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「わ(ワ)」の博多・糸島弁(工事中)

1
  【標準語】箍(たが)
【意味等】裂いた竹を編んで輪にした物、桶や樽などにはめて外側から締め固める物
【参考】たがの形状が輪であることに由来
【関連】竹のほかに銅や鉄などの金属も使われる
2 わが  《詳しくはこちら》
  【標準語】自分、自身
【意味等】
(1)「自分」のわが
《意味》おのれ、私
《用例》「えらい酔うとうごたあ、ワガ靴のどれか…分からんごとなっとう」
 →「すごく酔っちゃったみたいだ、自分の靴がどれか…分からなくなってる」
(2)「自身」のわが
《意味》各々、対象者自身
《用例》「子供やなかっちゃけん、ワガこたあ…ワガでせなあこて、甘ゆんな」
 →「子供じゃないんだから、自身のことは…自身でやらなきゃ、甘えるな」
【参考】漢字で「我が」、自分はもちろん対象となる者自身を示す
3 わがうち  《詳しくはこちら》
  【標準語】我が家
【意味等】自分・自身の家・家族・家庭
【同義】わがいえ(自分の家の意が強い)、わががい(自身の家の意が強い)
【参考】わが(自分、自身)+いえ(家)→自分・自身の家・家族・家庭
【用例】「ワガウチいな家訓のあって、あぽな…でくるだけワガウチでせないかんと」
 →「我が家には家訓があって、大便は…出来るだけ自分の家でしないといかんのだ」
4 わがえ
  【標準語】たがかえ(箍替え)
【意味等】桶や樽のたが(箍:竹の輪)を取り替えること、桶や樽を修繕すること
【同義】たがえ、わがえ
5 わががい  《詳しくはこちら》
  【標準語】我が家
【意味等】「わがうち」に同じ(自身の家の意が強い)
【参考】わが(自分、自身)+が(の)+い(家:「いえ」の「え」を省略)
【用例】「キャンプん時い食うけん、ワガガイから…米ば2合ずつ持ってきちゃり」
 →「キャンプの時に食うので、自身の家から…米を2合ずつ持って来てちょうだい」
6 わがつ  《詳しくはこちら》
  【標準語】自身の物
【意味等】自分・自身のもの
【同義】わがつ、わがと、わがんつ、わがんと
【参考】わがんと→わが(自分、自身)+つ(んと:の物)→自分・自身の物
【用例】「人んとと…間違あかさんごと、ワガツいな…わが名前ば書いときんしゃい」
 →「他人の物と間違えないように、自身の物には…自身の名前を書いておきなさい」
7 わかっつろう
  【標準語】分かっただろう
【意味等】分かったでしょ
【参考】わかっつ(わかった)+ろう(だろう)
【用例】「ここまで観たんだあ…犯人な誰かワカッツロウ、お決まりの結末たい」
 →「ここまで観たならば…犯人は誰か分かっただろう、お決まりの結末だよ」
8 わがと  《詳しくはこちら》
  【標準語】自身の物
【意味等】「わがつ」に同じ
【参考】わがんと→わが(自分、自身)+と(んと:の物)→自分・自身の物
【用例】「のうならんごと、わがわがでワガトな…責任ば持って管理するごと」
 →「なくさないように、各々で自身の物は…責任を持って管理するように」
9 わからんちん
  【標準語】わからずや
【意味等】強情者、自分以外の意見を受け入れない人
【参考】わからん(わからない)+ちん(者:悪い意味で擬人化する語)
【用例】「石部金吉のワカランチンやけん、気ば利かするやら…しきんなれんもん」
 →「お堅い性格のわからずやだから、気を利かせるなど…することができないもの」
10 わかりめえ
  【標準語】分からないだろう
【意味等】分かんないでしょ
【参考】わかり(わかる)+めい(ないだろ:否定の推測)
