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「ね(ネ)」の博多・糸島弁

1 ねおぞみ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】寝起き
【意味等】ふと目を覚ますこと、眠りから目が覚めること
【参考】ね(寝る)+おぞむ(起きる:九州各地の方言)→寝起き
【用例】「家いおんなあばってん、徹夜明けのネオゾミやけん…機嫌の悪かと思うよ」
 →「家にいるけど、徹夜明けの寝起きだから…機嫌が悪いと思うよ」
2 ねこおよぎ
  【標準語】犬かき
【意味等】泳法のひとつ、腰をかがめて頭だけ水面から出し手を交互に掻きながらばた足をすることで前に進む、いぬかき
3 ネコガイ
  【標準語】ハチジョウダカラ、コヤスガイ
【意味等】タカラガイ科の巻貝の総称で主に貝殻をさす、貝殻は陶磁器のような光沢がある質感、地域によっては通貨や装飾品、お守りなどに使われた
【参考1】昔から収集家が多く、江戸時代に八丈島まで珍品を求めて収集に行ったことから「ハチジョウダカラ(八丈宝)」という
【参考2】安産のお守りとして使われ「コヤスガイ(子安貝)」ともいわれる
4 ネコグサ
  【標準語】オキナグサ
【意味等】翁草、キンポウゲ科オキナグサ属の多年草、葉や花茎など全体的に白い長い毛におおわれる
【参考】白く長い綿毛がある姿を老人の頭にたとえ「オキナグサ(翁草)」という
5 ネコゲ
  【標準語】マツバイ
【意味等】ごく小型のカヤツリグサ科の植物、水田によく生えて芝生のような群落を作る、稲作においては代表的な雑草
6 ねこご
  【標準語】子ネコ
【意味等】ネコの子
7 ねこじん  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】猫斟酌、見せかけの遠慮
【意味等】内心は欲しいが遠慮の態度をすること、欲しいのに妙に遠慮すること
【参考】「ねこじんしゃく」を短めた言い方、「ねこ(猫:本性を隠した)+斟酌(配慮、遠慮)→見せかけの(形だけの)遠慮」
【関連】ネコは餌を与えても無関心を装うが、人がいなくなると食べるという習性があることから「本性を隠している遠慮」の意味、あまり良い印象ではない
【用例】「大学い行きたかっちゃろう?おいしゃんが学費ぐらい出いちゃるけん、ねこじんしゃくせんで…もろうときない」→「大学に行きたいんだろう?叔父さんが学費くらい出してあげるから、必要なのに遠慮なんかせずに…もらっておきなさい」
8 ねこじんしゃく  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】斟酌、見せかけの遠慮
【意味等】「ねこじん」に同じ
9 ネコドリ
  【標準語】ウミネコ
【意味等】海猫、チドリ目カモメ科カモメ属に分類される鳥類
10 ねこなれ
  【標準語】へつらう
【意味等】相手の機嫌を取ること、おべんちゃら
【参考】語源は「猫なで声」の「ねこなで」、相手の歓心を買うこと
【関連】「ねこなれ」を使ったことば:ねこなれとる
《意味》おべっかを使う、追従する、へつらったり心にもないお世辞を言う
《用例》「あらあ、若社長の家来やけん…片腕気取りで、ネコナレトルもん」
 →「あいつは、若社長の家来なので…片腕気取りで、おべっかばかり使っている」
【用例】「あれいネコナレたっちゃ…つぁーらん。横の貧相かとが若社長やが…」
 →「あの人の機嫌を取っても…だめだよ。横の貧相なのが若社長だよ…」
11 ネコノジャラジャラ
  【標準語】ナズナ
【意味等】ペンペングサ、三味線草、アブラナ科ナズナ属の越年草
12 ねこまたぎ
  【標準語】魚むしりの名人、その魚の骨
【意味等】魚の身を一かけらも残さず綺麗に食べてしまう人、またその魚の残った骨
