「ほ(ホ)」の博多・糸島弁
1 | ほいっぱい 《詳しくはこちら》 |
【標準語】精一杯 【意味等】力の限り、一生懸命 【参考】語源は不明、九州北部で使われる 【関連】「たくさん」の意で使う地域もあるが、博多・糸島弁ではその意味は薄い 【用例】「電車い乗り遅りょうごたって、ホイッパイ走ったが…間に合わんやった」 →「電車に乗り遅れそうだったので、一生懸命に走ったけれど…間に合わなかった」 |
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2 | ほいとう 《詳しくはこちら》 |
【標準語】乞食、ものもらい 【意味等】 (1)乞食の「ほいとう」 《意味》乞食、食物や金銭などを人にねだって生活する者、馬鹿者 《参考》漢字で「陪堂」のほか、「乞食」や「乞児」とも書く ・禅宗の僧侶が僧堂外で陪食(ばいしょく:食事のもてなし)を受けることに由来 ・蔑む言葉として「馬鹿者」という意味もある 《関連》中国地方を中心に全国で「ほいとう」や「ほいと」の言い方で使われる 《用例》「景気の悪うなって…ホームレスやらホイトウの増えて、治安も悪うなった」 →「景気が悪くなって…ホームレスや乞食が増えて、治安も悪くなった」 (2)ものもらいの「ほいとう」 《意味》麦粒腫、瞼にある脂腺や汗腺に細菌が感染して起こる急性の化膿性炎症 《参考》語源は「ものをもらうと治る」という江戸時代の民間療法→ほいとう 《用例》「砂場で遊うだきしゃなか手で、眼ば擦んなんな…ホイトウのでけるばい」 →「砂場で遊んだ汚い手で、眼を擦っちゃいかん…ものもらいができちゃうぞ」 |
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3 | ほいとうされ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】馬鹿者 【意味等】乞食、馬鹿者(人を卑しんで言う語) 【同義】ほいとうされ、ほいとされ 【参考】「ほいとう」の馬鹿者の意味、糸島弁 【用例】「このホイトウサレが…妹ば誘惑しよろ?ひきそざいたら…くらすうぜ」 →「この馬鹿者が…妹を誘惑しているだろ?悪い道に誘ったら…ぶん殴るぞ」 |
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4 | ほいとされ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】馬鹿者 【意味等】「ほいとうされ」に同じ、糸島弁 |
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5 | ほいどる |
【標準語】得している 【意味等】利益を得ている、儲けている 【参考】糸島弁、語源は不明、ほい(陪:増すの意)+どる(~している)か? 【用例】「このごろ、ああたあ金回りのよかが…イチゴで、えらいホイドルちゃろ?」 →「このごろ、あなたは金回りがいいけど…イチゴで、すごく儲けてるんでしょ?」 |
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6 | ほいほい |
【標準語】ひょいひょい 【意味等】仕事や勉強を容易く進める様 【参考】由来は不明、作業を円滑に進めるための掛け声が由来か? 【関連】全国各地で使われるが「新しい様」や「自由奔放な様」など地域で意味が違う 【用例】「今度のテスト、簡単やすかったねぇ…ホイホイ解けて時間の余っしもうた」 →「今度のテスト、超簡単だったねえ…ひょいひょい解けて時間が余ってしまった」 |
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7 | ホースビイ |
【標準語】全速前進(漁業用語) 【意味等】漁船などが全速で航行すること、「ばりばりまわせ」に同じ 【参考】語源は諸説:下記の説である「ホースピ―」のさらなる音変異(ピ→ビ) ・英語の船体速度:full speed(フルスピード)の音変異(船舶用語) ・英語の全体速度:whole speed(ホルスピード)の音変異(捕鯨船用語) 【同義】ばりばりまわせ、ホースビー |
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8 | ほうからかす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】投げ捨てる、放置する 【意味等】 (1)投げ捨てるの「ほうからかす」 《意味》投げ捨てる、投げる、捨てる、放る、放り捨てる 《参考》ほうから(ほかる:捨てる)+かす(してしまう)→捨ててしまう 《用例》「貸しちゃったとい、気い入らんとか…げってんまわいてホカラカシなあと」 →「貸してあげたのに、気に入らないのか…意固地になって投げ捨てるんだよ」 (2)放置するの「ほうからかす」 《意味》放置する、ほったらかす 《参考》ほうから(ほかる:放る)+かす(してしまう)→放ってしまう 《用例》「夏休みの宿題の終わっとらんとい…ホカラカイて、あすびい行きなった」 →「夏休みの宿題が終わっていないのに…ほったらかして、遊びに行っちゃった」 【同義】ほうからかす、ほからかす、ほかす、ほかる、ほたくる、ほたっとく、ほたる、ほっぽらかす |
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9 | ホウキグサ |
【標準語】ホウキギ 【意味等】箒草、ヒユ科バッシア属の一年草、茎の部分を乾燥させて箒にする |
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10 | ほうぐ |
【標準語】紙屑 【意味等】反故(ほぐ)、書きよごし、書き損なった書画の不用紙 【参考】語源は「反故紙(書き損じの紙)」、反古紙とも書く、古語 【関連】反故(ほご)は約束などをなかったことにするなどの意、語源は同じ 【用例】「書道パフォーマンスの練習で、ホウグのえらい出る…紙なタダやなかとよ」 →「書道パフォーマンスの練習で、紙屑がすごく出る…紙はタダじゃないんだよ」 |
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11 | ほうぐかご |
【標準語】屑籠 【意味等】紙屑を捨てるかご、ゴミかご 【参考】ほうぐ(紙屑)+かご(籠)→屑籠 【用例】「明日あ”燃えるごみの日”やけん、部屋のホウグカゴのゴミな…出しとき」 →「明日は”燃えるごみの日”だから、部屋の屑籠のゴミは…出しておいて」 |
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12 | ぼうぐみ |