【用例】「こら…誰かワカリメエ?わっか時の父ちゃんたい…まだ髪のフサフサやん」
 →「これ…誰か分かんないだろ?若いときの父ちゃんだ…まだ髪がフサフサだもの」
11 わがわが  《詳しくはこちら》
  【標準語】各々
【意味等】それぞれ、自身自身、めいめい
【参考】わが(自身)+わが(自身)→自身自身→各々
【用例】「食事券ば配りますけん、昼飯な…食堂でワガワガで食うちゃんなっせえ」
 →「食事券をお配りしますので、昼食は…食堂で各々で食べてください」
12 わがんつ  《詳しくはこちら》
  【標準語】自身の物
【意味等】「わがつ」に同じ
【参考】わが(自分、自身)+んつ(の物)→自分・自身の物
【意味等】「落し物の財布な…ワガンツです、12,500円入った茶色か革の財布です」
 →「落し物の財布は…自分の物です、12,500円入った茶色の革の財布です」
13 わがんと  《詳しくはこちら》
  【標準語】自身の物
【意味等】「わがつ」に同じ
【参考】わが(自分、自身)+んと(の物)→自分・自身の物
【意味等】「あの家な…ワガントやったばってん、ローンば払われんで…手放いたと」
 →「あの家は…自分の物だったんだけど、ローンを払えなくて…手放したんだ」
14 わきあがる
  【標準語】のぼせる
【意味等】すぐにカーッとなる、気持ちが沸き上がる
【用例】「アイドルい…わっか姉ちゃんたちのワキアガッテ、キャーキャー言いよう」
 →「アイドルに…若い姉ちゃんたちがのぼせて、キャーキャー言ってる」
15 わきのこ
  【標準語】ひきわりのこぎり(挽割鋸)
【意味等】木びき用の大鋸(木を縦に挽き割る鋸)
【参考】わき(わく:挽き割る)+のこ(のこぎり)→木を挽き割る鋸
16 わく
  【標準語】挽き割る、耕起する、間引く、発酵する、泡立つ
【意味等】
(1)「挽き割る」のわく
《意味》鋸で木を縦に切り割る
《用例》「この山の間伐の丸太な、製材所でワイタら…材木い使わりょうごたあ」
 →「この山の間伐の丸太は、製材所で挽き割ったら…材木に使えそうだなあ」
(2)「耕起する」のわく
《意味》唐耒を牛馬に引かせて水田を鋤く
《用例》「田ばワクたあ…今なトラクターやが、昔ゃあ牛い…唐耒ば引かせよった」
 →「田んぼを耕起するのは…今はトラクターだが、昔は牛に…唐耒を引かせていた」
(3)「間引く」のわく
《意味》野菜などを間引く
《用例》「畑のダイコば…ちいっとワイテ、はざひきダインな…浅漬けして食おう」
 →「畑のダイコンを…少し間引いて、間引いたダイコンは…浅漬へして食べよう」
(4)「発酵する」のわく
《意味》酵母菌による有機発酵でアルコールや有機酸、ガスなどが発生する
《用例》「社会科見学で…酒蔵い行たが、ワイテ樽から…ボコボコ泡の立ちよった」
 →「社会科見学で…酒蔵に行ったら、発行して樽から…ボコボコ泡が立っていた」
(5)「泡立つ」のわく(漁業用語)
《意味》魚群などが活発に動いて海面に白く泡を立てる、海面が盛り上がる
《用例》「アジコのワイトウとこい…網ば入れたが、久し振りい大漁いなろうごたる」
 →「アジの魚群で泡立つ海面に…網を入れたけど、久し振りに大漁になりそうだよ」
17 わくっと
  【標準語】ぱくっと
【意味等】口などを大きく開く様子、ぱくりと
【用例】「水草いトンボのとまったが、おきなかビキの出て来て…ワクット食うた」
 →「水草にトンボがとまったら、大きなカエルが出て来て…ぱくっと食っちゃった」
18 ワクド
  【標準語】ヒキガエル
【意味等】蟇蛙、ガマ、両生綱無尾目ヒキガエル科ヒキガエル属に分類されるカエル
【参考】細分類すれば「ニホンヒキガエル」
