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「に(ニ)」の博多・糸島弁

1 ニイジン
  【標準語】ニンジン
【意味等】人参、中央アジア原産のセリ科ニンジン属の二年草
【用例】「あもして…んまか言いなあが、うちゃあ…ニイジンな好かん、食いきらん」
 →「甘くて…旨いというけど、私は…ニンジンが嫌い、食べれない」
2 におう  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】嗅ぐ
【意味等】匂いを嗅ぐ、香りを鼻で感ずる行為
【同義】におう、によう
【参考】匂いがそのまま動詞になった言葉、関西や九州、山口で使われる方言
【用例】「ニオウてんない…ああたの靴下な吐こうごと臭か…若っか娘い嫌わるるが」
 →「嗅いでごらん…あなたの靴下は吐きそうなほど臭い…若い娘に嫌われちゃうよ」
3 ニガウメ
  【標準語】ニワウメ
【意味等】庭梅、バラ科の低木種
【参考】中国の山地に自生し、日本へは江戸時代に渡来…観賞用に広く栽培される
4 にがえ
  【標準語】荷替え
【意味等】
(1)荷物の交換の「にがえ」
《意味》荷の積み替え
《参考》相互の配送元・先から出発した事業者が、途中で荷を交換して戻る運送方法
(2)荷受する「にがえ」
《意味》嫁入道具を搬入する日の行事・作法
《参考》結婚前…新婦方から嫁入道具を受取り、新郎方からは酒魚などを送ること
5 ニガゴウリ
  【標準語】ツルレイシ
【意味等】苦瓜、ゴーヤ、ウリ科ツルレイシ属の植物、野菜
【同義】ニガゴウリ、ニガウリ
【用例】「ゴーヤチャンプルな、夏いなよか…ニガゴウリば美味しゅう食べらるる」
 →「ゴーヤチャンプルは、夏にはいい…ゴーヤを美味しく食べられる」
6 ニガゴリ
  【標準語】ツルレイシ
【意味等】「ニガゴウリ」に同じ
7 にかにかする
  【標準語】べたつく感触
【意味等】粘りの感触、べたつきのある感触、えぐる
【用例】「酒飲うで…歯も磨かんで寝っしもうたけん、口ん中のニカニカスル」
 →「酒を飲んで…歯も磨かずに寝てしまったので、口の中がべたついている」
8 ~にき  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】傍(かたわら)
【意味等】そば、近く、近辺、脇、際、左右
【参考】語源は西日本の方言「根際(ねき)」の音変異と思われる
【用例】「~にき」を使った言い回し
・そこんにき→そこらへん
・ここんにき→ここらへん
・大阪んにき→大阪辺り
9 にぎり
  【標準語】けち、赤ちゃんのおしゃぶり
【意味等】
(1)けちの「にぎり」
《意味》けちんぼ、出し惜しみする人、物惜しみする人
《参考》語源は不明だが、金や物を握って話したがらない人という説がある
《用例》「あらあニギリやけん、寄付やらお願いい行たら…居留守ば使うっちゃもん」
 →「あいつはケチだから、寄付などをお願いにい行ったら…居留守を使うんだもん」
(2)赤ちゃんのおしゃぶりの「にぎり」
《参考》赤ちゃんの場合、握りこぶし全体がおしゃぶりになっている
10 にぎりきんたま
  【標準語】知らん顔をする、無一文
【意味等】
(1)知らん顔の「にぎりきんたま」
《意味》懐手をして何もしない怠け者、傍観者
《参考》ポケットに手を突っ込んだまま見て見ない振りをすること
《用例》「難儀しようとば知っとって、ニギリキンタマばい…いつか、くらいちゃあ」
 →「困っているのを知ってて、知らん顔をするんだぜ…いつか、殴ってやる」
(2)無一文の「ニギリキンタマ」
《意味》お金がない、無一文
《参考》少しのお金もなくキンタマぐらいしか握るものがない
《用例》「パチンコで大負けして、ニギリキンタマいなっしもうた」
 →「パチンコで大負けして、無一文になってしまった」
