「さ(サ)」の博多・糸島弁
イラストで説明
1 | さあごと |
【標準語】噓 【意味等】真実でない言葉、虚言、そらごと、根拠のない話、作りごと 【同義】さあごと、さごと、すらごつ、すらごと、だま、だまごと、らま 【参考】由来は、古語の「そらごと(虚言)」で同意 【用例】「あんたの話な面白か、サアゴトかほんなことか…いっちょんわからん」 →「あなたの話は面白い、作り話か本当の話しか…ちっともわからない」 |
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2 | ~さい |
【標準語】①~(の方)に、②~(まで)に 【意味等】①動作、作用の進行する方向を表わす、《用例》「市役所サイ行てこう」→「市役所に行ってこよう」、②時や場所を表わす、《用例》「先生な家庭訪問い、5時頃サイ来なさあげな」→「先生は家庭訪問に、5時頃に来られるそうだ」、【同義】~さい、~さん(糸島市西部:唐津弁) |
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3 | さいたら |
【標準語】(余計な)お節介・お世話 【意味等】①必要ないことに口出しをしたり世話を焼いたりすること、②いたずらごと、【同義】さいたら、しゃあたら、【参考】語源は「才太郎畑:冥土ではあるが地獄と極楽との間にある、どっちつかずの所」で「どっちつかずで中途半端なこと、無駄な仕事、益のないこと」の意、甲州弁では「せいたら」 |
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4 | さいたらまわす |
【標準語】(余計な)お節介を焼く・お世話 【意味等】他人の仕事などに余計な手出しや口出しをすること、出しゃばって世話をすること、迷惑なお節介を焼かれること、【用例】「わが力で解決したかけん、さいたらまわさんのって」→「自分の力で解決したいから、余計な手出しはしないで」 |
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5 | ざこ |
【標準語】けちんぼう 【意味等】「こすっぽう」に同じ |
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6 | さごと |
【標準語】噓 【意味等】「さあごと」に同じ 【用例】「おまや…俺ばなめとろ?サゴトもたいがいいしとかな、うっ叩くぜ」 →「お前…俺をなめてるだろ?たわごともいい加減にしとかないと、殴るぞ」 |
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7 | さして |
【標準語】させて 【意味等】することを依頼する、させて、【用例】「1回だけでよかけん、金魚すくいばさして」→「1回だけでいいから、金魚すくいをさせて」 |
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8 | さする |
【標準語】させる 【意味等】することを許す、させる、【用例】「金魚すくいばサスルけん、父ちゃんについてきない」→「金魚すくいをさせるから、お父さんについておいで」 |
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9 | さっち |
【標準語】必ず 【意味等】確かに、きっと、【同義】さっち、さっちが、しゃっち、【用例】「部長決めするけん、今日の部活いなサッチこなあよ」→「部長を決めるから、今日の部活には必ず来てよね」 |
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10 | さっちが |
【標準語】必ず 【意味等】「さっち」に同じ |
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11 | さっちがもっち |
【標準語】無理矢理 【意味等】いずれにしても、どうせ、結局、どのみち、無理矢理に、絶対に、【同義】さっちがもっち、さっちみち、さっちむっち、さっちもっち、【類義】さりむり:是が非でも、【用例】「確定申告な、サッチミチせないかんとばい」→「確定申告は、どのみちしないといけないんだよ」 |
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12 | さっちみち |
【標準語】無理矢理 【意味等】「さっちがもっち」に同じ |
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13 | さっちむっち |
【標準語】無理矢理 【意味等】「さっちがもっち」に同じ |
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14 | さっちもっち |
【標準語】無理矢理 【意味等】「さっちがもっち」に同じ |
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15 | ざっといかん |
【標準語】容易ではない 【意味等】簡単ではない、たやすくない、大変である、骨が折れる、簡単にはいかない、【同義】ざっといかん、ざっとなか、【参考】「ざっと」は、大雑把やおおまかに物事を行うさまの意味をもつ、【関連】ざっともん:大雑把な人、決まりのつかない人 |
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16 | ざっとなか |
【標準語】容易ではない 【意味等】「ざっといかん」に同じ |
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17 | ざっともん |
【標準語】決まりのつかない人 【意味等】大雑把な人、だいたいな性格の人 |
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18 | さばかす |
【標準語】はかどらせる 【意味等】仕事をうまく進める、仕事を着々と仕上げる、仕事のはかがゆく、仕事をかたづける、進捗させる |
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19 | さばく |
