タイトル画面

■TOP画面に戻る
■「知っとう、博多・糸島弁」に戻る

「な(ナ)」の博多・糸島弁

1 ~な  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】~か、~は、~ないと、~の
【意味等】
(1) 問いかけの「~な」
《意味》~か?、~かい?、~ですか?、~なの?、~かな?
《参考》文章の末尾について、対面する相手に問い掛けるときに使う
《類義》~な?、~かいな?
《用例》「あんた…誰かいナ?」→「あんた…誰ですか?」
(2) 主語を明確にする「な」
《意味》~は、~が
《参考》主語を示す言葉で、主語に接尾して使う
《同義》~な、~なあ
《用例》「嘘ナ…言うたらいかん」→「嘘は…言っちゃダメだ」
(3) 行動を促す「~な」
《意味》~為さないと、~為さなければ
《参考》動詞に接続して、行動や行為を促す
《同義》~な、~なあ
《用例》「もう…学校い行かナ遅刻やが」→「もう…学校に行かないと遅刻だよ」
(4) 別のものを要望する「~な」
《意味》~の、~のもの
《参考》提示されたもの以外のものの提示を促すときに使う
《同義》~な(と)、~ん(と)
《用例》「お見合いな、別ナ人がよか」→「お見合いは、別の人がいい」
2 ~なあ
  【標準語】~なさる
【意味等】~される、「~する(なす)」の丁寧語
【参考】漢字で「為あ」は「為さる」のことで、「為す」の丁寧語
【同義】~なあ、~なる
【類義】~しゃあ、~しゃる、(ほぼ同義だが尊敬語でもある)
【用例】
・友達の「喧嘩やらしなんな」って言いナアけん…やめとこう
 →友達が「喧嘩なんかするなよ」って言いなさるので…やめておこう
・この頃ぁ…忙しかろうごたあ、いっつも…遅うまで仕事ばしよんナア
 →この頃は…忙しいみたいだ、いつも…遅くまで仕事をしていなさる
3 ~なあこて
  【標準語】~なければならない
【意味等】~なきゃならない、
【参考】~なあ(~なさる)+こて(ねばならない:当然義務を表わす)
【同義】~なあこて、~なあくさ、~なこて、~なくさ
【用例】
・行かナアコテ…ああたが行かなあ、なあも決まりめえもん
 →行かなくちゃいかん…あなたが行かないと、何も決まらないでしょ
・夏休みい…旅行い行きたかとなら、早よ…宿題ば終わらかさナアコテ
 →夏休みに…旅行にい行きたいんなら、早く…宿題を終わらかさなきゃ…
3 ~なあじゃこて
  【標準語】~なければならない
【意味等】「~なあこて」に同じ
【参考】~なあ(~なさる)+じゃ(である)+こて(ことだ)
【用例】「せっかく、弁当ば作っちゃっとんなあちゃけん…食わナアジャコテ」
 →「せっかく、弁当を作ってくれているのだから…食わなくちゃいけない」
4 なあす  《詳細はこちら》
  【標準語】仕舞う、治療する
【意味等】
(1)かたづけるの「なあす」
《参考》語源は古語の「直す(なほす)」で元どおりにするの意
《関連》福岡を中心に西日本の限定地域の方言なので、関東では通じない
《用例》「また、てっ散らかいて…大事なもんなっとナアイとかなあ、うさかすばい」
 →「また、散らかして…大事なものくらいは仕舞っておかないと、紛失するよ」
(2)修繕するの「なあす」
《参考》語源は(1)と同じ、「修繕する」の意味ではおおむね全国で使われている
《用例》「自分でナアシきいって、カメラば分解しよんなあが…無理、そざしなあが」
 →「自分で修繕できるって、カメラを分解してるけど…無理、壊してしまうぞ」
(3)治療するの「なあす」
《参考》語源は古語の「治す(ぢす)」で治療するの意。おおむね全国で使われている
《用例》「たまい、目の見えんごとなるって?早よ病院い行て…ナアイたがよかよ」
 →「たまに、目が見えなくなるって?早く病院に行って…治療したほうがいいよ」
【同義】なあす、なおす、なわす
【参考】「なおしわすれる」は仕舞うのをわすれる、片付けそこなうこと
《同義》なあしわすれる、なおしわすれる、なわしわすれる
5 なあも  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なにも、なんにも
【意味等】
(1) 同類の事物を一括して示す「なあも」
《意味》なにも、なにもかも
《参考》連語→代名詞「なん」+係助詞「も」
《用例》「仕事もナアモ忘れて…寝り」→「仕事も何もかも忘れて、寝なさい」
(2) 全面的に否定する場合の「なあも」
《意味》なにも、なんにも
《参考》あとに打消しの語を伴う
《用例》「おらあ…ナアモ知らんばい」→「俺は…なんにも知らないぞ」
(3) 取り立てて限定する必要もない「なあも」
《意味》なにも、別段
《参考》あとに打消しの事項を伴う
《用例》「ナアモ…直ぐいちゃ言わんが…」→「別段…直ぐにとは言わないが…」
6 なあもしよらん  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】関与していない
【意味等】何もしていない
【参考】自分の立場を有利にしたいとき、事案に絡んでいないことを主張する
【用例】「息子ば、ひきそざしなんな?…おらあ、ナアモシヨラン」
 →「息子を、悪の道に誘惑するな?…俺は、関係ないよ」
7 なあもなか  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】すっからかん
【意味等】何もない、何にもない
【参考】何もない状態、空っぽ
【同義】なあもなか、なんもかんもなか
【用例】「つまみいなるごたあたあ…なかと?冷蔵庫も戸棚も、ナアモナカ」
 →「つまみになるようなものは…ないの?冷蔵庫も戸棚も、すっからかん」
8 ~ない  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】~なさい
【意味等】~なさい(少し丁寧な命令)
【参考】
・丁寧な命令「~なさい(~なさるの命令形)」を転化した言い方
・命令の「~しろ」「~せよ」を軟らかくした「~なさいませ」の略
【同義】~ない、~なざい、~なざっせえ、~なっせ、~なっせえ
【類義】~てんない、
・「~てんない」は接続助詞「て(で)」+「なさい」がつまって転化したもの
【用例】
・仕事しナイ…稼いできナイ→仕事しなさい…稼いできなさい
・風呂い入って飯ば食べナイ→風呂に入って飯を食べなさい
・謝んナイ…で、まどいナイ→謝りなさい…そして、弁償しなさい
・うまかけん、どんどん食いナイ。騙されたと思うて…食うテンナイ
 →うまいから、どんどん食べなさい。騙されたと思って…食べてごらん
9 ないしょご
  【標準語】私生児
【意味等】隠し子
【参考】ないしょ(内緒:内々の)+こ(子ども)→隠し子
【用例】「おいさんな恋多き男やけん、不倫して…ナイショゴまでおんなあとげな」
 →「叔父さんは恋多き男なので、不倫して…隠し子までいるらしいよ」
10 ないぞめ
  【標準語】ない初め
【意味等】1月2日に男たちが新年の初仕事として縄をなうこと
【同義】ないぞめ、ないはじめ
11 ないどる
  【標準語】凪いでいる
【意味等】なぎ、風が止んで波が静まっている状況
12 ないどん
  【標準語】けれども
【意味等】しかし(前述と反対のことを述べるときの言い回し)
【参考】
・語源は古語「なれども」(断定の助動詞「なり」の已然形+接続助詞「ども」)