【標準語】集団 【意味等】連れ、仲間、集い、グループ、組んで物事をする相手 【参考】由来は、籠の棒を一緒にかつぐ相棒が転じて仲間などを言う 【用例】「あらあ、俺たちのボウグミやけん…仲良いうしちゃれ、頼うどくぜ」 →「あいつは、俺たちの仲間だから…仲良くやってくれ、頼んどくぞ」 |
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13 | ぼうぐむ |
【標準語】共謀する 【意味等】複数が共同して計る企み、共同謀議 【参考】由来は「ぼうぐみ」の行為、転じて、謀を仲間で行うことをさす 【用例】「夫と愛人のボウグンデ、奥さんば殺いて財産ば横取りする…あらすじげな」 →「夫と愛人が共謀して、奥さんを殺して財産を横取りする…あらすじだそうな」 |
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14 | ほうけ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】痴れ者 【意味等】「ふうけもん」に同じ、愚か者、馬鹿者、あほう、うすのろ 【用例】「仕事好かずのホウケってやが、ネットでなアーティストとして人気者げな」 →「仕事嫌いの馬鹿者だそうだが、ネットではアーティストとして人気者らしい」 |
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15 | ほうけんぎょう |
【標準語】左義長 【意味等】どんと焼き、鬼火焚、除災と招福の祈りを込めた焚火の神事、またその火 【参考】由来は、元々は宮中の小正月の火祭行事、様々な名称で全国各地で行われる 【同義】ほうげんぎょう、ほっけんぎょう、ほんげんぎょう |
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16 | ぼうこ |
【標準語】棒 【意味等】細長い竹や木などの棒、棒きれ、こん棒、丸太、杖 【同義】ぼうこ、ぼくたんぼう、ぼくとう 【用例】「歳ばとったや…山い登るときいな、ボウコば探いて杖いせないかん」 →「歳をとったよ…山に登るときには、棒切れを探して杖にしないといけない」 |
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17 | ボウシバナ |
【標準語】ツユクサ 【意味等】露草、ツユクサ科ツユクサ属の一年生植物 【同義】ボウシバナ、ホタルクサ |
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18 | ほうじょうさま |
【標準語】方丈 【意味等】禅宗寺院の住持や長老の居室 【参考】由来は、禅宗は質素であるため「一丈(3m)四方で暮らす人」という意味 |
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19 | ほうじょうのわかっとらん 《詳しくはこちら》 |
【標準語】道理が分かっていない 【意味等】理が分かっていない、筋道が分かっていない、聞き分けのない、わからずや 【参考】ほうじょう(法条:約束事)+ の + わからん(分かっていない) 【同義】ほうじょうのわかっとらん、ほうずのわからん 【用例】「よそもんやけん、ホウジョウノワカランで無茶苦茶しよる…はよう止めり」 →「よそ者だから、道理が分からずに無茶苦茶やっている…早く止めろ」 |
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20 | ほうじょうや |
【標準語】放生会 【意味等】殺生を戒める宗教儀式 【参考】博多の3大まつりのひとつ、筥崎宮の放生会(9月12~18日) |
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21 | ぼうず |
【標準語】男の子 【意味等】息子、男の子ども、フクロウ、オタマジャクシ、ツクシ、女児、女の子 【参考】漢字で「坊主」、男の子の意だが、女の子や梟、蝌斗、土筆のことも言う 【用例】「うちのボウズな、はしりぐっちょでいっつも1番、将来な五輪の選手たい」 →「うちの息子は、かけっこでいつも1番、将来はオリンピックの選手だよ」 |
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22 | ぼうすくてい 《詳しくはこちら》 |
【標準語】あほ 【意味等】ボーっとしている人、阿保、間抜け、愚かな人 【参考】由来は不明、ぼうすく(呆助:あほう)+てい(体) 【同義】ぼうすくてい、ぼうすくてえ、ぼうすくてん 【類義】ぼさあっと、ぼさっと、ぼやーんと 《用例》「ボケてボウスクテイなっとんなあけん、オレオレ詐欺い騙されとんなあと」 →「認知症でボーっとなってしまっているので、オレオレ詐欺に騙されているんだ」 |
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23 | ぼうすくてえ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】あほ 【意味等】「ほうすくてい」に同じ 【用例】「あんかとい…任いてよかと?あらあホウスクテエやけん…やりそこなうが」 →「あんなやつに…任せていいの?あいつは間抜けだから…失敗しちゃうぞ」 |
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24 | ほうすくてん 《詳しくはこちら》 |
【標準語】あほ 【意味等】「ほうすくてい」に同じ 【用例】「2代目社長な、坊ちゃん育ちのボウスクテン…会社な、いんま潰るるばい」 →「2代目社長は、坊ちゃん育ちの阿呆…会社は、そのうち潰れちゃうよ」 |
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25 | ほうずのわからん 《詳しくはこちら》 |
【標準語】道理が分かっていない、どうしていいのかわからない 【意味等】 (1)道理が分かっていないの「ほうずのわからん」 《意味》「ほうじょうのわかっとらん」に同じ 《用例》「初めと現場監督ばしなったが、ホウズノワカランで…職人のはらかきよう」 →「初めて現場監督をしているが、業界の風習が分らなくて…職人が怒っている」 (2)どうしていいかわからないの「ほうずのわからん」 《意味》やり方が分からない、どうしていいのかわからない 《用例》「急い処理せろって言うたっちゃ、教えてもらわな…ホウズノワカランたい」 →「急に処理しろと言ったって、教えてもらわないと…どうしていいか分からんよ」 【参考】ほうず(方図・法途:やり方、道理、決まり事)の+わからん(分からない) |