【同義】オンバ、ワクド、ワクドウ、ワクロウ
19 ワクドウ
  【標準語】ヒキガエル
【意味等】「ワクド」に同じ
20 ワクドウグサ
  【標準語】ドクダミ
【意味等】ドクダミ科ドクダミ属の多年草
【同義】トベラグサ、ワクドウグサ
【参考】名前の由来は不明
・毒下しの薬効があり、毒を抑える「毒矯め(ドクダメ)」が語源
21 ワクロウ
  【標準語】ヒキガエル
【意味等】「ワクド」に同じ
22 わごし
  【標準語】輪越し祭
【意味等】輪潜り、7月下旬に各地の神社で行われる「夏越しの袚の芽の輪」行事
【参考】草や藁の直径2mほどの輪を参拝人がくぐって魔除けや病気払いを祈願する
23 わさ
  【標準語】輪差(わさ)
【意味等】紐を輪の形に結んだもの、紐の罠、紐の結び方の一つ
【参考】輪を物に引っ掛けて引けば締まるようにしたもの、紐罠の結び方
24 わさうえ(農業用語)
  【標準語】田植えの初日(農業用語)
【意味等】田植えを始める日
【同義】おりたち、わさうえ
【参考】早生の品種(早期米)を植えること「早稲植え(わせうえ)」の音変異
25 わざこと  《詳しくはこちら》
  【標準語】わざと
【意味等】故意に、わざと、わざとらしく
【同義】わざこと、わざごと、わざっと、わざとんごと、わざとんごて
【参考】由来は下記の2つが考えられる
・わざ(態:行い、しわざ、行為、仕事)+こと(事)
・古語の「態と(わざと)」の音変異
【用例】「ああた、ワザコト…ちょっかいば出してくるが、あたしば好いとうと?」
 →「あなた、わざとらしく…ちょっかいを出してくるけど、私を好きなの?」
26 わざごと  《詳しくはこちら》
  【標準語】わざと
【意味等】「わざこと」に同じ
【用例】「はらかかしょう思うて、ワザゴト足ば踏んだろ?いっちょん…痛うなかよ」
 →「怒らせようと思って、故意に足を踏んだでしょ?ちっとも…痛くないわ」
27 わざっと  《詳しくはこちら》
  【標準語】わざと
【意味等】「わざこと」に同じ
【用例】「買いもんしよったけん…挨拶ばしたら、ワザット…知らん振りされたとよ」
 →「買物していたので…挨拶をしたら、わざと…知らぬ振りをされたんだぜ」
28 わざとんごと  《詳しくはこちら》
  【標準語】わざと
【意味等】「わざこと」に同じ、ことさらに
【用例】「ワザトンゴトたいそ…紅生姜ば入るるもんやけん、辛うして…食われんぜ」
 →「故意にたくさん…紅生姜を入れるもんだから、辛くて…食えないよ」
29 わざとんごつ  《詳しくはこちら》
  【標準語】わざと
【意味等】「わざこと」に同じ、ことさらに
【参考】糸島市西部から唐津方面で使われる
【用例】「授業中い…ワザトンゴツ騒いで、学校いも来んごとなって…退学しなった」
 →「授業中に…わざと騒いで、学校にも来ないようになって…退学しちゃった」
30 ワシワシ
  【標準語】クマゼミ
【意味等】カメムシ目ヨコバイ亜目セミ科に分類されるセミの一種、国内最大のセミ
【参考】由来は鳴き声「ワシワシ」と大きな声で鳴くことから
31 わっかし
  【標準語】若者
【意味等】年若い人、若人、少年
【同義】わっかし、わっかもん
【参考】由来は「若衆(わかしゅう)」の音変異
【用例】「この地区な…ワッカシの少なか、開発ばされて30年…住人の高齢化しよる」
 →「この地区は…若者が少ない、開発されて30年…住人が高齢化している」
32 わっかもん
  【標準語】若い人
【意味等】「わっかし」に同じ、町の若者
【参考】由来は「若者(わかもの)」の音変異
【用例】「祭りの準備い…てごの足らんけん、ワッカモンい…手伝うごと声かけて」
