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「み(ミ)」の博多・糸島弁

1 みい
  【標準語】箕(農業用語)
【意味等】手箕、穀物から殻や塵を取り除くための選別用農具
【参考】割り竹などを編んだ、浅広く前が平らで三方に縁があるざる
2 みおすじ
  【標準語】澪
【意味等】入江や湾の河川の水が流れる筋道、川の流れや潮汐で水が集中する部分
【参考】みお(澪:河口などの溝状の窪地+スジ(筋)→水の流れの筋
3 みかけぼうぶら  《詳しくはこちら》
  【標準語】見掛け倒し
【意味等】虚勢だけで中身がないこと、外見は優れているが実質は劣っていること
【参考】みかけ(見かけ)+ぼうぶら(かぼちゃ)→中身がすっからかん
【用例】「仕事のでくるて聞いて引き抜いたが…ミカケボウブラ、つぁーらん男たい」
 →「仕事ができると聞いてヘッドハンティングしたが…見掛け倒し、つまらん男だ」
4 みかじめ
  【標準語】監督
【意味等】管理監督、取り締まり
【参考】みか(見る、見張る)+じめ(締める、管理する)
【関連】
・暴力団が飲食店から巻き上げる「みかじめ料」、酒場の管理料金なのでしょう
・由来は「三日〆め料」との説もある、三日以内に支払わないとひどい目に遭うとか?
【用例】「上ん田から順ぐり水ば引いちゃり…水のミカジメな農区長い頼うどくけん」
 →「上の田から順番に水を引いてください…水の管理監督は農区長に頼みますから」
5 みかじむる
  【標準語】監督する
【意味等】取り締まる、指図する
【用例】「水ば引く順番ば守っとらんとのおるが、農区長なしかっとミカジメラなあ」
 →「水を引く順番を守っていない人がいるよ、農区長はしっかりと指図しなきゃあ」
6 みじょう
  【標準語】身上(しんじょう)
【意味等】身持ち、品行、素行
【参考】由来は「身上」、みじょうと読んだため
【用例】「あらあ、博打やら女あすびやらせん…ミジョウのよか男、養子いよかばい」
 →「あいつは、博打や女遊びなんかしない…品行方正な男だ、養子にいいぞ」
7 ミジン
  【標準語】イトミミズ
【意味等】糸蚯蚓、環形動物門貧毛綱イトミミズ科に属するミミズの一種
【関連】水田などの泥地に集団で生息、生命力が強くどこにでも生息できる
8 みずあがり
  【標準語】雨降り休み(農業用語)
【意味等】雨で農作業を休むこと、水が多過ぎて田植えが出来ず仕事を休むこと
【関連】みず(雨降り)+あがり(休み)
9 ミズイモ
  【標準語】タイモ
【意味等】水芋、田芋、水田で栽培したサトイモ科の植物
【参考】浅い水を張った水田で栽培されるサトイモ、主として葉柄を食べる
10 みずかかり
  【標準語】水掛(農業用語)
【意味等】農地への灌漑、田に水が入ること
【関連】水が入りやすい:みずがかりの良か、水が入りにくい:みずがかりの悪か
【用例】「中山間の日当たりもミズガカリも悪か田な…そうよ耕作放棄地いなりよう」
 →「中山間の日当たりも灌漑も悪い水田は…すべて耕作放棄地になりつつある」
11 みずかけたび
  【標準語】わらじ足袋
【意味等】わらじ掛け足袋、草鞋(わらじ)を履くとき足の甲を覆う足袋
【参考】総踊りなどがあるお祭りなどで、お祭りグッズとしてよく利用される
12 みずくさか  《詳しくはこちら》