・主に、糸島西部から唐津~伊万里方面で使われる
【同義】ないどん、ばってん
【用例】「あの女優な、愛らしかナイドン…演技力ななかけん、すぐい消えなあばい」
 →「あの女優は、可愛いけれども…演技力がないので、すぐに消えてしまうよ」
13 ないない
  【標準語】収納する(幼児語)
【意味等】しまう、収める、取りいれる
【用例】「お年玉ば、やんしゃったとね?なら、母ちゃんがナイナイしとっちゃろう」
 →「お年玉を、頂いたのかい?じゃあ、母ちゃんがしまっておいてあげよう」
14 ないはじめ
  【標準語】ない初め
【意味等】「ないぞめ」に同じ
15 なえくばり
  【標準語】苗内(なえうち)
【意味等】田植えのときに畦に立って苗を配る役目
【参考】手作業で田植えをしていたときの役回り、主に子どもがしていた
16 なえどこ
  【標準語】苗代(なわしろ)
【意味等】イネの種(籾)をまいて苗を育てる水田、育苗田
17 なえる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】くたびれる、弱り果てる
【意味等】
(1)元気がなくなる
《意味》疲れ切る、委縮する、落胆する、腹が減って元気が出ないなど
《参考》語源は古語の「萎ゆ(なゆ)」
《同義》なえる、なゆる
《用例》「おれおれ詐欺い騙されっしもうて…もう、よっちゃり…ナエッしもうた」
 →「おれおれ詐欺に騙されてしまって…もう、がっくり…力が抜けてしまった」
(2)中風になる
《意味》突然発症する運動や言語機能の障害、中気
《参考》脳溢血や脳梗塞などによる重篤な後遺症により、健常者でなくなること
《用例》「部長の職場でたあれなって、救急車たい…退院しなったが、ナエとんなあ」
 →「部長が職場で倒れてしまって、救急車だよ…退院したけど、中風になってある」
18 なおす  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】仕舞う、治療する
【意味等】「なあす」に同じ
19 なおる
  【標準語】元に戻す
【意味等】元の良好な状態に戻したり、改めたりすること
(1)自席に戻る、指定された場所に座る・正座する
《用例》短い言い回し
・「お開きやけん、ナオッテ」→「お開きなので、自席に戻って」
・「きしゃん、そこいナオレ」→「貴様、そこに正座しろ」
(2)引っ越しする(転居する)、夫の死後にその弟と結婚する(嫂なおし)
《参考》特別な事案をさす「なおる」の意味
・転居する:引っ越し先でも良好な生活を継続できるように改めること
・嫂なおし:家系を存続させるために、夫の死後にその弟と再婚すること
 …家制度に関連する事象(戦後、戦死した夫の弟と再婚するケースがよくあった)
20 なか
  【標準語】無い
【意味等】無い、ない
【参考】「~なか」で「~ない」こと、また、否定する言い回し
【用例】短い言い回し
・「うもうも、どうもナカ」→「上手くも、どうもない」
・「よかとは、もうナカと」→「良い物は、もうないよ」
・「なかなか、ナカ」→「なかなか、無い(ことば遊び:語呂あわせ)
・「店いダイコンなある?」「ナカ」「ならハクサイな?」「魚屋やけん…ナカ」
 →「店にダイコンはある?」「ない」「じゃあハクサイは?」「魚屋だから…ない」
【関連】「なか」を使った言い回し
・「ナカっつろう」→「なかっただろ」⇔「あっつろう」→「あっただろ」
・「ナカとや」→「ないのか」⇔「あるとや」→「あるのか」
・「ナカばい」→「ないよ」⇔「あるばい」→「あるよ」
21 なかあげ
  【標準語】畝立て
【意味等】田畑を唐鋤を牛に引かせて鋤き返した後、鍬を使って畝を作ること
22 ながいてそうつく  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】言いふらす
【意味等】あちこち噂を広める、言いふらして回る
【参考】ながいて(流して:流布して)+そうつく(歩き回る)→言いふらす
【用例】「あっちの婆しゃんな…俺の悪口ばナガイテソウツキなあけん、手い合わん」
 →「あちらのお婆さんは…俺の悪口を言いふらして回るから、手に負えないよ」
23 なかうち
  【標準語】中耕
【意味等】作物の生育の途中で表土を浅く耕すこと
【参考】除草と土の通気性の改善、干ばつ対策を目的に行う農作業
24 なかうちあげ
  【標準語】中間祝い
【意味等】仕事や作業の区切りのいいときに行う、ねぎらいの宴
【参考】農業では、収穫時期の中途で行う収穫の祝いのこと
25 なかうどかかさん
  【標準語】仲人の妻
【意味等】仲人夫婦の妻のこと
【同義】なかうどかかさん、なかだちかかさん
【参考】夫の方は「なかうどととさん(なかだちととさん)」という
26 なかうどととさん
  【標準語】仲人
【意味等】仲人夫婦の夫のこと
【同義】なかうどととさん、なかだちととさん
【参考】妻の方は「なかうどかかさん(なかだちかかさん)」という
27 なかえ
  【標準語】居間
【意味等】居間(家族団らんの部屋)、台所、土間、下座敷、中座敷
【参考】語源は「仲居(なかい)」で、昔は台所や使用人の控室などをさした
【関連】現在の「仲居」は、旅館や料亭などで給仕や接待をする職業のこと
28 なかさい
  【標準語】間、中間
【意味等】
(1)中の兄(3人兄弟の2番目の兄)
(2)中間、間(物と物の間)
(3)食間(食事と食事の間)
29 ながしけ
  【標準語】長雨
【意味等】悪天候が長期間続くこと、何日も雨が降り続けること(霖雨:りんう)
【参考】なが(長い)+しけ(時化:悪天候で海が荒れること)→長期の悪天候
30 ながじり
  【標準語】トイレが長い人
【意味等】トイレが長くかかる人
【参考】「ながじり」自体は全国的に使われる言葉
・一般的には、他人の家に座り込んでなかなか帰らない、またその人のことをさす
・長く腰を下ろしたままのありさまから言う、長居、長座、ながっちり
・九州内の一部地域では、トイレが長い、長くこもる人のことも「ながじり」という
【用例】「便所から出てきなれんが…大丈夫な?」「痔の悪うして…ながじりやん」
 →「便所から出てこないけど…大丈夫なの?」「痔が悪いので…ながっちりなんだ」
31 なかず
  【標準語】中洲
【意味等】福岡市博多区にある歓楽街のある地域名
【参考】地元またはその周囲に住む年配者ら使う呼び名
【関連】福岡市中央区天神地区を「てんじんのちょう」と呼ぶが、死語になりつつある
【用例】「おいさんい…つんのうてもろうて初めとナカズい行たが…えらいよかった」
 →「おじさんに…連れてってもらって初めて中洲に行ったけど…すごくよかった」
32 なかたかゆび
  【標準語】中指
【意味等】真ん中にある一番長い指、丈高指
【参考】語源は「中指」と「丈高指」の合体したものと思われる
33 なかだち
  【標準語】仲人、月下氷人
【意味等】結婚の仲立ちをする人、媒酌人、取り持って夫婦の縁を結ばせる人
34 なかだちかかさん
  【標準語】仲人の妻
【意味等】「なこうどかかさん」に同じ
35 なかだちぐち
  【標準語】仲人口
【意味等】あてにならない褒め言葉、過ぎた褒め言葉
【参考】仲人が祝言のときに新郎新婦や両家などを褒める言葉
【用例】「よう…冷や飯からほけの出るごと言いきんなあねえ…ナカダチグチやねえ」