【標準語】①櫛をかける、②捌く 【意味等】①櫛をかけて髪を整える、髪をすく、ほどく、②うまく扱う、処理する |
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20 | さばくる |
【標準語】はかどる 【意味等】仕事のはかがゆく、仕事を済ませる、【対義】さばくれん、さばけん |
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21 | さばくれん |
【標準語】捌けない、はかがいかない 【意味等】①もたもたする、のろい、②捌ききれない、どうにもならない、【同義】さばくれん、さばけん、【対義】さばくる |
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22 | さばけたあ |
【標準語】切れ者 【意味等】はきはきしている、てきぱきしている、【同義】さばけたあ、さばけちゃあ、【参考】さばけてある:仕事をてきぱき仕上げるの意 |
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23 | さばけちゃあ |
【標準語】切れ者 【意味等】「さばけたあ」に同じ |
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24 | さばけもん |
【標準語】仕事ができる人 【意味等】てきぱき仕事をする人 |
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25 | さばけん |
【標準語】捌けない、はかがいかない 【意味等】「さばくれん」に同じ |
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26 | ざま |
【標準語】様子 【意味等】体裁 |
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27 | ざまあなか |
【標準語】無様 【意味等】姿が醜いこと、ざまが悪いこと、体裁が悪いこと、不手際を起こした状況、見ていられないこと、【参考】罵るときに使う悪口 |
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28 | ざまなか |
【標準語】無様 【意味等】「ざまあなか」に同じ |
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29 | さみしなか |
【標準語】寂しい、やるせない 【意味等】寂しい、物悲しい、しょんぼりする、思いを晴らす術がない、心のやりどころがない、心が楽しくない、【同義】さみしなか、さむしい、さむしか |
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30 | さむしい |
【標準語】寂しい、やるせない 【意味等】「さみしなか」に同じ |
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31 | さむしか |
【標準語】寂しい、やるせない 【意味等】「さみしなか」に同じ |
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32 | さりくり |
【標準語】ひどく(強調の接頭語) 【意味等】落ちるやこけるについて形容動詞となる、【用例】「さりくり落ちる」→「真っ逆さまに転がり落ちる」《同義》されくり落ちる、「さりくりこける」→「ひどく転倒する、つまづき倒れる」《同義》さりこくる、さりこける、されこける |
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33 | さりこくる |
【標準語】ひどく転倒する 【意味等】物にけつまずいて転ぶ、【同義】さりくりこける、さりこくる、さりこける、されこける |
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34 | さりこける |
【標準語】ひどく転倒する 【意味等】「さりこくる」に同じ |
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35 | さりむり |
【標準語】遮二無二 【意味等】無理矢理に、無茶苦茶に、是が非でも、是非とも 【同義】さりむり、やんぎもんぎ 【類義】さっちもっち:無理矢理 【参考】由来は不明、「遮二無二」または「差理無理」の音変異と思われる 【用例】「あのおばしゃん、厚かましたとやもん…サリムリい割り込んできなあと」 →「あのおばさん、厚かましいんだよ…無理矢理に割り込んでくるんだよ」 |
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36 | さるく |
【標準語】歩く 【意味等】足を使って進む、あゆむ、歩き回る、ほうぼうを歩く、うろつく 【同義】さるく、そうつく 【参考】由来は、古語の「為歩く(しあるく)」の音変異、何かをして歩き回るの意 【用例】「まあ、ああたあ…そえん遠かとこから…サルイテ来らっしゃったと?」 →「まあ、あなたは…そんなに遠い所から…歩いて来られたんですか?」 |
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37 | されくりおちる |
【標準語】真っ逆さまに転がり落ちる 【意味等】「されくりおちる」に同じ |
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38 | されこける |
【標準語】ひどく転倒する 【意味等】「さりこくる」に同じ |
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39 | ~さん |
【標準語】①~(の方)に、②~(まで)に 【意味等】「~さい」に同じ |
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40 | サンキライ |
【標準語】サルトリイバラ 【意味等】「カメイバラ」に同じ、サルトリイバラの葉 |
