ひわるる、ひびく、はちわれる
【標準語】ひびが入る、実が熟し割れる
【品詞】動詞
【意味等】
(1)ひびが入るの「ひわるる」
《意味》衝撃や環境の変化で物に割れ目が入る、対人関係に生じる差し障り
《参考》語源は「罅れる(ひびれる)」の音変異
《同義》ひびく、ひわるる
《用例》
・そえなことで”友情いヒビク”やら言うごたあたあ…親友やなかっちゃなか?
→そんなことで”友情にひびが入る”なんて言うヤツは…親友ではないのでは?
・ヒビイとったっちゃ…柿右衛門の大皿なら、金継ぎでようなして…大事いするばい
→ひびが入っていても…柿右衛門の大皿なら、金継ぎで修復して…大切にするよ
・漆器な…乾燥やらでヒワルルけん、長う使おう思うなら…手入れせなあいかん
→漆器は…乾燥などでひびが入るので、長く使おうと思うなら…手入れしないといかん
・干ばつで…池の底のヒワルルごと、ため池の水の…そうようのうなってしもうとう
→干ばつで…池の底にひびが入るほど、ため池の水が…すべて無くなってしまっている
(2) 実が熟し割れる「ひわるる」
《意味》果実などが熟して割れること
《参考》「はちわれる」は、丸い実が裂け割れることから「鉢割れ」が語源と思われる
《同義》はちわれる、ひわるる
《用例》
・庭のザクロの…ハチワレとう、ビタミンやら栄養のあるげなけん…食うてんどう
→庭のザクロが…熟し割れている、ビタミンなど栄養があるそうなので…食べてみよう
・女子の前でつやつけて…頭で瓦ば割ったが、でこのハチワレテ…血だらけいなった
→女子の前で格好つけて…頭で瓦を割ったら、額が割れて…血だらけになった
・露地トマトやけん、収穫前の雨で水ば吸うて…実のヒワレタ、売りもんにならん
→露地トマトなので、収穫前の雨で水を吸って…実が裂け割れた、売り物にならない
・天気の好過ぎて…えらい暑うなりよう、スイカのてっとうけん…実のヒワルルばい
→天気が好過ぎて…ひどく暑くなっている、スイカが熟しているので…実が割れるぞ
イラストによる状況解説
【翻訳】
「ああ…家宝の古伊万里が…ひび割れている」
【博多・糸島弁検索】
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