 →「よく…冷や飯から湯気が出るように言えるもんだ…過ぎた褒め言葉だねえ」
36 なかだちととさん
  【標準語】仲人
【意味等】「なこうどととさん」に同じ
37 なかっそ
  【標準語】泣かすぞ
【意味等】泣かせるぞ、泣くような目に遭わせるぞ
【参考】脅しの言葉、子どもが他の子を無理に服従させようとするときに使う
【用例】「おまやぁ、兄ちゃんの言うことばきかんやったら…なかっそ」
 →「お前は、お兄ちゃんの言うことに従わなかったら…泣かすぞ」
38 なかどおり
  【標準語】街道筋、中通り
【意味等】糸島では旧唐津街道沿線(今宿~周船寺~前原~加布里~深江~福吉)
39 なかとりぶね
  【標準語】漁場の運搬船
【意味等】「てぶね」に同じ、漁場運搬船、手持ちの船
【参考】漁場の漁船から魚を港へ運んで来る船
40 ながひょろい
  【標準語】細長い
【意味等】(ひものように)細長くて柔らかい
【参考】全国各地で使われる方言、「ひょろなんか」とも言う
・なが(長い)+ひょろい(体が細く弱々しい様子)
【関連】「ひょろい」は、細身の相手を馬鹿にする意味で使う
41 ナガムシ
  【標準語】ヘビ
【意味等】長虫、爬虫綱有鱗目ヘビ亜目に分類される爬虫類の総称
【参考】ヘビの異称、東京弁でも「ナガムシ」は、ヘビのことを言う
42 なかもち
  【標準語】中間植え
【意味等】田植えのとき、苗を田植え綱から離して中間に植える手法
43 なかよこい
  【標準語】中休み
【意味等】仕事の途中で休むこと、田植え終了後の休日
【参考】なか(中)+よこい(休み)、「よこい」は「憩い:憩うこと、休むこと」
44 ~なからなあ
  【標準語】~でなければ
【意味等】~であらねば
【参考】なから(なかる:物事がその状態である)+なあ(あらねば)
【用例】「1回分500円もする入浴剤やけん、値段がとの効果な…なからなあいかん」
 →「1回分500円もする入浴剤だから、値段に相応する効果が…あらねばならない」
45 ながれがわ
  【標準語】洗い場、流れのある川
【意味等】(1)清流に設けられた洗い場、(2)小さな流れ、(3)流れが枯れない大き目の川
46 ながれかんじょう
  【標準語】流れ灌頂
【意味等】水死した人(無縁仏など)に修される供養(施餓鬼供養)
47 ながれる
  【標準語】流失する
【意味等】
(1)田畑が洪水などで崩れること、流されること
《用例》「大雨で、田んぼなナガレっしもうて、畑も大きゅうたつのうっとう」
 →「大雨で、田んぼは洪水で流されてしまって、畑も大きく崩れている」
(2)キノコの食べごろが過ぎてしまってドロドロになること
《用例》「冷蔵庫の奥いあるとば、忘れっとった…エノキのナガレテ腐っしもうとう」
 →「冷蔵庫の奥にあるのを、忘れていた…エノキがドロドロに腐ってしまっている」
48 ナギ
  【標準語】コナギ
【意味等】小菜葱、ツユクサ目ミズアオイ科ミズアオイ属の一年性の水田雑草
49 なきべす
  【標準語】泣き虫
【意味等】ちょっとしたことにもすぐ泣く人、よく泣く人
【参考】なき(泣き)+べす(べそ:子どもが泣くときの表情~「べそをかく」)
【同義】なきべす、なきべそ、なきみそ
【用例】「お前の弟な、ナキベスやねえ…」「今度、弟ば泣かいたら…くらするぞ」
 →「お前の弟は、泣き虫だねえ…」「今度、弟を泣かせたら…ぶん殴るぞ」
50 なきべそ
  【標準語】泣き虫
【意味等】「なきべす」に同じ
51 なきみそ
  【標準語】泣き虫
【意味等】「なきべす」に同じ
52 なきり
  【標準語】菜切り包丁
【意味等】薄刃包丁、先の尖っていない刃が薄い包丁
【参考】もっぱら、野菜を切るのに使う包丁
53 なぐれ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】放蕩、放浪、落ちぶれ
【意味等】
(1)お祭りなどの翌日についでに休むこと、放蕩
(2)目的をそれる、目的を達成後に別の事へ向かうこと、放浪
(3)なれのはて、落ちぶれ
【参考】「なぐれる」は動詞で「なぐれ」の状態になること
【関連】「なぐれもん」→身を持ち崩した者
54 なぐれもん  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】身を持ち崩した者
【意味等】放蕩者、放浪者、道楽者、浮浪者、身を持ち崩した者、落ちぶれた者
【参考】なぐれ(放蕩、放浪、落ちぶれ)+もん(者)
【用例】「コロナ禍い職は失うて…就職もでけんで、ナグレモンのごたあ生活ですと」
 →「コロナ禍に職を失って…就職もできずにいて、浮浪者のような生活なんです」
55 なぐれる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】放蕩する
【意味等】
(1)放蕩するの「なぐれる」
《意味》遊びほうける、仕事もせず遊びに夢中になる、身を持ち崩す
《用例》「ああたの亭主、仕事もせんで中洲通い…ナグレトウごたるが大丈夫かと?」
 →「あなたの夫、仕事もせずに中洲通い…放蕩しているようだけど大丈夫なの?」
(2)放浪するの「なぐれる」
《意味》道草を食う、道を外れる、横道にそれた行動をとる
《用例》「医学部い行きなったが、麻雀い狂うて…ナグレテ、今は博徒やもん」
 →「医学部に行ったんだけど、麻雀に狂って…道を外れて、今は博徒なんだよ」
(3)落ちぶれるの「なぐれる」
《意味》仕事にあぶれる、売れ残る、落ちぶれる、失敗続きで手も足も出なくなる
《用例》「昔な名士やったが、戦後の農地改革で…財産ば失うて…ナグレタとげな」
 →「昔は名士だったけど、戦後の農地改革で…財産を失って…落ちぶれたそうだ」
56 なげあし  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】とばっちり、ことのついで
【意味等】
(1)とばっちりの「なげあし」
《意味》他人の行為などで迷惑を受けること、相撲する人の足が傍の者に触れること
《参考》側杖(自分と関係のないことのために被害を受ける)のこと
《用例》「取引先の不渡りば出しなって…そのナゲアシで、売掛金なパアたい」
 →「取引先が不渡りを出しちゃって…そのとばっちりで、売掛金が入ってこない」
(2)ことのついての「なげあし」
《意味》お出かけのに人を訪れること、宴会の帰りなどでどこかへ立ち寄ること
《参考》本来の目的のついで、またその流れで目的地以外の場所に立ち寄ること
《用例》「てんじんのちょうのホテルで祝儀のあって、ナゲアシで2次会な…なかず」
 →「天神のホテルで結婚披露宴があって、その流れで2次会は…中洲」
57 なけなしのもん
  【標準語】わずかなもの
【意味等】少ししかないもの、ほとんどない貴重なもの
【用例】「山で遭難したら、飴玉いっちょっちゃあ…命ばつなぐナケナシノモンたい」
 →「山で遭難したら、飴玉1粒でも…命をつなぐわずかな貴重品だよ」
58 なこうごとある
  【標準語】泣きそうになる
【意味等】泣きたくなる
【参考】事象+「~ごとある」は、その事象をしたい、なりたいという言いまわし
≪関連≫「~ごとある」は「~ようだ・~そうだ」の意味、「~ごたる」に同じ
≪用例≫短い言い回し
・便所い行こうごとある→便所に行きたくなる
・ま一回、見ろうごたあ→もう1回、見たくなる
・あれば、くらそうごたる→あいつを、殴りたくなる
【用例】
