いなう、いのう
【標準語】担ぐ、引き受ける
【品詞】動詞
【意味】
(1)「担ぐ」の「いなう」
《意味》肩に掛けて持ち運ぶ、担う
《用例》
・昔の百姓さんな、イナイボウに…肥タゴばイノウて運びよんなったもんな
→昔のお百姓さんは、肩掛け棒に…肥桶を担いで運んでありましたものね
・米の安かったけん買うたが、歩きやったけん…イノウて持って帰った
→米が安かったので買ったけど、歩きだったので…担いで持って帰った
・昔の行商な…商品ば入れた桶ばイノウて、街中ば…売ってさるきよった
→昔の行商は…商品を入れた桶を担いで、街中を…売り歩き回っていた
(2)「引き受ける」の「いなう」
《意味》役などを引き受ける、重責を負う
《用例》
・PTAの役員決めのあって、会長ばイナワされっしもうた
→PTAの役員選定があって、会長を引き受けさせられてしまった
・同窓会のパーティーチケットの割当で、おらあ50枚もイノウてしもうた
→同窓会のパーティーチケットの割当で、俺は50枚も引き受けてしまった
・連帯保証人ばイノウとうけん、3,000万円も負債ば抱えっしもうた
→連帯保証人を引き受けてるので、3,000万円も負債を抱えてしまった
【同義】いなう、いのう
【参考】由来は「担う(になう)」の音変異
「いなう、いのう」に関連する言葉
いないぼう
【標準語】天秤棒
【品詞】名詞
【意味】両端に荷を掛けて担ぐ棒、肩掛け棒、担げ棒
【参考】物を運搬するための道具
・棒の両端に、桶や箱などの荷物の紐を引っ掛けて担いで運ぶ道具
・括り付けたり…突き刺したりして運ぶ道具は「いないぼう」ではない
・いない(担ぎ)+ぼう(棒)→担ぎ棒→天秤棒
【用例】
・水の入った桶ば…運びたかとやが、イナイボウなどこいあるか…知らん?
→水の入った桶を…運びたいけど、天秤棒がどこにあるのか…知らない?
・いっちょ…いっちょ運ぶより、イナイボウでイノウて運んだが…楽やが
→一つ…一つ運ぶより、天秤棒で担いで運んだ方が…楽だよ
イラストによる状況解説
【博多・糸島弁検索】
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