うます、おみあわす、おもす、もす

【標準語】蒸す、蒸らす、熟させる

【品詞】動詞

【意味等】

(1)「蒸す」のもす

《意味》高温の蒸気で調理する、蒸かす、高温多湿でむしむしする

《用例》

・イモな、茹でたとよりオミアワシたと…オモシたとより、じっくり焼いたとが…うまか
 →イモは、茹でたものより蒸したもの…蒸かしたものより、じっくり焼いたものが…うまい

・朝からモシますなあ…梅雨の近うなって、農作物いなよかばってん…寝苦しゅうなりよります
 →朝から蒸しますねえ…梅雨が近くなって、農作物にはいいけど…寝苦しくなっています

(2)「蒸らす」のもす

《意味》蒸らす、蒸れるようにする、ご飯を蒸す

《用例》

・ご飯な…炊き上がってすぐい蓋ば開けんと…いっときウマサなあ、おいしゅうならんと
 →ご飯は…炊き上がってすぐに蓋を開けないで…しばらく蒸らさなくては、おいしくならない

・紙おむつな便利かとやが…布なすぐオモスけん、お尻の肌荒れせんごと…天花粉ばつけよった
 →紙おむつは便利なんだよ…布はすぐ蒸れるので、お尻が肌荒れせぬよう…天花粉をつけていた

(3)「熟させる」のもす

《意味》果実を採ってから保存して熟させる

《用例》

・採りたてのキウイな…硬うして食われん、いっとき置いてウマイテ食うと
 →採りたてのキウイは…硬くて食えない、しばらく置いて完熟させて食うんだ

・青かバナナな甘うなか…オミアワイテ黄のうないて、黒か斑点の出るぐらいが…いっちうまか
 →青いバナナは甘くない…熟させて黄色くさせて、黒い斑点が出るぐらいが…一番うまい

【同義】うます、おみあわす、おもす、もす

【参考】

・「うます」「おもす」「もす」の由来は、古語の「おむす(蒸す)」の音変異

・「おみあわす」の由来は、不明

【関連】「もす」は関東では「燃やす」の方言

「蒸す」の状態を示す「おみあう、おみる、もせる」

おみあう、おみる、もせる

【標準語】蒸せる、蒸れる

【品詞】動詞

【意味等】

(1)「蒸せる」のもせる

《意味》高温の蒸気で調理される、高温多湿でむしむししている、蒸し暑い

《用例》

・「肉まんのモセルけん…食うていき?」「こえなモセル日い…よう肉まんやら食うなあ」
 →「肉まんが蒸せるので…食べていかない?」「こんな蒸し暑い日に…よく肉まん何か食うなあ」

・別府の地獄で、噴気でオミオウタ卵やら饅頭やら食うたが、腹いっぱいで晩飯の食われん
 →別府の地獄で、噴気で蒸かした卵や饅頭などを食ったら、腹いっぱいで夕飯が食えない

(2)「蒸れる」のもせる

《意味》蒸れて軟らかくなる、蒸れてじめじめする、ご飯が蒸れる

《用例》

・米な…炊き上がったっちゃあ、すぐいな蓋ば開けんと…ご飯のオミルまで5分な待たなあ
 →米は…炊き上がっても、すぐに蓋を開けないで…ご飯が蒸れるまで5分は待たなくちゃ

・あたきゃ汗濃いかけん…今日のごとモス日な、汗じっくりでパンツの中のモセテ…痒うなると
 →私は汗かきなので…今日のような蒸暑い日は、汗びっしょりでパンツの中が蒸れて…痒くなる

【同義】おみあう、おみる、もせる

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イラストによる状況解説


【翻訳】
・もす1
「蒸しますなあ!蒸し暑い」
「本当に」
・もす2
「何を蒸してるの?いい…匂いがしている」
「栗おこわだよ!」

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