・ジブリの「火垂るの墓」ば観たら、オープニングからナコウゴトアル
 →ジブリの「火垂るの墓」を観たら、オープニングから泣きそうになる
・あすびい行くとい、親い金ばせびるな…働きやい。お前ば見とったらナコウゴタア
 →遊びに行くのに、親に金をねだるな…働け。お前を見てたら泣きたくなるよ
59 なごうなす  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】叩きのめす
【意味等】起き上がれないほどの暴力を加える、気絶させる
【参考】「なごうなる」は横になるの意、「立ち上がれなくしてやる」という喧嘩言葉
【用例】「きしゃん…のぼしかえるな。逆ろうたら、だごいないてナゴウナイちゃあ」
 →「貴様…横着だぞ。逆らったら、ボコボコにして叩きのめしてやる」
60 なごうなる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】横になる、長引く
【意味等】
(1)横になる「なごうなる」
《意味》寝そべって休むこと、横たわること、療養などで床につくこと
《参考》なごう(長く:体を横たえる)+なる(させる)→休憩・休養する
《関連》「なごうなす」は「立ち上がれなくしてやる」という脅し文句
・なごう(長く:体を横たえる)+なす(してやる)→ぶっ倒してやる
《用例》「疲れとりますけん、すんまっせんばってん…ちょっとナゴウナッテこう」
 →「疲れているので、すみませんけれども…少し横になってきます」
(2)長引くの「なごうなる」
《意味》時間が長くかかること、手間取ること、長引くこと
《参考》なごう(長く:長時間)+なる(なる)→長時間になる
《用例》「あっちの婆しゃんな、話好きやけん…会うたら、立ち話でナゴウナル」
 →「あちらのお婆ちゃんは、話好きなので…会ったら、立ち話で時間が長くなる」
61 ~なさあ 
  【標準語】~なさる
【意味等】~される、「~する」の敬語
【参考】漢字で「為ざす」は「為さる」のことで、「為す」の敬語
【同義】~なさあ、~なざす、~なざる、~しゃあ、~しゃる
【対義】~なさんな→~されるな
【用例】
・社長の「したらいかん」って言いつけとんナサアけん…でけまっせん
 →社長が「やっちゃ駄目だ」と言いつけてありますので…できません
・店長な仕事熱心やけん、一番早う来て…一番遅う帰んナサア
 →店長は仕事熱心なので、一番早く来て…一番遅く帰りなさる
62 ~なざい  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】~なさい
【意味等】「~ない」に同じ
63 ~なざす
  【標準語】~なさる
【意味等】「~なさあ」に同じ
64 ~なざる
  【標準語】~なさる
【意味等】「~なさあ」に同じ
65 ~なされん
  【標準語】~なされない
【意味等】為さることを否定する、~なされない、「為れん」の敬語
【同義】~なされん、~んしゃれん、
【対義】~なされる→~される
【用例】
・PTAの役員決めの会議やが、糸島さんな行きナサレンがなが…あんた、どげんする?
 →PTAの役員選考会議たけど、糸島さんは行かれないそうだが…あんた、どうする?
・支店ば閉めらなあ、倒産するかもしれんとい…社長の決断しきんナサレン
 →支店を閉じないと、倒産するかもしれないのに…社長が決断をすることができない
66 ~なさろう
  【標準語】~なさるだろう
【意味等】「~される」の推量形、「~さろう」の敬語
【同義】~なさろう、~んしゃろう
【関連】対義語になると「~なされんめえ」や「~んしゃれんめえ」と表現する
【用例】「何かあったら電話ばしナサロウけん、そんときゃあ…手伝いい行っちゃり」
 →「何かあったら電話路されるだろうから、その時は…手伝いに行ってちょうだい」
67 ~なさんな
  【標準語】~なさるな
【意味等】為さることを止めること、~なされるな、「為すな」の敬語
【同義】~なさるな、~なさんな、~しゃんな、~しゃるな、
【対義】~なさる→~される
【用例】
・社長…経営なチャレンジですばい、やりまっしょう…失敗の事やら考えナサンナ
 →社長…経営はチャレンジですよ、やりましょう…失敗の事なんて考えなさるな
・こえな夜中い、どこい出掛けようと?行きナサンナ…あえな男と付き合いナサンナ
 →こんな夜中に、そこに出かけるの?行きなさるな…あんな男と付き合いなさるな
68 なし  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なぜ
【意味等】どうして、何故
【参考】「なし」は「なして」のことで「な(なぜ?)+して(どうして?)」
【同義】なし、なしけ、なして、なしな
【用例】「ナシ、俺いだけ優しかと?」「俺ば、好いとうと?ナシなあ…?」
 →「なぜ、俺にだけ優しいのかい?」「俺が、好きなのかい?どうしてなの…?」
69 なしけ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なぜ
【意味等】{なし」に同じ
70 なして  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なぜ
【意味等】{なし」に同じ
71 なしな  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なぜ
【意味等】{なし」に同じ
72 ~なす
  【標準語】~する
【意味等】為すこと、~する
【対義】~なすな→~するな
【用例】「そぜた扇風機ばようナスけん、工具ば持ってきちゃんない」
 →「故障した扇風機を修理するので、工具を持ってきてください」
73 なすくりつくる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なすりつける
【意味等】
(1)擦りつけるの「なすくりつくる」
《意味》こすりつける、すりつける、塗りつける
《参考》なすくる(なする→軽くこする)+つくる(つける)
《用例》「だめしか…いんのあぽば踏んだけんって、うちの塀いナスクリツケなんな」
 →「汚い…犬のウンチを踏んだからって、我が家の塀にこすりつけないで」
(2)転嫁するの「なすくりつくる」
《意味》罪や責任を他に転嫁する、他人に罪や責任を押しつける
《用例》「部長な腹の黒か…成功な我が手柄、失敗な部下い責任ばナスクルツケなる」
 →「部長は腹黒い…成功は自分の手柄、失敗は部下に責任をなすりつけるんだ」
74 ~なすな
  【標準語】~するな
【意味等】為すことを止めること、~するな
【同義】~なすな、~なんな
【対義】~なす→~する
【用例】「そえん笑いナスナ…うちいとったら、笑い事やなかとですばい」
 →「そんなに笑わないでよ…私にとっては、笑い事じゃないんですよ」
75 ナスビ
  【標準語】ナス
【意味等】茄子、インド原産のナス科ナス属の植物及びその果実
76 なずる
  【標準語】撫でる
【意味等】さする、櫛で髪を軽くさばくこと
【参考】手や指で優しくさすること、物や風が軽く触れること、櫛を入れること
【同義】なずる、なぜる
【用例】「お前んがたのいんな好か~ん…頭ばナゼタら、食いついてきたとぜ」
 →「お前んちの犬は嫌いだ…頭を撫でたら、咬みついてきたんだぞ」
77 なぜる
  【標準語】撫でる
【意味等】「なずる」に同じ
