ごそっと

【標準語】むくっと、ごっそり

【品詞】副詞

【意味】

(1)「むくっと」の「ごそっと」

《意味》急に起き上がる様、むっくりと

《同義》ごすと、ごそっと

《参考》

・「ごそっと」は、起き上がる様の擬態語

・「ごすと」は「ごそっと」の音変異

《関連》「ごすと、ごそっと」に関連する言葉

〈用語〉ごすとおき

〈意味〉急に起き上がる…またその様、起き抜け

〈参考〉ごすと(ごそっと)+おき(起き)→突然、むっくりと起き上がる

《用例》

・明日あ、始発い乗らなあいかんけん、朝あゴスット起きて家ば出るけん
 →明日は、始発に乗らないといけないから、朝は起き抜けで家を出るから

・寝とったら…具合の悪うなって目の覚めて、ゴスット起きて…便所で吐いたと
 →寝ていたら…具合が悪くなって目が覚めて、やにわに起きて…便所で吐いたんだ

・タヌキの死んどうと思うたら、ゴソット起きて逃げた、本当の狸寝入りやん
 →タヌキが死んでると思ったら、むくっと起きて逃げてった…本当の狸寝入りだね

(2)「ごっそり」の「ごそっと」

《意味》余すところなく全部、根こそぎ、残らず、数量の多い様、一挙大量に

《同義》がっぽり、ごっそり、ごっくり

《参考》

・得る場合、失う場合、ともに使う

・「がっぽり」は、得る場合に使うケースが多い

・「ごそっと」は、失う場合に使うケースが多い

《関連》「ごっくり」に関連する言葉

〈用語〉いっぺんごっくり

〈意味〉いっしょくた、ひとまとめ、すべてを一緒に、雑多な物までひとまとめ

〈同義〉いっこんたくり、いっしょんたくり、いっぺんごっくり

〈参考〉

・いっぺん(一片:欠片まで)+ごっくり(根こそぎ)→欠片まで根こそぎ

・「いっぺんごっくり」は糸島弁

《用例》

・イノシシの畑ば荒らいて、カンショばガッポリ…そうよう食われっしもうた
 →イノシシが畑を荒らして、サツマイモを根こそぎ…残らず食われてしまった

・ああた…髪のはえかぶっとったが、ゴソット切って…えらいこそうぞうとなったなあ
 →あなた…髪が伸び放題だったけど、ごっそり切って…とてもスッキリなったねえ

・ミカンばいるしこやるって言うたが、軽トラでガッポリ持っていきなあっちゃもん
 →ミカンをいるだけ上げるって言ったら、軽トラで残らず持っていくんだもの

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イラストによる用例解説

【翻訳】
《上段》むっくり
「あなた…突然むっくり起きて…どうかされたの?具合が悪いの?」
「何か…怖―い夢を見ていた…あばっ!あばばば…」
《下段》
「ど…泥棒だ!野菜が根こそぎ…無くなっている!」

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