しけこむ

【標準語】畏縮する、長居する

【品詞】動詞

【意味】

(1)「畏縮する」の「しけこむ」

《意味》恐れて縮こまる、いじける、しょげる、恥ずかしくて尻込みする

《用例》

・あれが…えらいシケコンドウが、婚約ば破棄されたって…ほんなことやったったい
 →あいつ…ひどくふさぎ込んでいるけど、婚約を破棄されたって…本当だったね

・風邪ひいて…遊園地い行かれんやったけん、さいぜんから…シケコンどんなあと
 →風邪ひいて…遊園地に行けなかったから、さっきから…いじけてしまってるんだ

・歌な…えらい上手かとやが、自信のなかとか…マイク持たせたらシケコミなあと
 →歌は…すごく上手いんだが。自信がないのか…マイク持たせたら尻込みするんだ

(2)「長居する」の「しけこむ」

《意味》入り浸る、浸り込む、長居する、居続ける、独りで楽しむ、抗議を申し入れる

《用例》

・飲み屋い…愛らしかとのおるけん、あらあのぼせて…いっつも店いシケコンドウ
 →飲み屋に…可愛い娘がいるから、あいつ夢中になって…いつも店に入り浸っている

・時間ば間違かいて…えらい早う着き過ぎた、喫茶店いなっとシケコウデ…時間潰そう
 →時間を間違えて…とても早く着き過ぎた、喫茶店にでも長居して…時間潰そう

・あの人あ…真面目かったが、どこで間違えなったか…今あ愛人の家いシケコンドンなあ
 →あの人は…真面目だったけど、どこで間違えたのか…今は愛人の家に入り浸っている

【参考】

・由来は「時化(しけ)込む」…時化で漁夫が家に引き込んでいる意味から出た言葉

・そのほか「湿気(しっけ)込む」…湿気るほど長く居続けるから出たという説もある

・一般的には「時化で漁に行けない漁師が家に閉じこもる」という使われ方が主流

・隠語としては「妓楼などに入り浸たる」や「愛人の家に長居する」という意味もある

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イラストによる状況解説

 

【翻訳】
「ここだけの話だけど、婚約を破棄されちゃったらしいわよ!」
「そりゃまあ…大変!」
(デリカシーのないヤツ…)
「陰気臭い顔してるから…こうなっちゃうんだよ」
「なぜなんだ!」「俺に…ちょっかいかけるな…独りにさせてくれ!頼むから…」

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