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26 | ホウゼエ |
【標準語】カワニナ 【意味等】川蜷、カワニナ科に分類される巻貝の一種 |
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27 | ホウソウバナ |
【標準語】ゲンゲ、レンゲソウ 【意味等】翹揺、マメ科ゲンゲ属に分類される越年草、レンゲソウ 【同義】フウズバナ、ホウソウバナ(宝相華:ホウソウゲ) 【参考】地中深くの養分や空気中の窒素分をため込む、緑肥として田畑に植えられる |
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28 | ほうたれ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】痴れ者 【意味等】「ふうけもん」に同じ、愚か者、馬鹿者、あほう、うすのろ 【用例】「今度の選挙…議長な引退して、息子の出るげなが…えらいホウタレげなよ」 →「今度の選挙…議長が引退して、息子が出るらしいけど…ひどい馬鹿者だそうだ」 |
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29 | ほうて |
【標準語】這って 【意味等】腹ばいになって前進する、虫が前進する 【参考】人か腹ばいになって進む、櫛が皮膚の上を移動する 【用例】 ・ぎっくり腰いへきまでなって…動かれんごとなって、便所いやらホウテ行きようと →ぎっくり腰に背脇の筋肉痛で…動けなくなって、便所のなんか這って行ってるんだ ・柿ばちぎりよったら、毛虫の背中ばホウテ…かいかいのでけて、えらいかいかと →柿をもいでいた、ら毛虫が背中を這って…皮膚がかぶれて、すごく痒いんだ |
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30 | ほうばこ |
【標準語】小物箱 【意味等】裁縫道具や釣り道具、小物などを入れる小箱 【参考】由来は不明、裁縫箱(さいほうばこ)の音変異と推測される 【関連】漁業用語としての「ほうばこ」は、釣糸や釣針を入れる小箱 |
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31 | ほうばらせる 《詳しくはこちら》 |
【標準語】賄賂を贈る 【意味等】相手に金品を贈る、賄賂を贈る、贈賄、口の中に食べ物を押し込む 【同義】ほうばらせる、ほおばらせる 【参考】漢字で「頬張らせる」、口の中にご馳走を頬張らせ口出しさせなくすること 【関連】賄賂を贈ることの隠語、同様の隠語「袖の下を渡す」 【用例】「役所の基準ば満たさんとなら、議員にホウバラセテんない…どえんかなる」 →「役所の基準を満たさないのなら、議員に賄賂を贈ってごらん…何とかなる」 |
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32 | ボウフ |
【標準語】ハマボウフウ 【意味等】浜防風、被子植物のセリ科ハマボウフウ属の多年草、 海岸の砂地に自生 |
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33 | ボウブラ |
【標準語】カボチャ 【意味等】南瓜、ウリ科カボチャ属に属する果菜の総称 【参考】ポルトガルから渡来、語源はポルトガル語の「abóbora」 【関連】地域によっては、スイカもボウブラという ・「馬鹿者」や「能無し」などの悪口として使う場合もある |
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34 | ぼうぶら |
【標準語】能無し 【意味等】馬鹿者、能無し、役立たず、うっかり者、中身がない 【参考】由来は「南瓜(かぼちゃ)」、見掛けでは味が分からず「見掛け倒し」の意 【関連】「中心部がスカスカ」や「成っているときの風体」なども意味に影響している 【用例】 ・学歴なあるし、感じも良かけん採用したが、ボウブラ…やりそこないばっかりしなあ →学歴はあるし、感じも良いので採用したけど、役立たず…失敗ばかりするんだ ・色男でがたいも良うして、勉強もでくる…ばってん、つきおうたらボウブラやった →色男で体格も良くて、勉強もできる…でも、つきあってみたら中身のない男だった |
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35 | ボウフリ |
【標準語】ボウフラ 【意味等】孑孑、蚊(カ)の幼虫の俗称 【参考】由来は、泳ぐときの動きが棒を振るように見えることから、別名「棒振り虫」 |
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36 | ほうまんからうしろとび |
【標準語】思い切った行動(処置) 【意味等】思い切った決断、清水の舞台から飛び降りる 【同義】ほうまんからうしろとび、ほうまんやまからうしろとび 【参考】 ・漢字で「宝満山から後ろ飛び」 ・由来は、宝満山(太宰府市)上宮に切り立つ「稚児落」という大岩からの後ろ飛び ・神祭である「玉依姫」の助けを信じ、気力を振り絞って目的達成を願うという意味 【用例】「若っかとい、よう家ば建てたね…ホウマンカラウシロトビのごたったろ?」 →「若いのに、よく家を建てたな…清水の舞台から飛び降りるようだっただろう?」 |
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37 | ほうまんやまからうしろとび |
【標準語】思い切った行動(処置) 【意味等】「ほうまんからうしろとび」に同じ 【用例】「命ば懸けてあんたい投資するばい…ホウマンヤマカラウシロトビやけんね」 →「命を懸けてあなたに投資をするよ…思い切った決断なんだからな」 |
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38 | ぼうもり |
【標準語】僧侶の妻 【意味等】坊守、寺の住職の奥さん 【参考】由来は、寺(坊)を守っている人から、住職の世話をする人(妻)をいう 【用例】「お経な上手かが、事務なボウモリ任せげな…檀家の多かけんやおいきめえ」 →「お経は上手だけど、事務は奥さん任せらしいよ…檀家が多いので大変だと思う」 |
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39 | ほうら |
【標準語】やっぱり 【意味等】そら、ほら、それ見たことか、やはり 【参考】見込み通りの結果・事象が起こった場合の感嘆・強調する言葉 【用例】「ホーラ…寝る前い、あえんお茶ば飲むけん…しかぶるったな」 →「それ見たことか…寝る前に、あんなにお茶を飲むから…お寝しょするんだよ」 |
