なぐれ
【標準語】放蕩、放浪、落ちぶれ
【品詞】名詞
【意味】
(1) 放蕩の「なぐれ」
《意味》遊びほうけること、お祭りなどの翌日についでに休むこと、
(2) 放浪の「なぐれ」
《意味》道を外れること、目的を達成後に別の事へ向かうこと、
(3)落ちぶれの「なぐれ」
《意味》なれのはて、没落、身を持ち崩すこと、落ちぶれること
【参考】「なぐれる」は動詞で「なぐれ」の状態になること
なぐれる
【標準語】放蕩する、放浪する、落ちぶれる
【品詞】動詞
【意味】
(1)放蕩するの「なぐれる」
《意味》遊びほうける、仕事もせず遊びに夢中になる、身を持ち崩す
《用例》
・若社長、仕事もせんで中洲通い…よか身分でナグレトんなあごたるが大丈夫かと?
→若社長、仕事もせずに中洲通い…いい御身分で放蕩しているようだけど大丈夫なの?
・祖父が起業して店ば構えて、父が経営維持して店ば守り、あたきがナグレテ倒産…
→祖父が起業して店を構えて、父が経営維持して店を守り、私が放蕩して倒産…
(2)放浪するの「なぐれる」
《意味》道草を食う、道を外れる、横道にそれた行動をとる
《用例》
・医者ば目指しよんなったが、麻雀い狂うてしもうて…ナグレテ、今は博徒やもん
→医者を目指していたんだけど、麻雀に狂ってしまって…道を外れて、今は博徒なんだよ
・グループ研究しようとい、あれがナグレテ懇親会ばっかりするけん、間に合わんばい
→グループ研究してるのに、あいつが道を外れて懇親会ばかるするから、間に合わないよ
(3)落ちぶれるの「なぐれる」
《意味》仕事にあぶれる、売れ残る、落ちぶれる、失敗続きで手も足も出なくなる
《用例》
・昔な庄屋やったが、戦後の農地改革で…農地ばそうよう失うて、ナグレタとげな
→昔は庄屋だったけど、戦後の農地改革で…農地をすべてを失って、落ちぶれたそうだ
・あの真面目やった先生も…ナグレテから、どえな汚れ仕事っちゃしきいごとなんなった
→あの真面目だった先生も…落ちぶれてから、どんな汚い仕事でもできるようになった
【関連】「なぐれ」を使った言葉:「なぐれもん」
《意味》放蕩者、放浪者、道楽者、浮浪者、身を持ち崩した者、落ちぶれた者
《参考》なぐれ(放蕩、放浪、落ちぶれ)+もん(者)
《用例》
・コロナ禍い職ば失い、就職もでけん、借家も追い出され…ナグレモンのごたあ生活ですと
→コロナ禍に職を失い、就職もできない、借家も追い出され…浮浪者のような生活ですよ
・あらあ馬鹿やん、根っからナグレモンやけん…泣いたっちゃ意見したっちゃ、つぁーらん
→あいつは馬鹿だ、根っから放蕩者だから…泣こうが説教しようが、どうしようもない
イラストによる状況解説
【翻訳】
①「成金さんところの放蕩息子だよ」「金ならあるから、どんどん持ってこい」
②「自分探しとか言って…放浪しているそうな…」「知らない国に行って、自分の存在意義を見つけているんです」
③「成金さんところは、没落したらしい」「馬鹿息子だったものね」「もう、何もないんだ…ああ、金玉がかゆい」
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