【参考】猫が口にできる部分がないくらい身のついていない魚の骨、ネコがまたごして通し過ぎるほどの身のついていない状態
【関連】全国的に使われる方言、北海道などでは不味くてネコもまたごすような魚、骨が硬かったり小骨が多くてネコが食べたがらない魚のことを言う
【用例】「おいさんな魚好きのネコマタギやけん、骨も茶漬けの出汁いして食いなあ」
 →「小父さんは魚好きで上手に食べるから、骨も茶漬けの出汁にして食べるんだ」
13 ねこまたごっつおう
  【標準語】不味い料理
【意味等】ネコもまたごして通し過ぎる(食べない)ほど不味いご馳走
【参考】ねこまた(ねこまたぎ:ネコも食べない)+ごっつぉう(ごちそう)
【用例】「奥さんな料理上手がよか…愛しとったちゃネコマタゴッツオウなつぁらん」
 →「奥さんは料理上手がいい…愛していてもネコも食わん不味い料理は耐えられん」
14 ねこくぐり
  【標準語】ネコの出入口
【意味等】障子の隅の一コマの紙を貼り残した、ネコの出入口
15 ねざらい
  【標準語】下草刈り(林業用語)
【意味等】木の根元の小さな木や草を刈ること、樹木の生育を阻害する雑草などを刈ってしまうこと
【参考】ね(根)+さらう(さらえる)→根元の雑草などを取り除く
16 ねざらいがま
  【標準語】下草刈り用の大鎌(林業用語)
【意味等】植林した樹木の下草を刈る大型の鎌
17 ねし
  【標準語】主
【意味等】君、汝、お前
【同義】おし、にし、ねし
18 ねじ  ≪詳細はこちら≫
 

【標準語】ねじる、ねじれる、歯茎
【意味等】
1)ねじる、ねじれるの「ねじ」
《意味》ねじる、ねじ込む、ねじつける
《参考》物理的なものだけでなく、性格的や関係的な状況またその状態の物も示す
・物理的な「ねじ」:曲がる、曲げる、曲がったもの
・性格的な「ねじ」:つむじ曲がり、ひねくれ、風変りな性質の人
・関係性の「ねじ」:「きんこく」に同じ、仲が悪いこと、便りや訪れがない様
《用例》
・「安もんのホースやけん、すぐネジて…水の出んごとなって蛇口から外るる」
 →「安物のホースだから、すぐにねじれて…水が出なくなって蛇口から外れる」
・「あらあネジやけん、どえんでっちゃよかことで…つっかかってくる」
 →「あいつは性質がねじけているので、どうでもいいことで…喧嘩を売ってくる」
・「あれたちゃ幼馴染んとい、こまかとっからネジで…いっつも喧嘩ばっかししよう」
 →「あいつら幼馴染なのに、小さいときから不仲で…いつも喧嘩ばかりしている」
2)歯茎の「ねじ」
《意味》歯茎、歯が生える部分
《同義》ねじ、はぎし
《参考》漢字で「根地」、静岡や愛知県の一部でも使われる
《用例》「ネジの腫れて歯のグラグラしよる…歯医者い行てこう」
 →「歯茎が腫れて歯がグラグラしている…歯医者に行ってこよう」

19 ねじくる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】擦り付ける、責任転嫁する
【意味等】「なすくりつける」に同じ
1)擦り付けるの「ねじくる」
《意味》なすりつける、塗りつける、ねじりつける
《参考》ねじ込む、ねじ込むように擦り付けること
《用例》「うらんしか、こえんかとこい…鼻糞ばネジクンなんな、手いついたろうが」
 →「汚い、こんなところに…鼻糞を塗りつけるなよ、手についちゃっただろうが」
2)責任を転嫁するの「ねじくる」
《意味》罪を擦り付ける、責任を押し付ける
《用例》「俺やなか、屁やらこいとらん…臭かけんって、俺いネジクルな」
 →「俺じゃない、屁なんかしていない…臭いからといって、俺になすりつけるな」
【同義】なすくりつける、なすくる、ぬすくる、ねじくる、ねじつける
20 ねじくるしか
  【標準語】堅苦しい
【意味等】窮屈、形式ばっている、打ち解けない
【用例】「そえんネジクルシカ挨拶やらしなんな…乾杯して、早う飲もうな…」