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40 | ほうらいまめ |
【標準語】蓬莱豆 【意味等】源氏豆、煎豆を砂糖や麦粉でコーティングした豆菓子 【参考】ほうらい(蓬莱:おめでたい蓬莱飾りの略)+まめ(豆) |
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41 | ほうろく |
【標準語】焙烙(素焼きの土鍋) 【意味等】火消壺、土瓶、茶焙器、中年女性 (1)火消壺の「ほうろく」 《意味》火消壷、消壺 《参考》燃え残った火(おき)を入れて蓋で密閉して消す素焼きの壺 (2)土瓶の「ほうろく」 《意味》土瓶、素焼きの瓶 《参考》水や酒など液体を入れる素焼きの瓶 (3)茶焙器の「ほうろく」 《意味》茶焙器、素焼きの平たい土鍋 《参考》ゴマやマメ、茶葉などを炒るのに使う平たい土鍋 (4)中年女性の「ほうろく」 《意味》妻女の異名、中年女性 《参考》由来は不明、「無毛の女陰」の隠語が由来との説もある |
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42 | ほおたん 《詳しくはこちら》 |
【標準語】頬 【意味等】「びんた」に同じ、鼻と口の両側の耳にまでの部分、ぽっぺた 【同義】びんた、ほおたん、ほおべた、ほおべえんた 【用例】「昔の田舎ん子供な…冬いなったら、ホウタンの…真っ赤っかいなりよった」 →「昔の田舎の子供は…冬になったら、ほっぺが…真っ赤っかになっていた」 |
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43 | ほおばらせる 《詳しくはこちら》 |
【標準語】賄賂を贈る 【意味等】「ほうばらせる」に同じ 【用例】「戦後すぐのことやが…代議士ばホオバラセテ、業界ば独占しなったげな」 →「戦後すぐのことだけど…代議士に賄賂を贈って、業界を独占したそうだ」 |
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44 | ほおべえんた 《詳しくはこちら》 |
【標準語】頬 【意味等】「びんた」に同じ 【用例】「スカートはぐったら、ホウベンタばはつられた…痛かったが何か良かった」 →「スカートめくったら、ほっぺたをはたかれた…痛かったけど何か良かった」 |
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45 | ほおべた 《詳しくはこちら》 |
【標準語】頬 【意味等】「びんた」に同じ 【用例】「ああたホウベタい赤か痣のあるが…新婚やけん、キスマークやなかな?」 →「あなたほっぺたに赤い痣があるけど…新婚だから、キスマークじゃないの?」 |
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46 | ほおべんたん 《詳しくはこちら》 |
【標準語】頬 【意味等】「びんた」に同じ 【用例】「昔な、先生のようホウベンタンばはつりよんなった、今なら懲戒処分ばい」 →「昔は、先生がよく頬をはたいていたなあ、今だったら懲戒処分だよ」 |
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47 | ほかあがり |
【標準語】仕事帰り 【意味等】野良帰り、野良仕事から帰ること 【参考】ほか(外:家の外)+あがり(終り・帰り)→外仕事の帰り 【用例】「ホカアガリしてからも、出荷準備やらで忙しか…儲かりよるばってんが…」 →「野良仕事から帰っても、出荷準備などで忙しい…儲かっているけれど…」 |
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48 | ほかいき |
【標準語】仕事行き 【意味等】野良行き、野良仕事に出かけること 【参考】ほか(外:家の外)+いき(行く・出かける)→外仕事に行く 【用例】「今日な天気のよござすけん、夏野菜ば植えい、ホカイキしよりますと」 →「今日は天気が好いですから、夏野菜を植えに…野良仕事に行ってるんですよ」 |
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49 | ほかす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】投げ捨てる、投げ飛ばす、放置する 【意味等】「ほうからかす」に同じ 【参考】由来は「放下す(ほうかす)」の音変異、西日本で広く使われる 【用例】 ・環境破壊いなるとい、平気でどこやらここやら…ごみばホカス人の気の知れん →環境破壊になるのに、平気であちこちに…ゴミを捨てる人の気持ちが分からない ・懸案事項な先送り…ホカイテなあもせんとが、えろうなる →懸案事項は先送り…放置して何もしない人が、偉くなる |
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50 | ほがす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】穿つ 【意味等】穴を空ける、突き抜く 【参考】由来は不明、穴を掘るという意味もあるので「掘がす」と思われる 【用例】「契約書ば綴るけん、バインダーい通す穴ば…穴あけパンチでホガイテ」 →「契約証を綴るので、バインダーに通す穴を…穴あけパンチで空けてくれ」 【関連】 (1)「ほぐる」 《意味》穴が空く、突き抜ける、くぼむ 《同義》ほぐる、ほげる 《用例》「舗装したれん田舎道な、雨の降ったんだあ…びちゃいなって、すぐホグル」 →「舗装してない田舎道は、雨が降ったら…ぬかるみになって、すぐにくぼむ」 (2)「ほげ」 《意味》穴、くぼみ、孔、破片 《同義》ほげ、ほげたん 《用例》「好かーん、防虫剤の切れて…セーターい虫食いのホゲのでけとう」 →「いやだー、防虫剤が切れて…セーターに虫食いの穴ができている」 |
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51 | ほからかす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】投げ捨てる、放置する 【意味等】「ほうからかす」に同じ 【参考】ほから(放下る:捨てる、放置する)+かす(してしまう) 【用例】 ・夜中い山ん中いトラックで来て…粗大ごみばホカラカイテいく、悪かとのおるげな →夜中に山の中にトラックで来て…粗大ごみを捨てていく、悪いヤツがいるそうだ ・家でおおごとの起こったって、仕事ばホカラカイテ、バタバタ帰んなった →家で大変なことが起きたって、仕事を放ったらかして、大急ぎで帰ってしまった |