  【標準語】味が薄い、他人行儀
【意味等】
(1)「味が薄い」のみずくさか
《意味》水っぽい、味が薄くて不味い、塩気が足りない
《参考》由来は、古語「水臭し」酒の味が薄いときに使われた
《用例》「この潮汁な味の無か…塩入れた?ミズクソウしてうまみなか!食やされん」
 →「この潮汁は味が無い…塩入れた?水っぽくてうまくない!食えねえよ」
(2)「他人行儀」のみずくさか
《意味》親しい間柄なのによそよそしい、改まった親しみのない振る舞い
《参考》由来は諸説ある
・情が薄い説:「味が薄い」の意に掛けて「情が薄い」ことも「みずくさか」という
・酒が薄い説:返杯する盃をすすぐ(水っぽくなる)様から、他人行儀なことを言う
《用例》「困っとうなら、なし俺い言わんとや…ミズクサカ」「なら、金ば貸して?」
 →「困ってるなら、なぜ俺に言わないんだ…他人行儀な」「じゃあ、お金貸して?」
13 みずごえ
  【標準語】尿(農業用語)
【意味等】肥料用の小便、小便を溜めて発酵させて農作物に使う液体肥料
【関連】みず(水:液体、小便)+こえ(肥:肥料)
14 みずたき
  【標準語】水炊き
【意味等】博多郷土料理の鶏鍋、鶏ガラスープがベースの鶏鍋
15 みずだま
  【標準語】ビー玉
【意味等】ガラスの小さい玉、ガラス玉の玩具、ラムネ玉
【参考】由来は不明、水のように透明な玉?ラムネのソーダ水の玉?
16 みずとおし
  【標準語】田廻し水(農業用語)
【意味等】水路を使わず田から田に水を引くこと、高低を利用して田から水を引くこと
17 ミズホウズキ
  【標準語】ミズオオバコ
【意味等】水大葉子、トチカガミ科ミズオオバコ属の水草、水田や池などに自生する
18 みずまわし
  【標準語】水廻(みずまわり)
【意味等】水田の水の様子を見廻ること
【同義】みずまわし、みずみ
19 みずみ
  【標準語】水廻(みずまわり)
【意味等】水田の水の様子を見廻ること、「みずまわし」に同じ
20 みせぶらかす
  【標準語】見せびらかす
【意味等】自慢げに見せつける、これ見よがしにひけらかす、得意気に誇示する
【参考】由来は「みせびらかす」の音変異、「みせびらかす」の語源は諸説
・説1:「みせ(見せる)+ひけらかす(光らす:目立たせる)」の音変異
・説2:「み(見せる)+せびらかす(からかう、騙す、虐める)」から
【用例】「あらあ意地の悪か…ミセブラカスごとして、我がだけお菓子ば食いなあと」
 →「あいつは意地が悪い…得意気に誇示すように、自分だけお菓子を食うんだぜ」
21 みそうすい
  【標準語】物足りない
【意味等】なんとなく不足に、なにかしら満足がいかない
【参考】由来は「味噌薄い」で、物足らない味付けに出る
【用例】「よか人よ、真面目で親切で優しかし…ばってん、あたしいなミソウスカと」
 →「いい人よ、真面目で親切で優しいし…でも、私には、何となく物足りないの」
22 みぞおけのゆるぎだいとる
  【標準語】外出ぎらいの外出
【意味等】お出かけが嫌いな婦人がやむを得ない事情で出かけること(慣用句)
【参考】みぞおけの(味噌桶が)+ゆらぎだいとる(揺らぎ始めている)
・味噌桶の損傷、または味噌が減って桶が揺らぎ始めていること
・桶の購入や修繕、または味噌や材料の購入のため、やむを得ず出かけること?