78 ナタネ
  【標準語】アブラナ
【意味等】油菜、アブラナ科アブラナ属の二年生植物及びその種子
【参考】菜の花の種子、種子を搾り油をとる、品種としての「ナタネ」も存在する
79 なっせ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】~なさい
【意味等】「~ない」に同じ
80 なっせえ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】~なさい
【意味等】「~ない」に同じ
81 なっと
  【標準語】~でも
【意味等】~でも、~など
【類義】~ばし
《用例》「顔バシ洗うて出直してきない」→「顔でも洗って出直してこい」
【関連】「なっと」を使った言葉:なんなっと→何でも、何かしら
《用例》「朝から食うとらんなら…ひもじかろう、なんなっと食うていきない」
 →「朝から食べてないなら…ひもじいだろう、何かしら食べていきなさい」
【用例】「じーっと待っとくとも…やおいかん、漫画ナット読んでよかろ」
 →「じっと待っているのも…大変だ、漫画でも読んでいいだろ」
82 なっとくのいかん
  【標準語】承知できない
【意味等】納得ができない
【参考】なっとく(納得)+の(が)+いかん(いかない)
【用例】「なして、うちだけ休業補償の出らんとな…おらあナットクノイカン」
 →「どうして、うちだけ休業補償が出ないんだい…俺は納得ができない」
83 ナバ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】キノコ、マツタケ、シイタケ
【意味等】きのこ類の総称、特定の菌類の大型の子実体や担子器果そのものの俗称
【参考】雨傘が大風で上側に反り返った状態を「なばいなる:きのこになる」という
【用例】「食わるる思うて摘んだが、暗か所で光るけん調べたんだあ、毒ナバやった」
 →「食べられると思って摘んだけど、暗がりで光るので調べたら、毒キノコでした」
84 なべすけ
  【標準語】鍋敷き
【意味等】鍋や釜、土瓶などの下に敷くもの
【参考】なべ(鍋)+すけ(すける→受ける、敷く)
【用例】「この鍋な熱かけん、テーブルい直い置かんでよ…ナベスケば敷くとばい」
 →「この鍋は熱いので、テーブルに直接に置かないでよ…鍋敷きを敷くんだよ」
85 なま
  【標準語】刺身
【意味等】御造り
【参考】生魚の身を薄く切ってワサビと醤油をつけて食べる料理
【用例】「釣ったいうて、おきなかサバばもろうたけん、ナマばごまサバで食おうえ」
 →「釣ったと言って、大きなサバをいただいたので、刺身をごまサバで食べようよ」
86 なまあせ
  【標準語】脂汗
【意味等】生汗のこと、苦しいときに出る、ねちねちした不健康な汗
【参考】急病や激痛、過度のストレスなどにさらされたときに吹き出す汗
【用例】「急い真っ蒼いなって、ナマアセの出ようが…具合の悪かっちゃなかと?」
 →「急に真っ蒼になって、脂汗が出ているけど…具合が悪いんじゃないの?」
87 なまいし
  【標準語】石炭
【意味等】地質時代の植物が地下に埋没し炭化した鉱物、燃料使用する
【参考】まだ燃やしていない石なので生石
【同義】いしずみ、いわずみ、なまいし、なまずみ
88 なまくら
  【標準語】怠け者
【意味等】
(1)怠けて使いものにならない人、よく怠る技量の足らない人
(2)いい加減な嘘、ごまかし
【参考】漢字で「鈍ら」、京ことばの「なまくら→無精者」が元と思われる
89 なましい
  【標準語】生っぽい、生乾き
【意味等】
(1)食材によく火が通っていない状態、生っぽい料理
《用例》「豚肉やけん、よおと焼かなぁ…ナマシイとば食いよったら、腹のせくばい」
 →「豚肉だから、よく焼かなきゃ…生っぽいのを食ってたら、お腹を壊すぞ」
(2)生乾き、生枯れ、乾燥が不十分
《用例》「長雨で、いっちょも乾かん…洗濯もんのナマシュウして、臭うなっとう」
 →「長雨で、ちっとも乾かない…洗濯物が生乾きで、臭くなっている」
【参考】なまし(生)+い(形容を表す)→生っぽいを表す形容詞
【同義】なましい、なましか
90 なましか
  【標準語】生っぽい、生乾き
【意味等】「なましい」に同じ
91 なまずみ
  【標準語】石炭
【意味等】「なまいし」に同じ
92 なまねいり
  【標準語】立ち消え
【意味等】中途で活気がなくなること
【参考】なま(半ら(なから)→中途)+ねいる(寝入る→活気がなくなる)と類推
【用例】「ここいリゾートホテルのでけるってやったが…ナマネイリいなったと?」
 →「ここにリゾートホテルが建つってだったけど…立ち消えになったの?」
93 なまはんじゃく
  【標準語】生半可(なまはんか)
【意味等】中途半端、生半尺
【参考】なま(半ら(なから)→中途)+はんじゃく(半尺(一尺未満)→半端)と類推
【用例】「養生テープ?そえな…ナマハンジャッカ修繕でよかと?すぐ、そぜるばい」
 →「養生テープ?そんな…生半可な修繕でいいの?すぐ、壊れちゃうよ」
94 なまのくさけ
  【標準語】なまぐさもの
【意味等】魚肉や肉など動物性の食物、神事の供物にする鮮魚
【参考】なまの(生の)+くさけ(臭気→匂がある)→動物性の食材:肉や魚
【用例】「初七日のしまゆるまで、ナマノクサケな食うたらいかんとげな」
 →「初七日が終わるまで、肉や魚は食べちゃいけないんだって」
95 なみだんしこ
  【標準語】極少量
【意味等】雀の涙、極めてわずかな分量
【同義】なみだんしこ、はなくそんしこ
【参考】なみだん(涙1粒ほど)+しこ(だけ)
【用例】「直売所い野菜ば出しようが、儲かりような?」「ナミダンシコたい」
 →「直売所に野菜を出しているけど、儲かってる?」「ほんのわずかだよ」
96 なめずりやい  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】接吻、キス
【意味等】相互に舌で唇を舐めまわすこと、異性の身体の一部に唇で触れること
【参考】なめずり(舐めずり→唇を舐めまわす)+やい(合い)
【用例】「キスばしょう」「いやらっさ…ナメズリヤイやらせん…うらんしか」
 →「キスをしよう」「いやらしい…互いに唇を舐めまわすなんてしない…不潔よ」
97 ならす
  【標準語】布を打つ
【意味等】糊づけした布を砧で打って皴を伸ばし、柔らかくすること
【参考】「ならす」は「均す」、糊づけした生地の強張りを均一化させること
98 ならべたくる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】並べ立てる
【意味等】言い立てる、並べるように次々と言い立てる、あれやこれやと盛んに言う
【参考】ならべ(並べる)+たくる(盛んに行う)→盛んに並べ上げて言う
【関連】「たくる」は 動詞の連用形について「荒々しく事を行う」意味となる
【用例】「嫁ごな…喧嘩いなったら、昔の事ばナラベタクンなるけん…手い合わん」
 →「妻は…喧嘩になったら、昔の事を次々と言い立ててくるので…手に負えない」
99 ~ならん
  【標準語】~ならない
【意味等】為さなければならない
【同義】~ならん、~いかん
【用例】「おらあ祭のスタッフやけん、会場準備い…朝の5時いな行かなナラン」
 →「俺は祭のスタッフだから、会場準備に…朝の5時には行かなければならない」
100 なり
