口径80mm、重量800gのでかくて重いレンズ
レンズ口径80mmで重量800gと…でかくて重いレンズ。明るい高性能なレンズと思いきや、F値は3.2。しかもイメージサークルが小さく、37mm付近では周辺画像が流れ、ケラれ、たる型に歪みます。75mm付近ではさすがに、ケラレや流れはありませんが、糸巻き型に歪みます。描写は、全体的にとても甘い癖玉です。
極めつけは、最短焦点距離が3.7mと…とても遠いのです。それを補うためにレンズ後方にマクロ装置がついていますが、それを使っても最短焦点距離は2mくらい…。何のために作られたのかはわかりませんが…使いにくいレンズです。イメージサークルから判断すると、16mmシネマ用レンズではないかと思われます。
レンズには「Made in ~」という製造国の記載もなく…詳細は不明。そこで、このレンズについてネットなどで調べてみると…ウクライナ製?という情報もありますが、45年以上前に都内ディスカウントショップにゴロゴロしていたという情報も…。たぶん、国内の名もなきレンズメーカーの薄利多売品なのでしょう。
ヘリコイドをつけてマクロ撮影
このレンズ、ヤフオクで1円落札…出品者には申し訳ないが、送料だけで入手したようなものです。もちろん、カビ玉でズームリングが固く、そのままでは使えなかったので、分解清掃をしました。台所用洗剤でカビを拭き上げ…ピッカピカ、ズームリングの内側に機械油をさしたら…まあまあ使える状態に…。
いままで見たことのないレンズ…、でかくて重くて使いにくい癖玉…。悪食のオールドレンズ好きには、とても美味しい一品。Ⅿ42マウントだったので、ヘリコイドにマウント変換アダプターとフランジバック調整用の接写リングをつけて、α7に接続。フルサイズでの撮影を楽しんできました。
写りは甘いとは言いながらも、ピントが合った部分はシャープに写ります。ビルとかの構造物を避ければ、歪みもそんなに気にならずに撮れます。逆に、周辺光量落ちや流れを活かせば…結構、面白い撮影ができるようです。ただ、レンズのでかさや重さを考えれば、持ち歩いて楽しいレンズではないようです。
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