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「め(メ)」の博多・糸島弁

1 ~めー  《詳しくはこちら》
  【標準語】~まい
【意味等】~ないだろう、~ないでおこう
【同義】~めー、~めい、~めえ
【参考】打消しの推量、打消しの決定
【用例】
・今夜な、皆既月食の起きるとばってん…夜な晴れメーけん、見られメーや
 →今夜は、皆既月食が起きるんけど…夜は晴れないだろうから、見られないだろう
・会長いならせらりょうごたあけん、PTA総会いな…行きメー、委任状も出しメー
 →会長にさせられそうだから、PTA総会には…行かない、委任状も出さないでおこう
2 ~めーが  《詳しくはこちら》
  【標準語】~しまいが
【意味等】~ないぞ、~ないだろ
【同義】~めーが、~めいが、~めえが
【参考】打ち消しの禁止
【用例】「いくら喧嘩でちゃ、そえなことしたらいきメーガ…最低限のルールやが」
 →「いくら喧嘩でも、そんなことをしたらいけないだろ…最低限のルールだぞ」
3 ~めーな?  《詳しくはこちら》
  【標準語】~しまいな?
【意味等】~ないだろう?、~ないだろうな?
【同義】~めーな?、~めいな?、~めえな?
【参考】打ち消しの疑問
【用例】「初デートやけん、キスしてきなれメーナ?それ以上いな…なりメーナ?」
 →「初デートなので、キスしてこないだろうな?それ以上には…ならんだろうな?」
4 めあね
  【標準語】目やに
【意味等】目糞、目垢、眼脂(がんし)、目から出る生理的な分泌物・老廃物
【同義】まくじ、まなくじ、めあね、めぐそ、めほだれ
【参考】由来は「目脂(めやに)」の音変異
5 ~めい  《詳しくはこちら》
  【標準語】~しまい
【意味等】「~めー」に同じ
【用例】
・「ああた不細工やけん…もてメイ?」「ああたこそ…人い好かれメイ?」
 →「あなた不細工だから…もてんでしょ?」「あんたこそ…人に好かれんだろう?」
・食いきりメイけん、スペシャルうどん大盛の雑炊つきな…注文しメイ
 →食べきれないだろうから、スペシャルうどん大盛の雑炊つきは…注文するまい
6 ~めいが  《詳しくはこちら》
  【標準語】~しまいが
【意味等】「めーが」に同じ
【用例】「医者い止められとろ…酒ば飲んだらいきメイガ、お茶で我慢せにゃたい」
 →「医者に止められてるだろ…酒を飲んだらいけないぞ、お茶で我慢しなくちゃ」
7 ~めいな?  《詳しくはこちら》
  【標準語】~しまいな?
【意味等】「~めーな?」に同じ
【用例】「さあきから目の泳ぎよるが、まさか…俺ば裏切ろうやら思うとりメイナ?」
 →「さっきから目が泳いでるが、まさか…俺を裏切ろうなど思ってないだろうな?」
8 めいぶ
  【標準語】分け前(漁業用語)
【意味等】割り前、取り前、取り分、漁獲(水揚げ)利益の銘々の取り分
【参考】めい(めいめいの)+ぶ(歩合)→個々の取り分
9 ~めえ  《詳しくはこちら》
  【標準語】~しまい
【意味等】「~めー」に同じ
【用例】
・就職しきりきりメエけん、貯金なでけメエ、結婚やら…とてもしきりきりメエや
 →就職できないだろうから、貯金はできまい、結婚なんて…とてもできないだろう
・言いメエって思うたっちゃ、おらあ…べらやけん、言いとうなるけん…聞きメエ
 →言うまいと思っても、俺は…おしゃべりだから、言いたくなるんで…聞くまい
10 ~めえが  《詳しくはこちら》
  【標準語】~しまいが
【意味等】「めーが」に同じ
【用例】「やけん…言うたろうが、そえな怪しかとい投資したっちゃ…儲かりメエガ」
 →「だから…言っただろう、そんな怪しげなものに投資しても…儲からないだろ」
11 めえすつかい
  【標準語】太鼓持ち
【意味等】人におもねる者、へつらう者、ごますり、お調子者
【用例】
・由来は「売僧(まいす)」本来は堕落した僧侶の意だが「へつらい」の意もある
・めえす(へつらい)+つかい(使い)→へつらいを使う人→太鼓持ち・ごますり
【用例】「何や…あらあ?部下いな威張っとうくせい、上司いなメエスツカイやん」
 →「何だ…あいつ?部下には威張っているくせに、上司に対してはお調子者だよ」
12 ~めえな?  《詳しくはこちら》
  【標準語】~しまいな?