11 にきりこぶし
  【標準語】無一文
【意味等】空手、無一文
【参考】手の中に何もないこと、無一文のこと
12 にくじ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】いたずら
【意味等】他人に迷惑をかけるような行為、意地悪、いじめ、悪口、皮肉、嫌み
【参考】語源は「憎し」で、憎まれるようなことを言ったりしたりすること
【同義】にくじ、にくじゅう
【用例】「うちの主任な、機嫌の悪うなったらニクジばっかり…毒吐いてまわんなあ」
 →「うちの主任は、機嫌が悪くなったら嫌味ばかり…毒を吐いてまわるんだ」
13 にくじゅう  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】いたずら
【意味等】「にくじ」に同じ
【用例】「そえん…ひちこいたらしゅう、弟いニクジュウしなんな…みのでるばい」
 →「そんなに…執拗に、弟をからかっちゃいかん…喧嘩になるぞ」
14 にくじゅうなおてんき  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】あいにくのお天気
【意味等】イベント当日などの望まれない雨天や荒天、嫌がらせのような天気
【用例】「昼前いなって、大雨たい…今年の運動会な、ニクジュウナオテンキやった」
 →「昼前になって、大雨だよ…今年の運動会は、生憎のお天気だった」
15 にくたらしか  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】憎い
【意味等】憎々しい、憎らしい
【参考】京言葉の「にくたらしい」が語源
【用例】「お前やら、親友やなか…俺の彼女ば取ってくさ…ほんにニクタラシカ」
 →「お前なんか、親友じゃない…俺の彼女を取りやがって…本当に憎々しい」
16 にくだん
  【標準語】肉弾(子どもの遊び)
【意味等】2つの陣地に分かれて競い合う子どもの遊び
【参考】仲間を引き入れたり、相手陣地を突破したり、地域によって遊び方が違う
17 にごし
  【標準語】白水、米の研ぎ汁
【意味等】米を研いだときの白く濁った水
【参考】米の研ぎ汁は、根物野菜を茹でたり、洗顔に使ったりなど、用途が多い
18 にこにこ
  【標準語】イヌマキの果托
【意味等】犬槙の実(実がついた部分)
【参考】イヌマキはマキ科マキ属の常緑針葉高木、果托(実のじく)は食べられる
19 にし
  【標準語】主
【意味等】君、汝、お前
【同義】おし、にし
20 にじゅうじめ
  【標準語】しめ飾り
【意味等】正月に玄関などに張る縄、またその飾り
【同義】さがりじめ、しめなわ、にじゅうじめ、のぼりじめ
21 にそうごち
  【標準語】二艘で引く吾智網漁
【意味等】二艘で網を引く漁
【参考】瀬の周辺などに集まった魚を二艘の船が袋状の網を使ってとる漁法
22 にちにち
  【標準語】ねばねば
【意味等】物のねばる様、よく粘って物にくっつく様子
【用例】「オクラのニチニチな、身体いよか栄養のあるとげな」
 →「オクラのねばねばは、身体に良い栄養があるらしい」
23 にちゃつく
  【標準語】ねばつく
【意味等】粘ってくっつく、粘りつく
【参考】にちゃ(にち:粘り)+つく(付く)
【用例】「だごの軟らこうして、入れ歯いニチャツイテ…食いにっかや」
 →「団子が軟らかくて、入れ歯に粘りついて…食べにくいなあ」
24 にちゃにちゃ
  【標準語】いちゃいちゃ、くちゃくちゃ
【意味等】
(1)いちゃいちゃの「にちゃにちゃ」
《意味》男女がいちゃつく様子
《参考》べたべた、ねばねばと男女が戯れる様
《用例》「姉さんな、青年団長と付き合いよんなると?ニチャニチャしよんなったよ」
 →「姉さんは、青年団長とお付き合いしてるの?イチャイチャしていたよ」
