「せ(セ)」の博多・糸島弁
イラストで説明
1 | せいきゅうじん |
【標準語】せっかち 【意味等】せっかちな人、短気な人、【参考】漢字で書けば「性急人」、性急に物事を進める人、【用例】「セイキュウジンやけん、暗かうちから選挙の投票い行きなった」→「せっかちなので、暗いうちから選挙の投票に行っちゃった」 |
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2 | せいせい |
【標準語】急ぐ 【意味等】急いで行う、急く、短い時間でする、【同義】せいせい、せえせえ、せく、【関連】①せいた:急な、《用例》「セイタ用のでけたけん、帰る」→「急な用ができたので、帰る」、②せくる:せかす、《用例》「セクルけん、やりそこのうたろうが」→「急かすから、失敗しただろうが」、【用例】「朝からセイセイ、どこい行きよらっしゃると?」→「朝から急いで、どちらにお出かけですか?」 |
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3 | せいた |
【標準語】急な 【意味等】急な、《用例》「セイタ用のでけたけん、帰る」→「急な用ができたので、帰る」 |
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4 | せえせえ |
【標準語】①急ぐ、②わだかまりがなくなる 【意味等】①「せいせい」に同じ、②清々、気持ちが晴れる、わだかまりがなくる、気が済む、《用例》「ズバッと文句ば言うちゃったけん、セエセエした」→「ズバッと文句を言ってやったので、気がすんだ」 |
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5 | せえつからかす |
【標準語】疲れ果てる、困り果てる 【意味等】疲れ果てる、疲労困憊、【参考】せえ(精)+つからかす(疲れさせる)、【用例】「糸島三都110キロウォークい出て、セエツカラカシテ…一日中、寝とんなあ」→「糸島三都110キロウォークに出て、疲れ切って…一日中寝ている」 |
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6 | せえのでる |
【標準語】精が出る 【意味等】仕事に励む、懸命に働く、よく活動する、【参考】せえ(精)+でる(出る)、【用例】「受験前やけん、勉強いセイノデルなあ」→「受験前だから、勉強に励んでるね」 |
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7 | せえのでますなあ |
【標準語】精が出ますねぇ 【意味等】よく働かれますね、働き者ですね、【参考】仕事をしている人への挨拶、【用例】「朝はようから…セイノデマスナア」→「朝早くから、よく働かれますね」 |
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8 | せえぶんのなか |
【標準語】精気が無い 【意味等】元気がなくてすぐ疲れる、病気などで気力が落ちている、【参考】せえぶん(精気)+なか(ない)、【用例】「しまえかけよう…病気ばして、セイブンノナカごとなった」→「くたばりかけている…病気をして、すぐ疲れるようになった」 |
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9 | せかせかする |
【標準語】気持ちがはやる 【意味等】慌て急ぐ、ちょこまかする、【用例】「掘り出しもんの安かて言うて、セカセカシテ行きなった」→「掘り出し物が安いと言って、慌て急いで出かけたよ」 |
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10 | せかっとう |
【標準語】①閉まっている、②留守、③閉店 【意味等】①閉まっている、鍵がかかっている、《用例》「倉庫のセカットウけん、鍵ば貸しちゃんしゃい」→「倉庫が閉まっているから、鍵を貸してちょうだい」、②留守にしている、《用例》「糸島さんがたな、昨日からセカットウよ」→「糸島さんちは、昨日から留守だよ」、③休業している、閉店している、《用例》「月曜日な、ここいらの散髪屋さんなセカットウばな」→「月曜日は、このへんの理髪店は休業してるよ」、【参考】せかる:閉まる、せく:しめる、【関連】「せく」に関連する言葉~せきこむ:閉じ込める、せっきる:仕切る |
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11 | せからしか |