【意味等】「~めーな?」に同じ
【用例】「あら?弁当の…いっちょも残っとらんが、俺の分まで…食うとりメエナ?」
 →「あら?弁当が…一つも残ってないが、俺の分まで…食ったんではなかろうな?」
13 めえのはまからあめのふる
  【標準語】泣き出しそう
【意味等】泣きそうになっている様子
【参考】天候の変化を示す慣用句、これを泣くことに掛けた言い方
・姪浜は博多の西側、天気は西側から変わり、雨も姪浜側から降り始める
・泣き出しそうななった子どもに対して、揶揄した言い方
・糸島は姪浜よりさらに西側だが、同様の言い方をする
【用例】「何の…そえん悲しかとなァ?メイノハマカラアメノフリよるばい」
 →「何が…そんなに悲しいんだい?泣き出しそうな顔になってるよ」
14 メエメエ
  【標準語】ヤギ(幼児語)
【意味等】山羊、偶蹄目ウシ科に属するヤギ属の動物の総称
【参考】雌雄とも鎌状の角、また雄には顎髭がある、家畜として飼われ種類が多い
15 めかちん
  【標準語】片方の目が不自由な人(差別用語)
【意味等】片目、両眼不揃いの人
【同義】めかちん、めっかし、めっちょ
16 めがり
  【標準語】かかり(漁業用語)
【意味等】もどり、あぐ、あご
【参考】釣針の先端近くにある突起のこと
17 めぎれ
  【標準語】芽立(農業用語)
【意味等】草木の芽が出ること、芽生え、芽が出そろう
【用例】「播く前い、種ば一晩水い漬けたんだあ…メギレのようして、失敗ななか」
 →「播く前に、種を一晩水に漬けておいたら…芽生えが良くて、失敗はない」
18 めぐそ
  【標準語】目やに
【意味等】「めあね」に同じ
【参考】め(目)+グソ(糞)→目糞→目脂
19 めご
  【標準語】目籠(農業用語)、生簀籠(漁業用語)
【意味等】
(1)「目籠(めご)」のめご
《意味》目笊、女籠、皿形で底の浅い目を粗く編んだ竹籠
(2)「生簀籠(いけすかご)」のめご
《意味》目を粗く編んだ生簀、大型魚の漁に持参する餌の小魚を入れる生簀
20 めこすり
  【標準語】寝ぼけ眼
【意味等】寝ぼけ顔、寝ぼけた目つき、寝ぼけた顔つき、ぼんやりとした顔つき
【参考】漢字で「目擦り」寝ぼけて目を擦るようなしぐさから
【用例】「早よ…歯磨いて飯食うて、メコスリせんで、ちゃっちゃか学校い行きない」
 →「早く…歯を磨いて飯食って、寝ぼけ顔せずに、さっさと学校に行きなさい」
21 めさまし
  【標準語】御目覚め
【意味等】目覚めに食べる食物・おやつ、子供が目覚めたときに与える菓子(おめざ)
【用例】「まあだ、めこすりやけん…メサマシい、つんたかアイスなっと食うてんど」
 →「まだ、寝ぼけ顔なので…御目覚めに、冷たいアイスでも食べてみよう」
22 めじきり  《詳しくはこちら》
  【標準語】目分量
【意味等】目で見ておおよその度合をはかること(主に重さ)
【同義】おおめっそう、めじきり、めっそう
・「おおめっそう。めっそう」はおおよその長さ、「めじきり」はおおよその重さ
【参考】目(め)+じきり(杠秤(ちきり):竿秤の一種)→目検討の重量
【用例】「大きなか岩の道さい落てかかって、あらあ5tなある…メジキリばってん」
 →「大きな岩が道の方に転げ落ちてきて、あれは5tはある…目検討だけど」
23 めしつぎ
  【標準語】飯櫃
【意味等】おひつ、炊き上がった飯を釜から移し入れて置くための木製の容器
【同義】ままつぎ、めしつぎ
24 メセセリ
  【標準語】アカイエカ
【意味等】「セセリ」(1)に同じ、赤家蚊、ハエ目糸角亜目カ科に属する昆虫
【参考】日本脳炎ウイルスを媒介することで有名、雄は蚊柱といわれる群飛をする
【同義】セセリ、メセセリ
25 めせせり
  【標準語】蚊柱