(2)くちゃくちゃの「にちゃにちゃ」
《意味》くちゃくちゃ音を立てて食べる様子
《参考》口を開けたままの咀嚼で行儀が悪い食べ方
《用例》「口ば結んで食いない…ニチャニチャ音ば立てて食いなんな、行儀の悪か」
 →「口を閉じて食え…くちゃくちゃ音を立てて食うな、行儀が悪い」
25 ~にっか
  【標準語】~にくい
【意味等】~し辛い、~するのが億劫
【用例】「そえんジロジロ見なんな…俺だけごっつおうやら、なんか食いニッカ」
 →「そんなにジロジロ見るなよ…俺だけご馳走なんて、何だか食いにくいよ」
26 ニッキ
  【標準語】ニッケイ
【意味等】肉桂、クスノキ科ニッケイ属の1種の常緑高木
【同義】ニッキ、ニッケ
27 ニッケ
  【標準語】ニッケイ
【意味等】「ニッキ」に同じ
28 にばんぞい
  【標準語】のちぞい
【意味等】二度目の妻、後妻、のちづれ
【参考】妻と死別または離別した男が、後に連れ添った妻
【用例】「あの奥さんなニバンゾイげなが…子い慕われとんなるけん、そえん見えん」
 →「あの奥さんは後添いらしいけど…子に慕われているので、そうは見えない」
29 ~にゃあ
  【標準語】~なさる
【意味等】「~なあ」に同じ
【用例】「仕事ばっかしせんで…ちったあ遊ばニャア、病気いなるが…」
 →「仕事ばかりせずに…少しは遊ばないと、病気になるぞ…」
30 ~にゃあこて
  【標準語】~なければならない
【意味等】「~なあこて」に同じ
【用例】「今日なァ、ああたが主役やけん…ドンと座って構えとかニャアコテ」
 →「今日は、あなたが主役なんだから…ドンと座って構えておかなければならない」
31 ニャアニャア
  【標準語】ネコ、ネコヤナギ
【意味等】
(1)ネコの「ニャアニャア」
《意味》ネコ(幼児語)、ネコ科ネコ属に分類されるヤマネコが家畜化されたイエネコ
(2)ネコヤナギの「ニャアニャア」
《意味》猫柳、ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木
32 にやがる
  【標準語】つけあがる
【意味等】図に乗る、調子に乗る
【参考】筑後弁より派生、「にやけ」+「上がる」が語源と思われる
【用例】「きしゃん、ちっとばかし成績のよか思うてニヤガリよったら…くらっせ」
 →「貴様、少しばかり成績が良いと思って図に乗っていたら…殴るぞ」
33 にやつく
  【標準語】汗ばむ
【意味等】むしむしする暑さ
【参考】汗ばむような蒸し暑さ
【用例】「雨の降って、涼しゅうなると思うとったが…急い、ニヤツイテきたなあ」
 →「雨が降って、涼しくなると思っていたけど…急に、蒸し暑くなってきたなあ」
34 にゃんにゃんこうでぱいするぞ
  【標準語】外に捨てるぞ
【意味等】小さな子が言うことを聞かないときの脅し文句
【参考】にゃん(庭に?)+にゃんこうで(投げ込んで?)+ぱいするぞ(捨てるぞ)
35 にゅうにゅう
  【標準語】牛乳(幼児語)
【意味等】ミルク、牛の乳
36 によう
  【標準語】似合う
【意味等】程良いぐあいに釣り合う、調和する
【用例】「愛らしか服やねぇ…買うてもろうたと?よう…ニヨウちゃあ」
 →「可愛らしい服ですねェ…買ってもらったの?よく…似合っているよ」
37 によう  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】嗅ぐ
【意味等】「におう」に同じ
38 にょうにょう  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】お経、僧侶
【意味等】仏の教えを書いたもの、経文、経蔵、僧侶の読経、僧侶
【参考】幼児語、お経が「にょうにょう」と言っているように聞こえるため
【関連】お経をあげるのが僧侶なので、僧侶のことも「にょうにょう」という
