「て(テ)」の博多・糸島弁
1 | であい |
【標準語】簡略な結婚式(出会い) 【意味等】手軽く簡単に行う結婚式 【参考】新郎と新婦、少数の身内などが料亭などに集って簡易に行う結婚披露宴(顔合わせ) |
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2 | ていがってい |
【標準語】おや、まあ 【意味等】「ふてえがってえ」に同じ、こりゃ驚いた 【参考】軽い驚きや恐縮などを表す接頭語 【関連】元々は宗像弁で、明治以後に博多弁になったらしい |
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3 | ていがちげいな |
【標準語】おや、まあ 【意味等】「ふてえがってえ」に同じ 【関連】「ふてえがってえ」が博多弁として使われる以前の同じ意味の博多弁らしい |
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4 | ていけ |
【標準語】農耕用の鞍 【意味等】犂(からすき)などを牛馬に引かせるために背に置く木製の鞍 |
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5 | ていしょう |
【標準語】弱腰 【意味等】意気地のない振る舞い、ざま 【参考】物事に対して意気地のない態度を取ること 【用例】「なんちゅうテイショウかいな」→「なんちゅうザマだ」 |
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6 | ていしょうされ |
【標準語】弱虫 【意味等】弱虫、意気地なし 【参考】意気地のない人をののしる悪口 【用例】「このテイショウサレが…まだ一人で寝きらんとや」 →「この弱虫が…まだ一人で寝れないのか」 |
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7 | ていしょうもかなわんな |
【標準語】出来もしないことを… 【意味等】分不相応な…、(手腕・実力もないのに)柄にもない 【同義】ていしょうもかなわんな、げいしょーもかなわんな 【用例】「あれが支店長げな…しきいとな?テイショウモカナワンナ」 →「あいつが支店長だって…できるのか?柄でもないのに」 |
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8 | ていす |
【標準語】亭主 【意味等】夫、配偶者の一方である男性 【同義】ていす、てえす |
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9 | ていらず |
【標準語】手数がかからないこと 【意味等】元気な幼児、簡便、容易 【参考】手のかからない子供 【用例】「夜泣きやらせんテイラズやったが、わるそういなって…手い焼く」 →「夜泣きなどしない手の掛からない子供だったのに、不良になって…手を焼く」 |
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10 | でうく |
【標準語】出歩く 【意味等】出歩く、伺う、出向く 【用例】「婆しゃんな…でべそやけん、あちこちデウイチャ…げなげな話しよんなあ」 →「婆ちゃんは…外出好きなので、あっちこっち出歩いちゃ…うわさ話をしている」 |
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11 | てえいっとる |
【標準語】上手い 【意味等】優れている、上手だ、巧みだ 【用例】「あの人な器用かけん…何ば作らせたっちゃテエイットル」 →「あの人は器用だから…何を作らせても上手だ」 |
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12 | てえことまわす |
【標準語】困り果てる 【意味等】手こずる 【参考】どうもこうもできずに困りきること 【用例】「砂地やったもんやけん…タイヤのいぼって、出るといテエコトマワイた」 →「砂地だったもんだから…タイヤがはまり込んで、出るのに手こずったよ」 |
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13 | てえす |
【標準語】亭主 【意味等】「ていす」に同じ |
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14 | てえもはらいも |
【標準語】褻(け)にも晴れにも 【意味等】普段のときも表だったときも、良くも悪くも唯一つしかないこと 【同義】てえもはらいも、てにもはらいも 【参考】「けにもはれにも」の転 【用例】「志望校い行くといな、テエモハライモ…勉強するしかなか」 →「志望校に行くには、後にも先にも…勉強するしかない」 |
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15 | でえろん |
【標準語】とか 【意味等】とか 【参考】語句を引用して軽い疑いがある気持を示す言い方、事物や動作を例示的に並列・列挙する言い方 【同義】だら、てろん 【用例】「何デエロン…かんデエロン、俺い押し付けなんな」 →「何やら…かんやら、俺に押し付けるなよ」 |
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16 | てかけ |
【標準語】妾、引手 【意味等】 ①妾、そばめ、側室、二号 《参考》正妻以外の妻やそれに準ずる女性 ②たんすの鐶(かん:金属製の引出しの引手) 《参考》戸の開閉に手をかける部分、引手 |
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17 | でかた |
【標準語】労力奉仕 【意味等】労力奉仕、出方 【参考】清掃活動など地域の共同作業に参加して労力奉仕をすること 【用例】「今度の集落のデカタな、川の清掃やけん…ああたが出らなあいかんよ」 →「今度の集落の労力奉仕は、川の清掃だから…あなたが出ないと駄目よ」 |
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18 | できもん ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】できもの 【意味等】 ①できもの、おでき、ふきでもの 《参考》皮膚の表面にできる化膿性の腫物 《用例》「けつんぺたい、できもんのでけて…痛痒いかや」 →「臀部に、おできができて…痛痒感がある」 ②苦労人、できた人、人物 《参考》苦労して煉磨されている人物 《用例》「あら、こまかとっからの苦労人やけん、人の痛みのわかるデキモンやもん」 →「あの人は、小さな時からの苦労人なので、人の痛みがわかる人物だもの」 【同義】できもん、でけもん、でけはち |
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19 | てぐあい ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】手つき 【意味等】手つき、手作業の様子 【用例】「ああた…テグアイのようして上手か。職人のごたる」 →「あなた…手つきがよくてお上手ですね。職人のようだ」 |
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20 | てぐすみ |
【標準語】てぐすね 【意味等】 ①てぐすね、機会を待つ、きっかけ 《関連》「てぐすね」の「くすね(薬練)」は、塗って弓の弦を強くする松脂を加工した薬品で「てぐすねひく」は、くすねを手に取り弦に塗ることで「準備をして機会を待っている」ことの意になる ②臆病 |
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21 | でぐすみする |
【標準語】きっかけを失う 【意味等】きっかけを失う、臆病になる 【参考】「てぐすね(機会を待つ)」するが機会を失う・なくすこと 【用例】「プロポーズばしたかったとばってん…腹のせいて、テグスミシテしもうた」 →「プロポーズをしたかったんだけど…腹痛が起きて、きっかけを失ってしまった」 |
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22 | てくり |
【標準語】筒袖の作業着、片手桶、手繰り網 【意味等】 ①手繰り襦袢 《参考》作業をするときに着る、手首を手繰ってハゼなどで詰める筒袖の着物 ②片手桶 《参考》風呂桶など、片方に取っ手のついた水を手繰るように入れる手桶 《同義》てくり、てこがえ ③手繰り網 《参考》水底の魚を囲んで巻き取り、引き綱で船に手繰り上げる漁法、また、その網 《関連》磯の近くで行う網を使った漁法 |
