2群構成のレンズで「ベス単」ではない

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今回は、蛇腹カメラVest Pocket Kodakについていたレンズです。このレンズ、前玉と後玉の2群で構成されており「ベス単」ではありません画角は84mm、絞りは開放で f7.7と小さな文字で名盤に明記してあります。同じようなレンズを3個所持していますが、1個のみベス単です。近いうちに「ベス単」とベス単フード外しをご紹介できると思います。

このレンズをミラーレス一眼カメラで使うためには、一旦、蛇腹カメラからレンズユニット部分を外し、M42マウントに加工してあげる必要があります。まずは、蛇腹レンズからレンズユニットをカニ目レンチで外します。レンズユニットの固定リングを外すだけなので、蛇腹カメラへの復帰は可能です。

次にM42のボディーキャップ中央に、レンズ裏のねじ径と同じ大きさの穴を空けます。ボディーキャップは、ネットで安価に購入できます。問題なのは丸い穴を空けるボディーキャップの中心位置で、ディバイダーなどを駆使して決める(探す)しかありません。

中心が決まれば、ディバイダーでレンズ裏のねじ径と同じ大きさに円形の傷をつけ、それを指標に穴を空けます。穴が空いたらレンズを差し込み、裏側からカニ目レンチでリングを絞めて固定。レンズキャップをつければ後玉の保護もできます。

同じ2群構成でもフランジバックが違う

同じVest Pocket Kodakの2群構成のレンズでもフランジバックはまちまちで、既製品のマウントアダプターはありません。そのため、引き延ばしレンズを使うときと同じように、汎用性のあるヘリコイドや接写リングなどの部品を組み合わせ、撮影用レンズとして使います。

このレンズは、画角が84㎜でフランジバックは長く、
「レンズ(M42ボディーキャップ加工済)」→「M42接写リング(大+中:30mm+16mm)」→「ヘリコイド(17-32㎜)」→「Ⅿ42-Eマウント変換リング」→「カメラ」の順につなぐと、ほぼオーバーインフなく無限遠が出ます。

また、トップ写真のように「レンズ(M42ボディーキャップ加工済)」→「M42接写リング(中:16mm)」→「ヘリコイド(17-32㎜)」→「Ⅿ42-Eマウントアダプター」→「カメラ」の順につなぐと、浅めのオーバーインフで無限遠が出ます。

 

接写リングを増やし、マクロ撮影をしてみました。

M42マウントに加工することで、引き延ばしレンズと同じ要領で使えます。蛇腹カメラ時代の古いものですが、状態が良いのか、解像度は高く色ノリも良いと思います。とはいえ、ベス単ほどの強烈な個性はありません。奇麗に撮れるレンズだと思います。

レンズユニットにはシャッターがついているので、レンズ側のシャッターはバルブにしておきます。シャッターを開いておかないと真っ暗です。開放でf7.7と暗めのレンズなので、接写リングを追加してマクロ撮影でボケも狙ってみました。カメラはα7。