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41 | さんにょう |
【標準語】計算、勘定 【意味等】①利害の損得の予測、計算、見積り、打算、②割前、勘定、支払、【参考】「算用」のなまり |
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42 | さんにょうのあわん |
【標準語】利益にならない、分別がない 【意味等】 (1)「利益にならない」のさんにょうのあわん 《意味》計算が合わない、得にならない、ためにならない、不利、不利益 《参考》さんにょう(計算)+の+合わん(合わない)→計算が合わない 《用例》「夏祭い…露店ば出店したが、朝から雨で…サンニョウノアワン」 →「夏祭に…露店を出店したけど、朝から雨で…利益にならない」 (2)「分別がない」のさんにょうのあわん 《意味》物事をわきまえない、物事の道理や善悪を考えない、損得を考えない 《参考》さんにょう(計算)+の+合わん(合わない)→損得を考えない 《用例》「当日いなって契約解除やら、サンヨウノアワンといな…もう頼まん」 →「当日になって契約解除なんて、分別のないやつには…もう頼まない」 【同義】さんにょうのあわん、よみのあわん |
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43 | サンネンウズキ |
【標準語】サルトリイバラ 【意味等】「カメイバラ」に同じ、サルトリイバラの葉 |
そのほかの博多・糸島弁(イラスト説明なし)
1 | さあさらばーさら |
【標準語】でたらめ 【意味等】根のない言動、やることなすこと支離滅裂、【参考】「おおまん仕事の サーサラバーサラ」→「いい加減な仕事で無茶苦茶」 |
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2 | さあぜん |
【標準語】先刻、いましがた 【意味等】先ほど。【同義】さあぜん、さいぜん、【用例】「サイゼンから待っとんしゃあよ」→「さっきから待ってあるよ」、「サアゼンまで、おんしゃったとい…」→「さっきまで、いらっしゃったのに…」 |
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3 | さあましか |
【標準語】①粗末な、②見苦しい 【意味等】①品物が上等でないさま、品質や作りが劣る様子、《用例》「サアマシカ料理ですんまっせん」→「粗末な料理ですみません」、②みっともない、醜い、《用例》「もう止めときない、サマシカ真似はしなんな」→「もう止めろよ、見苦しい真似はするなよ」、【同義】さあましか、さまあしか、さましか |
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4 | ~さい |
【標準語】です 【意味等】断定の「だ」の丁寧な言い方、【用例】「そうサイ」→「そうです」、【参考】糸島市西部で使われる、唐津弁でもある |
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5 | さい |
【標準語】①おかず、②漁の分前 【意味等】「ごさい」に同じ |
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6 | ざい |
【標準語】①おかず、②漁の分前 【意味等】「ごさい」に同じ |
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7 | ざいご |
【標準語】在郷 【意味等】田舎、在郷、【用例】「嫁ごのザイゴな糸島な芥屋ですたい」→「妻の田舎は糸島の芥屋ですたい」 |
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8 | ざいごとう |
【標準語】田舎者 【意味等】田舎者、物知らず、非常識者、【用例】「行列い割り込みなんな、この、ザイゴトウが…」→「行列に割り込むなよ、この、非常識者が…」 |
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9 | さいこんづち |
【標準語】才槌 【意味等】小形の木の槌 |
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10 | さいぜん |
【標準語】先刻、いましがた 【意味等】「さあぜん」に同じ |
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11 | さいま |
【標準語】いい加減 【意味等】その場限りで無責任なさま、なげやり |
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12 | さいまぎる |
【標準語】いい加減に済ます(古語) 【意味等】①心を込めずに適当に終わる様子、なおざりにするさま、②出しゃばる、邪魔をする、【類義】おおまん、大野万次郎 |
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13 | さいもん |
【標準語】浪花節 【意味等】祭文(さいもん)、語り物、浪曲、【参考】祭文(さいもん)とは、神を祭るときに読む文で、祭事などに神仏に対して祈願や祝詞(のりと)として用いられる願文、のちに信仰を離れて浪曲などに芸能化していった、【関連】明治以降、桃中軒雲右衛門(とうちゅうけんくえもん)によって一種の風格を持つ語り物となった |
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14 | さいもんかたり |
【標準語】浪曲師 【意味等】浪花節を人に語り聞かせることを職業とする人 |
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15 | さえる |
【標準語】さえずる 【意味等】①小鳥などがしきりに鳴くこと、《用例》「春いなったねぇ、ヒバリのようサエル」→「春になったねぇ、ヒバリがよくさえずる」、②三味線や太皷などで陽気にさわぐ |
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16 | さかし |