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23 | でくる ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】できる 【意味等】 ①生まれる、妊娠する 《用例》「子供のデケタげな」 →「子供が生まれたそうだ」 ②発生する、起こる 《用例》「おおごとのデケタばい」 →「大変な事が起こったぞ」 ③成育する、豊作になる 《用例》「今年のスイカなようデケタ」 →「今年のスイカは豊作だった」 ④成績がよい、頭がいい 《用例》「あっちの息子なようデクル」 →「あちらの息子は成績が良い」 ⑤男女が秘かに結ばれる、深い男女関係になる 《用例》「あの2人なデケトルげな」 →「あの2人は秘かに結ばれているらしい」 ⑥つくられる、建てられる 《用例①》「ここの工場でアイスのデクル」 →「ここの工場でアイスが作られる」 《用例②》「ここい図書館のデケルげな」 →「ここに図書館が造られるそうだ」 ⑦可能である 《用例》「牧のうどんの大盛なら、何とか3杯まで…食うこたあデケル」 →「牧のうどんの大盛なら、どうにか3杯まで…食べることが可能である」 【同義】でくる、でける 【対義】でけん(⑤以外:お世話しているのに成就しない場合は使う) |
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24 | でけそこのう ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】生育が悪い、失敗する、不良になる 【意味等】 ①生育不足、実りが悪い 《参考》農作物が生育不足で収穫量や品質が悪いこと 《用例》「今年のスイカなデケソコノウた」 →「今年のスイカは生育が悪い」 ②失敗する、やりそこない 《参考》やりそこなって失敗すること 《用例》「ごっちんでデケソコノウとう」 →「飯に芯があって炊飯に失敗してる」 ③不良化する、ぐれる 《参考》品行が悪くなること、駄目な人間に育つこと 《用例》「あっちの息子な…デケソコナイよんなあごたる」 →「あちらの息子は…不良化しつつあるようだ」 |
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25 | でけもん ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】できもの 【意味等】「できもん」に同じ 【用例】「デケモンば…つくじりまわしなんな、あばけっしまうばい」 →「できものを…つつきまわすなよ、ただれが拡がってしまうぞ」 |
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26 | でけはち ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】できもの 【意味等】「できもん」に同じ |
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27 | でける ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】できる 【意味等】「でくる」に同じ 【対義】でけん |
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28 | でけん ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】できない、してはいけない 【意味等】 ①できない、駄目だ 《参考》「でくる」の否定形 《用例》「あんたがデケンとい、うちがしきるはず…なかろうもん」 →「あんたができないのに、私にできるはず…ないでしょう」 ②してはいけない 《参考》禁止や拒否の言葉 《用例》「あんたいだけ特別扱いするやら…デケンもんなデケン」 →「あなたにだけ特別扱いするなんて…してはいけないことはできない」 |
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29 | でこ ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】額 【意味等】額、額が出ていること、額が出ている人 【同義】でこ、でこちん、でこはち、でぼちん 【参考】身体の部位としての額、額が出ている人相・その人 【用例①】「熱のあるっちゃなかや?デコば当ててんやい」 →「熱があるんじゃないのか?額を当ててごらん」 【用例②】「この子…デコチンで、賢かろうごと見ゆる」 →「この子…額が出ていて、賢そうに見える」 |
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30 | てご ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】手伝い人 【意味等】手伝う人、助手 【参考】漢字で「手子」、福岡県北部や中国地方、関東や北陸の一部で使われる 【用例】「忙しゅうして…手の足らん、テゴの5~6人ないるばい」 →「忙しくて…人手が足りない、手伝う人が5~6人は必要だよ」 |
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31 | てこがえ |
【標準語】片手桶 【意味等】「てくり」②に同じ 【参考】風呂桶など、片方に取っ手のついた手桶 |
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32 | でこちん ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】額 【意味等】「でこ」に同じ |
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33 | でこはち ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】額 【意味等】「でこ」に同じ |
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34 | でさるく ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】出歩く 【意味等】外出する、留守にしてあちこち歩き回る、遊び回る 【参考】「で(出)+さるく(歩く)」→出歩く 【関連】「さるく」に他の動詞が合体した熟語 《例1》「のうでさるく」:飲んで+さるく→飲み歩く 《例2》「さるきまわる」:さるく+まわる→歩き回る 【用例】「亭主な、まーだデサルイテ…帰ってきなれんと?別れた方がよかばい」 →「亭主は、まだ遊び回って帰ってこないのかい?別れた方がいいよ」 |
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35 | てし |
【標準語】おてつき(メンコ遊びの反則技のひとつ) 【意味等】お手つき、手こすり 【参考】メンコを打つときに手で目標のメンコを弾き飛ばす(ひっくり返す)反則技 【関連】手指を使う反則技なので「てし(手指)」になったと思われる 【用例】「いまんたあ…テシやろ?嘘ば言いなんな…手ば見せてんやい」 →「今のは…お手つきだろ?噓を言うなよ…手を見せてごらん」 |
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36 | てしと |
【標準語】たくさん 【意味等】多く、おびただしく 【参考】糸島弁 【用例】「電線いカラスの…テシトおるけん、気色の悪か」 →「電線にカラスが…おびただしくいるので、気色が悪い」 |
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37 | てしゃにん |
【標準語】器用な人 【意味等】手先が器用で細工などが巧みな人、相撲の取り手の巧みな人 【参考】「てしゃ(手指)+にん(人)」→手や指先が器用な人…と思われる 【用例】「ああたあテシャニンやけん、小物やら…ちゃちゃっと作りきろ?」 →「あなたは手先が器用だから、小物なんて…あっという間に作れるでしょ?」 |
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38 | てじゃりき |