【標準語】うるさい 【意味等】 (1)「うるさい」のせからしか 《意味》騒がしい、うるさい、喧しい 《用例》「ああ…シャアシカ。兄しゃんの受験勉強しよんなあけん、静かいしない」 →「ああ…騒がしい。お兄ちゃんが受験勉強してるから、静かにしなさい」 (2)「きまりが悪い」のせからしか 《意味》きまりが悪い、恥ずかしい 《用例》「そえん褒めなんな…セカラシカ、俺ば褒め殺ししょうと思うとらんな?」 →「そんなに褒めるな…恥ずかしいだろ、俺を褒め殺ししようと思ってないか?」 (3)「けち臭い」のせからしか 《意味》こせこせした、けちくさい 《用例》「あらあ、いっちょん好かん…倹約・倹約って、セワラシカ男やろうが」 →「あいつが、大嫌いだ…「倹約・倹約」と、けち臭い男だろうが」 (4)「煩わしい」のせからしか 《意味》煩わしい、せわしい、忙しい 《用例》「税金やら、年金やら、払いもんの多して、ほんにいセカラシカなぁ…」 →「税金やら、年金やら、払いものが多くて、本当に煩わしいなぁ…」 (5)「騒がしい様子」のせからしか 《意味》騒がしくてしようのない様子 《用例》「選挙期間中な、えらいセカラシカ…名前の連呼やら聞きとうなかばい」 →「選挙期間中は、とても五月蠅い…名前の連呼なんか聞きたくないんだけど」 【同義】しぇからしか、しからしか、しゃあしか、しゃあらしか、せからしか、せわしか、せわしなか、せわらしか 【類義】やかましか:ほぼ同義だが「口うるさい」や「有名な」などの意味もある |
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12 | せかる |
【標準語】①閉まる、②閉店する 【意味等】①閉まる、《用例》「鍵の壊れて、玄関のセカラン」→「鍵が壊れて、玄関が閉まらない」、②閉店する、《用例》「あんまと売り上げのようなかけん、セカルげな」→「あまり売り上げが良くないので、閉店するらしい」 |
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13 | せきこむ |
【標準語】閉じこめる 【意味等】閉じこめる、【同義】せきこむ、せっこむ、【用例】「泥棒ばしたら、刑務所いセキコマレルげな」→「泥棒をしたら、刑務所に閉じ込められるそうだ」 |
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14 | せきこもる |
【標準語】閉じこもる 【意味等】閉じこもる、【同義】せきこもる、せっこもる、【用例】「腹のしぇく言うて、さいぜんから便所いセキコモットンなるげな」→「お腹が痛いと言って、先ほどからトイレに閉じこもっているらしい」 |
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15 | せきころす |
【標準語】激痛 【意味等】腹が激しく痛むこと、ひどい腹痛、【参考】せく(痛い)+ころす(殺す)~あまりの痛さに死にそうになる |
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16 | せく |
【標準語】痛む 【意味等】腹が痛む、【参考】腹部の痛みにしか使わない、語源は「癪(原因が分からない疼痛を伴う内臓疾患を一括した近代前の俗称)」という説もある、【用例】「緊張し過ぎて、胃のセク」→「緊張し過ぎて、胃が痛い」 |
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17 | せく |
【標準語】閉める 【意味等】①閉める、《用例》「ネコの入ってくるけん、入口なセイトかなあ」→「ネコが入ってくるから、入口は閉めておかないと」、②戸締りする、《用例》「防犯のためい…家ば出るときは、きちんとセイちゃんなっせい」→「防犯のために…お出かけの際は…きちんと戸締りをお願いします」、③休業する、《用例》「慰安旅行で、明日とあさってな…店ばセクけん」→「慰安旅行で、明日と明後日は…店を休みますから」 |
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18 | せく |
【標準語】急ぐ 【意味等】「せいせい」に同じ |
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19 | せくる |
【標準語】せかす 【意味等】催促する、早くするように要求すること、【同義】せくる、せっつく、【用例】「あんたがセクルけん、やりそこのうたろうが」→「君が急かすから、失敗しただろうが」 |
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20 | せせがいまわす |
【標準語】余計な口出しをする 【意味等】差出口する、口出しする、【参考】由来は「せせがう(秩序を乱す)+まわす」、【関連】「せがう(からかう)」や「せせがむ(こせこせといじりまわす)」など関連の言葉もある、【類義】せせくりまわす:執拗に扱いまわす、余計にいじりまわす、【用例】「あんたがセセガイマワスけん、話のまとまらんごとなったろうが」→「あんたが余計な口出しをするから、話がまとまらなくなっただろうが」 |
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21 | せせかう |
