まいまい
【標準語】旋回、渦、旋毛
【品詞】名詞
【意味等】
(1)「旋回」のまいまい
《意味》空中や水中をくるくると回ること、飛び回ること、飛散すること
《参考》由来は「舞い舞い」だと思われる
《関連》水中を旋回するミズスマシのことを「マイマイ、マイマイムシ」という
《用例》
・ああたたちゃあ、こえん埃のマイマイしようところで…よう弁当ば食いきらっしゃあらすなあ
→あなたたちは、こんなに埃が飛散しているところで…よく弁当が食べられるものですねェ
・春やねぇ…水のぬるうで、川いなフナだけやのうして、マイマイムシのたいそマイマイしよる
→春だねぇ…水がぬるんで、川にはフナだけじゃなくて、ミズスマシがたくさん泳ぎ回っている
・あすこで、えらいたいそカラスのマイマイしよるが、ネコか何か動物の死んどうっちゃなかな
→あそこで、すごく多くのカラスが旋回してるけど、ネコか何か動物が死んでるんじゃないのか
(2)「渦」のまいまい
《意味》渦を巻いていること、巻貝の形状、とぐろ
《参考》回ることを「まう」ということから、由来は「回い回い」だと思われる
《関連》殻が渦状のカタツムリのことを「マイマイ、マイマイムシ」という
《用例》
・西海橋んにきな…潮の満ち干の時いな流れの速かけん、橋の下いな…たいそマイマイのでくる
→西海橋付近は…潮の満ち干の時には流れが速いので、橋の下には…たくさんの渦ができる
・マイマイの殻なあ、右回りのマイマイんとと、左回りのマイマイんとのおるが、種類の違あと?
→カタツムリの殻には、右回りの渦のやつと、左回りの渦のやつがいるけど、種類が違うの?
・ぎちい降りたら、ヒラクチのマイマイしてから俺ばねらみつけようっちゃん…腰ば抜かいたばい
→三和土に降りたら、マムシがとぐろ巻いて俺を睨みつけていたんだ…腰を抜かしちゃったよ
(3)「旋毛」のまいまい
《意味》つむじ、つじ、頭頂部にある毛が集中して放散性の渦状になっている部分、頭の真中
《同義》ぎりぎり、まいまい、まいまいこんじょう
《参考》
・「ぎりぎり」の由来は、旋毛の渦巻き状を示す「ぐるぐる」の音変異
・「まいまい」の由来は、旋毛の渦巻き状を示す「まいまい」
・「まいまいこんじょう」は糸島弁
《用例》
・ほんなことかどうか知らんが…マイマイの2つ以上ある人あ、頭のよかげなが…禿げ易かとげな
→本当かどうか知らないけど…旋毛が2つ以上ある人は、頭が良いらしいけど…禿げ易いそうだ
・あんたのマイマイコンジョウな、左い巻いとうが…ちいっと、知恵の足らんっちゃなかろうな?
→あんたの旋毛は、左に巻いているけど…すこし、頭が悪いんじゃないだろうな?
・髪のあるとい…頭ば蚊い刺されとうけん、なしかいなと思うたら…マイマイのとこやもん
→髪があるのに…頭を蚊に刺されたので、何故かなと思ったら…旋毛のところだもの
【同義語】ぎりぎり、まいまい
・旋毛については全くの同義語だが、回るという意味合いでは若干ニュアンスが異なる
・「ぎりぎり」は、渦状や回転など大まかな中心点の位置がある回り方、または形状
・「まいまい」は、上記に加えて中心点を変えながら舞うように旋回する回り方もいう
【関連】「マイマイ(マイマイムシ)」はカタツムリ、ミズスマシの名称としても使われる
(1)「カタツムリ」のマイマイ、マイマイムシ
《意味》蝸牛、でんでんむし
《参考》
・マイマイの由来は殻が渦巻き状であることから、全国広範囲で使われる
・陸に棲む巻貝のうち殻を持つものの通称
・蓋をもたず触角の先に目を持つ有肺類の陸貝
《関連》「蝸牛考」はカタツムリの伝播から方言周圏論を提唱した柳田國男の語学書
(2)「ミズスマシ」のマイマイ、マイマイムシ
《意味》豉虫、コウチュウ目に含まれる水面を素早く泳ぐ小型の水生昆虫
《参考》マイマイの由来は水中をクルクルと回りながら泳ぐことから
イラストによる状況解説
【翻訳】
「蝶々が飛び回っている」
「ここはカタツムリが…たくさんいる」
「ここに旋毛がある」
【博多・糸島弁検索】
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