【標準語】手車力、手で引く荷車 【意味等】一人で引く運搬車 【参考】「て(手)+しゃりき(車力)」→手で引く荷車 【用例】「昔な、糸島から西新さい…テジャリキで野菜やら魚ば売りいきよんなった」 →「昔は、糸島から西新に…手で引く荷車で野菜や魚などを売りにきてあった」 |
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39 | てしょう |
【標準語】技能、手先の器用さ 【意味等】仕事の腕前、手性 【参考】手先でする仕事の上手・下手、手先の器用・不器用、漢字で「手性」 【関連】てしょうのよか人(手先が器用な人)=てしゃにん 【用例】「ああたあテショウのよかけん、仕上がりの綺麗やね…てしゃにんやもん」 →「あなたは腕がいいので、仕上がりが綺麗だね…手先が器用な巧みな人だもの」 |
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40 | てじょうけ |
【標準語】小さな竹ざる 【意味等】小さな竹ざる 【参考】「て(手)+しょうけ(竹で編んだざる)」→ハンディーさいずのざる 【類義】てぼ(手籠) |
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41 | でずいらず |
【標準語】過不足なし 【意味等】差し引きなし、当たり障りがない 【参考】「出ず入らず」→損得なし、とんとん 【用例】「ボランティアな、デズイラズで運営ばせなあ…続かんぜ」 →「ボランティアは、差し引きなしで運営をしなきゃ…続かないよ」 |
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42 | てずま |
【標準語】手品 【意味等】手妻、古来より日本に伝わる日本独自の手品・奇術 【参考】「手妻」は、手を稲妻のように素早く動かすことが語源。明治以降、日本古来の手品が「和妻」、外来の手品が「洋妻」と分類された 【関連】「手品」は仕掛けを使った奇術(イリュージョン)、「手妻」は手先の器用さを活かした奇術(テーブルマジック)に分類される |
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43 | てずりこんぼう |
【標準語】必死の懇願 【意味等】もみ手での懇願、平身低頭 【参考】「てすり(手擦り)+こんぼう(懇望)」→手を擦り合わせての必死の懇願のことと思われる 【用例】「議員な好かん。選挙んときだきゃテスリコンボウやもんな」 →「議員は嫌いだ。選挙のときだけは平身低頭だもんな」 |
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44 | てぜんきる |
【標準語】身銭を切る 【意味等】自分のお金で支払う、自腹を切る、自前勘定 【同義】てぜんきる、てもんだす 【用例】「飲みい誘うとって、会計ん時ゃおらんっと…あれの分までテゼンキッタや」 →「飲みに誘っといて、会計のときはいないんだ…あいつの分まで自腹をきったよ」 |
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45 | てだし |
【標準語】割り勘 【意味等】費用を分担して実費を負担すること、手出し 【参考】かかった費用を各自が均等負担し、それぞれが金品を出し合うこと 【同義】だしだし、てだし 【用例】「すまん、今日な財布ば忘れてぜんのなかけん…テダシでたのうどくけん」 →「すまん、今日は財布を忘れてお金がないので、割り勘でお願いします」 |
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46 | でたち |
【標準語】おとき、斎 【意味等】 ①葬儀の出棺時に出す食事 ②出棺直前に会葬者に酒を飲んでもらうこと ③出発すること ④朝早く旅や仕事に出ること、朝出 ⑤伊勢参りに行く人を途中まで送ること ⑥嫁入りする前の離別の宴 ⑦葬式の出棺 ⑧旅立ち、嫁入りなどの直前の会食 ⑨吉凶事で家を出る時に出す膳 ⑩朝出前の軽い食事 ⑪外出着 ⑫仕事着 |
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47 | でちなぐる ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】投げ飛ばす 【意味等】投げて飛ばす、手荒く投げる 【参考】「でっち(でち)」は喧嘩や殴打を意味する 【参考】「でっち(喧嘩)+なぐる(投げる)」→投げ飛ばす 【関連】暴力を加える方法として、うったたく(強く叩く)、はつる(平手打ち)、くらす(殴る)、けたぐる(蹴りを入れる)、ぼてくりこかす(ぼこぼこにする)、でちまわす(殴り飛ばす)、だごいなす(足腰立たんようにする)などがある 【用例】「おいしゃんと…相撲しょう。デチナゲテンやい」 →「おじさんと…相撲をしよう。投げ飛ばしてごらん」 |
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48 | でちまわす ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】殴り飛ばす 【意味等】ひどい勢いで殴る 【同義】でちまわす、でっちまわす、ばちまわす、ぶちまわす 【参考】「でっち(でち)」は喧嘩や殴打を意味する 【参考】「でっち(喧嘩)+まわす(回す)」→殴りまわす 【関連】暴力を加える方法として、うったたく(強く叩く)、くらす(殴る)、でちまわす(殴り飛ばす)、うしばく(棒でひっぱたく)、はつる(平手打ち)、はつりたおす(平手打ちの連打)、けたぐる(蹴りを入れる)、でちなぐる(投げ飛ばす)、ぼてくりこかす(ぼこぼこにする)、だごいなす(足腰立たんようにする) 【用例】「父ちゃんの社長やけんなんや…のぼすんな…デチマワスぜ」 →「お父さんが社長だからなんだ…のぼせるな…殴り飛ばすぞ」 |
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49 | ~でちゃ ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】~でも 【意味等】「~ちゃ」③に同じ、~でさえ、~でも 【参考】「名詞+ちゃ」→~でさえ 【同義】~ちゃ、~ちゃあ、~でちゃ、~でん 【用例①】「先生っデチャ…わかんなれんやったとぜ」 →「先生でさえ…わからなかったんだぞ」 【用例②】「こえなまずか料理…ネコっデチャ食わんぜ」 →「こんなまずい料理…ネコでも食べないよ」 |
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50 | てちんご |
【標準語】手遊び 【意味等】 ①手で遊ぶ・弄ぶこと、悪さ、道楽 ②余計な手出しをすること ③冗談 【同義】てちんご、てちんごう、ててんごう(古語) 【参考】「て(手)+てんごう(転業・慰)」→手遊び 【用例】「テチンゴせんで…しぇんしぇいの話ば、よおと聞かな…いかんばい」 →「手遊びをせずに…先生の話を、よく聞かないど…いけないよ」 |
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51 | てちんごう |
【標準語】手遊び 【意味等】「てちんご」に同じ |
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52 | てっかんだま |
【標準語】ビー玉 【意味等】ガラス製の小さい玉、子どもが遊びに使うガラス玉 【参考】語源は不明 |
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53 | てっきゅう |
【標準語】焼網 【意味等】焼網、鉄灸 【参考】火の上にかけて食材を焼くのに用いる細い鉄線を格子状に編んだもの、鉄弓 ※方言のようだが、実は標準語。 【用例】「テッキュウのベタベタいなっしもうた、大将…取り替えちゃらん?」 →「焼網がベタベタになってしまった、大将…取り替えてくれない?」 |
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54 | てっくりかえる |
【標準語】ひっくり返る 【意味等】ひっくり返る、転倒する 【参考】北海道でも使われている 【用例】「あんまり…おかしゅうして、テックリカエッテわろうたばい」 →「あまりにも…おかしくて、ひっくり返って笑ったよ」 |
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55 | てっくりかやす |
【標準語】ひっくり返えす 【意味等】ひっくり返えす、引っ掻きまわす、混乱させる 【同義】てっくりかやす、でんぎりがやす、でんぐりがえす、でんぐりがやす 【用例】「書類ののうなったって、机やら箪笥やらテックリカヤイテ探しよんなった」 →「書類が無くなったって、机や箪笥を引っ掻きまわして探していたよ」 |