【標準語】①忙殺、②掻き回す、③競う 【意味等】①非常に忙しい、《用例》「締め切り前で…セセコウトリます」→「締め切り前で…仕事に追われています」、②勝手にふるまって秩序を乱す、《用例》「そえんセセカイなんな、みんな迷惑しとろうが」→「そんなに勝手に振る舞うなよ、みんな迷惑しているだろう」、③先を争う、《同義》せせかう、せる、《用例》「どしぐいしなんな。セセコウて食わんちゃ…おかわりなある」→「喰い合いをするなよ、食べ急がなくても…おかわりはある」、【類義】①せせくる:扱いまわす、からかう、②せせかむ:いじりまわす、人に辛く当たる、③せる:競う、もみ合う、③せせる:つつく、からかう |
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22 | せせくりまわす |
【標準語】いじくりまわす 【意味等】あさりまくる、余計なことをする、【参考】由来は「せせくる(いじる)+まわす」、「せせくる」の強調形、【同義】せせくりまわす、つくじりまわせ、【類義】せせがいまわす:差出口する、余計な口出しをする、【用例】「ヘソの穴ばセセクリマワシよったら、ばい菌の入って…腹のせくばい」→「ヘソの穴をいじくりまわしたら、ばい菌が入って…お腹が痛くなるぞ」 |
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23 | せせくる |
【標準語】いじる 【意味等】①いじる、つつく、《用例》「孫の愛らしかけんって、そえんセセクンしゃんな」→「孫が可愛いからって、そんなにいじらないで」、②ちょっかいを出す、からかう、《用例》「ちさか子供ば、そえんセセクンなんな…泣きよろうが」→「小さな子供を、そんなにからかうなよ…泣いていだろう」、【同義】せせくる、つくじる、【類義】くじる、せせる、せせくりまわす、【参考】「せせくる」は「せせる」より意味が強くなる、「せせくる」をさらに強調すると「せせくりまわす」になる |
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24 | せせる |
【標準語】①群がる、②突っつく 【意味等】①群がる、虫などがたかる、②つつき回す、ほじくる、③修繕する、手を入れる、④からかう、あざける、軽蔑する、⑤いじめる、【同義】せせる、くじる、(「群がる」については「せる」が同義語)、【類義】せせくる、せせくりまわす、つくじる、【関連】近い意味の言葉として、せせがう、せせがいまわすなど、【用例】「ハエのセセットウと思うたら、いんのあぽのおてとう」→「ハエがたかってると思ったら、犬の糞が落ちている」、「虫歯ばセセリよったら、すびいて眠られんごちなった」→「虫歯を突いていたら、刺すような痛みで眠れなくなった」 |
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25 | せっきり |
【標準語】仕切り 【意味等】区切り、隔て、境、仕切ること、仕切ったもの、【用例】「この線がセッキリやけん、こっちい来んでよ」→「この線が境界だから、こっちに来ないでね」 |
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26 | せっきりする |
【標準語】仕切りをする 【意味等】仕切る、壁などを建てて仕切る、境をつける、【同義】せっきりする、せっきる、【用例】「新築するけん、道と宅地ばフェンスでセッキリスルと」→「新築するので、家と宅地をフェンスで仕切りをつけるんだ」 |
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27 | せっきる |
【標準語】仕切る、せき止める 【意味等】間を隔てる、区切りを作る、仕切りを区画する、境界を設ける、【参考】せく(閉める)+切る、【用例】「大雨で玄関い水の入ってきたら、土嚢ば積んでセッキルと」→「大雨で玄関に水が入ってきたら、土嚢を積んでせき止めるんだ」 |
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28 | せっこむ |
【標準語】閉じ込める 【意味等】「せきこむ」に同じ、【用例】「悪そうしたら、押し入れい…セッコムばい」→「悪いことをしたら、押し入れに…閉じ込めるぞ」 |
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29 | せったるい |
【標準語】だるい 【意味等】病気や疲れで心身がだるくて元気がない、物憂い、だるい、【同義】せったるい、だいい、らいい、だらしい、だる、【用例】「身体のセッタルカ…風邪ばひきかけよるごたる」→「身体がだるい…風邪をひきかけているようだ」 |
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30 | せっつく |
【標準語】催促する、まとわりつく 【意味等】①催促する、《同義》せくる、せっつく、《用例》「そえんセッツカンっちゃあ、期日までいな返すって言いよろうが」→「そんなに催促しなくても、期日までには返すと言っているだろ」、②まとわりつく、《用例》「出かくるときな、いっつも…いんのセッツキ回ると」→「出かけるときは、いつも…犬がまとわりつくんだ」 |
