周囲が流れてトイカメラのような画像

 ずいぶん前に購入しましたが、Fish-eye-Takumar 1:4/17のほうが出番が多く、防湿庫の肥やしになっていたレンズ。パンフォーカスということでヘリコイドがありません。とても小さく軽いレンズで、写りも個性的です。発売は1963年で、日本初の35ミリ一眼レフカメラ用対角魚眼レンズになるそうです。

 

 レンズ構成は3群4枚。絞りは絞り羽根で調整する一般的な方式ではなく、光の通る穴の直径を変えたターレットタイプの円板が内蔵され、それを回すことで11・16・22・32と絞り値を切り替えます。ヘリコイドもなく、つくりが簡単なレンズなので、全長23mm、重さ97gという薄型軽量設計です。

 

 写してみると周囲が流れ、トイカメラのような画像です。ピントはおおむね1.5mから合いますが、中心部の解像度も高くないようです。シャープにするには絞り込めばよいのですが、f11から始まる暗いレンズです。撮影中に高感度に切り替えることができる、デジカメ向きのレンズかもしれませんね。

あえてヘリコイドをつけてマクロ撮影

 魚眼レンズは個性のある写りをするので、日常的に使うものでもありません。画角が広く撮影範囲が広い反面、画像が大きく歪むため、私の場合、遠近の対比を表現したり、広範囲を包み込むような撮り方をすることが多いですね。持ち出してもあまり使うチャンスがありません。