリいしてきた
 →壊れたけど、修理できないので、そのままにしてきた
 
363 あんなん 【標準語】
 あいつ
【意味等】
 「あれは」や「あのことは」の他に人称として使われる
【用例】
・アンナン…横着っかろうが、うっ叩いちゃろうと思うとう
 →あいつは…横着だよな、ぶん殴ってやろうと思ってる
 
364 あんばいのわるか 【標準語】
 体調が悪い
【意味等】
 塩梅が悪いこと、ここで言う塩梅は体調や健康状態をさす
【用例】
・へんなかとば食うたかいな、朝から腹のアンバイノワルカ
 →変な物を食ったかなあ、朝からお腹の調子がわるい
 
365 あんばいのわるか 【標準語】
 具合が悪い
【意味等】
 塩梅が悪いこと、ここで言う塩梅は具合や進行状況をさす
【用例】
・サーバーのアンバイノワルカ、ハッカーの入ったごたあ
 →サーバーの調子が悪い、ハッカーが入ったようだ
 
366 あんばいよう 【標準語】
 具合よく
【意味等】
 塩梅が好いこと、ここで言う塩梅は体調や健康状態をさす
【用例】
・胃の痛がったが…アンバイヨウなってきた、薬の効いてきた
 →胃が痛かったけど…具合よくなってきた、薬が効いてきた
 
367 あんばいよう 【標準語】
 ほどよく
【意味等】
 塩梅が好いこと、ここで言う塩梅は加減やタイミングをさす
【用例】
・忙しか時い…アンバイヨウ来なったけん、手伝うてもろうた
 →忙しい時に…タイミンクよく来たから、手伝ってもらった
 
368 あんぽす 【標準語】
 阿保(あほ)
【意味等】
 愚か者、空気が読めない人、由来は「あんぽんたん」
【用例】
・アンポスやけん、葬式んときい…屁ばこいて、大笑いしよう
 →アホだから、葬式の時に…放屁して、大笑いしている
 
369 あんぽつあげる 【標準語】
 お手上げ
【意味等】
 打開策がない、由来は駕籠(あんぽつ)は両手で担ぐから?
【用例】
・方針のそえんブレるなら…さすがの俺でちゃアンポスアゲル
 →方針がそんなにブレるなら…さすがの俺でもお手上げだ
 
370 あんぽんたん 【標準語】
 阿保(あほ)
【意味等】
 愚か者、空気が読めない人、由来は薬剤名など諸説ある
【用例】
・こえなとも分からんと?アンポンタン、お前やあ…クビたい
 →こんなのも分らないの?アホ、お前は…クビだよ
 
371 あんぽんたんの
かわながれ
【標準語】
 馬鹿で役立たず
【意味等】
 あんぽんたん(あほ)+かわながれ(漂着)
【用例】
・こえな仕事もしきらんと?アンポンタンノカワナガレやん
 →こんな仕事もできないの?馬鹿で役立たずだね
 
372 あんまし 【標準語】
 あまり
【意味等】
 あんまり、「あんまり」の音変異、行為(動詞)の否定表現
【用例】
・せっかくやが…アンマシ好かんけん、付き合いきらん
 →せっかくだけど…あまり好きじゃないので、交際できない
 
373 あんやつ 【標準語】
 あの野郎
【意味等】
 いない人を激しく罵る言い方、あの+つきしょう(畜生)
【用例】
・この事件の黒幕な…アンヤツや?悪かろうごたあ顔しとう
 →この事件の黒幕は…あの野郎か?悪辣な顔をしている
 
374 あんよ 【標準語】
 足
【意味等】
 動物の下肢、立ったり歩いたりするための身体部位、幼児語
【用例】
・アンヨの痛か?おんぶせろ?ばばさんの甘やかしなあけん…
 →足が痛い?おんぶしろ?お婆ちゃんが甘やかすから…
 
375 あんよ 【標準語】
 歩き
【意味等】
 歩行、歩くこと、足を交互に出して前進すること、幼児語
【用例】
・もうアンヨしなあと?よその子な…大きゅうなるとの早かね
 →もう歩きができるの?他人の子は…成長するのが早いねえ
 

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