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56 | てづけじょうけ |
【標準語】柄付きのざる 【意味等】柄がついた竹ざる 【参考】夏、傷まないように飯や饅頭などを入れて天井などに掛ける竹で編んだざる 【用例】「がめのは饅頭な…もうなかと?テヅケジョウケい…入っとった」 →「がめのは饅頭は…もうないの?柄付きのザルに…入ってた」 |
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57 | でっちなぐる ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】投げ飛ばす 【意味等】「でちなぐる」に同じ |
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58 | でっちまわす ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】殴り飛ばす 【意味等】「でちまわす」に同じ |
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59 | てっちらかす ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】取り散らかす 【意味等】そここに乱れ散らばっていること 【類義】うっちらかす:ひどく散らかっている様 【用例】「プレゼンで…会議室ばテッチラカイタけん…片付けてこう」 →「プレゼンで…会議室を取り散らかしたので…片付けてこよう」 |
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60 | てっとりばよう |
【標準語】手っ取り早く 【意味等】さっさと、手短に、てきぱきと、すばやく、簡単に 【用例】「忙しかけん、テットリバヨウ…しまやかそう」 →「忙しいので、手っ取り早く…終わらせよう」 |
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61 | てつばこうて |
【標準語】気持を引き締めて 【意味等】気を張って、心を緊張させて 【参考】糸島弁、語源は不明 【用例】「入学試験まで…あと2か月、ツバコウテ勉強せなあ…おてるぜ」 →「入学試験まで…あと2か月、気を引き締めて勉強をしないと…落ちちゃうぞ」 |
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62 | てっぺする ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】すりむく 【意味等】すり傷を負う 【参考】肘や膝など、身体の先端部分の皮膚が固い物と擦れて傷を負うこと、糸島弁 【参考】「てっぺ(てっぺん:尖った部分)+する(擦る)」→膝などを擦り剥く 【用例】「運動会の…走りぐっちょで、こけっしもうて…膝ばテッペスッタ」 →「運動会の…駆けっこで、転倒してしまって…膝にすり傷を負った」 |
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63 | てっぺんごなし ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】頭ごなし 【意味等】頭ごなし 【参考】相手の言い分など聞かずに最初から押さえつけること 【参考】「てっぺん(頭)+ごなし」→頭ごなし 【用例】「そえん…テッペンゴナシい言われたら、おらぁせんばい」 →「そんなに…頭ごなしに言われたら、俺はやらないよ」 |
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64 | てっぽうみみ |
【標準語】聞いてもすぐ忘れる耳 【意味等】話が右から左へ抜けていってしまう耳 【参考】鉄砲の弾丸のように、聞いたことが右耳から左耳にすぐ出て行くことをいう 【関連】記憶と耳に関する関連の表現 ・「ざる耳」:大事な事が抜け落ちてしまう耳 ・「巾着耳」:大事な事を聞き逃さず必要な時に思い出せる耳 【用例】「あらあテッポウミミやけん、もう覚えちゃおらん…あていならん」 →「あいつは聞いてもすぐ忘れるので、もう覚えていないよ…あてにならないよ」 |
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65 | てづま |
【標準語】手品 【意味等】「てずま」に同じ |
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66 | でていとる |
【標準語】出て行っている 【意味等】外出している、家出してる、離縁してる 【参考】「でて(出て)+い撮る(行っている)」→出て行っている 【用例】「嫁ごな?もう…おらんごとなっとう…デテイトル」 →「嫁さんかい?もう…いなくなっているよ…離婚している」 |
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67 | ててくりあう |
【標準語】乳繰り合う 【意味等】男女が秘かに情を通じ合う 【参考】男女がこっそり出会って肌を合わせること 【関連】ててくる=茶々くる=乳くる(すべて古語) 【用例】「誰も知らん思うて、テテクリアイよるが…みんな知っとうとばい」 →「誰も知らないと思って、秘かに情を通じ合っているが…みんな知ってるんだよ」 |
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68 | ててくりおうとる |
【標準語】乳繰り合っている 【意味等】男女の交情を交わしている 【用例】「見たらいかん…車ん中でチチクリオウトル」 →「見ちゃいかん…車の中で男女の交情を交わしている」 |
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69 | デデムシ |
【標準語】カタツムリ 【意味等】デンデンムシ、陸に棲む巻貝の通称 【関連】柳田國男の『蝸牛考』では、カタツムリについて、京都(都:文化の中心)で古い順から、ナメクジ、ツブリ、カタツムリ、マイマイ、デデムシと呼ばれていた呼び名が、時代の流れとともに同心円状に伝播していることを解説している。これは「方言周圏説」として、方言分布の解釈の原則仮説の一つとされている。 |
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70 | ててんごう |
【標準語】手遊び 【意味等】「てちんご」に同じ |
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71 | てとらせる |
【標準語】手間を取らせる 【意味等】面倒を掛ける、世話になる、手数の掛かる事をしてもらう 【同義】てとらせる、てまとらせる 【参考】相手が自分のために時間や労力を割いてくれること 【参考】「て(手数)+とらせる(取らせる)」→手間を取らせる 【用例】「あん時ゃ…頼りっきりで…テトラセテ、すんまっせんやった」 →「あの時は…頼りっきりで…手間を取らせてしまい、申し訳ありませんでした」 |
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72 | てなえ |
【標準語】補植用苗、手苗 【意味等】 ①田植え後の欠株や植え直しなどの補足に使う苗、間挿し苗 ②自分で植える苗 ③田植え作業が遅れ気味な人の後方から苗を渡すこと |
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73 | てなんかけ |
【標準語】肩、背中 【意味等】 ①肩甲骨周辺、肩甲骨の運動を司る三角形の筋肉(僧帽筋)部分、上背部、背中 《参考》肩などを組むとき手を掛けることから言う 《参考》「て(手)+なんかけ(投げ掛け)」→肩甲骨周辺 ②作業等が8~9割方達したこと、そこそこ 《参考》背中に届きそうな…手が掛かりそうなくらい物事が進行していること |
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74 | てにあわん |
【標準語】手に負えない 【意味等】手に負えない、持て余す 【用例】「クイズ本ば借りたばってん、難しゅうしてテイアワン」 →「クイズ本を借ったけど、難しくて手に負えない」 |
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75 | てにもはしにもかからん |