 →「そんなに堅苦しい挨拶なんかするなよ…乾杯して、早く飲もうよ…」
21 ねじける  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】曲がる、ひねくれる
【意味等】
1)曲がるの「ねじける」
《意味》曲がる、ねじれる、ゆがむ
《用例》「この部品なそうよう…ネジケとう。やっぱあ…安もんな使いもんにならん」
 →「この部品は全部…曲がっているよ。やっぱり…安物は使いものにならない」
2)ひねくれるの「ねじける」
《意味》ひねくれる、ぐれる
《用例》「夫婦がねじで…喧嘩ばっかししよったら、子どもなネジケテしまうばい」
 →「夫婦仲が悪くて…喧嘩ばかりしていたら、子どもはひねくれてしまうよ」
22 ねじつける  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】擦り付ける、責任転嫁する
【意味等】「ねじくる」に同じ
【参考】ねじ(ねじり)+つける→なすりつける
【用例】
・鼻の穴ば…ほじくんなんな、指いこうばりついた鼻糞ば…俺いネジツケなんな
 →鼻の穴を…ほじくるな、指にこびりついた鼻糞を…俺に塗りつけるな
・おまえやろうが、おなごば泣かいといて…人いネジツケルやら卑怯かぜ
 →おまえだろうが、女の子を泣かせといて…人になすりつけるなんて卑怯だぞ
23 ねじとる
  【標準語】仲違いしている
【意味等】「きんこく」に同じ、仲の悪いさま、不和なこと
【参考】相互の人間関係が悪くなること
【同義】きんこく、ねじ、ねじとる、ねじれとる
【用例】「親同士がネジケトッタけん、あれとあれな…こまかとっからネジトル」
 →「親同士が仲違いしていたので、あいつとあいつは…小さい頃から仲が悪い」
24 ねじもこじもならん
  【標準語】てこでも動かない
【意味等】動きが取れない
【参考】物理的なものだけでなく、精神的な状況も示す
【用例】
・ナットば外したかとばってん、錆びついっしもうてネジモコジモナラン
 →ナットを外したいんだけど、錆びついてしまってびくともしない
・かかさんと嫁ごの喧嘩しなって、収めろうにも…俺じゃネジモコジモナランったい
 →母親と妻が喧嘩しちゃって、収めようにも…俺ではどうすることもできないんだ
25 ネジュミ
  【標準語】ネズミ(幼児語)
【意味等】鼠、哺乳類ネズミ目の動物の総称、1000種類以上の種がある
26 ねじり
  【標準語】防寒着
【意味等】羽織型の綿入れ、防寒用の上着
【参考】ねじり帽:ニットの帽子
27 ねじれとる
  【標準語】仲違いしている
【意味等】「きんこく」「ねじとる」に同じ、仲の悪いさま、不和なこと
【用例】「ととさんのやかましもんで…はしかかもんやけん、娘とネジレトル」
 →「お父さんが理屈っぽい性格で…感情的で刺々しいので、娘と仲が悪い」
28 ねずむ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】つねる
【意味等】指先または爪で皮膚を強く挟んでねじる
【参考】語源は不明、「ねじ(ねじる)+む(意志を表す助動詞:~する)」と推測
【関連】主に九州各地で使われる方言
【用例】「愛らしかおなごい目のいた言うて…そえんひどうネズマンでよかろうもん」
 →「可愛い女性に目が行ったからと言って…そんなにひどく抓んなくてもいいだろ」
29 ねする
  【標準語】ねかせる
【意味等】発酵させる、熟成させる、味を馴染ませる
【参考】食品の発酵や熟成、また味を馴染ませることを目的に、しばらく放置すること
【用例】「南蛮漬けな、でけたてよりか…冷蔵庫で2~3日ネスルほうが…うまかと」
 →「南蛮漬けは、出来立てよりも…冷蔵庫で2~3日ねかせるほうが…うまいんだ」
30 ねせもん
  【標準語】ねかせもの
【意味等】麹など発酵食品、味噌づくりなどの下準備、ねかせた食品・食材