【用例】「通夜い行たが、ご院家さんの…にょうにょう言い始めなったとこやった」
 →「通夜に行ったけど、僧侶が…お経をあげ始められたとこだった」
39 ニレケヤキ
  【標準語】アキニレ
【意味等】秋楡、ニレ科ニレ属の落葉高木
40 にわ
  【標準語】土間
【意味等】表土間、中土間、 土間の作業場、家の中の土間
【参考】農家などの玄関から続きの作業場として使う土間、台所などの土間
【関連】現在は土間のある家屋は少ない
【用例】「昔な大庄屋やったけん…屋敷な作業するとい、ニワの広かったげな」
 →「昔は大庄屋だったので…お屋敷は作業をするのに、土間が広かったそうだ
41 にわあげ
  【標準語】収納祝い、脱穀終い
【意味等】稲刈りや脱穀などが終わり収穫作業が一段落したとき、またその祝い
【参考】脱穀(稲こき)作業中の中途収納、及び脱穀作業が終わったときのこと
42 にわか  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】茶番狂言
【意味等】即興芝居、ドンタク隊(仮装ものまね、お囃子隊、茶番狂言の類など)
(1)即興芝居の「にわか」
《意味》宴席や路上などで行われる即興芝居や茶番狂言
《参考》話芸や滑稽な身ぶりを演じて…その場の興を催す演芸
《関連》江戸から明治時代にかけて行われ「博多ニワカ」や「佐賀ニワカ」などがある
(2)ドンタク隊の「にわか」
《意味》博多どんたくなどに参加し…舞台やパレードで演じるドンタク隊の出し物
【参考】漢字で「俄」また「仁輪加」「仁和歌」「二和加」とも書く
【関連】博多にわかでは、演者は八の字眉毛の「にわか面」をつけて演じる
43 にわかめん  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】にわか面
【意味等】博多にわかを演じるときにつけるお面
【参考】八の字眉(きゃあたらまいげ)に垂れ目の、愛嬌ある表情の赤いお面
【関連】博多の銘菓「東雲堂の二〇加せんぺい」のパッケージについているお面
44 にわしごと
  【標準語】脱穀作業
【意味等】刈り取った稲などを土間(にわ:作業場)で脱穀、処理する仕事
【用例】「昔のお百姓さんな、稲刈りの終わったらニワシゴトで、暇やらかったげな」
 →「昔のお百姓さんは、稲刈りが終わったら脱穀作業で、暇なんかなかったそうだ」
45 にわとり
  【標準語】跣足
【意味等】素足で地上を歩くこと、裸足
【参考】鶏は履物を履かないため…裸足で地面を歩くことを言う
【関連】ことわざで「鶏は裸足」は、言わなくても分かりきっていることを言う
46 にわばき
  【標準語】勝手履き
【意味等】台所など家屋内の土間(お勝手)で履く下駄や草履
47 にわばたけ
  【標準語】屋敷内の畑
【意味等】薬味や汁物の具など、ちょっとした作物を植えた屋敷内の畑
【用例】「味噌汁い入るるけん、ニワバタケからネギとミョウガば取ってきちゃり」
 →「味噌汁に入れるので、屋敷内の畑からネギとミョウガを取って来てちょうだい」
48 にわぶしん
  【標準語】造園、庭の整地
【意味等】自分の邸内に庭を造ること、庭に土を入れて庭面をならすこと
49 にわりもん
  【標準語】がらくたもの
【意味等】値うちのない物品、きずもの、出来そこない
【参考】二割物(にわりもん)は、二級品や二等品の転
【用例】「よか包丁ばってん…倒産品のバーゲン品やけん、切れん…ニワリモンたい」
 →「いい包丁だけど…倒産品のバーゲン品なので、切れない…がらくただよ」
50 にんにんしゃん
  【標準語】お人形さん(幼児語)
【意味等】玩具の人形
【参考】「人々様」の音変異


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