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52 | ほかる 《詳しくはこちら》 |
【標準語】投げ捨てる、投げ飛ばす、放置する 【意味等】「ほかす」に同じ 【参考】由来は「放下す(ほうかす)」の音変異、西日本で広く使われる 【用例】 ・空き缶やらばホカル人あ減ったばってん、外国からの漂着ゴミな、えらい増えよう →空き缶などを捨てる人は減ったけれど、外国からの漂着ゴミは、とても増えてる ・問題の起こったら、すぐいどえんかせなあ…ホカルとがいっち悪か、信用ののうなる →問題が起きたら、すぐに対応しなきゃ…放置するのが一番悪い、信用がなくなる |
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53 | ぼく |
【標準語】枯木 【意味等】枯れた木の幹、木の株の朽ちたもの 【参考】由来は「木」の音読み「ぼく」 【用例】「家の裏のボクばってん…早よ切りたあさなあ、ドウトウシの湧こうごたる」 →「家の裏の枯木だけど…早くきり倒さないと、シロアリが湧きそうだ」 |
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54 | ぼくたんぼう |
【標準語】棒 【意味等】「ぼうこ」に同じ、こん棒 【参考】由来は不明、たぶん「木太棒」と思われる(類義「丸太棒:まるたんぼう」) 【用例】「戦後すぐやけん、ボクタンボウば削って作ったバットで…野球しよったや」 →「戦後すぐなので、こん棒を削って作ったバットで…野球していたよ」 |
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55 | ぼくとう |
【標準語】棒 【意味等】「ぼうこ」に同じ、木刀、長い棒、こん棒、丸太棒、杖、朽木 【参考】由来は「木刀」手に持って馴染む、竹や木、金属などの細長い棒をいう 【関連】朽ち木である「ぼく」に同じ意で使う場合もある 【用例】「あんちゃんの、ボクトウで叩きんしゃた…痛かー、たんこぶのでけとう」 →「お兄ちゃんが、こん棒で叩いたんだ…痛いよー、たんこぶが出来ている」 |
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56 | ぼくぼく |
【標準語】ぼろぼろ 【意味等】樹木や材木が腐ってボロボロに崩れかけている様子 【用例】「雨のときなあ水い浸かるけん、柱の下の方の腐って…ボクボクいなっとう」 →「雨のときには水に浸かるので、柱の下の方が腐って…ボロボロになっている」 |
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57 | ほぐる 《詳しくはこちら》 |
【標準語】穴が空く 【意味等】穴が空く、突き抜ける、くぼむ、勢いよく突きとおす 【同義】ほぐる、ほげる 【用例】「DIYい電気ドリルな必需品ばい…ねじ穴のすぐホグルけん、便利かと」 →「DIYに電気ドリルは必需品だよ…ねじ穴がすぐ空くので、便利なんだ」 |
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58 | ほぐろ |
【標準語】ほくろ 【意味等】皮膚の表面にある黒や褐色の班(母斑の一種)、ほくろ、あざ 【参考】由来は「ははくそ」、母親の糞(垢)が胎内で付着したという言い伝えから 【関連】漢字の「黒子」はほくろをさす漢字の当て字 【用例】「色っぽかぁ…唇の下いホグロのあるおなごば見たら、うずぶるおうごたあ」 →「色っぼいなぁ…唇の下に黒子のある女性を見たら、身震いしちゃうよ」 |
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59 | ほけ |
【標準語】湯気 【意味等】湯などから煙のように立ち上るもの、吐く息の白く見えるもの、霧、熱気 【参考】由来は「火気(ほけ)」で、湯気のほか、煙や火の気もさす 【用例】「ああた…そらあ褒め過ぎ、冷飯からホケのごたあこと言うて…上手者やん」 →「あなた…それは褒め過ぎ…冷飯から湯気みたいなこと言って…世渡り上手だね」 |
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60 | ぼけ |
【標準語】淡紅色 【意味等】薄い紅色、ボケの花色 【参考】ボケはバラ科の落葉低木、春に白や淡紅色の花が咲き、花色を「ぼけ」という |
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61 | ボケ |
【標準語】サツマイモ 【意味等】薩摩芋、甘藷、ヒルガオ科サツマイモ属の多年草植物 【参考】由来は不明、土が肥えてツルだけ育ち芋が育たないことを「つるぼけ」という |
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62 | ほげ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】穴 【意味等】穴、くぼみ、孔、破片 【同義】ほげ、ほげたん 【参考】土地のくぼみや穴などを指す同義語には「おてこぼり」もある 【用例】「煙草ば吸う酔いとうな好かん…畳ば焦がいとんなあけん、ホゲのでけとう」 →「煙草を吸う酔っ払いは嫌い…畳を焦がしてしまっていので、穴が空いてる」 |
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63 | ほけだし |
【標準語】慰労会 【意味等】憂さ晴らし、奢り振る舞う、中打ち上げ 【参考】由来は「火気出し」の転義、溜まった熱気や湯気を出して平常に戻すこと 【用例】「毎日やおいかん、ホケダシい…みんなで飲みい行こうえ、課長の奢りで…」 →「毎日たいへんだ、憂さ晴らしに…みんなで飲みに行こうよ、課長の奢りで…」 |
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64 | ほげたん 《詳しくはこちら》 |
【標準語】穴 【意味等】「ほげ」に同じ、小さな穴 【用例】「どうも…隣の変態男の、壁のホゲタンから、うちば覗きよんなあごたあ」 →「どうやら…隣の変態男が、壁の小さな穴から、私を覗いているみたいだ」 |
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65 | ほけのごと 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ぼんやりと 【意味等】ぼんやりとする様、ボーっとしている状態、素知らぬ様子 【参考】ほけ(呆け・惚け)+のごと(~のような)→呆けのような ・「ほけ(湯気)」説もある、湯気のようにぼんやりした様というもの 【用例】「はしかか性格やったが、奥さんの亡うなって…ホケノゴトなんなったや」 →「刺々しい性格だったけど、奥さんが亡くなって…呆けのようになっちゃったよ」 |