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31 | せな |
【標準語】しなさい 【意味等】しなさい、しなければ、【同義】しない、すんなさい(丁寧語)、せれ、せんな、せな、せなあ、せにゃあ、せなあこて、せにゃあこて、【用例】「あすびい行きたかとなら、勉強せな」→「遊びに行きたいのなら、勉強しなきゃ」、しない、せれ、すんなさい、【活用】「する・しない」を意味する「し」の活用のひとつ |
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32 | せなこて |
【標準語】しなければならない 【意味等】「せな」に同じ、【参考】「せな」の強調形、【用例】「助けてもろうたとなら、ちゃんとお礼ばセナコテ」→「助けてもらったのなら、ちゃんとお礼をしなくてはならない」、【活用】「する・しない」を意味する「し」の活用のひとつ |
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33 | せなあ |
【標準語】しなさい 【意味等】「せな」に同じ |
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34 | せなあこて |
【標準語】しなければならない 【意味等】「せなこて」に同じ |
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35 | せにゃ |
【標準語】しなさい 【意味等】「せな」に同じ |
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36 | せにゃこて |
【標準語】しなければならない 【意味等】「せなこて」に同じ |
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37 | せらう |
【標準語】ねたむ、睨む 【意味等】そねむ、やきもちを焼く、睨む、【参考】「せらいご(競合子):養子をもらった後にできた子供」を養子がねたむ・そねむことが語源、また「せせらう(あざける、ばかにする)」が語源という説がある、【用例】「あの人な誰?あんたばセライよんなるばい」→「あの人は誰だい?あなたをにらんでいるよ」 |
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38 | せる |
【標準語】混む、競う 【意味等】①混み合う、混雑する、《参考》たくさん集まっていっぱいになること、②群れる、《参考》魚などが群れていること、《同義》せる、せせる、③揉む、競う、《同義》せる、せせかう、【用例】「車で行くとなら、8時頃がいっちゃんセルけん、早目い出ない」→「車で行くんなら、8時頃が最も渋滞するから…早めに出なさい」 |
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39 | せれ |
【標準語】しろ、やれ 【意味等】「せな」に同じ、「せな」より強い言い方、【用例】「時間のなかけん、はよセレ」→「時間がないから、急いでしろ」、【活用】「する・しない」を意味する「し」の活用のひとつ |
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40 | せわしか |
【標準語】うるさい 【意味等】「せからしか」に同じ |
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41 | せわしなか |
【標準語】うるさい 【意味等】「せからしか」に同じ |
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42 | せわらしか |
【標準語】うるさい 【意味等】「せからしか」に同じ |
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43 | せんすら |
【標準語】嘘ばっかり 【意味等】嘘ばかり、【参考】せんすら→千の嘘(すらごと)、【用例】「お前な口から出まかせ、センスラやもん」→「お前は口から出まかせ、嘘ばっかりだもん」 |
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44 | せんと |
【標準語】①しないの?(疑問)、②しないで(注意) 【意味等】①しないの?、《用例》「今日な、筋トレセント?」→「今日は、筋トレしないの?」、②しないで、《用例》「いじめやらセント」→「いじめなんかするな」、【活用】「する・しない」を意味する「し」の活用のひとつ |
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45 | せんどく |
【標準語】しないでおこう(意思表示) 【意味等】しないでおく、《同義》せんどく、せんのく、せんどこう、《用例》「頭の痛かけん、今日な、筋トレなセンドク」→「頭が痛いので、今日は、筋トレをしないでおこう」、【活用】「する・しない」を意味する「し」の活用のひとつ |