【標準語】逆しま 【意味等】順序や位置がひっくり返っていること、さかさま、さかさ、逆、反対、【同義】さかし、さかたくり、さかとんぼ、【用例】「田んぼの水い、可也山がさかしい写り込んどう」→「田んぼの水に、可也山がさかさまに写り込んでいる」 |
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17 | さかしお |
【標準語】酒塩、料理酒 【意味等】調味料としての酒(日本酒やみりんなど) |
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18 | さかしか |
【標準語】①健やか、②急坂 【意味等】①丈夫で病気をしないさま、達者、《用例》「ああたんがたのばばさんな、サカシカねぇ」→「あなたんちのお婆ちゃんは、達者だねぇ」、②山や坂の斜面が急であること |
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19 | さがしもん |
【標準語】探し物 【意味等】失せもの |
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20 | さかたくり |
【標準語】逆しま 【意味等】「さかし」に同じ |
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21 | さかとんぼ |
【標準語】①逆しま、②逆立ち 【意味等】①「さかし」に同じ、②逆立ち、とんぼ返り、《用例》「おまい…さかとんぼしきいや?」→「お前…逆立ちできるか?」 |
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22 | さかとんぼうつ |
【標準語】①転倒する、②前のめりに歩く 【意味等】①転ぶ、倒れる、《用例》「道端のおてこぼりい足ば取られてサカトンボウッタや」→「道端の穴に足を取られて転倒してしまった」②前のめりになって急いで歩く |
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23 | さかはずれ |
【標準語】下戸 【意味等】生理的に酒が飲めない人、酒に弱い人 |
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24 | さかぼて |
【標準語】酒林、杉玉 【意味等】酒屋の軒の杉玉、スギの穂先を集めて球状にしたもの、酒旗(さかばた)、酒林(さかばやし)、【参考】造り酒屋の軒先にこれを吊して新酒が出来たことを知らせる、【関連】酒の神様を祭る大神神社(奈良県)で毎年11月14日に「おいしいお酒ができるように」杉玉が奉納。これが江戸時代初期に全国の造り酒屋に広まった。 |
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25 | さかむかえ |
【標準語】坂迎え(酒迎え) 【意味等】参拝当番が社寺参詣の旅から戻って来るのを出迎え酒盛をすること |
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26 | さかむけ |
【標準語】ささくれ 【意味等】指の爪際の皮が荒れて指の根元の方に細かく剥けること、【用例】「水の冷とうなってさかむけのでけて、痛か」→「水が冷たくなって指先がささくれて、痛い」 |
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27 | さがりじめ |
【標準語】しめ飾り 【意味等】正月に玄関などに張る縄、またその飾り 【同義】さがりじめ、しめなわ、にじゅうじめ、のぼりじめ |
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28 | さき |
【標準語】唐鋤の歯 【意味等】唐鋤(牛馬に引かせて田畑を耕すのに用いる)の歯(農業用語:糸島弁)、【参考】大きさによって、小ザキ、中ザキ、大ザキがある |
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29 | さぎあし |
【標準語】竹馬 【意味等】子どもの遊び道具・玩具、2本の竹それぞれに適当な高さにつけた足がかりに乗って歩く、【同義】さぎあし、さんぎゃあし、さんぎょうし |
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30 | さぎうり |
【標準語】熟し過ぎたウリ 【意味等】熟し過ぎて果肉がボサボサになりパサつきが出たウリ、熟し過ぎて苦くなったウリ(農業用語:糸島弁)【参考】酢酸エチルやエタノール、アセトアルデヒド、ククルビタシン(ウリ特有の苦味成分)などが発生して苦くなる |
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31 | さきとがり |
【標準語】出刃包丁 【意味等】刃が厚くて幅の広い庖丁、魚や肉の骨などを切るのに使う、【同義】さきとがり、さきとがりぼうちょう、さしとがり |
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32 | さきとがりぼうちょう |
【標準語】出刃包丁 【意味等】「さきとがり」に同じ |
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33 | さぎる |
【標準語】老いる、熟れ過ぎる 【意味等】(果物などが)成熟の時期を過ぎて熟れ過ぎること(農業用語:糸島弁) |
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34 | さくおとこ |
【標準語】農家の下男 【意味等】農家に雇われて耕作などをする男、作男、【参考】おとこし |
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35 | ざくざく |
【標準語】水っぽいカボチャの食感 【意味等】水っぽく不味いカボチャ、水分が多くて味が悪いカボチャ(農業用語:糸島弁)、【用例】「どこのボウブラな?ザクザクやが」→「どこのカボチャだ?水っぽくて不味い」 |