【意味等】アカイエカやユスリカなどが多数、交尾のため集まって群れ飛んでいるもの
【参考】柱がたっているように見えるため蚊柱という
【同義】せせり、めせせり
26 めた
  【標準語】目のただれ
【意味等】眼瞼炎や顆粒性結膜炎などの眼病で目がただれていること、またその眼病
【同義】めた、めたはち
【参考】由来は「めただれ」の音変異(短縮)
27 めたたき
  【標準語】まばたき
【意味等】瞬き、目叩き、まばたきをする、またたく
【用例】「息子い”勉強せれ”て言うたら…メタタキする間い、おらんごとなった」
 →「息子に”勉強しろ”と言ったら…またたく間に、いなくなってしまった」
28 めだちごろ 
  【標準語】春
【意味等】春季、草木の芽が出る頃、芽生え時
【参考】めだち(芽立ち:芽生え)+ごろ(頃)→芽生えの季節、春
29 めたはち
  【標準語】目のただれ
【意味等】「めた」に同じ
【参考】めた(目のだだれ)+はち(鉢;頭部)→目のただれた顔
30 めっかし
  【標準語】片方の目が不自由な人(差別用語)
【意味等】「めかちん」に同じ
31 めっきり
  【標準語】ぎっしり
【意味等】きっちり、ぎっちり、隙間なく詰まっている様
【参考】状態の変化がはっきり感じられる様を表す「めっきり」は、標準語
【用例】「いくら詰め放題でちゃ、そえんメッキリ詰め込うだら…店い儲けの無かが」
 →「いくら詰め放題でも…そんなにきっちりと詰め込んだら…お店に儲けが無いぞ」
32 めっけん  《詳しくはこちら》
  【標準語】眉間、眉間を弾く罰ゲーム
【意味等】
(1)「眉間」のめっけん
《意味》眉と眉の間、額の中央
《用例》「仏像のメッケンいある、イボのごたあと…白毫(びゃくごう)て言うげな」
 →「仏像の眉間にある、イボのようなもの…白毫(びゃくごう)って言うそうだ」
(2)「眉間を弾く罰ゲーム」のめっけん
《意味》眉間を指先で強く弾く行為
《参考》ゲームに負けたり、お手つきなどをした場合の罰ゲームのひとつ
《関連》「めっけん」のほかの罰ゲーム
・「しっぺ」(複数の人が手を重ね、逃げられる状態で、勝者がそれを叩く)
・「いっきょん」(手足を拡げて壁に向かって立ち、後ろからボールを当てられる)
《用例》「お手つきしたろ?メッケンするけん…でこば出しやい」
 →「お手つきをしただろ?眉間を弾く罰ゲームをするから…額を出しなさい」
【参考】由来は「眉間(みけん)」の音変異、九州北部で使われる
【関連】「めっけん」を使った言葉
・めっけんごうで→一心不乱に
・めっけんごうだいて→本気を出して
33 めっけんごうで  《詳しくはこちら》
  【標準語】一心不乱に
【意味等】精神を集中して、心を集中させて、雑念を捨てて、一生懸命に
【参考】めっけん(眉間)+ごう(白毫(びゃくごう))+で→仏が知恵を出すように
【関連】白毫は仏像の眉間にある右巻きに丸まった毛で、瞑想時に光る…仏様の知恵
【用例】「明日の決勝戦な…メッケンゴウデ戦え、相手やのうして自分に勝たなあぜ」
 →「明日の決勝戦は…雑念を捨てて戦え、相手じゃなくて自分に勝ちなさい」
34 めっけんごうだいて  《詳しくはこちら》
  【標準語】本気になって
【意味等】真面目な心になって、真剣に対応する心になって
【参考】めっけんごう(一心不乱)+だいて(出して)→本気を出して
【用例】「今からなら、メッケンゴウダイテ勉強すりゃあ…九州大学でちゃ受かる」
 →「今からなら、本気を出して一心不乱に勉強すれば…九州大学でも合格できる」
35 めっこんごう
  【標準語】あかんべえ
【意味等】下まぶたを指で引き下げ赤い目の裏を見せること
【参考】
・相手を侮り、または承知しない意を示す
・めっこん(左右の目の大きさが違う?目の病気?)+ごう(業:善悪の行為?)