【参考】しばらく放置して、発酵や熟成、また味を馴染ませた食品・食材
31 ねそびれる
  【標準語】眠りそこなう
【意味等】眼が冴えて寝つけない
【同義】ねそびれる、ねはぐれる
【用例】「昨晩な、おまえのいびきの…やかましゅうして、みんなネソビレとうとぜ」
 →「昨晩は、おまえのいびきが…やかましくて、みんな眠りそこねたんだぞ」
32 ねだおとし  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】長尻、長居
【意味等】長く座り込んでなかなか帰らない人、「しりのおんたか」に同じ
【同義】しりのおんたか、しりのぬくもる、ねだおとし
【参考】あまりにも長居するので、床下の根太(床板を支える横木)が落ちるの意
【関連】糸島弁
【用例】「あれば家い呼んだと?飲んだらグゼグゼ言うて帰らん、ネダオトシやが」
 →「あいつを家に招待したの?飲んだらくだを巻いて帰らない、長尻なんだよ」
33 ねだし
  【標準語】早緒止め(漁業用語)
【意味等】艪綱(ろつな)を船体に固定するための木具
【参考】艪綱は舟を漕ぐ櫓を固定する綱で、早緒(はやお)ともいう
34 ねたまがり
  【標準語】寝驚き
【意味等】眠っている子どもなどが…急に驚いて起きたり泣き出したりすること
【参考】ね(眠る)+たまがり(びっくり)→眠っているのに驚いて目が覚めること
【用例】「幼稚園で何かあったとかいな?毎晩、子どものネタマガリして大泣きする」
 →「幼稚園で何かあったのかな?毎晩、子どもが寝驚きして大泣きをするんだ」
35 ねちがらかす
  【標準語】寝違える
【意味等】寝相などが悪いことが起因して首の筋等を痛めること
【参考】ね(寝る)+ちがらかす(違えてしまう)→寝違える
【用例】「あいた、ネチガラカシタや…首の痛うして振り返られんったい」
 →「しまった、寝違えてしまった…首が痛くて振り返ることができないんだ」
36 ねつ
  【標準語】熱病
【意味等】高熱が続き赤い発疹が出る伝染病の総称(麻疹や水疱瘡など)
【参考】子どもを中心とした法定伝染病やインフルエンザなどの高熱が出る病気
【用例】「ネツで7人も休うどんなあけん、あと1人休うだら…学級閉鎖げな」
 →「高熱の伝染病で7人も休んでいるので、あと1人休んだら…学級閉鎖らしい」
37 ねづけ
  【標準語】田植え(農業用語)
【意味等】稲苗を田に植え付けること、稲苗を苗代から水田に植え替えること
【参考】漢字で書くと「根付け」、稲苗を水田に根付かせるための作業:田植え
38 ねづけいわい
  【標準語】田植え祝い(農業用語)
【意味等】稲苗がよく根付くように田植え前に祈願するお祝い
【参考】漢字で書くと「根付祝」、田植え祝いのこと
39 ねつけごえ
  【標準語】元肥(もとごえ:農業用語)
【意味等】田植え前に圃場に施しておく肥料
【参考】漢字で書くと「根付肥」、初期生育を促進させるために施す最初の肥料
40 ねつはかり
  【標準語】体温計
【意味等】熱を測る機具、体温計
【用例】「喉の痛うして…頭もグラグラする、ちょっとネツハカリば取っちゃんない」
 →「喉が痛くて…頭もクラクラする、ちょっと体温計を取ってちょうだい」
41 ねとぼけめえ
  【標準語】何をとぼけているのだ
【意味等】寝ぼけたことを言うな、的外れなことを言ってごまかすな
【用例】「残業で遅うなった?ネトボケメエ…パチンコしよったたあバレとうぜ」
 →「仕事で遅くなった?寝ぼけたことを言うな…パチンコしてたのはバレてるぞ」
42 ねとる
  【標準語】住んでいる
【意味等】居ついている、くらしている
【用例】「地域おこし協力隊の隊員な、任期の終わって…糸島で起業してネトル」
 →「地域おこし協力隊の隊員は、人気が終わって…糸島で起業して暮らしている」
43 ねねぶる
  【標準語】目をつぶる