【標準語】箸にも棒にもかからない 【意味等】扱いにくく手のつけようがない、とりえがない、使いものにならない 【参考】手にも箸にも引っかからず扱いにくいこと、また、そのもの 【用例】「この子な、テイモハシイモカカラン…わるそう坊主やけん、手い合わん」 →「この子は、手のつけようがないくらい…悪ガキなので、手に負えない」 |
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76 | てにもはらいも |
【標準語】褻(け)にも晴れにも、後にも先にも 【意味等】「てえもはらいも」に同じ |
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77 | てのごい |
【標準語】手拭い 【意味等】手や顔、身体などを拭きぬぐうための木綿の布、タオル 【参考】古語 |
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78 | てのそろうた |
【標準語】人手がそろう 【意味等】予定どおりに働き手が集まること 【参考】「ての(人手が)+そろうた(揃った)」→人手がそろった 【用例】「手の足らんで…おうじょうしようごと言いよったが、テノソロウタとな?」 →「人手不足で…困っているように言っていたが、働き手は集まったのかい?」 |
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79 | てのたらん ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】人手不足 【意味等】人手が足りない、働き手が足りない 【参考】「ての(人手が)+たらん(足りない)」→人手不足 【用例】「収穫時期な忙しゅうして、テノタランでおうじょうしよりますと」 →「収穫時期は忙しくて、人手不足で困っているんですよ」 |
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80 | てのはぶくる |
【標準語】手間が省ける 【意味等】手数が省ける、仕事などの手順が簡単になる 【用例】「この機械なよか、出荷するとい…てのはぶくる」 →「この機械はいい、出荷するのに…手間が省ける」 |
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81 | てのはら |
【標準語】手のひら 【意味等】掌、手の平、たなごころ 【参考】「はら」は古語の「ひら」 |
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82 | てばくむ |
【標準語】手を組む、共謀する 【意味等】共同謀議、共謀する 【参考】2人以上の者が共同して諮る企み・推進する計画 【参考】「てば(手を)+くむ(組む)」→手を組む 【用例】「役所と消防、警察の3者が…テバクンデ、災害時の対応策ば計画するげな」 →「役所と消防、警察の3者が…手を組んで、災害時の対応策ば計画するそうだ」 |
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83 | でぶそく |
【標準語】不参加費 【意味等】償い金 【参考】出方など公共の仕事(労力奉仕)に出ない時の償いとして出す金品 【用例】「清掃作業の出方いな、出きらんけん…でぶそくば出さなあいかん」 →「清掃作業の労力奉仕には、出られないので…不参加費を出さなきゃならない」 |
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84 | てぶね |
【標準語】漁場の運搬船 【意味等】漁場運搬船、手持ちの船 【参考】漁場の漁船から魚を港へ運んで来る船 【同義】てぶね、なかとりぶね |
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85 | でべそ ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】家にじっとしていない人 【意味等】 ①外出好き、出たがりの人 ②好奇心が極端に旺盛な人 ③でしゃばり、目立ちたがり 【参考】中国地方を中心に広く使われる 【関連】特に女性に対して使う場合は否定的な意味が多い 【用例】「うちのかかしゃんな…デベソやけん、家いないっちょんおんなれん」 →「うちの女房は…出たがりなので、家にはちっともいないんだ」 |
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86 | てぼ |
【標準語】手籠 【意味等】手に下げて持つかご、お潮井籠、魚籠、びく 【参考】神社に奉納するお潮井(海砂)を入れる籠、お潮井取りに持参する籠 |
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87 | でぼちん ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】額 【意味等】「でこ」に同じ |
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88 | でほみず |
【標準語】稲穂が出る時期の灌水 【意味等】稲穂が出る時期の灌水 【参考】稲が穂を出す頃に水田に流し入れる水 |
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89 | てまがえ |
【標準語】結(ゆい) 【意味等】手間替え、労力を貸し合うこと、手伝い 【同義】てまがえ、てまもどし 【参考】田植えなどの仕事を手伝い合うこと 【用例】「明日あ、むかいの田植えしなさあげなけん、テマガエいうてこう」 →「明日は、お向いさんが田植えをするそうだから、手伝いに行ってこよう」 |
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90 | てまがそん |
【標準語】無駄仕事 【意味等】無駄な仕事、手間損、手間潰し 【参考】利益の出ない、または損をする仕事 【参考】「てまが(手間が)+そん(損)」→手間損 【用例】「地域役員やら、我がいとってテマガソンやなかけん、しきるとき…しとき」→「地域役員など、自分にとって無駄な仕事じゃないから、出来るときは…やりなよ」 |
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91 | てましごと |
【標準語】合間仕事 【意味等】手間を見てする仕事、暇を見つけてする仕事 【参考】「てま(手間)+しごと(仕事)」→合間にする仕事 【用例】「テマシゴトで始めたユーチューバーばってん、本業いなった」 →「合間仕事で始めたユーチューバーだけど、本業になった」 |
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92 | てまとらせる |
【標準語】手間を取らせる 【意味等】「てとらせる」に同じ |
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93 | てまもどし |
【標準語】結(ゆい) 【意味等】「てまがえ」に同じ |
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94 | てみい |
【標準語】箕(み) 【意味等】手箕(てみ)、浅く竹を編んだバスケット形状の農具 【参考】穀物の選別で、あおり振って殻や塵をより分ける道具 【関連】手作業で使うものが、手箕 |
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95 | でみず |
【標準語】泉 【意味等】泉 【参考】地下水が地層の隙間などから地表に湧き出る場所 【参考】「で(出)+みず(水)」→水が湧き出る場所 |
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96 | てもん |
【標準語】手持ちの金 【意味等】自費、手持ち 【用例】「ボランティアな手弁当やけん、かかった金なテモンたい」 →「ボランティアは手弁当だから、かかったお金は自費だよ」 |
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97 | てもんだす |
【標準語】身銭を切る 【意味等】「てぜんきる」に同じ |
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98 | でやす ≪詳細はこちら≫ |