 →「祭りの準備に…人手が足らないので、町の若者に…手伝うようにと声かけて」
33 わや  《詳しくはこちら》
  【標準語】滅茶苦茶
【意味等】秩序や筋道がない様子、駄目な状態、パア、手がつけられない、無茶苦茶
【同義】わや、わやくちゃ
【参考】
・由来は「わやく(無理なことを言う・する)」の音変異と思われる
・日本各地の広い地域で使われる方言
【用例】「結婚式い…元カレの乱入して、新婦ば連れて行きなって…結婚なワヤたい」
 →「結婚式に…元カレが乱入して、新婦を連れて行っちゃって…結婚はパアだよ」
34 わやいなる  《詳しくはこちら》
  【標準語】駄目になる
【意味等】パアになる、無茶苦茶になる
【参考】わや(滅茶苦茶)+い(に)+なる→パアになる
【用例】「店の経営状態のこたあ…秘密ばい、バレたんだ…取引のワヤイナルけんね」
 →「店の経営状況のことは…秘密だよ、バレちゃったら…取引が駄目になるからね」
35 わやく  《詳しくはこちら》
  【標準語】悪さ、誤魔化し
【意味等】
(1)「悪さ」のわやく
《意味》冗談、悪戯、乱暴、聞き分けがない、わがまま
《用例》「あんたの…わるそう息子な、夜い中洲ばそうついて…ワヤクしようばい」
 →「あなたの…不良息子は、夜の中州をうろつき回って…悪いことをしているぞ」
(2)「誤魔化し」のわやく
《意味》怪しげな誤魔化し、わがまま、無理なことを言う・する
《用例》「あら…詐欺師やなかな?よかごとワヤクして…ぜんば盗ろうしようが」
 →「あいつ…詐欺師じゃないか?いいように誤魔化して…お金を盗もうとしてるぞ」
【参考】
・由来は「枉惑(おうわく)」の音変異、惑わせ邪魔するという意
・「わや」(滅茶苦茶)の由来になる語
36 わやくちゃ  《詳しくはこちら》
  【標準語】滅茶苦茶
【意味等】「わや」に同じ
【参考】わや(滅茶苦茶)+くちゃ(苦茶)→滅茶苦茶
【用例】「突風で…テントやら飛ばされっしもうて、夏祭りの会場な…ワヤクチャ」
 →「突風で…テントなんかが飛ばされちゃって、夏祭りの会場は…滅茶苦茶」
37 わらかす
  【標準語】割ってしまう、笑わかす
【意味等】
(1)「割ってしまう」のわらかす
《意味》割る、羽化させる
《用例》
・座敷で子供と…鬼ごとばしよったら、ちゃんとこ…花瓶ばワラカイテしもうた
 →座敷で子供と…鬼ごっこをしていたら、うっかりと…花瓶を割ってしまった
・親鳥の卵ば温めよんなるが…ワラカスト?ワラカイタら…ヒヨコば分けちゃり
 →親鳥が卵を温めているけど…羽化させるの?産まれたら…ヒヨコを分けてよ
(2)「笑わかす」のわらかす
《意味》笑わせる
《参考》怒って言う「笑わせるな」は「わらかすな」「わらかしやんな」
《用例》「真面目で…仕事もでけなあが、酔うたら…歌うて踊って…ワラカシなあと」
 →「真面目で…仕事もできるんだが、酔ったら…歌って踊って…笑わかせるんだ」
38 わらこずみ
  【標準語】藁塚
【意味等】脱穀した稲藁を乾燥させるため刈田に高く積み上げたもの
【参考】わら(藁)+こずみ(小積み)→藁塚(新藁を保存するための乾燥工程)
39 わらすぐり(農業用語)
  【標準語】わらすき(藁梳)、がんづめ(雁爪)
【意味等】
(1)「わらすき(藁梳)」のわらすぐり
《意味》藁を加工するときの下準備、藁のハカマ取り
《参考》加工に不要な藁の葉の部分(袴)を取り除く作業
(2)「がんづめ(雁爪)」のわらすぐり
《意味》わらすき(藁梳)の道具
《参考》藁の袴を取る、四つ又に金属の爪が分かれた道具
【参考】わら(藁)+すぐり(選り)→わらすき、わらすきの道具
40 わらすぼ(農業用語)
  【標準語】藁の芯