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46 | せんな |
【標準語】①やらない?(勧誘)、②やれよ(強要) 【意味等】①しない?、《用例》「今度、俺とデートセンヤ?」→「今度、俺とデートしない?」、②しろよ、《用例》「いつまで待たするとや…早よセンヤ」→「いつまで待たせるんだ…早くしろよ」、【同義】せんな、せんや、(言い方は「せんや」の方がキツイ)、【活用】「する・しない」を意味する「し」の活用のひとつ |
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47 | せんのく |
【標準語】しないでおこう(意思表示) 【意味等】「せんどく」に同じ |
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48 | せんや |
【標準語】①やらない?(勧誘)、②やれよ(強要) 【意味等】「せんな」に同じ |
そのほかの博多・糸島弁(イラスト説明なし)
1 | せ |
【標準語】岩礁(露礁、暗礁) 【意味等】海中の岩石(水面に現れるもの、現れないもの)、【用例】「あのセで、おおきなかクロば釣ったと」→「あの岩礁で、大きなクロダイを釣ったよ」 |
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2 | せい |
【標準語】右(牛馬への指示) 【意味等】牛馬を右へ向かせるときのかけ声、【同義】せい、せえ |
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3 | せいもんばらい |
【標準語】大安売りの名称 【意味等】11月15~20日(6日間)の大安売り、【同義】せいもんばらい、せいもんばれ、【参考】明治12年に博多下川端の漬物商・八尋金山堂の八尋利兵衛の発案によって博多ではじまった大売出し、当初は「誓文晴れ(せいもんばれ)」と呼ばれていた |
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4 | せいもんばれ |
【標準語】大安売りの名称 【意味等】「せいもんばらい」に同じ |
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5 | せいようがさ |
【標準語】こうもり傘 【意味等】洋傘、【参考】金属製の骨に布を張った西洋伝来の傘 |
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6 | セイヨウコショウ |
【標準語】コショウ 【意味等】胡椒、洋コショウ(インド原産)、コショウ科コショウ属のつる性植物、コショウの実を使った香辛料、【参考】九州の一部地域ではトウガラシのことをコショウと呼ぶ、【関連】山椒などと同様に中国から伝来。平安時代には香辛料として使われていた、「赤胡椒」や「柚子胡椒」などはトウガラシを使った香辛料 |
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7 | セイヨウナスビ |
【標準語】トマト 【意味等】トマト、アカナス、南アメリカのアンデス山脈高原地帯原産のナス科ナス属の植物、【参考】和名は赤茄子、唐柿、蕃茄など様々な呼び名がある |
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8 | せえ |
【標準語】右(牛馬への指示) 【意味等】「せい」に同じ |
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9 | せえせえ |
【標準語】①気持ちが晴れる、②急く 【意味等】①清々、気持ちが晴れる、わだかまりがなくる、気が済む、《用例》「ズバッと文句ば言うちゃったけん、セエセエした」→「ズバッと文句を言ってやったので、気がすんだ」、②「せいせい」に同じ |
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10 | せえべえ |
【標準語】くさび 【意味等】楔、【参考】鍬の刃の金具と柄の間に打ちこんで固定させる金属製の部品 |
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11 | せえようろうそく |
【標準語】白ろうそく 【意味等】一般的なロウソク、【参考】ハゼの実を原料にした「和ろうそく」に対するパラフィン等を原料にしたロウソクのこと |
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12 | せがう |
【標準語】からかう 【意味等】からかう、戯れる、なぶってもてあそぶ、冷やかす、【参考】強者(大人)が弱者(子供)をからかう場合などに使う、福岡や大分・山口などの一部で使われる、【用例】「あんた兄ちゃんやろ?こまか子供ば、そげんセガウもんやなかろうが」→「あんたはお兄さんでしょ?小さな子を、そんなにからかうものじゃないでしょ」 |