23 みぞごいか
  【標準語】もったいない
【意味等】過分である、贅沢過ぎる
【参考】みぞ(味噌)+こいか(濃い)→味噌の入れ過ぎで濃い→もったいない
【用例】「歯磨き粉ば、そえんたいそ使うと?ミソゴイカ、こんくらいでよかろうが」
 →「歯磨き粉を、そんなにたくさん使うの?使い過ぎ、このくらいで十分でしょ」
24 ミソッチョウ
  【標準語】ミソサザイ
【意味等】鷦鷯、スズメ目ミソサザイ科ミソサザイ属に分類される鳥類の1種
25 みそねまり
  【標準語】悪声
【意味等】音痴、悪声や調子外れの歌いぶりを嘲って言う言葉(慣用句)
【同義】みそねまり、みそのくさる
【参考】みそ(糠味噌)+ねまり(腐り)→糠味噌が腐るほどの悪声・音痴の歌いぶり
【用例】「会長も…カラオケい来なあと?歌あ好いとんなあが、ミソネマリやもん」
 →「会長も…カラオケに来るの?歌は好きなんだろうけど、ひどい音痴だもの」
26 みそのくさる
  【標準語】悪声
【意味等】「みそねまり」に同じ(慣用句)
【参考】みその(糠味噌が)+くさる→糠味噌が腐るほどの悪声・音痴の歌いぶり
【用例】「頼むけん歌わんのって…ミソノクサルけん、おらあ聞くとばこらえきらん」
 →「頼むから歌わないでくれ…すごく音痴なので、俺は聞くことを我慢できない」
27 みそのほね
  【標準語】(糠)味噌漬けの実
【意味等】味噌や糠味噌に漬けた、または漬け込む食材
【参考】みその(糠味噌の)+ほね(芯:中心となる物)と思われる
【用例】「キュウリのたいそでけたが…ミソノホネいなっとせな、食いきれんが…」
 →「キュウリがたくさん実ったが…糠味噌漬けにでもしないと、食いきれないぞ…」
28 みそべや
  【標準語】納屋
【意味等】もろみや味噌、漬物などの保存食を貯蔵する部屋
【参考】みそ(味噌の)+べや(保管部屋)
【用例】「ミソベヤのいっち奥な、5年もんの古漬け沢庵やろ?欲しかー分けちゃり」
 →「納屋の一番奥は、5年物の古漬け沢庵でしょ?欲しいよー分けてちょうだい」
29 みぞほし
  【標準語】溝干
【意味等】小川をせき止めて水を干して魚などを捕ること
30 みだしぶね
  【標準語】探漁船(漁業用語)
【意味等】魚群を見つける役割の船
【参考】みだし(見出し:見つける)+ぶね(ふね)→探査船
31 みたむなか  《詳しくはこちら》
  【標準語】見苦しい
【意味等】みっともない、外聞が悪い、体裁が悪い、格好悪い
【参考】由来は、中世語の「見とうもない」の音変異
【用例】「ああた、ズボンの尻のばぶれとりますばい…ミタムナカけん縫うちゃろう」
 →「あなた、ズボンの尻が破けていますよ…みっともないので縫ってあげましょう」
32 みたむなかあいらし  《詳しくはこちら》
  【標準語】不細工だけど可愛い
【意味等】ぶさ可愛い、顔立ちは良くないけど可愛い
【参考】みたむなか(外聞が悪い)+あいらし(愛らしい、可愛い)
【用例】「ブルドッグなしわごんちゃくばってん、ミタムナカアイラシで…好いとう」
 →「ブルドッグはしわだらけだけど、ぶさ可愛いので…好き」
33 みだれおし
  【標準語】貧乏人の子沢山
【意味等】子沢山で貧乏なこと、たくさんの子供を苦労して養育すること
【参考】由来は「乱れ生し(みだれおおし)」、沢山の子を産むこと
【用例】「5男5女のミダレオシやったが、かかさんの偉かったけん…みんな、素直」
 →「5男5女の貧乏人の子沢山だったが、お母さんが偉かったので…みんな、素直」
34 みちいた
  【標準語】渡り板
【意味等】船から岸への通路の板、工事現場の板の足場、簡易な板橋、歩み板、踏み板