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66 | ほげる 《詳しくはこちら》 |
【標準語】穴が空く 【意味等】「ほぐる」に同じ 【用例】「化学繊維な…火の粉のついたらホゲルけん、花火んときな…綿の服ば着り」 →「化学繊維は…火の粉がついたら穴が空くので、花火のときは…綿の服を着てよ」 |
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67 | ぼける 《詳しくはこちら》 |
【標準語】もうろくする 【意味等】「ふうくる」に同じ、高齢などにより頭の働きや知覚が鈍くなる 【参考】由来は「呆ける・惚ける」、主に高齢者に若干の悪意を持って使う場合が多い 【用例】「ボケトウって言いなあが…婆さんな、直売所でしゃんしゃん稼ぎよんなあ」 →「もうろくしたと言ってるけど…婆ちゃんは、直売所でがんがん稼いでいるよ」 |
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68 | ほこりょう |
【標準語】ほこつき漁(漁業用語) 【意味等】魚をもりなどで衝いて捕る漁法、衝きん棒漁業 【参考】漢字で「鉾衝漁」、水中を覗いたり潜ったりして尖った長い棒で魚を捕る漁法 【関連】福岡県の規則では、照明や水中銃を使用した「ほこつき漁」は禁止されている |
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69 | ぼさ |
【標準語】ぼろ 【意味等】古くてぼろぼろの様、雑草が生い茂った様、田舎者、気の利かない様 【参考】由来は「もさっと(あか抜けしない)」の「もさ」と思われる 【用例】「誰やった?いつもボサか毛布ば持った子…チャーリーブラウンの登場人物」 →「誰だった?いつもボロボロの毛布を持った子…チャーリーブラウンの登場人物」 【参考】「ぼさ」を使った言葉 (1)ぼさっと 《意味》ぼーっと、ぼんやりと 《用例》「おらあぜん持ちやけん、ボサット生きとったっちゃ…食うといな困らん」 →「俺は金持ちだから、ぼんやりと生きていても…生活に困ることはない」 (2)ぼさぼさ 《意味》生え放題の髪、乱れ髪 《用例》「ボサボサいはえかぶって…ぜんばやるけん、床屋でこそうぞうとしてき」 →「生え放題に髪が伸びちゃって…お金をあげるから、床屋でさっぱりしておいで」 |
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70 | ぼさーっと 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ぼーっと、ぼんやりと 【意味等】気合が入っていない様子、気力がない様、気が利かない様、間が抜けた様子 【同義】てれっと、ぼさっと、ぼやーんと、もさっと 【類義】ぼうすくてい、てれてれ、てれんぱれん 【対義】しかっと 【参考】「ぼさ」は、草が生い茂っている様や田舎者の振舞い、緩慢な動作などを示す 【関連】「ぼさーっと」と伸ばすことで強調した言い方になる 【用例】「ボサーットしとったっちゃ、仕事な終わらん…しかしか、手ば動かしない」 →「ぼーっとしてたって、仕事は終わんないよ…てきぱき、手を動かしなさい」 |
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71 | ぼさっと 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ぼーっと、ぼんやりと 【意味等】「ぼさーっと」に同じ 【用例】「ああたがボサットして大事いせんけん…嫁い離婚してって言わるるったい」 →「あなたがボーッとして大事にしないから…嫁に離婚してと言われるんだよ」 |
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72 | ぼさぼさ |
【標準語】生え放題 【意味等】髪が生え放題の状態、雑草が生い茂っている様 【参考】由来は「もさ」を重ね、茂っている状態を表す「もさもさ」の音変異 【用例】「庭の手入ればしなれんけん…せっかくの枯山水の、雑草でボサボサやん」 →「庭の手入れをしないので…せっかくの枯山水が、雑草が生い茂っているよ」 |
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73 | ほし |
【標準語】点 【意味等】点、瞳の白点、瞳、お飾りの小餅、魚の心臓、瓶などの栓 【参考】由来は「星(ほし)」と思われる、小さくて目立つ物や重要な物と推定 【関連】瞳の白い点は、角膜の炎症による潰瘍 |
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74 | ほじくる |
【標準語】はじける 【意味等】爆ぜ割れる、裂け開く 【参考】「はじける」の音変異 【関連】一般的には、穴などを突き回す行為(穿る)として使われる場合が多い 【用例】「トウキビば煎ったら、ポンポンとホジクル…で、ポップコーンのでけると」 →「トウモロコシを煎ったら、ポンポンと弾ける…で、ポップコーンができるんだ」 |
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75 | ほしほいとる |
【標準語】お弁当つけて 【意味等】飯粒をつけて、飯粒が顔や衣服について気付かずにいる様 【参考】ほし(干飯)+干している→乾いた飯粒を干している=お弁当つけている 【用例】「ああた、今、飯食うたろ?ほうべんたい、ホシイホイトルが…」 →「あなた、今、ご飯食べたでしょ?頬っぺたに、お弁当ついてるよ…」 |
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76 | ぼすぼす |
【標準語】ぶすぶす 【意味等】土壌にクワなどが容易く刺さる様、軽い力で棒が土地深く刺さる様 【用例】「この畑ゃあ、よう肥えて土のよか…鍬で打ったら、ボスボスやもん」 →「この畑は、よく肥えて土がよい…鍬で耕したら、ぶすぶすだもの」 |
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77 | ぼそぼそ |
【標準語】ぶつぶつ 【意味等】縄などが経年劣化などで切れやすい状態、古くなって使えない縄の状態 【用例】「納屋の隅いあった縄ばってん…古かろ?ボソボソいなって使やされん」 →「物置の隅にあった縄だけど…古いだろ?劣化してもろくなって使えないよ」 |