【意味等】目をふさぐ、目を閉じる
【参考】語源は不明、「ねね(寝る)+ぶる(振る舞う)」と思われる、糸島弁
【用例】「ずーっとネネブットンなるが…眠っとんなあと?寝た振りしとんなると?」
 →「ずっと目を閉じているけど…眠っているの?眠った振りしているの?」
44 ねば
  【標準語】真綿、クモの巣、粘土、ナメクジ
【意味等】
①真綿の「ねば」
《参考》「粘り」に出る、真綿はまとわりつくような強度があり「粘綿」と言われる
《同義》ねば、ねばし
②クモの巣、粘土、ナメクジの「ねば」
《参考》それぞれに触感は異なるが、粘りつく・粘ついたものであることから…
45 ねはぐれる
  【標準語】眠りそこなう
【意味等】「ねそびれる」に同じ、寝るきっかけを失う
【用例】「この本の面白うして、読みよったら…朝いなっしもうてネハグレタや」
 →「この本が面白くて、読んでたら…朝になってしまって眠りそこなっちゃった」
46 ねばし
  【標準語】真綿
【意味等】「ねば」①に同じ
47 ネブカ
  【標準語】ネギ
【意味等】葱、ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属の中央アジア原産の多年生草本
【参考】ユリ科に分類されることもある、ネブカはネギの別称で漢字で「根深」
48 ねぶかぶし
  【標準語】調子外れの歌、音痴
【意味等】浄瑠璃を語りのような抑揚がなく節のない歌、歌の下手な人、下手な歌
【参考】漢字で「根深節」「葱節」、一般には音痴な人を揶揄することば
【関連】ネギには節がないことから、浄瑠璃の語りのような節や抑揚のない歌を言う
49 ねぶち
  【標準語】値打ち
【意味等】値打ち
【参考】「ねうち」の音変異
50 ねぶと
  【標準語】おでき
【意味等】ようの一種、太腿や尻など脂肪の多い部分にできる腫れ物、固根
【同義】ねぶと、ねぶとう
【参考】皮膚が赤く腫れて硬く中心部が化膿して痛みが激しい
【関連】毛嚢や皮脂腺に黄色ブドウ球菌などが感染して発症する
51 ねぶりかぶる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】眠りこける
【意味等】うとうとする、眠たくて正体を失う、すっかり眠入ってしまう
【同義】ねぶりかぶる、ねむりかぶる
【参考】ねぶり(眠り)+かぶる(被る)→眠りこける
【関連】九州各地で使われる
【用例】「試験前い、一夜漬けの勉強ばしよったが…いつのまいかネブリカブッタ」
 →「試験前に、一夜漬けの勉強をしていたが…いつの間にか眠り込んでしまった」
52 ねぶる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なめる、眠る
【意味等】
1)なめるの「ねぶる」
《意味》舌でなでる、しゃぶる
《参考》古語の「ねぶる」に出る、関西から九州(沖縄を除く)にかけて多く使われる
《類義》すわぶる
《関連》「ねぶる」を使った言葉:ねぶりまわす→舐め回す
《用例》「美味しかけんて…皿までネブリまわしなあと、あらあ…躾のなっとらん」
 →「美味しいからって…皿までなめまわすんだよ、ありゃあ…躾がなってないね」
2)眠るの「ねぶる」
《意味》眠る、眠り込む
《参考》「眠る」の音変異
《関連》「ねぶる」を使った言葉:ねぶりかぶる→眠りこける
《用例》「弁当以外、授業中な…ずっとネブリカブットンなあが、成績な良かとやん」
 →「弁当以外、授業中は…ずっと眠るこけているけど、成績は良いんだもんな」
53 ねぶれる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】切れなくなる
【意味等】刃物の切れ味が悪くなる、刃物が切れなくなる、鈍ら(なまくら)になる
【参考】語源は不明、「鈍る」の音変異?刃を舐めることができる「ねぶれる」?