  【標準語】まま
【意味等】他の事をせずにいる状況、また、そのような状態が継続している状況
【用例】短い言い回し
・電気の点いたナリいなっとう→電気が点いたままになっている
・作業中やけん、そんナリいしとき→作業中なので、そのままにしてて
・パジャマい着替えんナリい寝た→パジャマに着替えないまま寝た
101 なりき
  【標準語】果樹
【意味等】果物などがなる樹木
【参考】なり(生る)+き(木)→カキやリンゴ、ミカンなど果物が生る木
【関連】なりくだもん→木に生る果物(カキやリンゴ、ミカンなど)
【用例】「庭い、いろいろナリキば植えとうけん…なりくだもんな、あんまと買わん」
 →「庭に、いろんな果樹を植えているので…木に生る果実は、あまり買わない」
102 なりくだもん
  【標準語】木に生る果物
【意味等】カキやリンゴ、ミカンなど果樹に生る果物
【参考】イチゴやスイカ、メロンなどの野菜系(一年生)の果物は除く
【用例】「ミカンいカキ、リンゴ…秋いなったらナリクダモンのおいしゅうなるね」
 →「ミカンにカキ、リンゴ…秋になったら木に生る果物が美味しくなるね」
103 なりこ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】風体、頭の形
【意味等】
(1)姿、なりふり、外見、見かけ、外から見た様子、外観
(2)頭の形
【同義】なりこ、なりこう
【関連】「なりこ」を使った言葉
(1)なりこのよか→格好がいい、頭の形がいい
(2)なりこのわるか→みすぼらしい、頭の形がわるい
【用例】「彼氏のでけたげなが…どえなナリコ?今度、父ちゃんに会わせない」
 →「彼氏ができたそうだけど…どんな風体だい?今度、お父さんに会わせろよ」
104 なりこう  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】風体、頭の形
【意味等】「なりこ」に同じ
【用例】「男な中身ばい、ナリコウい騙されんとばい」「父ちゃん、しゃあしかなあ」
 →「男は中身だよ、外見に騙されないようにしろよ」「父ちゃん、うっせーわ」
105 なりこのよか  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】格好いい、頭の形がいい
【意味等】見かけがいい、姿かたちが良い
【関連】坊主頭になったときや赤ちゃんを見せられたときの褒め言葉
【用例】
・あのお寺の住職な…ナリコノヨカ。貫禄のあって、説教も説得力のある
 →あのお寺の住職は…頭の形がいい。貫禄があって、説教も説得力がある
・あの店員なナリコノヨカけん、ここんにきの…おばしゃんたちの人気もんたい
 →あの店員はかっこいいので、この辺の…小母さま方の人気者だよ
106 なりこのわるか  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】みすぼらしい、頭の形がわるい
【意味等】見かけが悪い、服装がダサい
【用例】
・おらあ絶壁やけんナリコノワルカが、あんたあ…おっぱんやけん、ごっすんやねえ
 →俺は後頭部が平らなので頭の形が悪いが、あなたは…顔が平たいので、互角だね
・あの人なナリコノワルカばってん、実業家やけん…えらいぜん持ちさんやが
 →あの人はみすぼらしい風体だけど、実業家なので…すごいお金持ちなんだよ
107 なりさがる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】すがりつく
【意味等】すがりつく、生計を頼る、扶養する
【参考】主に経済的に身をゆだねること、想定外の扶養を行うことをいう
【類義】なんかかる
【用例】「姉さんの離婚で帰って来て、甥と姪の3人…俺いナリサガットんなあと」
 →「姉さんが離婚して帰って来て、甥と姪の3人…俺に扶養されているんだ」
108 ~なる
  【標準語】~なさる
【意味等】「~なあ」に同じ
109 なるぎ
  【標準語】坑木
【意味等】炭鉱などの坑道で支柱や梁に使われる木材、「なるぎ」は小さめの坑木
110 なるへそ
  【標準語】なるほど
【意味等】なるほどの俗語、全国的に使われる方言だった
【参考】なるほどの「ほど」は囲炉裏の火床のこと、中央が窪んだ形状なので「ほぞ(へそ)」と言われ「なるほぞ」が「なるへそ」になったという説もある
111 なれる
  【標準語】漬かる
【意味等】漬物や味噌が食べごろになること、熟成すること
【参考】漢字で書くと「熟れる」、なれ寿司の「なれ」と同じ
【用例】「ハクサイの漬けもんば食わん?ちょうどナレテ…うもうなっとうばい
 →「ハクサイの漬物を食わないかい?ちょうど漬かって…旨くなっているよ
112 ~なれん
  【標準語】~ない
【意味等】為すことを否定する、~なさない、為れん
【同義】~なれん、~しゃれん、
【対義】~なる(~なあ)→~さす
【用例】
・PTAの会長ば依頼したっちゃよかが…あらあ、ぜんにならんこたあ…しナレン
 →PTAの会長を依頼してもいいけど…あいつは、金にならんことは…しない
・「爺ちゃん、起きてきナレンが…死んどんナレンめえね」「俺な、まーだ生きとう」
 →「爺ちゃん、起きてこないけど…死んでないだろうな」「俺は、まーだ生きてる」
113 ~なろう
  【標準語】~するだろう
【意味等】「~する」の推量形
【同義】~なろう、~なろうや、~んしゃろう、~んしゃろうや
【関連】対義語になると「~なれんめえ。んしゃれんめえ」という表現になる
【用例】「今夜、試験勉強で遅うまで起きとんナロウけん…夜食ば食べンシャロウや」
 →「今夜、試験勉強で遅くまで起きているだろうから…夜食を食べるだろう」
114 なわす  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】仕舞う、治療する
【意味等】「なあす」に同じ
115 なわひとりまえ
  【標準語】1人が1日でなえる縄の量
【意味等】縄2巻と小縄1巻、熟練の農家が1日でなう縄の量
【参考】漢字で書くと「縄一人前」、「いちにんまえ」ではなく「ひとりまえ」
116 なんか
  【標準語】長い
【意味等】長いこと
【関連】「長ひょろい(柔らかくて細長い)」ことは「ひょろなんか」という
【用例】短い言い回し
・「ニシキヘビなえらいナンカ」→「ニシキヘビはすごく長い」
・「校長先生の話なナンカばい」→「校長先生の話は長いんだ」
・「夏いなったや…陽のナンカ」→「夏になったな…陽が長い」

117

 

なんかかる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】もたれかかる、頼る
【意味等】
(1)もたれかかるの「なんかかる」
《意味》よりかかる、もたれかかる
《参考》柱や壁などに身体の重みを預けること
《同義》うっかかる、なんかかる、よっかかる
《用例》「キスばしょう…言うてナンカカッテきなるけん、えずうなって…逃げた」
 「キスをしよう…と言ってもたれかかってこられたので、怖くなって…逃げた」
(2)頼るの「なんかかる」
《意味》自立せず他に頼る、甘えて頼る
《参考》生計を他人に頼ること、責任や役割を他人に頼ること
《類義》なりさがる
《用例》「ほんなこたあ、俺の仕事ばってん…ああたいナンカカッテ、すんまっせん」
 →「本来なら、俺の仕事なんだけど…あなたに甘えて頼って、すみません」