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13 | せきだ |
【標準語】せった(雪駄) 【意味等】せった、【参考】草履の裏に皮を貼り、皮底に尻鉄をつけた日本の伝統的な履物、【同義】せきだ、せきら、【関連】下駄 |
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14 | せきたんあぶら |
【標準語】石油 【意味等】石油、【参考】天然アスファルトなど、油分を多く含む石炭から抽出した油 |
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15 | せきたんがん |
【標準語】石油缶 【意味等】石油缶、石油を入れる金属の容器 |
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16 | せきとう |
【標準語】墓石、石碑 【意味等】墓などに文字を刻んで立てられた石、石塔 |
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17 | せきら |
【標準語】せった(雪駄) 【意味等】「せきだ」に同じ |
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18 | せぐ |
【標準語】混雑する 【意味等】混雑、込み合う、【対義】せがん:込み合わない、【用例】「どんたくのときゃ、てんじんのちょうなセグけん…天気のよかりゃあ糸島の方い行ってんどう」→「どんたくのときは、天神は混雑するから…天気がよければ糸島の方に行ってみよう」 |
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19 | せごし |
【標準語】背切り 【意味等】小魚を骨ごと切り刺身らなますにすること、【用例】「白糸の滝で、ヤマメのセゴシば酢味噌で食うたが…コリコリして、えらいうまかった」→「白糸の滝で、ヤマメの背切りを酢味噌で食べたけれど…コリコリして、すごくうまかった」 |
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20 | せしかた |
【標準語】主催者 【意味等】主催者、【参考】「施主方」のこと。仕事や会合をする時の費用を負担する人のこと |
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21 | せせくるしか |
【標準語】狭くて苦しい 【意味等】狭くて息が詰まりそう、【参考】せせ(細々)+苦しいと思われる |
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22 | せせこましか |
【標準語】①細々しい、②性急な 【意味等】①細々と煩わしい、細々と面倒である、②目まぐるしい、③うるさい、やかましい、【参考】せせかむ(こせこせといじりまわす)+しい(形容詞の修飾語)、古語「せせかましい(こせこせしている、性急である、細かくて余裕がない)、【類義】せからしか、しゃあしか、【用例】「そえな、セセコマシカ仕事ば受けなんな…しきりきらんばい」→「そんな、煩わしい(or性急な)仕事を受けるなよ…できないよ」 |
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23 | せせら |
【標準語】細々、かけら 【意味等】一片、少し、わずか、【関連】「せせらもない」で皆無であることを表す、【類義】こそ(小想:わずかな思い)→愛想もこそもなか、しゃしゃら(小さな音)→味もしゃしゃらもなか、【用例】「品もセセラもなか」→「品性のかけらもない」 |
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24 | セセリ |
【標準語】アカイエカ、ウンカ 【意味等】 (1)「アカイエカ」のセセリ 《意味》赤家蚊、ハエ目糸角亜目カ科に属する昆虫 《参考》日本脳炎ウイルスを媒介することで有名、雄は蚊柱といわれる群飛をする 《同義》セセリ、メセセリ (2)「ウンカ」のセセリ 《意味》浮塵子、カメムシ目ヨコバイ亜目の体長5mmほどの昆虫、稲の害虫 |
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25 | せせり |
【標準語】蚊柱 【意味等】アカイエカやユスリカなどが多数、交尾のため集まって群れ飛んでいるもの 【参考】柱がたっているように見えるため蚊柱という 【同義】せせり、めせせり |
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26 | せっき |
