「ん(ン)」の博多・糸島弁(工事中)
1 | ~ん |
【標準語】~の 【意味等】体言、体言総統につく格助詞の「の」 【参考】糸島では、ほとんど「ん」が使われる 【用例】短い言い回し ・「そこいあるぜんな…俺ンもン」→「そこにあるお金は…俺のもの」 ・「博多ンもンな…おうろうもン」→「博多のものは…横道もの」 ・「あんたン娘ン学校な…どこ?」→「あんたの娘の学校は…どこ?」 |
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2 | んこ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】うんこ 【意味等】大便、糞、肛門から体外に排出された食物のかす 【同義】あぽ、のんぎり、へっちん、んこ |
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3 | んさい |
【標準語】そうだ 【意味等】そうだね、そうだよ 【同義】うんさい、んさい 【参考】肯定や承諾の意味を表す語、糸島西部から唐津方面で使われる |
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4 | ~んずく 《詳しくはこちら》 |
【標準語】~(しない)まま 【意味等】~(しない)まま、~(しない)のに 【同義】~ずく、~んずく 【参考】打消の助動詞「ず」に接続し「そのまま」という意を示す 【用例】「具合の悪か言うて、風呂いも入らンズク寝なった」 →「具合が悪いと言って、風呂にも入らないまま寝ちゃった」 |
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5 | ンゼエ |
【標準語】ハルゼミ 【意味等】カメムシ目(半翅目)セミ科に分類されるセミの一種、最も早く4~6月に現れる、松林に多いことから別名「マツゼミ」 【同義】ウンゼエ、ンゼエ |
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6 | んだごと |
【標準語】悠然と、厚顔 【意味等】 (1)「悠然と」のんだごと 《意味》物事に動じないでゆったりしているさま、ゆっくりとしたさま 《用例》「あらあ肝の太か…偉か人いっちゃンダゴトして、我が意見ば言いよう」 →「あいつは物に動じない…偉い人にでも悠然として、自分の意見を言っている」 (2)「厚顔」のんだごと 《意味》横着な態度、知らん顔、厚顔で平気、とぼける 《用例》「あらあ何や?我ががやりそこのうとうくせい…ンダゴトしとうぜ」 →「あいつは何だ?自分が失敗したくせに、知らん顔しているぞ」 【同義】うんだごと、んだごと |
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7 | んなら |
【標準語】それなら、さようなら 【意味等】 (1)「それなら」のんなら 《意味》そんなら、それならば、それじゃあ、そしたら 《参考》由来は「それなら」の音変異 《用例》「そえな作品で…入賞すると?ンナラ、俺んとっちゃあ…入賞できょうもん」 →「そんな作品で…入賞するの?それなら、俺のものでも…入賞できるだろ」 (2)「さようなら」のんなら 《意味》それじゃまた今度、じゃあね、ではさよなら 《参考》由来は諸説 ・「それならまた今度」の短縮型で「それなら」の音変異 ・「さようなら」の音変異 《用例》短い言い回し ・「んなら…また明日、バイバイ」→「じゃあね…また明日、バイバイ」 ・「用のあるけん帰る…ンナラね」→「用があるから帰る…さようなら」 |
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8 | んぼうずのごと |
【標準語】野放図のように 【意味等】図太い人のように、無頓着な人のように、横柄な人のように 【参考】んほうず(野放図:のほうぞう)+の+ごと(ように)→野放図のように 【用例】「ンホウズノゴト…丼茶碗でコーヒーば飲むやら、デリカシーの無か男たい」 →「無頓着な人ように…丼茶碗でコーヒーば飲むなんて、デリカシーの無い男だよ」 |
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9 | ~んやった 《詳しくはこちら》 |
【標準語】~なかった 【意味等】~なかった(過去を打ち消す言い回し) 【参考】~ん(~ない:打消し)+やった(だった)→~なかった 【用例】「なして…結婚せンヤッタと?」「よか人やったが、性格の合わンヤッタと」 →「なぜ…結婚しなかったの?」「いい人だったけど、性格が合わなかったの」 |