【参考】由来は「道板」、高所を移動するための板を掛け渡した通り道や橋
35 みちお
  【標準語】満潮(漁業用語)
【意味等】みちしお、一日で海の水位が最も高いとき、またその現象
36 みちくんだり
  【標準語】移動途中
【意味等】目的地への道すがら、途中
【参考】みち(道)+くんだり(下り:最終目的地)→移動途中
【用例】「能古島のミチクンダリ、ぶすぶす言いよったが…着いたんだ、大はしゃぎ」
 →「能古島への道すがら、不平不満を言っていたけど…着いたら、大はしゃぎ」
37 みつが
  【標準語】三叉路
【意味等】三つ角、3方向に分かれた交差点、3つの道がぶつかる場所
【参考】由来は「みつかど」の音変異
【用例】「あのミツガな、休日な渋滞…冬な牡蠣小屋、夏な海さい行く車の多かと」
 →「あの三差路は、休日は渋滞…冬は牡蠣小屋、夏は海の方に行く車が多いんだ」
38 みつまた
  【標準語】備中鍬(農業用語)
【意味等】備中鍬のうち刃が3本に分かれているもの
【参考】由来は鍬の形状、弥生時代から使われ「備中鍬」は江戸期に改良されたもの
【関連】刃が深く刺さり、湿地でも土がつきにくく耕起や開墾によく使われた
39 みつより
  【標準語】3本よりの縄
【意味等】3本の藁束で編んだ縄や綱(通常は2本)、強度の高い縄
【参考】由来は形状どおり3本の藁束をよったもの、強度が高く切れにくい
40 みてんしゃい
  【標準語】見てごらん
【意味等】見て御覧なさい、見ろの丁寧語
【同義】みてんしゃい、みてんない、みてんやい
【用例】「ミテンシャイ…温うなったと思うたら、もうツクシの出とう」
 →「見てごらんなさい…暖かくなってきたと思ったら、もうツクシが生えている」
41 みてんない
  【標準語】見てごらん
【意味等】「みてんしゃい」に同じ
【用例】「よおとミテンナイ、柳田選手やなかな?」「ちがあ、米屋の兄ちゃんたい」
 →「よく見てごらん、柳田選手じゃないかい?」「違う、米屋の兄ちゃんだよ」
42 みてんやい
  【標準語】見てごらん
【意味等】「みてんしゃい」に同じ
【用例】「すまんが…ちょっと見てんやい、ここのかいかがインキンやなかろうか?」
 →「すまんが…ちょっと見てごらん、ここが痒いけどインキンじゃないだろうか?」
43 みところはん  《詳しくはこちら》
  【標準語】いい加減
【意味等】粗略、おろそか、ぞんざい、中途半端、大雑把
【参考】由来は不明、「みところ」の半端?
・「みところ」そのものに「おおよそ」の意があるらしい
・「みところ」は「三所攻め」など主要な場所の意がある
【用例】「テレビば観ながら、ミトコロハンに勉強したっちゃ…つぁーるもんかい」
 →「テレビを観ながら、いい加減な勉強をしたって…駄目じゃないの」
44 みなくち
  【標準語】水口(農業用語)
【意味等】田の水の取水口、田の水の排水口、地下水が湧き出ている口
【参考】由来は「水口」、水を出す・入れる口
45 みなくちわら
  【標準語】水口藁(農業用語)
【意味等】土に流出の防止用の藁材、田の取水口から土の流出を防止するための敷き藁
46 みなわ
  【標準語】帆綱(漁業用語)
【意味等】身縄、水縄、和船の帆を上げ下げするための綱
【関連】端を帆桁の中央に取りつけ,帆柱先端の滑車を通して船尾に固定する
47 みにゃこて
  【標準語】見なければならん
【意味等】見なきゃいかん、見ないといけない
【同義】みにゃこて、みらんこて
【参考】みにゃ(見なきゃ)+こて(事だ)→見ないと…ということだ
【用例】「全国放送で、糸島特集のあるげな」「ほんなこと?そらあ…ミニャコテ」