【同義】あかちょこべえ、べっからべえ、めっこんごう
36 めっそう  《詳しくはこちら》
  【標準語】目分量
【意味等】「めじきり」に同じ、目で見ておおよその度合をはかること(主に距離)
【参考】由来は「目測(めそく)」の音変異
【用例】「こっから、あの信号機の角まで…メッソウで何mぐらい、あると思う?」
 →「ここから、あの信号機の角まで…目測で何mぐらい、あると思う?」
37 めったくそ
  【標準語】滅多に
【意味等】ごく稀に、ほとんど~ない(打消しの語を伴う)、普通でない
【参考】めった(滅多)+くそ(糞)
【関連】大阪弁では「大変、非常に、とても」の意味、滅茶糞(めっちゃくそ)
【用例】「あの先生の褒めなあやら、メッタクソなかよ…ああたの小説な、売るるが」
 →「あの先生が褒めるなんて、滅多にないないよ…あなたの小説は、売れるよ」
38 めっちょ
  【標準語】片方の目が不自由な人(差別用語)
【意味等】「めかちん」に同じ
39 めっちょう
  【標準語】雌、少女
【意味等】
(1)「雌」のめっちょう
《意味》動物の雌、雌鶏、子や卵を産む方の性別
《対義》おっちょう:動物の雄、子や卵を産まない方の性別
《参考》由来は「雌蝶(めすちょう)」、「おっちょう」は「雄蝶(おすちょう)」
《用例》「鶏のメッチョウな卵ば産むけん大事かもん、オッチョウな肉いしかならん」
 →「鶏のメスは卵を産むので大事なもの、雄は肉にしかならない」
(2)「少女」のめっちょう
《意味》女の子、成人してない女性、娘
《参考》
・由来はドイツ語の「Mädchen (メッチェン)」の音変異
・対義語は「おっちょう」だろうが、その音と意味に対応するドイツ語はない
・(1)の意味と合わせ、女の子を蔑んだ言い方、表現として使われる
《用例》「おまえのクラスのメッチョウな、ブスばっかり…愛らしかとのおりめえが」
 →「おまえのクラスの女子は、ブスばかり…可愛い娘はいないだろうが」
40 めっちょうかける
  【標準語】狙う
【意味等】人知れず目をかける、自分のものにしようと狙っている
【参考】めっ(目)+ちょう(ちょうくる:騙す、誘う)+かける(仕掛ける)
【用例】「あの女の子いメッチョウカケよろ?俺の妹やけん、手ば出いたら…くらす」
 →「あの女の子を彼女に狙っているだろ?俺の妹だから、手を出したら…ぶん殴る」
41 メツッパリ
  【標準語】セキショウ
【意味等】石菖、ショウブ科ショウブ属に属する多年生植物
【同義】メツッパリ、メハリ
【参考】
・セキショウの由来は、岩場に生えるショウブに似た植物であるから
・メツッパリの由来は、瞼に花茎を挟んで目を見開いたようにする子供の遊びから
42 めつっぱりでみる
  【標準語】監視する
【意味等】凝視する、見落としがないようにしっかり見る、絶え間なく見張る
【参考】めつっぱり(瞼につっかい棒を当てる)+で+みる(見る)
【関連】「めつっぱり」とは、瞼にセキショウの花茎を挟んで目を見開く子供の遊び
【用例】「テストの試験官な初めとやけん…不正のなかごと、メツッパリデミラなあ」
 →「テストの試験官は初めてなので…不正がないように、しっかり監視しなくちゃ」
43 めのきざん  《詳しくはこちら》
  【標準語】目測の概算
【意味等】目で数えた概算、目測でのおおよその数
【類義】
・めじきり→目測での、おおよその重さ
・めっそう、おおめっそう→目測での、おおよその距離・長さ
・めのこざんにょう→目測による、おおよその計算結果
【参考】め(目)+の+きざん(起算:数えること)
【用例】「泉川河口いクロツラヘラサギの来とう、メノキザンで15羽おるごたる」
 →「泉川河口にクロツラヘラサギが来ている、目測での概算で15羽いるようだ」
44 めのこざんにょう  《詳しくはこちら》
  【標準語】目計算
【意味等】目の子勘定、数量などを目で確かめながら計算すること