【用例】「包丁のネブレタけん、ちょっと研いじゃらん」
 →「包丁が切れなくなったので、ちょっと研いでくれませんか」
54 ねまっ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】腐る
【意味等】「ねまる」①に同じ
55 ねまりもん  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なまもの、役立たず
【意味等】
1)なまものの「ねまりもん」
《意味》すぐに痛む食材、生魚など保存のきかない食べ物、なまもの
《参考》ねまり(くさる:くさりやすい)+もん(もの)→あしの速い食べ物
《用例》「残りもんな…持って帰ってよかばってん、ネマリモンなでけんですばい」
 →「残り物は、お持ち帰りいただいてもいいですが、生ものはご遠慮ください」
2)役立たずの「ねまりもん」
《意味》腐って食べられなくなったもの、使い物にならない人
《参考》ねまり(腐った:食べられない)+もん(もの)→役に立たないもの
《用例》「偉いそういしとんなあが、仕事好かずの給料泥棒のネマリモンやが」
 →「偉そうにしているけど、仕事嫌いの給料泥棒の役立たずなんだ」
56 ねまる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】腐る、(座る、寝る)
【意味等】(食べ物が)腐る、傷む
【同義】ねまっ、ねまる
【参考】語源は不明、「粘る(腐って糸を引く)」の音変異?
【関連】会話が煮詰まったり、絡まり、続かなくなった場合も「ねまる」を使う
【特記】「ねまる」は日本各地で使われるが、地域によって意味が異なる
・九州では「腐る」の意で使う場合がほとんど
・東北地方では「くつろぐ」、またその行為「座る」「寝転ぶ」の意で使う
・奈良周辺では「疲れている」、またその行為「寝る」「横になる」の意で使う
・九州でも「くつろぐ」や「疲れている」の意で使う場合があるので、特記している
【用例】「がめ煮な…ちょっと臭う、ネマリかけとうごたあけん…食わんがよかよ」
 →「がめ煮は…少し臭う、腐りかけているようなので…食べないほうがいいよ」
57 ねむりかぶる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】眠りこける
【意味等】「ねぶりかぶる」に同じ
58 ねらす
  【標準語】漕ぎ止める(漁業用語)
【意味等】潮流や風に逆って舟を同じ場所に漕ぎ止めること
【参考】語源は不明、位置を保つため餡などを練るように櫓で漕ぐため「練らす」か?
59 ねらむ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】睨む
【意味等】「ぬらむ」に同じ、目を怒らして見つめる、鋭い目つきで見る
【参考】「睨む」の音変異、「狙う」の音変異という説もある
【用例】「そえん俺ばネラミなんな…はらかくたあ分かるばってん、筋違いばい」
 →「そんなに俺を睨むなよ…怒る気持ちは理解するけど、筋違いだよ」
60 ねり
  【標準語】唐鋤の柄(農業用語)
【意味等】唐鋤の一部、唐鋤から牛馬に繋ぐために前にさし出した2本の轅(ながえ)
【参考】漢字で「耒轅」、牛車などの車体から2本平行に差し出された牛馬に繋ぐ棒
61 ねる
  【標準語】綯う、倒伏する
【意味等】
1)綯うの「ねる」
《意味》縄をなうこと、数人で協力して強い縄を綯うこと
《参考》語源は「練る」、「ねりそ(古語)」は蔓などをねじって作った縄
2)倒伏するの「ねる」
《意味》台風や大風で稲などの農作物が倒伏すること
《類義》たあれる(倒れる)
《用例》「おきなか台風たったけん、大風で…稲なそうようネッしもうた」
 →「大きな台風だったので、強風で…稲がすべて倒伏してしまった」
62 ネレネレノキ
  【標準語】ネムノキ
【意味等】合歓木、マメ科ネムノキ亜科の落葉高木