 →「全国放送で、糸島特集があるそうだ」「本当かい?それは…見なければいかん」
48 みのお
  【標準語】霊峰
【意味等】霊峰の頂上、雷山の頂上(糸島地区)
【参考】み(霊)+の+お(尾根:峯)→霊の峰
【関連】雷山は雷神社や神籠石、複数の神社などを統合した千如寺などがある霊山
49 みのおつつじ
  【標準語】雷山ツツジ
【意味等】雷山の頂上付近に自生するツツジ
【参考】みのお(霊峰=糸島では雷山)+つつじ(ツツジ)
50 みのおまいり
  【標準語】雷山参り
【意味等】雷神社上宮へのお参り
【参考】豊作祈願のために頂上付近にある雷神社(上宮)を参拝すること
51 みのくるい  《詳しくはこちら》
  【標準語】激しく身体を動かす
【意味等】夢中になってじゃれ合って動く、暴れるように激しく動く、転がりまわる
【参考】みの(身の:身体を)+くるい(狂い:狂らせる)→狂ったように動く
【用例】「うちの孫な、公園で幼稚園のどしと会うて、ミノクルイしてあすびよう」
 →「私の孫は、公園で幼稚園の友達と会って、じゃれ合って遊んでいるよ」
52 みのでる  《詳しくはこちら》
  【標準語】喧嘩になる、糞が出る
【意味等】
(1)「喧嘩になる」のみのでる
《意味》喧嘩に発展する、本気になる、子どもの戯れが次第に喧嘩になること
《参考》みの(本気が)+でる(出る)→戯れが本気になる
《用例》「兄弟で、みのくるいして遊びよったが…ミノデテ、叩き合いよんなあ」
 →「兄弟で、じゃれ合って遊んでたけど…喧嘩になって、殴り合っているよ」
(2)「糞が出る」のみのでる
《意味》うんこが出てしまう、本体が出てしまう、中身が出てしまう
《参考》みの(中身が)+でる(出る)→糞が出る
《用例》「どえんしょう?思いっきり屁へったら…パンツん中いミノデッしもうた」
 →「どうしよう?思いっきり放屁したら…パンツの中にうんこが出てしまった」
53 みのもんじゃく  《詳しくはこちら》
  【標準語】身もだえ
【意味等】心痛や苦痛のために身をゆり動かすこと、悶々とする
【参考】由来は諸説ある
・説1:み(身体)+の+もんじゃく(悶着:もめごと、いさかい)→身もだえ
・説2:み(身体)+の+もん(揉む)+じゃく(しゃくる:えぐる)→身もだえ
【用例】「するこたした…合格ば確信しとう、ばってがミノモンジャクするごと心配」
 →「やることはやった…合格を確信してる、でも身もだえするほど心配」
54 みまわりぶね
  【標準語】見回り船(漁業用語)
【意味等】定地網などを見廻る小舟
55 みみいたけのこのはえる
  【標準語】言い方がくどい
【意味等】言い様がしつこい
【参考】由来は不明、耳からタケノコが生えてくるほどのくどさ?よくわからない
【用例】「もうよか、わかっとうって言いよろうが…ミミイタケノコノハエルばい」
 →「もういい、わかっていると言っているだろ…言い方がくどいんだよ」
56 みみご
  【標準語】耳垢、耳、中耳炎
【意味等】
(1)「耳垢」のみみご
《意味》耳糞、耳の穴に溜まった老廃物
《参考》由来は「耳粉」、耳垢の上品な言い方、関西から九州北部の一部で使われる
《用例》「あんたの耳な、じり耳やけん…ミミゴの湿ってネチョッとしとう」
 →「あなたに耳は、湿り気が多い耳だから…耳垢が湿ってネチョッとしている」
(2)「耳だれ」のみみご
《意味》中耳炎、耳漏、外耳道から軟らかい分泌物が排泄される耳の病気
《同義》じりみみ、みみご、みみねぶと
(3)「耳たぶ」のみみご
《意味》中耳炎、耳漏、外耳道から軟らかい分泌物が排泄される耳の病気