【参考】なん(投げ(身体の重みを預ける:もたれる))+かかる(かかる)
【類義】なんかける、なんかくる
《意味》もたせかける、立てかける、寄せかける、投げかける
《参考》もたれかけさせる行為、ものをもたせかける行為
《用例》「屋根い梯子ばナンカケタが…軒下い蜂の巣のあって、刺されっしもうた」
 →「屋根に梯子を立てかけたが…軒下に蜂の巣があって、刺されてしまった]
118 なんかくる  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】もたせかける
【意味等】もたせかける、立てかける、寄せかける、投げつける
【参考】物などを「なんかけさせる」行為
【同義】なんかくる、なんかける、投げつけるの場合は「てっかける、こっかける」
【用例】「傘ば…そんかとこいナンカケンで、傘立てい立てちゃらっちゃれん」
 →「傘は…そんな所に立てかけずに、傘立てに立ててもらえませんか」
119 なんかかんか  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なにやかや
【意味等】あれこれ、なんだかんだ
【同義】なんかかんか、なんたらかんたら、なんつかんつ、なんてろかんてろ
【参考】「何や彼や(なにやかや)」の音変異
【用例】「野党のナンカカンカ言うてこうばってん、この法律な強行採決で通す」
 →「野党が何やかやと言ってくるだろうが、この法律は強行採決で通す」
120 なんかける  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】もたせかける
【意味等】「なんかくる」に同じ
【用例】「いかん、いくら喧嘩って言うたっちゃあ、石ばナンカケルたあ反則やが」
 →「駄目だよ、いくら喧嘩だと言ったって、石を投げつけるのは反則だよ」
121 なんかなし  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】ともかく、なんとなく
【意味等】
(1)ともかくの「なんかなし」
《意味》とにかく、いずれにしても
《同義》なかなし、なんかなし
《参考》何かあったとしても何もなかったとととしてという意味
《用例》「よかけん…来ちゃり、忙しかろうばってん、ナンカナシ来ない」
 →「いいから…来てちょうだい、忙しいでしょうが、とにかく来て」
(2)なんとなくの「なんかなし」
《意味》なんとなく、何とはなしに
《参考》何も意味はなく、何も考えがなくという意味
《用例》「行かんのき…ナンカナシ、悪かことの起ころうごたあ気のすると」
 →「行かないで…何となく、悪いことが起こりそうな気がするの」
122 なんがもんか  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なんだと
【意味等】そんなことあるものか(相手の言葉を否定する言い方)
【参考】何もあるものかの意味
【同義】なんがもんか、なんがやあ
【用例】「ナンガモンカ…カンニングやらしとらん、勉強したけん100点満点たい」
 →「なんだと…カンニングなんてしてないぞ、勉強したので100点満点だよ」
123 なんがやあ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なんだと
【意味等】何のことでしょう(相手の言葉を否定する言い方)
【参考】何のことでしょうの意味
【同義】なんがもんか、なんがや、なんきゃあ、なんけ、なんや
《参考》「なんきゃあ」は、ほぼ喧嘩ごしの言い方
【用例】「ナンガヤア…おらあ盗うどらん、お前がなあし忘れて…うさかいたちゃろ」
 →「なんだと…おらあ盗んじゃいない、おまえがしまい忘れて…紛失したんだろ」
124 なんきゃあ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なんだと
【意味等】「なんがやあ」に同じ
【参考】ほぼ、喧嘩ごしの言い方
【用例】「ナンキャア…文句のあるとなら言うてんれ」
 →「なんだと…文句があるなら言ってみろ
125 ナンキンマメ
  【標準語】ラッカセイ、フジマメ
【意味等】南京豆
(1)ラッカセイ
《意味》落花生、ピーナッツ、マメ亜科ラッカセイ属の一年草
(2)フジマメ
《意味》藤豆、マメ亜科フジマメ属に属するつる性の植物
126 なんけ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なんだと
【意味等】「なんがやあ」に同じ
【参考】ほぼ、喧嘩ごしの言い方
【用例】「ナンケ、もう…しかかってきっきらんとや?しゃばかねえ」
 →「何だって、もう…戦いを挑んでこれないのか?弱虫だねぇ」
127 なんごといいよるけ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】何を言っているのだ
【意味等】何をたわごとを言っている
【参考】なんごと(何事を)+いいよる(言っている)+とけ(のだ)
【同義】なんごといいよるとけ、なんばこきよるとけ
【用例】「示談したとい、今のういなって…慰謝料ば払えやらナンゴトイイヨルトケ」
 →「示談したのに、今頃になって…慰謝料を払えなんて何をたわごとを言っている」
128 なんごと  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なにごと、なんで
【意味等】何事、何用、なんで、なぜ(非難する言い方)
【参考】なん(何)+ごと(事)、非難や問題視するニュアンスもある
【用例】「明日あ実力テストのあるとい、ナンゴト遅うまでゲームばしよるとな」
 →「明日は実力テストがあるのに、なんで遅くまでゲームをしているんだ」
129 なんごとな  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】どうしたんだい
【意味等】何かあったのかい、何か用かい
【参考】なん(何)+ごと(事)+な(ですか:問いかける言い方)
【用例】「小学校い、えらいしこパトカーのおるがナンゴトナ?…交通安全教室な」
 →「小学校に、たくさんパトカーがいるけど何かあったの?…交通安全教室かい」
130 なんこむ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】投げ込む
【意味等】投げ込む、投げ入れる
【参考】なん(投げる)+こむ(入れる)
【用例】「夜、洗濯ばするけん…体操服やら汚れとう服な、洗濯機いナンコンどき」
 →「夜、洗濯をするので…体操服や汚れている服は、洗濯機に投げ込んでおいて」
131 なんじょう
  【標準語】杵
【意味等】餅をつく杵
【参考】山口弁、福岡県北部の一部地域でも使われる
132 なんだいかぶる
  【標準語】難癖をつけられる
【意味等】無法な言いがかりをつけられる
【参考】なんだい(難題:無理な要求)+かぶる(被る)
【用例】「苦情受付の担当いなって…毎日ナンダイカブルけん、ストレスのたまるや」
 →「苦情受付の担当になって…毎日、難癖をつけられるので、ストレスがたまるよ」
133 なんたらかんたら  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なにやかや