標準語】とっちめる 【意味等】殴りつける、叱りつける、怒鳴りつける、おどす 【同義】でやす、どやす、どやしあげる 【類義】くらす、うしばく、ぼてくりこかすなど 【参考】語源は京ことばの「どやす」、暴力的なことば 【関連】「でやっせ、でやさるうぜ、でやいちゃあ」は、相手を威嚇する言葉 【用例】「何かしたと?おいさんから…えらいデヤサレよったが…」 →「何かしたの?おじさんから…ひどく怒鳴りつけられてたけど…」 |
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99 | でようじょう |
【標準語】入院 【意味等】入院 【参考】入院して療養すること 【参考】「で(家を出て)+ようじょう(養生)」→家以外での養生:入院 【用例】「大病したっちゃけん、一時ゃあデヨウジョウしとかなあくさ」 →「大病したんだから、しばらくは入院しておかなきゃ」 |
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100 | てよう |
【標準語】手振り 【意味等】手のしぐさ、手つき 【参考】ものを言わずに手振りで意思の疎通をすること 【関連】「てよう」を使った言葉 ・てようみよう→身振り手振り ・てようめよう→手振り目配せ 【用例】「手話な…テヨウだけで、たいがいのこたあ…伝わるげな」 →「手話は…手のしぐさだけで、おおかたのことは…伝わるそうだ」 |
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101 | てようみよう |
【標準語】身振り手振り、目くばせ 【意味等】 ①ボディーランゲージ、身振り手振り(伝える・覚える) ②目くばせ、手つき目つき(伝える) 【同義】てようみよう、てようめよう 【用例】「英語な話きらんばってん、テヨウミヨウで…伝わったや」 →「英語は話せないんだけど、身振り手振りで…伝わったよ」 |
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102 | てようめよう |
【標準語】身振り手振り、目くばせ 【意味等】「てようみよう」に同じ |
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103 | テリウソ |
【標準語】ウソのオス 【意味等】ウソのオス、照鷽、 【同義】テリウソ、テリオス 【参考】ウソはスズメ目アトリ科ウソ属に分類される鳥類の一種、オスは照鷽(テリウソ)メスは雨鷽(アメウソ)と呼ばれる、テリウソはウソの雄の胸が赤く照り輝いているところからいう |
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104 | テリオス |
【標準語】ウソのオス 【意味等】「テリウソ」に同じ |
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105 | てる ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】熟す 【意味等】スイカが十分に熟れている 【参考】スイカの熟れ具合を判断する方法 ・指ではじいたときの音で判断…通説では音が低ければ熟れている ・スイカのヒゲツルで判断…枯れ始めたら熟れている ・プロの農家は受粉からの日数と気温で判断…間違いなく熟れている 【用例】「このスイカな…ようテッとう」 →「このスイカは、よく熟れている」 |
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106 | てれくさか ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】馬鹿らしい 【意味等】アホ臭い、馬鹿らしい、しつこい、ずうずうしい 【参考】標準語では、気恥ずかしいの意 【参考】「てれ(アホ)+くさか(臭い)」→アホ臭い 【用例】「何か…見た目の、テレクサカごたあ」 →「何だか…見た目が、あほ臭いそうだ」 |
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107 | てれさく ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】馬鹿、アホ 【意味等】あほう、たわけ者、まぬけな人、愚鈍な人 【同義】てれさく、てれすけ、ぬけさく 【参考】「てれ(まぬけ)+さく(男風の名前に使われる語)」→まぬけ男 【参考】嘲笑の言葉で主にそのような男性をいう 【用例】「あらあテレサクやけん…いっつも、おんなしやりそこないばしなあと」 →「あいつは馬鹿だから…いつも、同じ失敗をやらかすんだ」 |
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108 | てれすけ ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】馬鹿、アホ 【意味等】「てれさく」に同じ 【用例】「あらあ頭なよかとやが…ちーっとテレスケやけん、よおと見ときないよ」 →「あいつは頭はいいんだが…ちょっと間が抜けているんで、注意しておきなよ」 |
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109 | てれっと ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】ぼーっと、ぼんやりと 【意味等】気合が入っていない様子、気力がない様、気が利かない様、間が抜けた様子 【同義】ぼさっと 【類義】てれてれ、てれんぱれん 【対義】しかっと 【参考】「てれ」は、気が緩んだり、抜けたりした振る舞いや状況を示す表現 【参考】「てれーっと」と伸ばすことで強調した言い方になる 【関連】「てれ」を使った言葉 ・「てれくさか」→馬鹿らしい ・「てれさく、てれすけ」→間抜けな男 ・「てれてれ、てれんぱれん」→のろのろと 【関連】「てれっと」を使った馬鹿にする言い回し ・「てれっと会社の社長」→「ぼーっとすることを、生業とする人」 【用例】「あらっ…テレットして、ちゃんとこ歯医者い行くとば…忘れとった」 →「あらっ…ぼーっとして、うっかりと歯医者に行くのを…忘れていた」 |
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110 | てれてれ ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】のろのろ 【意味等】のろのろ、ぐずぐず、ぼんやり、だらだら 【同義】てれてれ、てれんぱれん 【類義】てれっと 【対義】しかしか 【用例】「電車い…遅りょうごたあけん、テレテレしやんな」 →「電車に…遅れそうだから、ぐずぐずしないで」 |
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111 | でれでれしやんな |
【標準語】でれでれするな 【意味等】ベタベタするなよ 【用例】「新婚やけんって、そえん…人前で嫁ごとデレデレシヤンナ」 →「新婚だからって、そんなに…人前で奥さんとベタベタするなよ」 |
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112 | てれる |
【標準語】気恥ずかしく感じる 【意味等】 ①恥じ入る、恥じる ②赤面する ③恥をかく ④面目を失う ⑤見劣りする ⑥照り映える ⑦消える、かげる ⑧炭火が灰になる |
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113 | てれんぱれん ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】のろのろ 【意味等】 ①「てれてれ」に同じ ②自堕落な暮らし 《参考》定職がなくその日暮らしをている様 《用例》「お前も…よか歳やけん、テレンパレンしとらんで…結婚でもせれや」 →「お前も…いい歳なんだから、自堕落な暮らしは止めて、結婚でもしろよ」 |
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114 | てろん |
【標準語】とか 【意味等】「でえろん」に同じ 【用例】「元岡テロンいう人の、さいぜん…ああたば訪ねて来よんしゃったよ」 →「元岡とかいう人が、先程、あなたを訪ねて来ていたよ」 |