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36 | さくみち |
【標準語】農道、作場道 【意味等】農作業をするために農家と耕作地などに張り巡らされた道、耕作道(農業用語:糸島弁) |
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37 | さけよたさん |
【標準語】酔っ払い 【意味等】酔っ払った人、酒にすっかり酔った人、酔いどれ |
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38 | さこ |
【標準語】山間の窪地 【意味等】山と山との間にある窪んだ土地、谷、迫 |
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39 | さざえのけつ |
【標準語】へそまがり 【意味等】偏屈、つむじまがり、【用例】「あいつな、はしかか上いサザエノケツやもん」→「あいつは、とげとげしい性格の上に偏屈だもの」 |
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40 | さし |
【標準語】①鳥刺し、②左 【意味等】①とりもちをつけた竿で小鳥を捕まえること、②牛馬などに対して左に進めと指示する掛け声(農業用語)、《同義》さし、たし、たしたし |
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41 | さしあわせ |
【標準語】①結納の贈り物、②結納 【意味等】①親戚や知人からの花嫁・花婿への贈り物、②婚姻の結納 |
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42 | さしおろし |
【標準語】廂の間 【意味等】①家屋の壁に軒をつけて建て増した部屋、②廂、【類義】げ、下屋:軒 |
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43 | ざしきびにん |
【標準語】宴会で飲食を貪る人 【意味等】宴会で余った他人の馳走を意地きたなく飲食する人、長座してガツガツ食べる人 |
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44 | さしげた |
【標準語】高下駄 【意味等】雨降りのときに履く高い歯のついた下駄、雨下駄、差し歯のついた下駄、【同義】さし下駄、差し歯 |
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45 | さしとがり |
【標準語】出刃包丁 【意味等】「さきとがり」に同じ |
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46 | さしば |
【標準語】高下駄 【意味等】「さしげた」に同じ |
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47 | さす |
【標準語】足す 【意味等】添える、加える、【参考】液体を加える場合に使う、【用例】「ちょっと醤油ばサシたらおいしゅうなるばい」→「ちょっと醤油を足したら美味しくなるよ」 |
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48 | さっかけ |
【標準語】鋼付 【意味等】鍬など刃のある農具の短くなった刃先に鋼鉄を焼き付けること(農業用語:糸島弁) |
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49 | さっくさっく |
【標準語】サクサク 【意味等】容易く薪など断ち切ったり割ったりするさま、仕事がどんどんはかどる様 |
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50 | さっさば |
【標準語】同行、2人連れ 【意味等】2人がいつも連れ立って行動するさま、親友、カップル、【参考】語源は割き鯖(鯖の開きの干物)~2つに開いた身のようにいつも一緒の比喩、【用例】「ああたたちゃ付き合いようと?昨日、公園らへんばサッサバ歩きしよったろ?」→「あなたたちはお付き合いしてるの?昨日、公園あたりを2人連れで歩いていたでしょ?」 |
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51 | さっさと |
【標準語】敏速に 【意味等】速やかに、迅速に、【参考】颯颯(サツサツ):こだわりなく気品があってきびきびと勢いのあるさまが擬音「さっさ」になり、副詞語末の格助詞「と」が付いて「さっさと」という副詞として幅広い擬態語になった、国内で広く使われる方言 |
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52 | さっぱそうらん |
【標準語】無茶苦茶 【意味等】大混乱、大騒ぎ、【類義】ちゃっちゃくちゃら、【参考】「言語道断」の後に 付属語的に使われるケースが多い:言語道断さっぱそうらん、【関連】大分県の一部でも使われている、【用例】「空港でテロリストの銃ば乱射して、逃げる人やらこきたあれる人やら、おらびまわる人やらで、さっぱそうらん」→「空港でテロリストが銃を乱射して、逃げ惑う人や転倒する人、叫びまわる人などで、大混乱」 |
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53 | ざっぱづかい |
【標準語】普段使いの品 【意味等】日用に使う品物、【参考】雑把に(こだわることなく)使う品物 |
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54 | ざっぱもん |
【標準語】がらくた、半端者 【意味等】①値うちのない雑多な道具、つまらない品物、半端物、傷物、②役に立たない人、半端物、【参考】雑把な(雑にまとめられた、半端な)人 |
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55 | ざっぷ |
【標準語】お手玉 【意味等】小豆などを入れた布製の小さな袋、女の子が遊びに使う玩具 |
