~げな
【標準語】~だそうだ、~らしい、~のような
【品詞】助動詞
【意味】
(1)「~だそうだ」の「~げな」
《意味》~ということだ(伝聞の意)
《用例》
・うちの息子な…大谷選手い憧れとんなるけん、将来の夢な絶対…野球選手ゲナ
→うちの息子は…大谷選手に憧れているので、将来の夢は絶対…野球選手だそうだ
・黒毛和牛ステーキ用フィレ肉の…1人1枚1,000円、先着50人までの特売ゲナ
→黒毛和牛ステーキ用フィレ肉が…1人1枚1,000円、先着50人までの特売だそうだ
・監督の来週な…来られんゲナが、練習などえんする?コーチな…来らるるゲナ
→監督が来週は…来れないそうだが、練習はどうする?コーチは…来れるそうだ
(2)「~らしい」の「~げな」
《意味》~のようだ(推量の意)
《用例》
・井上陽水な、医者ば目指しよったゲナばってん、浪人中い歌手デビューしたゲナ
→井上陽水は、医者を目指してたらしいけど、浪人中に歌手デビューしたそうだ
・あっちの夫婦な離婚しなあゲナ…どうも、旦那の浮気が原因ゲナ
→あのお宅の夫婦は離婚するらしい…どうやら、旦那の浮気が原因らしい
・昔…ここで殺人事件のあったゲナ、それから…よう幽霊の出るごとなったゲナ
→昔…ここで殺人事件があったらしい、それから…よく幽霊が出るようになったらしい
(3)「~のような」の「~げな」
《意味》~みたいな
《参考》一般的な使われ方の例
・あげな:あのような
・こげな:このような
・そげな:そのような
・どげな:どのような
《用例》
・ああた、あゲナ男い、こゲナことされて、よう…そゲナふうい落ち着いとっきいなあ
→あなた、あんな男に、このようなことされて、よく、そんなふうに落ち着いてられるね
・熱の出て…休みゲナが、具合などゲナふう?明日あ…来らりょうごたあ?
→熱が出て…休みだそうだけど、具合などんなふう?明日は…来られそうかい?
・あゲナことしたら…どゲナ人でちゃ、こゲナふういなるくさ…そゲナことも分からんと?
→あんな事したら…どんな人でも、こんな風になるよ…そんなことも分からないの?
【参考】
・語源は古語の「げに」
・体言化する接尾語「げ」に断定の助動詞「なり」の付いた「げなり」が変化して一語化したもの
イラストによる用例解説
【翻訳】
「このカエルの唐揚げは、美味いそうだよ!騙されたと思って、食ってみてよ…ほらっ!」
「嘘を言うなよ!カエルなんか気色悪い!そんなものが美味いわけないだろ!いらん!」
「あっ…このカエル、お前と同じ顔をしてるぞ」
「げな」を使った言葉
げなげなばなし
【標準語】昔話、噂話
【品詞】名詞
【意味】
(1)「昔話」の「げなげなばなし」
《意味》言い伝え、過ぎ去った日の話、昔あった話、昔語り
《用例》
・爺さんな…わっかときゃ船乗りで、ゲナゲナバナシばしなあが…何か嘘臭かちゃん
→お爺さんは…若いときは船乗りで。昔あったことを話すけど…何か嘘くさいんだ
・ここば荒らいたら…呪い殺さるるってゲナゲナバナシのあったが、えらい古か遺跡げな
→ここを荒らしたら…呪い殺されるとの言い伝えがあったが、とても古い遺跡だそうだ
・戦時中の苦労話やら…そえなゲナゲナバナシばしたっちゃ、わっか人いな…分かりめえ
→戦時中の苦労話など…そんな昔語りをしても、若い人には…分からないだろう
(2)「噂話」の「げなげなばなし」
《意味》根拠のない話、推測、聞き伝えのあやふやな話
《用例》
・女の人な…3人集まったら、ゲナゲナバナシい花の咲くもん
→女の人は…3人集まったら、うわさ話に花が咲くもの
・みんなで…あれば犯人い決め付けよるが、ゲナゲナバナシやのうして…根拠ば言いない
→皆で…あいつを犯人に決め付けているけど、推測じゃなくて…根拠を言いなさい
・ぞうたんで…SNSいゲナゲナバナシば書いたら、リツイートされて…デマいなっとう
→冗談で…SNSに根拠のない話を書いたら、リツイートされて…デマになってる
【博多・糸島弁検索】
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