《同義》みみご、みみばな、みみのは
57 みみこやし
  【標準語】うわさ話
【意味等】うわさ、好奇心をくすぐる他人の話
【参考】みみ(耳)+こやし(肥やし:元気の素)→耳から入ってくる元気の素
【用例】「あれいな滅多なこたあ話されん…ミミコヤシいして巻き散らしなあもん」
 →「あいつには滅多なことは話せない…うわさ話にして言いふらかすんだもの」
58 みみつんぼ
  【標準語】難聴
【意味等】耳が不自由、耳がよく聞こえない、耳が遠い、聴覚障がい
【同義】みみつんぼ、みみとお
【参考】みみ(耳)+つんぼ(難聴の古語:差別用語に分類)→聴覚障害
59 みみとお
  【標準語】難聴
【意味等】「みみつんぼ」に同じ
【参考】みみ(耳)+とお(遠い)→耳が遠い
【用例】「なんな?もういっぺん言うて、このごら年取って…ミミトオいなりようと」
 →「何だ?もう一度言ってくれ、最近は年老いて…耳が遠くなりつつあるんだ」
60 みみねぶと
  【標準語】みみだれ
【意味等】「みみご」(2)に同じ、中耳炎
【参考】みみ(耳)+ねぶと(根太:化膿した腫物)→耳の炎症
61 みみばな
  【標準語】耳たぶ
【意味等】「みみご」(3)に同じ、耳の下部にたれている柔らかい肉の部分
【参考】みみ(耳)+ばな(花:花が咲いた様)→耳たぶ・みみ
62 ミミバナ
  【標準語】キクラゲ
【意味等】木耳、キクラゲ目キクラゲ科キクラゲ属のキノコ
【参考】由来は、耳たぶに似た形状から
63 みみのす
  【標準語】耳の穴
【意味等】耳の孔、外耳道
【参考】みみ(耳)+の+す(小さい穴)→耳の孔
64 みみのは
  【標準語】耳たぶ
【意味等】「みみご」(3)に同じ、耳の下部にたれている柔らかい肉の部分
【参考】みみ(耳)+の+は(葉)→耳たぶ・みみ
65 みゃんひより
  【標準語】愚図つき天気(漁業用語)
【意味等】漁に出るか判断のつかない天候、時化るか時化ないかわからない天気
【参考】みゃん(見やん:見えない)+ひより(日和:天候)→判断がつかない天気
66 みょうきち
  【標準語】変わり者
【意味等】奇人、変人、性格や言動が常人と一風違っている人
【参考】由来は「妙吉」人名風に表現した妙な人という意味
67 ~みらん
  【標準語】(~して)みない
【意味等】(~して)みないかい
【参考】動詞に接続して能動的行為を誘う言い方
【用例】簡単な用例
・俺と付き合うてミラン?→俺と付き合ってみないかい?
・ああたも食うてミラン?→あなたも食ってみないかい?
・あの映画ば観てミラン?→あの映画を観てみないかい?
68 ~みり
  【標準語】(~して)みてごらん
【意味等】(~して)みてごらんなさい
【参考】動詞に接続して能動的行為を軽く命令する言い方
【用例】簡単な用例
・俺と付き合うてミリ→俺と付き合ってみてごらん
・ああたも食うてミリ→あなたも食ってみてごらん
・あの映画ば観てミリ→あの映画を観てみてごらん
69 みんずく  《詳しくはこちら》
  【標準語】見ないまま
【意味等】見ないまま
【参考】みん(見ない)+ずく(まま)
【関連】「~ずく」について
・「つく(尽)」または「続(つづ)く」の略と思われる
・打消の助動詞「ず」に接続し「そのまま」という意を示す
・「~せずに(打消の助動詞「ず」)」+尽く・続く→~しないまま
【用例】「行先ばミンズク、パスい乗って寝てしもうて…遠くい来てしもうた」
 →「行き先を見ないまま、バスに乗ってねてしまって…遠くに来てしまった」

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