【意味等】わらしべ、藁苞、稲の穂の芯
【参考】藁縄や注連縄、藁ご座、藁箒など藁の加工品の素材
41 わらたたきいし(農業用語)
  【標準語】藁打石
【意味等】藁打ちに用いる台石、藁を槌でたたくときの敷石
【参考】藁打ちは、加工しやすいように素材の藁を柔らかくする作業
42 わらつずら
  【標準語】飯畚(めしふご)
【意味等】藁を編んだ飯櫃の保温器、飯櫃を入れる藁製の保温容器
43 わらとび
  【標準語】藁頭巾(わらずきん)
【意味等】藁製の頭巾、通気・保温・難燃性のある作業・防災・防寒用の藁頭巾
【参考】漢字で「藁鳶」由来は不明
44 ワラベ
  【標準語】ワラビ
【意味等】蕨、ワラビの若葉、コバノイシカグマ科ワラビ属の多年生シダ
【参考】代表的な山菜、デンプンを多く含み「わらびもち」の原料となる
45 わり
  【標準語】お前
【意味等】汝、同格または目下の者に対する代名詞
【同義】わり、われ
【類義】きさん(貴様:同格または目上の者に対する代名詞)
【参考】由来は不明、一人称の「われ(我)」の二人称使い?かつ、音変異?
・糸島西部から唐津方面で使われる
【用例】「ワリな…それで好かろうばってが、こっちゃあ…いっちょも好うなかぜ」
 →「お前は…それで好いだろうけれども、こちらは…ちっとも好くないんだぞ」
46 わりどまあ
  【標準語】お前たちは
【意味等】お前どもは、同格または目下の複数の者に対する喧嘩の売り言葉
【参考】わり(おまえ)+どまあ(たちは)、糸島西部から唐津方面で使われる
【用例】「ワリドマア…宿題もせんで、誰いことわって…あすびい行きようとや?」
 →「お前たちは…宿題もせずに、誰の了承を得て…遊びに行っているんだ?」
47 わりゃあ
  【標準語】お前は
【意味等】汝は、同格または目下の者に対する呼びかけ
【参考】わり(おまえ)+ゃあ(は)、糸島西部から唐津方面で使われる
【用例】「ワリャア…誰いそんか口ばききようとや?横着言いよったら…くらすうぞ」
 →「お前は…誰にそんな口をきいてるんだ?横着な事をいってたら…殴り倒すぞ」
48 わりょうがち
  【標準語】われ先
【意味等】人を押しのけて自分が先になろうと争う様子
【参考】由来は「我勝ち(人よりも優位に立ち、先行しようとする様)」の音変異
【用例】「買わるうたあ…先着5人やけん、ワリョウガチい…走って行きなった」
 →「買えるのは…先着5名だから、われ先にと…走って行っちゃった」
49 わるうすりゃあ
  【標準語】事の次第によっては
【意味等】悪くすれば、下手をすると、ひょっとすると、最悪の場合は
【参考】わるう(悪く)+すりゃあ(すれば)、物事が失敗したケースに言及する言葉
【用例】「相手が相手やけん…ワスウスリャア、えらい損害賠償ば…せないかん」
 →「相手が相手だから…下手をするろ、ものすごい損害賠償を…しないといけない」
50 わるそう  《詳しくはこちら》
  【標準語】不良少年、わるさ
【意味等】
(1)「不良少年」のわるそう
《意味》悪ガキ、腕白な子供、悪さをする人
《同義》わるそう、わるそうぼうず
《参考》わる(悪)+そう(僧→坊主→子供)→悪い子供
《用例》「こまか時ゃあ…えらいワルソウやったが、今あ…警察署長さんやもん」
 →「小さい時は…ものすごい不良少年だったけど、今は…警察署長さんだもの」
(2)「わるさ」のわるそう
《意味》悪戯、悪いこと、犯罪
《参考》本来は「不良」を意味するが、不良がする行為もいう
《用例》「また…うちの息子のワルソウして、学校い呼び出されて…注意されたと」
 →「また…うちの息子が悪さをして、学校に呼び出されて…注意されたのよ」