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56 | さでこく |
【標準語】言い放つ 【意味等】強く言うこと、【参考】「さで」は強調の接頭語、古語の「さてこそ:そうしてこそ」(前述を受けてそれを強調する語)の転 |
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57 | さとあるき |
【標準語】嫁の里がえり 【意味等】「あるき」に同じ |
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58 | さどうされ |
【標準語】極道者、左道奴 【意味等】「げどうされ」に同じ、【参考】古来、中国では右を尊び、左を正しくないとしたところから、左道は 正しくない道、邪道などの意味を持つ |
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59 | さとじ |
【標準語】里子 【意味等】里児、他の家族(里親)に預けて養ってもらう子 |
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60 | さとじながれ |
【標準語】里子流れ 【意味等】里子が里親のところに居ついてしまうこと、居ついた里子 |
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61 | さなぼり |
【標準語】早苗餐(さなぶり)、田植祭り 【意味等】田植の終わったことの祝宴・休み、早苗祝い、 【参考】荒神様に一番苗を供えて豊作を祈る神事 【同義】さなぼり、たうえうちあげ、よこい 【関連】この時期は、JAのさなぼりツアー(パック旅行)に参加する農家が多かった |
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62 | さね |
【標準語】種 【意味等】果実の中にある種子、核、【参考】桃のサネ→桃の種、梅干しのサネ→梅干しの種、アボカドのサネ→アボカドの種:果実の中心にある固い種(核)を言う |
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63 | さねくり |
【標準語】種取器 【意味等】木綿を打つ前に綿と種実とを引き離す道具、【参考】綿の実を挟んで、わきのハンドルをグルグル回すと種がとれ、綿のみ出てくる仕組み |
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64 | さびく |
【標準語】そびく、誘う 【意味等】しょっぴく、引っ張る、【参考】釣り用語:仕掛けを動かし魚を誘う動作 |
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65 | さびくろうとる |
【標準語】錆びついている 【意味等】さびが鉄肌に食い入っている状態、【用例】「畑でうさかいた鎌の出てきたが、刃のサビクロウトル」→「畑で無くした鎌が出てきたが、刃が錆びついている」 |
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66 | さびる |
【標準語】風選する 【意味等】唐箕などを使い、風力を利用して実入りの悪い種子やゴミを飛散させてよい種子を選別すること、【参考】脱穀機の場合は風でゴミやしいら(実入りの悪い籾)を吹き飛ばし実入りの良い籾を選別する(農業用語:糸島弁) |
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67 | さぶい |
【標準語】寒い 【意味等】気温が低くて心地悪い状態、【同義】さぶい、さむか |
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68 | さぶた |
【標準語】生間の蓋 【意味等】漁船の捕った魚や餌にする魚を入れる生簀(生間)の甲板口にする蓋 |
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69 | さまあしか |
【標準語】①粗末な、②見苦しい 【意味等】「さあましか」に同じ |
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70 | さましか |
【標準語】①粗末な、②見苦しい 【意味等】「さあましか」に同じ |
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71 | さましゅう |
【標準語】けたはずれ 【意味等】標準をはるかに越えていること、桁違い、【用例】「隣の息子なサマシュウ頭のようして6歳で微分やら積分ば理解しとうげな、将来な数学者やね」→「隣の息子は桁違いに頭がよくて6歳で微分や積分を理解しているらしい、将来は数学者だね」 |
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72 | さむか |
【標準語】寒い 【意味等】「さぶい」に同じ |
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73 | さむけのする |
【標準語】悪寒がする 【意味等】熱があるために感じる寒気、発熱によるゾクゾクとした寒気 |
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74 | さやまめ |
【標準語】さやに入ったままの豆 【意味等】①もぎ取った状態のさや付きの豆、②エダマメやソラマメなど |
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75 | さら |
【標準語】新品 【意味等】新品の衣服、新しく買った衣服、【参考】新品の衣類は肌触りがサラサラしているのでいう、【用例】「結婚式い行くけん、サラのワイシャツば出しちゃんない」→「結婚式に行くので、新品のワイシャツを出してくれ」 |
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76 | さらいしん |
【標準語】再来年 【意味等】来年の次の年 |
