あぎ、あぎと、あご、あごたん
【標準語】顎、おしゃべり、トビウオ
【品詞】名詞、
【意味】
(1)「顎」のあご
《意味》人や動物の口を構成する顎骨を中心とする部分
《同義》あぎ、あぎと、あぎたぶら、あご、あごたん、あごっとう
《参考》
・由来は、顎を意味する古語の「あぎと」の音変異
・「あご」は標準語として使われている
《用例》
・おろよか肉ば買うてきたろ?硬かけん、食いよったらアギの痛うなってきたぜ
→安物の肉を買ってきただろ?硬いので、食べてたら顎が痛くなってきたよ
・あっちの息子な、アギトのシュッとして男らしか顔ばしちゃあ、あらあモテなるばい
→あちらの息子は、顎がシュッとして男らしい顔をしている、ありゃあモテるだろう
・あら…馬鹿やん。空手ばしようけんて…アゴタンでレンガば割りよって、大怪我しとう
→あいつ…馬鹿だ。空手してるからって…顎でレンガを割ってて、大怪我してる
(2)「おしゃべり」のあご
《意味》
・雄弁、余計なことを言う、口数が多い、口が軽い
・口達者、余計なことを言う者、口数が多い人、口が軽い人
《同義》あご、あごたん、あごっとう
《参考》
・由来は、おしゃべりをする「口」を構成する部位である「顎(あぎと)」の音変異
《用例》
・あらあアゴやけん、いたらんことば言いなさんなよ。みんない、言うてさるきなあと
→あいつは口が軽いから、余計なことを言っちゃ駄目よ。みんなに、言いふらすんだ
・子供んとっからアゴタンやけん、将来な…詐欺師か政治家のどっちかいなんなあばい
→子供の頃から口達者なので、将来は…詐欺師か政治家のどちらかになっちゃうぞ
・話なまとまりかけよったとい、あれがアゴットウ言うけん…相手ばはらかかっしもうた
→話はまとまりかけてたのに、あいつが余計なこと言うから…相手を怒らせてしまった
(3)「トビウオ」のあご
《意味》飛び魚、ダツ目トビウオ科に属する魚類の総称
《参考》亜熱帯から温帯の海に生息、胸ビレを広げて水麺を飛び出して滑空する
《用例》
・五島うどんなアゴで出汁ば取っとうけん、上品でうまかろうが…おらあ好いとう
→五島うどんはトビウオで出汁を取っているから、上品でうまいだろ…俺は好きだ
・知り合いの漁師から、新しかアゴばこえんたいそもろうた…刺身いして食おう
→知り合いの漁師から、新鮮なトビウオをこんなにたくさん貰った…刺身にして食おう
「あご(あごたん、あごっとう)」を使ったことば
(1)あごたんたたく、あごっとうたたく
《標準語》理屈をこねる
《品詞》動詞
《意味》
・つべこべ言う(逆らったり、理屈を言う、あれこれと生意気にしゃべりたてる)
・屁理屈をこねる(役に立たない理屈や道理に合わない議論をくどくどという)
《参考》
・あごたん・あごっとう(余計なことを言う)+たたく(殴る)→理屈をこねる
《用例》
・ああた何もせんくせい…アゴタンタタクとやねえ、 そえん偉かとね?
→あんた何もしないくせに…あれこれ生意気にしゃべりたてるなあ、そんなに偉いの?
・今度の担当ないかん、陳情したっちゃアゴットウタタクばっかし…なあもしちゃんなれん
→今度の担当はいかん、陳情しても屁理屈をこねるばっかり…なんにもしてくれない
・開発したかとい、あれたちの環境やら何やらアゴタンタタクけん…話ないっちょん進まん
→開発したいけど、あいつらが環境や何やと小理屈を言うので…話がちっとも進まない
(2)あごたんたたき、あごっとうたたき
《標準語》理屈をこねる人
《品詞》名詞
《意味》つべこべ言う人、屁理屈をこねる人
《参考》「あごたん(あごっとう)たたく」人のこと
《用例》
・交渉なら…あれば連れて行き。アゴタンタタキやけん、相手ば言い負かしきいばい
→交渉なら…あいつを連れて行けよ。理屈こねるやつだから、相手を言い負せるよ
・あらあ好かん、アゴットウタタキやけん…話ばしたら具合の悪うなろうごたあ
→あいつは嫌いだ、つべこべ言うヤツだから…話をしたら具合が悪くなりそうだ
・アゴタンタタキばってん…しゃばかけん、2~3発くらいたら…大人しゅうなんなあ
→生意気に逆らうヤツだけど…弱虫なので、2~3発殴ったら…大人しくなっちゃうよ
イラストによる用例解説
【翻訳】
「屁理屈をこねても、出来ないものは…出来ない!」
「〇〇〇で××だからね、ご存知でしょうけど…アレでくどくど、ブツブツ、タラタラ」
「税金を負けてもらえないか?」
「それは出来ないですね」
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