【標準語】年の暮れ 【意味等】①年末、大みそか、②冬、冬季、【参考】節季(季節の節目)、主に年の暮れのこと、【関連】24節気:1年を4季と各6節に分けたもの、【関連】せっきばらい:盆や正月前など節目の支払い、主に年末の支払い、【用例】「払いもんの多して、このセッキの越されんごたあ」→「支払いが多くて、この年末を越せなさそうだ」 |
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27 | せっきばらい |
【標準語】年末の精算 【意味等】年末に年内の借金を返すこと、大晦日までに年内の貸借をすませること |
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28 | せっちん |
【標準語】厠、トイレ 【意味等】便所、【参考】古語の「雪隠(せついん)」のこと、連声により「せっちん」と発音する |
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29 | せつなか |
【標準語】苦しい 【意味等】①苦痛で辛い。我慢できない、②うるさい、③せわしい、多忙、④窮屈、狭苦しい、⑤暮らしが苦しい、【用例】「肥えたごたあ、去年買うたTシャツのセツナカ」→「太ったみたいだ、去年買ったTシャツが窮屈だ」 |
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30 | せでけ |
【標準語】一畝あたり 【意味等】米の収穫見込み。一畝あたりの米ができる量の見込み、 |
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31 | せびる |
【標準語】ねだる 【意味等】おねだりする、【用例】「彼女のせびんなるけん、シャネルのかぱんば買うてやった」→「彼女がおねだりするから、シャネルのバッグを買ってあげた」 |
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32 | せまち |
【標準語】田畑の区画 【意味等】①田畑の一区画、《参考》「大セマチ(広い農地)」、「小セマチ(狭い農地)」、②畔、③狭く長い形状の土地、《用例》「このセマチい、よう家ば建てられたこったい」→「この狭くて長い土地に、よくぞ家を建てられたことである」 |
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33 | せみ |
【標準語】帆車 【意味等】帆柱に取り付けられた滑車、定滑車、【参考】滑車のことを「飛蝉(とびぜみ)」という |
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34 | せわやかす |
【標準語】面倒なことをする 【意味等】世話を焼かせる、【用例】「しぇんしぇい…すんまっせん、息子がセワヤカスことばっかしして…」→「先生…すみません、息子が面倒なことばかりして…」 |
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35 | せわやく |
【標準語】心配する 【意味等】心遣い、心がけて骨を折ること、人の手助けをすること、【用例】「ああたあセワヤクばっかしで、我がこたあ後回しいするが…人の好過ぎるったい」→「あなたは人の手助けばかりで、自分のことは後回しにするけど…人が好過ぎるんだ」 |
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36 | ぜん |
【標準語】銭 【意味等】お金、貨幣、【同義】ぜん、ぜんぜん(幼児語)、【参考】ぜんほどき→金儲け、ぜんもん→乞食、【用例】「かーちゃん、体操靴ば買うけん…ゼンやんない」→「母さん、体操靴を買うので…お金をください」 |
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37 | せんぎする |
【標準語】捜す 【意味等】捜しまわる、さぐる、【参考】「詮議する」が語源と思われる、詮議は、審議や評議をするのほか、調査や詮索の意もある、【用例】「再発せんごと…原因ばセンギセナアいかんばい」→「再発しないように…原因を捜さないといけないよ」 |
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38 | せんぎり |
【標準語】切り干し 【意味等】切干大根、千切り大根を天日干しにした保存食、【参考】野菜を細長く切る切り方を「千切り」。西日本では「切干大根」のことも意味する、【用例】「昔な農家の庭先い、千切りの干しちゃた」→「昔は農家の庭先に、千切大根が干してあった」 |
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39 | せんぐり |
【標準語】順ぐり 【意味等】順番に、【対義】はやぶる(割り込む)、【用例】「1列い並んで…前からセングリいお菓子ばもろうて」→「1列に並んで、前から順ぐりにお菓子をもらって」 |
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40 | ぜんざい |