【参考】
・めのこ(目子:目で検算)+ざんにょう(算用:計算)
・「めじきり」「めっそう」「めのきざん」した数値を、暗算などで計算する
【用例】「これば…そうよ売りたかとやが、メノコザンニョウで幾らいなるかいな?」
 →「これを…すべて売りたいんだけど、目計算でお幾らになりますか?」
45 めのしょうがつ
  【標準語】目の保養
【意味等】良いものを見ること、珍しいものを見ること、美しいものを見ること
【参考】めの(目の)+しょうがつ(正月:祝賀)→目の保養
【関連】全国的に使われ、方言としての括りに入らないので、標準語と解釈できる
【用例】「おいさんの、メノショウガツやったって言いござあたあ…ストリップたい」
 →「小父さんが、良いものを見せてもらったと言ってるのは…ストリップのことだ」
46 めのしょうのよか
  【標準語】宵っ張り
【意味等】目がかたいこと、夜遅くまで起きていること、夜更かしすること
【参考】めの(目の)+しょうのよか(良い性格、生意気)→なかなか寝ない
【用例】「9時ばい…子供なもう寝り、ゲームやらしなんな…メノショウノヨカなあ」
 →「9時だよ…子供はもう寝なさい、ゲームなんかするな…宵っ張りなんだから」
47 メノハ
  【標準語】ワカメ
【意味等】若布、和布(にぎめ)、褐藻綱コンブ目チガイソ科に分類される大型の海藻
48 めばつぶる
  【標準語】目をつぶる
【意味等】目こぼしをする、過失などを見て見ぬ振りすること、めをつむる
【用例】「すんまっせん…悪気ななかとです、今回だけなメバツブッちゃんなっせえ」
 →「すみません…悪気はないのです、今回だけはお目こぼしくださいませ」
49 メハリ
  【標準語】セキショウ、メダカ
【意味等】
(1)「セキショウ」のメハリ
《意味》「メツッパリ」に同じ、石菖
(2)「メダカ」のメハリ
《意味》目高、ダツ目メダカ科メダカ属に分類される淡水魚の総称
50 めぼいとう
  【標準語】ものもらい
【意味等】麦粒腫、霰粒腫、まつ毛の下の脂腺や汗腺などが化膿する炎症
【同義】いんのくそ、おひめさま、めぼいとう、めもりゃあ
【参考】めぼ(目疣、目の病気)+ぼいとう(ほいとう:乞食、ものもらい)
51 めぼし
  【標準語】苗代干し(農業用語)
【意味等】芽干し、夜干し、晴れた日の夜中に苗代の水を切って苗の芽を干すこと
【同義】のうしろぼし、めぼし
【参考】発芽後に稲苗の根の成長を目的に水を抜くこと(水管理、3回ほど行う)
52 めぼだれ
  【標準語】目やに
【意味等】「めあね」に同じ
【参考】め(目)+ほだれ(穂垂れ:飾りのための削掛け)
53 めめこ
  【標準語】女陰、子牛
【意味等】
(1)「女陰」のめめこ
《意味》女性器、人の女性の生殖器
《同義》ぼぼ、めめこ、めめさん、めめしゃん
(2)「子牛」のめめこ
《意味》子どもの牛、牛の子
《同義》ベエカ、ベッコ、ベベノコ、ベベンコ、メメコ
54 めめさん
  【標準語】女陰
【意味等】「めめこ」(1)に同じ
【関連】1975’秋のカネボウ化粧品キャンペーンソングに「ボンジュールお目々さん」がテレビCMで毎日のように流され、福岡では…ざわつきました
【用例】「ボンジュールお目々さんげな」「馬鹿…メメサンやなか、メメサンたい」
 →「ボンジュールお目々さんだって」「馬鹿…女陰じゃない、目々さんだよ」
55 メメサンガイ
  【標準語】タカラガイ
【意味等】宝貝、タカラガイ科の巻貝の総称
56 めもりゃあ
  【標準語】ものもらい
【意味等】「めぼいとう」に同じ
【参考】め(目)+もりゃあ(貰う:音変異)
57 めやね
  【標準語】目やに
【意味等】「めあね」に同じ
【参考】由来は「目脂(めやに)」の音変異
58 めよう
  【標準語】目配せ
【意味等】目つきによる以心伝心、眼球の動きによる指示・意思疎通
【参考】め(眼球)+よう(様相)→目配せ