51 わるそうぼうず  《詳しくはこちら》
  【標準語】不良少年
【意味等】「わるそう」(1)に同じ
【参考】わるそう(不良少年)+ぼうず(坊主→子供)
【用例】「あっちの息子な…手の付けられんごとワルソウボウズで、たいへんげなよ」
 →「あちらの息子は…手が付けられないほどの腕白で、たいへんらしいよ」
52 わるる
  【標準語】孵る(かえる)
【意味等】羽化する、卵が割れて生まれる
【同義】わるる、われる
【用例】「親鶏の卵ば抱いて…だいぶ経つが、そろそろ…ワルルっちゃなかろうか?」
 →「親鶏が卵を抱いて…だいぶ経つけど、そろそろ…羽化するんじゃないのかな?」
53 われ
  【標準語】破片、お前
【意味等】
(1)「破片」のわれ
《意味》割れた欠片、陶磁器やガラスなどの割れたもの
《用例》「ガラスのワレで…手ば切ったりせんごと、気ばつけて…片付けちゃり」
 →「ガラスの破片で…手を切ったりしないように、気をつけて…片付けてね」
(2)「お前」のわれ
《意味》「わり」に同じ(「わリ」と同様に糸島西部から唐津方面で使われる)
《用例》「ワレたちゃあ…誰や?誰いことわって…うちの畑でイモば掘りようとや?」
 →「お前たちは…誰だ?誰に許可を得て…私の畑でイモを掘っているのだ?」
54 われき
  【標準語】焚き木
【意味等】薪、燃料用の木材、割った木片
【参考】われ(割れた・割った)+き(木)→薪
【用例】「薪ストーブばつけたけん、寒うなる前い…ワレキば山で集めなあいかん」
 →「薪ストーブをつけたので、寒くなる前に…焚き木を山で集めなくてはいけない」
55 われもん
  【標準語】割れ物
【意味等】割れやすい物、ガラスや陶磁器
【参考】われ(割れ)+もん(物)→割れ物
【用例】「緩衝材な入れとうばってん…ワレモンやけん、気ばつけて運うじゃり」
 →「緩衝材は入れているけど…割れ物だから…気をつけて運んでちょうだい」
56 われる
  【標準語】孵る(かえる)
【意味等】「わるる」に同じ
【用例】「卵のワレタとやろう、ちさかカマキッチョの…ウジャウジャ、気色わるか」
 →「卵が孵ったんだろう、小さなカマキリが…ウジャウジャ、気持ちが悪い」
57 わんぎ
  【標準語】曲がって隙間が空く、離婚
【意味等】
(1)「曲がって隙間が空く」のわんぎ
《意味》板塀や木桶などの木材が曲がって隙間ができること、またその隙間
《参考》由来不明、わん(湾:湾曲する)+ぎ(木:木材)?
《用例》「桶のワンギしたが…修繕でけめえか?おんなしもんな…売っとらんちゃん」
 →「桶に隙間が出来たが…修繕できないかな?同じものは…売っていないんだよ」
(2)「離婚」のわんぎ
《意味》夫婦合意の別居、和解離婚、離婚を合意する
《参考》由来は「和議」、協議による問題解消、協議して夫婦関係を解消すること
《用例》「旦那の浮気が原因で…ワンギしなった、可哀そかたあ…子供たい」
 →「旦那の浮気が原因で…離婚しちゃった、可哀そうなのは…子供だよ」
【同義】わんぎ、わんぎする
58 わんぎする
  【標準語】曲がって隙間が空く、離婚
【意味等】「わんぎ」に同じ
59 わんごう
  【標準語】暗い切通
【意味等】木が生い茂り昼間でも暗い切り通し、深く掘り窪んだ道
【同義】わんごう、わんどう
【参考】由来は「暗壕(あんごう)」の音変異、暗い切り通し(土を掘り込んだ通路)
60 わんどう
  【標準語】暗い切通
【意味等】「わんごう」に同じ
【参考】由来は「暗道(あんどう)」の音変異、切通や生い茂りで陽当りの悪い道

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