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78 | ほたくる 《詳しくはこちら》 |
【標準語】投げ捨てる、放置する 【意味等】「ほうからかす」に同じ 【参考】ほた(ほたる:捨てる、放置する)+くる(繰り返す、継続する) 【用例】 ・ため池い、ライギョやらホタクッタら…在来のコイやらフナやらおらんごとなる →ため池に、ライギョなんか捨てたら…在来のコイやフナなどがいなくなっちゃう ・あの馬鹿たれが…仕事ばホタクッテ、おらんごとなっとう…クビいしちゃあ →あの馬鹿者が…仕事を放ったらかして、いなくなっている…クビにしてやる |
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79 | ほたっとく 《詳しくはこちら》 |
【標準語】捨てておく、放置しておく 【意味等】「ほうからかす」に同じ 【参考】ほた(ほたる:捨てる、放置する)+っとく(~しておく) 【用例】 ・古かチャイルドシート…粗大ごみ置き場いホタットクけん、いる人な持って行き →古いャイルドシート…粗大ごみ置き場に捨てておくから、いる人は持って行って ・なんて?教科書のなか?あんたが…どこやらここやらいホタットクけんたい →なんだって?教科書がない?あんたが…どこにでも放置しているからだよ |
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80 | ほたりこむ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】投げ入れる 【意味等】投げ込む、放り込む 【参考】ほたり(ほたる:投げる、捨てる)+こむ(込む) 【用例】 ・あの悪そうが、井戸い大きなかビキばホタリコミようと…ほんに、こざにっか →あの悪ガキが、井戸に大きなカエルを投げ込んでるんだ…本当に、小憎たらしい ・お前たちゃ、そえな悪そうばしよったら…いんま、刑務所いホタリコマるるばい →お前たちは、そのような悪事を働いていたら…そのうち、刑務所に投獄されるぞ |
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81 | ほたる 《詳しくはこちら》 |
【標準語】投げ捨てる、投げ飛ばす、放置する 【意味等】「ほかす」に同じ 【用例】 ・気い入らんけんって、贈りもんばホタルやら…喜ぶと思うて一生懸命い作ったい →気に入らないって、贈物を投げ捨てるなんて…喜ぶと思って一生懸命に作ったのに ・面倒臭かけん…ホタル、難しかけん…ホタル、ああたの子な…でけそこないよるが →面倒臭いので…放置、難しいので…放置、あなたの子は…駄目な子に育っているよ |
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82 | ホタルクサ |
【標準語】ツユクサ 【意味等】露草、ツユクサ科ツユクサ属の一年生植物、「ボウシバナ」に同じ |
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83 | ぽち |
【標準語】祝儀 【意味等】心づけ、チップ、点袋(ぽちぶくろ) 【参考】由来は、少しばかりを意味する「ぽちっと」で関西を中心に広く使われる 【関連】「ぽち」は「これっぽち」などの使い方もあり「わずか」「少額」をいう |
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84 | ほっけんぎょう |
【標準語】左義長 【意味等】「ほうげんぎょう」に同じ |
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85 | ぼっこり |
【標準語】へこむ 【意味等】くぼむ、大きくへこんだ様、深く窪んだ状況 【参考】由来は漢字で「凹り(ぼこり)」と思われる 【用例】 ・赤信号で追突されっしもうて、バンパーなボッコリ…リヤガラスなちゃがちゃがたい →赤信号で追突されちゃって、バンパーはへこんで…リヤガラスは割れて粉々だよ ・落とし穴な?こえんボッコリ掘ったら…おてたら出られんし、ケガばするばい →落とし穴か?こんなに深く掘ったら…落ちたら出られないし、ケガをしちゃうぞ |
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86 | ほったりかんまん 《詳しくはこちら》 |
【標準語】相手にしない 【意味等】無視する、つきあわない、応対しない、ほったらかしにする 【参考】ほったり(ほたる:放置する)+かんまん(構わない)→応対しない 【用例】「銭ば貸せってな?どうせ返しなれんっちゃけん、ホッタリカンマンでよか」 →「金を貸せだって?どうせ返しゃしないんだから、相手にしなくっていいよ」 |
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87 | ほっちらかす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】取り散らす 【意味等】放り散らす、散らかす、放置する 【参考】ほっ(ほうる:捨てる、放置する)+ちらかす(散らかす) 【類義】ほうからかす、ほからかす、ほっぽらかす 【用例】「ゴミばホッチラカシいしなあ人のおんなあけん、キャンプ禁止いなったと」 →「ゴミを散らかしっぱなしにする人がいるので、キャンプ禁止になったんだ」 |
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88 | ぽっちり |
【標準語】小さい 【意味等】ごくわずか、小さなボタン 【参考】関西を中心に広く使われる、方言ではないという説もある 【用例】「襟の裏側のポッチリの取れっしもうた、つけるけん…針と糸ば貸しちゃり」 →「襟の裏側の小さなボタンが取れてしまった、つけるので…針と糸を貸して」 |
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89 | ほっつく 《詳しくはこちら》 |
【標準語】うろつく、ついばむ 【意味等】 (1)「うろつく」のほっつく 《意味》あてもなく歩き回る、彷徨う、うろうろする 《類義》そうつく:歩き回る(なんらかの目的があって歩き回ること) 《参考》由来は「歩つく(ほつく)」の音変異 《用例》「この頃、ちいっとボケて…ホッツイて分らんごとなんなあけん、心配たい」 →「この頃、少し認知症が出て…彷徨って分からなくなっちゃうんで、心配だよ」 (2)「ついばむ」のほっつく 《意味》突っつく、ついばむ 《参考》由来は「掘り突く」と思われる、この意味は糸島や東北地方の一部で使われる 《用例》「チャボの…あすこば、やっさとホッツクが…虫か何かおるっちゃろうか?」 →「チャボが…あそこを、しきりについばんでいるが…虫が何かいるのだろうか?」 |