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115 | ~てん ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】~なさい 【意味等】~してごらん(少し丁寧な命令) 【参考】 ・動詞に接続してその行為を勧める言い方 ・「~てんしゃい、~てんない、~てんやい」が省略されたもの 【用例】 ・「♪見上げテン…夜の星ば…」→「♪見上げてごらん…夜の星を…」 ・「騙された思うて食べテン…」→「騙されたと思って食べてみて…」 |
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116 | ~でん ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】~でも 【意味等】「~でちゃ」に同じ |
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117 | てんから |
【標準語】頭から 【意味等】最初から、まるで 【参考】漢字で「天から」、東京弁でもある 【用例】「テンカラ…うておうちゃんなれんと」 →「まったく…相手にしてくれないんだ」 |
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118 | でんきのほや ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】電球 【意味等】電球、電気の球 【同義】でんきのほや、ほや 【参考】「でんき(電気)+ほや(火屋:ランプの光源を囲むガラス容器)」→電球 【用例】「届かんけん、ああたが…デンキノホヤば替えて」 →「届かないので、あなたが…電球を替えて」 |
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119 | でんぎりがやす |
【標準語】ひっくり返す 【意味等】「てっくりかやす」に同じ 【用例】「あの石ばデンギリガヤイテンない、ビキの冬眠しとうが」 →「あの石をひっくり返してごらん、カエルが冬眠しているよ」 |
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120 | でんきんばしら |
【標準語】電柱 【意味等】電信柱 【参考】「でんきん(電気の)+ばしら(柱)」→電柱 【用例】「台風で…デンキンバシラの折れとう」 →「台風で…電柱が折れている」 |
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121 | てんぐとり |
【標準語】手越(たごし) 【意味等】伝供取り、物を手から手へ渡し運ぶこと、バケツリレー 【関連】伝供・奠供(でんぐ、でんぐ)とは:供物を手から手へ伝えわたして仏前に供えること(仏語) |
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122 | てんぐなおし |
【標準語】整地 【意味等】田畑の高低を直す農作業 【参考】「てんぐ(天鍬:てんぐわ)?+なおし(直し)」→平鍬による農地の整地と思われる、天鍬は平鍬のことで播種前の農地の整地や開墾などに使われる |
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123 | てんぐのはな |
【標準語】ヤマイモの朔果 【意味等】 ①ヤマイモの実(朔果:さくか) 《参考》朔果とは…成熟すると心皮と同数の裂片に裂けて種子を散布する果実の一種、ヤマイモは3枚の羽根の形をしている、 ②ヤマイモの朔果を使った子供の遊び 《参考》3枚羽の朔果を鼻先につけて「天狗の鼻」になったと言って…天狗に変身する遊び |
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124 | でんぐりかえす |
【標準語】ひっくり返す 【意味等】「てっくりかやす」に同じ 【用例】「こまかばってん…強かけん、大人でっちゃ…デングリカエしきいばい」 →「ちっちゃいけど…強いので、大人でも…ひっくり返せるよ」 |
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125 | でんぐりがやす |
【標準語】ひっくり返す 【意味等】「てっくりかやす」に同じ 【用例】「証拠な揃うた…これで無罪いデングリガヤサりょうや」 →「証拠はそろった…これで無罪に覆すことができるだろう」 |
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126 | てんぐるま |
【標準語】天車、肩車、手車 【意味等】肩車、肩駒、手車 【参考】「肩車・肩駒」は乗る人に首をまたがせて両肩に腿を掛けて担ぐこと 【参考】「手車」は2人以上が差し違えに手を組んで人を乗せる、騎馬戦などで行う 【参考】肩車の語源は「肩馬・肩駒」と「天車」の混合したもの |
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127 | テンジクボタン |
【標準語】ダリア 【意味等】天竺牡丹 【参考】キク科ダリア属の多年生草本植物の総称、花の形がボタンに似ているため「天竺牡丹」と呼ばれた…夏の終りから秋の初めにかけて開花する |
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128 | てんしょうむしょう |
【標準語】むやみやたら 【意味等】無闇矢鱈、深く考えずに物事をするさま 【参考】「てんしょう(転生:環境や生活を一変させること?)+むしょう(無性:分別がないこと?)」→分別なしに一変させること、と思われる 【用例】「彼女の欲しかけんって…テンショウムショウいナンパしなんな」 →「彼女が欲しいからって…むやみやたらにナンパをするなよ」 |
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129 | テンショウバナ |
【標準語】ヤマボウシ 【意味等】山法師 【参考】ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木、実は赤い集合果で食べられ、甘く、マンゴーのような味 |
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130 | てんすい |
【標準語】雨水、雨水田 【意味等】 ①降ってくる雨水、雨が溜まった水 《用例》「今年ゃあ日照りで、堤いテンスイの…いっちょん溜まらん」 →「今年は日照りで、溜池に雨水が…ちっとも溜まらない」 ②雨水に頼る水田、水利が悪いので雨水に頼る水田 《同義》てんすい、てんすいだ 《用例》「山ん中のテンスイな、そおよ…耕作放棄地いなっとう」 →「山の中の雨水頼りの水利が悪い田んぼは、すべて…耕作放棄地になっている」 |
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131 | てんすいだ |
【標準語】雨水田 【意味等】「てんすい」②に同じ 【用例】「テンスイダな…作り手のおらんで、藪いなっしもうとう」 →「水利が悪い田は…耕作者がいなくて、藪になってしまっている」 |
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132 | てんてるやすい ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】簡単 【意味等】たやすい、易しい、きやすい、簡単 【同義】てんてるやすい、てんてれやすい、てんてろやすい 【参考】「てんてる(すごく、まるっきり)+やすい(たやすい)」→すごく簡単 【用例】「テンテルヤスカったろうが、あら…100点ばい」 →「すごく簡単だったでしょ、あれは…100点だよ」 |
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133 | てんてれやすい ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】簡単 【意味等】「てんてるやすい」に同じ 【用例】「そえん…テンテレヤスウ考えとってよかとな?知らんばい」 →「そんなに…簡単に考えていていいのかい?知らないよ」 |
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134 | てんてろやすい ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】簡単 【意味等】「てんてるやすい」に同じ 【用例】「兄ちゃんな、テンテロヤスウ…九州大学い合格しなったとやなかとばい」 →「兄ちゃんは、そんなに簡単に…九州大学に合格したんじゃないんだよ」 |
