部品を組み合わせて撮影に使う

このレンズは、引き伸ばし用レンズです。ミラーレス一眼に、マウント変換リングやヘリコイド、接写リングなどの部品を組み合わせると、撮影用に使うことができます。

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引き伸ばしレンズは、フィルムを忠実に焼き付けるためのレンズで、歪曲収差や色収差などが極力抑えられた設計になっており、撮影用レンズとして使っても優秀です。

しかし、そのままでは使えないので、前記部品をつけて撮影用レンズの機能を持たせて遊ぶ、いわゆるレンズ遊びで火山周辺を撮影してきました。

レンズによってフランジバックが異なるため、専用のマウントアダプターはありません。部品を組み合わせ、撮りたい写真を撮るのがこの遊びの醍醐味です。

日東光学は老舗のメーカー

今回のレンズはkominar-E 7.5cm f3.5、ライカL39マウントの日東光学のレンズです。日東光学はレンズ業界では老舗で「コミナー」はオリジナルブランド。

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ネット情報によると、フィルム時代は各社コンパクトカメラのレンズをOEM供給していたそうです。現在でも、各社デジタルカメラのレンズユニットを手がけているそうで、縁の下の力持ちのような存在です。

最近では、宇宙開発で「はやぶさ」に光学機器が搭載されたそうで、民生用のカメラやレンズでは、そんなに有名なメーカーではありませんが、高い技術を持つ光学メーカーです。

ネット上には、この引き伸ばしレンズを使った遊び事例がいくつかあるようです。金属製の銅鏡がカッコよく、安く入手できるという理由でヤフオクにて落札。写りは良く、好きなレンズ。

フランジバックはやや長目

75mmと中望遠系の画角が大きいレンズで、ヘリコイドはやや長めになる。そのため、下記のとおり部品をつなげば撮影用に使える。また、フランジバックが長いので「M42-Eマウントアダプター」を使うこともできる。

「レンズ」 → 「L39-Ⅿ42変換リング」 → 「接写リング(大:30mm)」 → 「ヘリコイド(17-32㎜)」 → 「Ⅿ42-Eマウント変換リング」 → 「カメラ」の順に手持ち部品をつなげば、ちょっと深めのオーバーインフで無限遠が出ます。

そのほか「レンズ(M42ボディーキャップ加工済)」 → 「ヘリコイド(17-32㎜)」 → 「Ⅿ42-Eマウントアダプター」 → 「カメラ」の順につないでも、深めのオーバーインフで無限遠が出ます。

マクロ撮影は、接写リングでフランジバックを長くすることで可能となります。今回は、小さな花に集まるミツバチやハナアブなどを狙ってみました。

ボケはおとなしめだが、よく写る

解像度も高く、発色も良いレンズです。前記のように、マクロ撮影にもチャレンジしましたが、ボケはややおとなしめですがよく写るレンズだと思います。

火山の絶景ポイントから、海岸線の風景も写しましたが、撮影時は少し霞が出ていたのでやや煙ったように写っています。もちろん、ちゃんとクリヤに写るレンズです。

フィルム時代のコミナーのレンズも好きなので、何本か所有しています。メジャーなメーカーではないので、割と格安で入手できます。メプロコミナーというロシアのメプロゼニットの標準レンズになったレアなものもあるようです。

引き伸ばしレンズ、外見のカッコよさが気に入って入手はしたものの、これまで試験撮影で使ったくらいで、ずっと防湿庫で眠っていました。今回、投稿するためにじっくり使ってみて、お気に入りの1本になりました。