【標準語】汁粉 【意味等】善哉餅、粒あんのしるこ、【参考】漢字で「善哉(喜び祝う様)」、由来の説は2つ、一休さんが美味しさに「善哉(よきかな)」と言ったという説、出雲の神在(じんざい)祭で振る舞われたことから「ぜんざい」と呼ばれるようになったという説 |
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41 | ぜんしょう |
【標準語】むずかる 【意味等】子供が機嫌を悪くしてむずがること、子供がじれて拗ねること、わがまま、【参考】語源は「僭上(せんじょう)」~分をわきまえずに差し出た振る舞いをすることの意、【用例】「話の長うなって、子どものゼンショウしようごたるけん…帰りまっしょう」→「話が長くなって、子どもがむずがっているようなので…帰りましょう」 |
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42 | ぜんぜん |
【標準語】銭(幼児語) 【意味等】「ぜん」に同じ |
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43 | せんどじおい |
【標準語】千度潮斎、千度汐井 【意味等】神社の神事で禊行事も一種、《参考》漢字での書き方は多種、浜で潮井(海砂)をすくって神社に奉納し、豊漁豊作や家内安全などを祈願する |
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44 | センノキ |
【標準語】ハリギリ 【意味等】ハリギリ(針桐)、ウコギ科の落葉高木で広葉樹、【参考】センノキ(栓の木)とも呼ばれる、若い芽は「タラの芽」として食べられ、木材は柔らかく加工に適しており、家具や楽器、下駄、賽銭箱、仏壇などに使われる |
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45 | せんとうろう |
【標準語】夏祭りのひとつ 【意味等】たくさんの燈籠を神社の参道に燈す、【参考】「千燈籠」のこと |
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46 | せんばこぎ |
【標準語】脱穀機、脱穀作業 【意味等】千歯(せんば)、千扱(せんこぎ)、稲や麦の穂をこく器具、またその脱穀作業、【参考】鉄片を櫛の歯のように並べたもの |
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47 | センプギ |
【標準語】ワケギ(分葱) 【意味等】ワケギ、キジカクシ目ヒガンバナ科ネギ属の植物、【参考】タマネギに似た球根性多年草、野菜として食べられる |
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48 | センプリ |
【標準語】センブリ 【意味等】センブリ、リンドウ科センブリ属に分類される2年草、【参考】薬草として使われる、非常に苦くて千回振り出し(煎じ)ても苦いことからついた名前 |
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49 | せんぺえ |
【標準語】煎餅 【意味等】せんべい、【関連】バ行がパ行に置き換わる、《例》かばん(鞄)→かぱん |
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50 | ぜんほどき |
【標準語】金儲け 【意味等】金銭を儲けること、利益を得ること、【用例】「父ちゃんが農業、母ちゃんがレストランでゼンホドキしよんなあ」→「夫が農業、妻がレストランで儲けている」 |
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51 | せんぼんづけ |
【標準語】沢庵漬 【意味等】沢庵漬、こんこん、【参考】たくさんの大根を漬けこむことから「千本漬」 |
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52 | センボンナ |
【標準語】ミズナ 【意味等】水菜、京菜、アブラナ科の越年草 |
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53 | せんまいはぎ |
【標準語】雲母 【意味等】雲母、きらら、ケイ酸塩鉱物のグループ名、【参考】石の一種、薄く剥がれる特徴から「千枚剥ぎ」呼ばれる、多くは六角板状の結晶、耐熱性で電気を通しにくく絶縁体として利用される |
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54 | ぜんもん |
【標準語】乞食 【意味等】乞食、ものもらい、食物や金銭など施しを受けて生活する者、【参考】語源には2つの説があり。1つは「銭者:お金をねだる人」、もうひとつは「禅門:俗人のままで剃髪して仏門に入った男子」施しを受けながら修行をすることから |