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135 | てんでん |
【標準語】多忙な状態 【意味等】やることが多くて余裕がない、多種の用務それぞれを行うため余裕がない 【類義】ばたばた 【参考】「手に手に」が転じた言葉で「個々」や「各自」の意味 【関連】てんでんする→多忙で余裕がなくなる 【用例】「旦那の両親の田舎から…あすびい出来なあけん、掃除やら、料理やら、我が着る服やら、化粧やらって、嫁ごな…朝からテンデンしよんなる」 →「旦那の両親が田舎から、遊びにくるので、掃除や料理、自分が着る服や化粧などと、奥さんは…朝からやることが多くて一杯一杯になってるよ」 |
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136 | てんてん |
【標準語】擬餌針、手毬、頭(幼児語) 【意味等】 ①釣りに使う擬餌針 《同義》てんてん、ばかし 《参考》餌になる虫などの形に似せたものに釣り針をつけたもの、餌にバカシた釣り針、漁業用語、糸島弁 ②手毬、頭 《参考》手毬唄の「♪てんてん手毬~」からきた幼児語 |
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137 | ~てんどう |
【標準語】~してみよう 【意味等】~してみよう 【同義】~てんどう、~てんのう、~てんもう、~てんろう 【参考】動詞に接続してその行為を予告や希望、また強要する言い方 ・してんどう→してみよう・しろ ・見てんどう→見てみよう・見ろ ・聞いてんどう→聞いてみよう・聞け ・食うてんどう→食ってみよう・食え 【用例】「市民まつりい…山内惠介の来とうげなけん、行っテンドウ」 →「市民まつりに…山内惠介が来ているそうだから、行ってみよう」 【用例】「文句のあるとなら…言うテンドウ」 →「文句があるんなら、言えよ」 |
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138 | てんとうさん |
【標準語】太陽 【意味等】お日様、お天道さん、「おてんとさん」に同じ |
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139 | てんとうばえ ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】自然に生えた作物、自然生 【意味等】自然に生えたり実った作物、野生の農作物 【同義】てんとうばえ、てんとうもえ、てんどうもえ 【参考】種をまかないのに自然に生えた植物、天道萌えのこと 【用例】「去年ゴーヤば植えとったが、種の落てて…えらいしこテントウバエしとう」 →「去年ゴーヤを植えていたけど、種が落ちて…すごくたくさん自然に生えている」 |
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140 | てんとうもえ ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】自然に生えた作物、自然生 【意味等】「てんとうばえ」に同じ 【用例】「あすこのサクランボな、毎年、えらい実の生るが、テントウモエやもんな」 →「あそこのサクランボは、毎年、たくさん実が生るけど、自然に生えたんものな」 |
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141 | てんどうもえ ≪詳細はこちら≫ |
【標準語】自然に生えた作物、自然生 【意味等】「てんとうばえ」に同じ 【用例】「コンポストの脇からカボチャのテンドウモエして、大きなか実の生ったと」 →「堆肥バケツの脇からカボチャが自然生えして、大きな実が生ったんだ」 |
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142 | ~てんのう |
【標準語】~してみよう 【意味等】「~てんどう」に同じ 【用例】「JAの創業祭…えらい安かけん行っテンノウ」 →「JAの創業祭…すごく安いので行ってみよう」 【用例】「なんばねらみようとや、ちょっと…こっつあい来テンノウ」 →「何を睨んでるんだ、ちょっと…こっちに来い」 |
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143 | てんのうじばな |
【標準語】外出しっぱなしの人 【意味等】外出好き、外に出たら行先不明 【参考】「てんのうじ花」とは弾け飛んだ煎り玄米のこと…ポップコーンのように弾けて焙烙から飛び出すと、行方不明になることから言う 【関連】煎り玄米を、なぜ「てんのうじ花」と言うかは不明、米菓子としての「てんのうじ花」は『子どもの四季~ 旧筑前部の生活誌2』(西義助著)に記載 |
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144 | てんば |
【標準語】上面 【意味等】 ①物の上側の面、頂上 《用例》「石垣のテンパ」→「石垣の上面」 ②桑の梢の葉 《参考》桑茶の原料になる、クワの若葉 |
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145 | でんぱちがやる |
【標準語】仰向けにひっくり返る 【意味等】仰向けにひっくり返る、顛倒する、でんぐり返る 【参考】大の字になり天を仰ぐように横たわること 【参考】語源は不明、「でん(てん:天)+はち(鉢:頭)+かやす(返す)」→天に顔を向ける。かも…?「逆さまになる、逆立ちする」の意味もある |
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146 | てんぴ |
【標準語】大きな流れ星、火球 【意味等】天火、てんか 【参考】異常に明るい流れ星や赤く燃える隕石のこと、火災をもたらす怪火とも言われる、古語で「てんぴ」や「てんか」と言う |
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147 | テンポコナシ |
【標準語】ケンポナシ 【意味等】玄圃梨、クロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉高木 【参考】枝つき干し葡萄のような実が生り、ナシのように甘い味がする 【関連】元の和名はケンボノナシ、実の形からそのように言われているらしい |
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148 | てんぽせん |
【標準語】知恵の足りない者、半人前 【意味等】少し知恵の足りない人 【参考】 天保通宝の俗称である天保銭のこと、明治時代…1銭硬貨なのに通用が8厘だったことから、少し足らない意味として使われた |
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149 | てんぽら |
【標準語】天ぷら 【意味等】天ぷら 【参考】魚や野菜を小麦粉を溶いたものを絡めて油で揚げた料理 |
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150 | ~てんもう |
【標準語】~してみよう 【意味等】「~てんどう」に同じ 【用例】「歴史い興味のあるけん、勉強ばしテンモウ」 →「歴史に興味があるので、勉強をしてみよう」 【用例】「志望校い合格したかとなら、まちっと勉強シテンモウ」 →「志望校に合格したいのなら、もうちょっと勉強しろ」 |
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151 | てんやわんや |
【標準語】大騒ぎする 【意味等】ひどく騒ぐこと、大勢の人が秩序なく動き回ってごった返すこと 【参考】関西を中心に全国で広く使われる、「てんや(てんでん:各自)+わんや(わや:無茶苦茶)」→それぞれが無茶苦茶 【用例】「昨日の宴会な、酔うてあばけるとやら…喧嘩するとやら…ぶりいなって踊るとやら…テンヤワンヤやったばい」 →「昨日の宴会は、酔って乱れる人や…喧嘩する人や…真っ裸になって踊る人など…大騒ぎだったよ」 |
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152 | ~てんろう |
【標準語】~してみよう 【意味等】「~てんどう」に同じ 【用例】「3年後いな結婚したかけん、貯金しテンロウ」 →「3年後には結婚したいので、貯金してみよう」 【用例】「3年後い結婚したかなら、まちっと貯金シテンロウ」 →「3年後に結婚したいなら、もうちょっと貯金しろ」 |