【用例】「何も言わんのっちゃれ…っていうごたあメヨウで見なあけん、黙っといた」
 →「何も言わないでくれ…というような目つきで訴え掛けてくるので、黙っていた」
59 めれめれ
  【標準語】めそめそ
【意味等】声を立てずに長々とべそをかく様、長い間低い声でしくしくと泣く様子
【用例】「振られたけんって…よか大人が、メレメレ泣いてから…うっとうらしか」
 →「振られたからって…いい大人が、長々とめそめそ泣いちゃって…鬱陶しい」
60 めんかぶる
  【標準語】臆面もない、知らんふりをする
【意味等】
(1)「臆面もない」のめんかぶる
《意味》合わせる顔がない、 恥ずかしさに顔を隠す
《参考》由来は、相手に会いたくないため顔を隠すために面をかぶる
《用例》「取引先いな気のどっかことして…銀行で会うたが、メンカブロウごたった」
 →「取引先には気の毒なことをして…銀行で会ったが、合わせる顔がなかったよ」
(2)「知らぬ振りする」のめんかぶる
《意味》知らぬ振りをよそおう、猫をかぶる、それらしく見せる
《参考》由来は、相手に真意を悟られないように面をかぶって演じる
《用例》「資金繰りい困っとうとば悟られんごと、景気のよか話でメンカブッとった」
 →「資金繰りに困っているのを悟られぬよう、景気がいい話でそれらしく見せたよ」
61 めんしょう
  【標準語】卒業証書
【意味等】免状、所定の学業課程を学び終えたことを証する書状
【参考】由来は「免状(めんじょう)」の音変異
【用例】「メンジョウ貰うまで親の責任と思うとったが、今年も大学ば留年しなった」
 →「卒業証書を貰うまで親の責任だと思っていたが、今年も大学を留年したんだ」
62 めんたいこ
  【標準語】明太子
【意味等】スケソウダラの卵を調味液に漬け込んだ博多の珍味
【参考】由来は「ミョンテ(スケソウダラ)」の卵漬け(ランジョ)から命名
【関連】「ふくや」の川原俊夫氏が日本人向けに改良、辛子明太子と明太子(たらこ)
【用例】「博多ん者は、毎日、メンタイコば食う思うとろ?そえんまで…食いよらん」
 →「博多の人は、毎日、明太子を食べると思ってるだろ?そんなには…食ってない」
63 めんたま
  【標準語】眼球
【意味等】目玉、目の玉、まなこ
【参考】由来は「目の玉」の音変異、関西を中心に広く使われる
64 めんどい  《詳しくはこちら》
  【標準語】面倒臭い、難しい
【意味等】
(1)「面倒臭い」のめんどい
《意味》非常に煩わしい、面倒、とても鬱陶しい
《用例》「こえんメンドイたあ、俺の性い合わん…もう、せん、ほからかいとく」
 →「こんなに面倒臭いのは、俺の性に合わない…もう、しない、放ったらかしとく」
(2)「難しい」のめんどい
《意味》ややこしい、手こずる、難儀する
《用例》「すぐい片付くと思うとったが、保証やら裁判やら…メンドイ事いなりよう」
 →「すぐに片付くと思ってたが、保証や裁判などと…難しいことになりつつある」
【同義】めんどい、めんどうらしか
【参考】由来は「面倒臭い」の短縮型の音変異、関西を中心に九州などでも使われる
65 メンドウ
  【標準語】メドハキ
【意味等】蓍萩、バラ亜綱マメ目マメ科ハギ属の多年生草
66 めんどうらしか  《詳しくはこちら》
  【標準語】面倒臭い、難しい
【意味等】「めんどい」に同じ
【参考】めんどう(面倒)+らしか(らしい:~のような有様)
【用例】
・簡単か仕事と思うとったが、えらいメンドウラシカなあ…受けかぶったごたる
 →簡単な仕事と思ってたが、すごく面倒臭いなあ…煩わしさを背負い込んだみたいだ
・わがで解決するって言いよったが、メンドウラシュウなって…俺い押し付けよろ?
 →自分で解決すると言ってたが、手こずってきたので…俺に押し付けているだろ?

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