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77 | さらばか |
【標準語】大馬鹿 【意味等】甚だしい馬鹿、ひどい馬鹿、【参考】糸島西部で使われる、大分県方面でも使われる |
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78 | さらめく |
【標準語】さらさらしている 【意味等】湿り気がなくさっぱりしている状態、さらさらと音がする |
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79 | サルノコシカケ |
【標準語】マンネンタケ 【意味等】タマチョレイタケ目マンネンタケ科マンネンタケ属のキノコ、レイシ、【参考】『神農本草経(後漢)』に命を養う延命の霊薬として紹介され、民間薬あるいは健康食品としてさまざまな目的に用いられる |
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80 | サルヒョウ |
【標準語】イスノキ 【意味等】マンサク科の常緑高木、【参考】非常に堅い材木で家具や杖の素材にされる、特にイスノキの木刀は重宝されている |
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81 | され |
【標準語】骨 【意味等】接尾語として罵る言葉に使う、【用例】「うっとうされ」→間抜け・馬鹿、「がきされ」→クソガキ、「げどうされ」→極道者、「さどうされ」→極道者 |
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82 | されこくな |
【標準語】ほざくな 【意味等】他者がものを言うのを罵っていうことば、【参考】接頭語の「され」が接尾語として使われる例 |
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83 | さわらこぎ |
【標準語】サワラの流し釣 【意味等】ドジョウなどをエサにトローリングでサワラを釣ること |
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84 | さわり |
【標準語】①祟り、②病気、③月経 【意味等】①神仏などから受ける罰、ばち、②病気、③女性の生理 |
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85 | さわる |
【標準語】①祟る、②病む 【意味等】①神仏や亡霊、もののけなどが災いをする、ばちが当たる、報いが来る、②病む、叩かれる |
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86 | さん |
【標準語】火受 【意味等】桟、釜の下に敷く鉄製の簀の子、七輪の土製の火受 |
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87 | さんぎぁあし |
【標準語】竹馬 【意味等】「さぎあし」に同じ |
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88 | さんぎょうし |
【標準語】竹馬 【意味等】「さぎあし」に同じ |
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89 | さんしょうながし |
【標準語】毒もみ 【意味等】毒流し、山椒の葉や皮、実を処理して川に流す漁法、【参考】山椒の皮に含まれるサンショオールには麻痺成分がある |
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90 | さんしょうもち |
【標準語】山椒団子 【意味等】川魚を捕るために参照の葉と皮、実を木炭とまぜ。餅のように丸めたもの |
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91 | さんとく |
【標準語】財布 【意味等】金銭を入れて携帯するための布製や皮製の袋、金入れ。【参考】語源は「三徳」、江戸時代に流行した携帯の紙入れで、小物など3種類の物が入り三徳と呼ばれ、道中財布としても使われた |
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92 | さんにょうび |
【標準語】清算日 【意味等】清算をする日、【参考】毎月1回など、定期的に期間中の精算をする日 |
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93 | さんねんごけ |
【標準語】長患い 【意味等】長病人、三年苔、【参考】3年も寝込んでいると苔が生えるという意味 |
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94 | さんぱち |
【標準語】果て 【意味等】挙句のさんぱち、終わり、終い、末、【用例】「あげくのさんぱち」は九州北部の方言、「あげく」は「末」の意味だが「さんぱち」の意味の由来は不明 |
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95 | さんばばさん |
【標準語】産婆 【意味等】助産婦、出産を助けて妊婦や産児の保健指導を行う婦人 |
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96 | ざんばらがみ |
【標準語】乱れた髪 【意味等】振り乱した髪、散し髪 |
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97 | さんまい |
【標準語】①懐妊、②妊婦 【意味等】①身ごもること、孕むこと、妊娠、②妊婦、懐妊している婦人、孕み女、身持ち女、【同義】さんまい、さんまえ、【用例】「無理しなんな、さんまえさんな、ごたえば大事いしとかなあ」→「無理するな、妊婦さんは体を大事にしておかなきゃ」 |
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98 | さんまえ |
【標準語】①懐妊、②妊婦 【意味等】「さんまい」に同じ |