【参考】夜になると小葉が閉じて垂れ下がる就眠運動を行う
63 ねんかくる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】狙う
【意味等】狙う、目当ての物を思い通りにしようと構える、目指す、目標にする
【参考】なん(狙うor念じ)+かくる(他へ働きを仕向ける)
【用例】「ヤフオクで…探しよったお宝の出とったけんネンカケタが、落札でけた」
 →「ヤフオクで…探していたお宝が出ていたので狙ったら、落札できた」
64 ねんこう
  【標準語】年長
【意味等】年かさ、年上、長く携わって積んだ経験
【参考】年功のこと
65 ねんこうしゃ
  【標準語】年長者
【意味等】年齢が上の人、年かさの人、長年働いた功績のある人
【参考】年功者のこと
66 ねんこつらしか  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】面倒な、しつこい
【意味等】
1)面倒なの「ねんこつらしか」
《意味》念には念を入れる、手数のかかる、心のこもる、面倒な
《類義》しゃあしか、しゃあらしか
《用例》「安全管理の仕事な、人命に係わるけん…ネンコツラシカごとせないかと」
 →「安全管理の仕事は、人命にかかわるので…念には念を入れてしなきゃいけない」
2)しつこいの「ねんこつらしか」
《意味》煩わしい、執拗である、あっさりしない
《類義》しちこいたらしか、ひちこいたらしか
《用例》「好かんて言いよるとい…ネンコツラシュウ言い寄ってきなあと」
 →「嫌いって言ってるのに…しつこく言い寄ってくるのよ」
【参考】語源は不明だが、下記の構成と推測される
・ねん(手のかかるor執拗である)+こつ(こと)+らしか(感じるの意)
・「~らしか」は「馬鹿らしか」や「わざとらしか」などと同じような使い方
67 ねんしゃ
  【標準語】念入りにする人
【意味等】念者、いろいろ気をくばって物事をする人
【用例】「マネージャーなネンジャがよか、俺のごと…おおまん太郎な、つあーらん」
 →「マネージャーは念入りにする人がいい、俺のような…いい加減なやつは、ダメ」
68 ねんずく
  【標準語】夜通し
【意味等】寝ないまま、一睡もしないで、徹夜で、夜を明かして
【参考】ねん(寝ない)+ずく(~のまま)→寝ないまま
【関連】「ずく」は「尽く」または「続く」の音変異、動詞の否定形につく
《参考》食わんズク→食わぬまま、見んずく→見ないまま、合わんズク→合わないまま
【用例】「修学旅行んときゃあ、ネンズク騒いだけん…先生いえらい、がられた」
 →「修学旅行の時は、一睡もしないで騒いだので…先生にひどく、怒られた」
69 ねんたい
  【標準語】眠たい、緩い
【意味等】
1)眠たいの「ねんたい」
《意味》眠い様子、眠気がすることの主張
《用例》「夜中いテレビでワールドカップば観て、あんまと寝とらんけん…ネンタイ」
 →「夜中にテレビでワールドカップを観て…あまり寝ていないので…寝むたい」
2)緩いの「ねんたい」
《意味》厳しさがない、緩い
《用例》「そえなネンタイ事ば言うたっちゃ、あれたちいな…いっちょん効けとらん」
 →「そんな緩い事を言ったって、あいつらには…ちっとも効いていないよ」
【参考】「眠たい」の音変異、「ねんたか」ともいう
70 ねんのいっとる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】入念な
【意味等】心のこもった丁重な、念入りになされた仕事、緻密な計算がされた
【参考】ねん(念)+の(が)+いっとる(入っている)→念入りな
【用例】「下地い金箔ば貼って、漆の下から蝶の浮き出とる…こらあネンノイットル」
 →「下地に金箔を貼って、漆の下から蝶が浮き出ている…これは念入りな仕事だ」


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