【意味等】「なんかかんか」に同じ
【用例】「初めと引っ越ししたが、ナンタラカンタラ手続きのあって…やおいかん」
 →「初めて引っ越しをしたけど、何やかやと手続きがあって…大変だ」
134 なんちゃあ
  【標準語】何でも、何かといえば
【意味等】何でも、どれでも
【同義】なんちゃあ、なんでちゃあ、なんでん
【用例】
・あんたの子どもな…好き嫌いせんで、ナンチャア食うね…丸々しとう
 →あんたの子どもは…好き嫌いせずに、何でも食べるね…丸々してる
・ああたの話なナンチャア、ぜんのことばっかしやねえ…ぜんの亡者のごたあが
 →あなたの話は何かといえば、お金のことばかりだねぇ…守銭奴みたいだよ
135 なんちゅう
  【標準語】なんたる
【意味等】なんという、どうした
【参考】なん(何)+ちゅう(と言う(音変異))
【関連】「なんちゅう」を使った言葉:なんちゅうことかい(何という馬鹿なことを)
【用例】「ナンチュウざまな…いっちょん働かんで、ぶらぶらしてくさ」
 →「なんたるあり様だ…ちっとも働かず、ぶらぶらしやがって」
136 なんちゅうことかい
  【標準語】何ということだ
【意味等】何という馬鹿なことを
【参考】なんちゅう(なんたる)+こと(事)+かい(なのか)
【用例】「浮気相手い子供んでけて、ナンチュウコトカイ…嫁い捨てられて当然たい」
 →「浮気相手に子供ができて、何という馬鹿なことを…嫁に捨てられて当然だよ」
137 なんつかんつ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なにやかや
【意味等】「なんかかんか」に同じ
【用例】「独り暮らしばするとい、家電ばナンツカンツ買うたら…ぜんののうなった」
 →「独り暮らしをするのに、家電を何やかやと買ったら…お金が無くなっちゃった」
138 なんて  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なんだって、なんだと
【意味等】何、何を、何だって、何だと
(1)なんだっての「なんて」
《意味》何?、何だって?
《参考》問い返したりするときに発する言葉、何て言ったの?
《用例》「ナンテ?ナンテ言うた?洗濯機のうるそうして…よおと、聞こえんやった」
 →「なに?なんと言った?洗濯機がうるさくて…よく、聞こえなかった」
(2)なんだとの「なんて」
《意味》何を、何だと
《参考》相手の言葉をとがめたりするときに発する言葉
《用例》「ナンテ、ああたの浮気したとな…あたしのせいって…なんごと言いよるけ」
 →「なんだと、あなたが浮気したのは…私のせいだって…何を戯言を言ってるんだ」
139 なんでちゃかんでちゃ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なんでもかんでも
【意味等】なにもかも、あれもこれも、すべてみな
【参考】なん(何)+でちゃ(であろうと)+かん(彼)+でちゃ(であろうと)
【同義】なんでっちゃかんでちゃ、なんでんかんでん、なんもかんも
【用例】「断捨離するって言うて…俺んとば、ナンデッチャカンデッチャしてなあと」
 →「断捨離をすると言って…俺のものを、何でもかんでも捨てちゃうんだ」
140 なんてろかんてろ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なにやかや
【意味等】「なんかかんか」に同じ
【用例】「付き合いの多なって、ナンテロカンテロと新しか仕事の増えてきよる」
 →「人脈が増えて、何やかやと新しい仕事が増えてきている」
141 なんでんかんでん  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なんでもかんでも
【意味等】「なんでちゃかんでちゃ」に同じ
【用例】「猫舌のいん腹やけん、ナンデンカンデン食いなあと」
 →「猫舌だけど犬のようにお腹を壊さないので、何でもかんでも食っちゃうんだ」
142 なんな  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なんですか
【意味等】何か、何だい
【参考】「なんとな(なんですか)」の音変異
【用例】「ナンナ?俺い文句のあるとなら…言うてんやい」
 →「何ですか?俺に文句があるのなら…言ってごらん」
143 ~なんな
  【標準語】~するな
【意味等】「~なすな」に同じ
【用例】「そえん笑いナンナ…あたきいとったら、笑い事やなかとですばい」
 →「そんなに笑わないでよ…私にとっては、笑い事じゃないんですよ」
144 なんなっと
  【標準語】なにかしら
【意味等】何でも、何かしら
【参考】なん(何)+なっと(~でも)→(必要なら)何でも
【用例】「飯なっと食うていき」「帰ったらナンナットあるけん、よかよ」
 →「飯でも食っていけよ」「帰ったら何かしらあるんで、遠慮しとくよ」
145 なんのらっしょうなあ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なんのなんの
【意味等】どういたしまして、なんでもありませんよ、そんなことはないですよ
【参考】謝辞に対する返答のことば
【用例】「ナンノラッショウナア…合格しなさったとは、頑張んなさったけんです」
 →「そんなことはありませんよ…合格されたのは、頑張られたからですよ」
146 なんばこきよるとけ  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】何をたわごとを言うか
【意味等】「なんごといいよるけ」に同じ
【参考】なんば(何を)+こきよる(ほざいている)+とけ(~のか)
【用例】「きしゃん、ナンバコキヨルトケ…たいがいいしとかなあ、でやすぜ」
 →「貴様、何を戯言をほざいてるんだ…いい加減にしておかないと、ぶっ飛ばすぞ」
147 なんまんかんまん
  【標準語】たくさん
【意味等】数量の多いこと、あまた
【参考】語源不明、「なんもかんも」のことか?
【用例】「ネットショッピングなナンマンカンマン売っとうけん、便利か」
 →「ネットショッピングはあまたの物を売っているので、便利だ」
148 なんもかんも  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なんでもかんでも
【意味等】「なんでちゃかんでちゃ」に同じ
【用例】「おらあ、ナンモカンモ嫌いなった…仕事やら辞めて、田舎い帰ると」
 →「俺は、何もかも嫌になった…仕事なんかやめて、田舎に帰るんだ」
149 なんもかんもなか  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】すっからかん
【意味等】「なあもなか」に同じ
【用例】「税務署から差し押さえい来たけん、家いなナンモカンモナカごとなった」
 →「税務署から差し押さえに来たので、家には何もない、すっからかんになった」
150 なんや  ≪詳細はこちら≫
  【標準語】なんだと
【意味等】「なんがやあ」に同じ
【参考】ほぼ、喧嘩ごしの言い方
【用例】「なんや、なんばねらみつけようとや…のぼいとったら、ぼてくりこかっせ」
 →「なんだよ、何を睨みつけているんだ…増長するんなら、ボコボコにしてやるぞ」


■TOP画面に戻る

■「知っとう、博多・糸島弁」に戻る