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90 | ぼっとす |
【標準語】独活の大木 【意味等】図体ばかり大きくて頼りにならない人、役にたたない人 【参考】由来は不明、す(虫食いの穴)のあるすぐ折れる木刀(棒)か? 【用例】「あえなとば雇うたと?あら…見かけだけのボットスやが、役い立ちゃせん」 →「あんなやつを雇ったの?あいつ…見かけだけの独活の大木だよ、役に立たんぞ」 |
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91 | ほっぽう |
【標準語】鳥(幼児語) 【意味等】鳥の総称、鶏 【参考】由来は、ハトやニワトリの鳴き声 【用例】「ポッポウしゃんのおらん思うたら、ポッポウご飯と素麵ちりのでけとう」 →「ニワトリさんがいないと思ったら、鶏ご飯と素麺ちりができている」 |
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92 | ぽっぽうぜん |
【標準語】幼児用の足つき膳 【意味等】子ども用の折敷、幼児のお膳すわりの式に用いる膳 【参考】由来は折敷に鳥(ぽっぽう)の絵が描かれてあることからいう |
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93 | ほっぽらかす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】投げ捨てる、放置する 【意味等】「ほうからかす」に同じ 【参考】ほっ(ほうる:捨てる、放置する)+ぽらかす(捨てる、放置する) 【用例】 ・夜中いトラックで山ん中い、粗大ごみばホッポラカイテ行く…悪かとのおると →夜中にトラックで山の中に、粗大ごみを投げ捨てて行く…悪いヤツがいるんだ ・職人たちゃ、あんたの態度いはらかいて…しかけた仕事ばホッポラカイテ帰んなった →職人たちは、あなたの態度に立腹して…やりかけた仕事を放置して、帰っちゃった |
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94 | ほて |
【標準語】虫燻器 【意味等】携帯用蚊取り線香器、山仕事などで腰に下げる煙を使った虫よけ器 【参考】由来は、携帯式の火で煙を起こす機器なので「火手(ほて)」と思われる |
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95 | ぼて |
【標準語】はりぼて 【意味等】紙張りの竹かご、担ぎ棒(ぼてふり)、担ぎ棒に下げるかご、行商人 【参考】由来は「はりぼて」の略、及び「ぼてふり(棒手振)」の略 【関連】「はりぼて」は高級品を運ぶのに使う紙張りのかご |
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96 | ぼてかずら |
【標準語】張子のカツラ 【意味等】博多にわかで使う紙張りのカツラ、博多にわかの演者が被るカツラ 【参考】ぼて(張りぼて)+かずら(カツラ)→張りぼてのカツラ 【用例】「俺がボテカズラば踏みしゃいだたあ、誰や?…これのなからな、されんぜ」 →「俺の張子のカツラを踏み潰したのは、誰だ?…これがないと、出来ないぞ」 |
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97 | ぼてくらす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ぶん殴る 【意味等】ぶん殴る、ふらつくほど殴る 【参考】ぼて(殴る)+くらす(殴る)、「くらす」<「ぼてくらす」 【類義】ぼてくりかます、ぼてくりこかす、ぼてくりまわす、ぼてこかす 【用例】「あらあ…のぼしかえっとうけん、1回なボテクラサなあいきめえや」 →「あいつ…つけあがっているので、1回はボコボコに殴らないといけないだろう」 |
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98 | ぼてくりかます 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ぼこぼこに殴り倒す 【意味等】ぶん殴って倒す、ボコボコに倒す、ぶっ飛ばす 【同義】ぼてくりかます、ぼてくりこかす、ぼてくりまわす 【参考】由来は諸説ある ・ぼてくりかます:ぼて(殴る)+くり(何度も繰り返し)+かます(食らわす) ・ぼてくりこかす:ぼて(殴る)+くり(何度も繰り返し)+こかす(倒す) ・ぼてくりまわす:ぼて(殴る)+くり(何度も繰り返し)+まわす(遭わせる) ・ぼてくり(ぼて食り)は、ぼて(打撃)+くり(食らわす)という説もある ・ぼては、動きが鈍い・足がふらつく様を表す「ぼてぼて・ぼとぼと」説もある 【類義】ぼてくらす:ぶん殴る、ぼてこかす:ぶっとばす 【用例】「あらあ横ちゃっかったが、俺がボテクリカマイタら…大人しゅうなった」 →「あいつは横着だったけれど、俺がボコボコに殴り倒したら…大人しくなった」 |
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99 | ぼてくりこかす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ぼこぼこに殴り倒す 【意味等】「ぼてくりかます」に同じ 【用例】「弱かもん虐めな、止めなっせ…今度したんだあ、ボテクリコカシますばい」 →「弱い者いじめは、止めなさい…今度やったら、ぶっ飛ばしますよ」 |
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100 | ぼてくりまわす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ぼこぼこに殴り倒す 【意味等】「ぼてくりかます」に同じ 【用例】「兄ちゃんのボテクリカマシとんなあけん、あたしいなしかかってきなれん」 →「兄さんがボコボコにやっつけているので、私にはちょっかいを出してこないの」 |
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101 | ぼてこかす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ぶっ飛ばす 【意味等】殴り倒す、立てないようにする 【参考】ぼて(殴る、ふらつく)+こかす(倒す) 【類義】ぼてくりかます、ぼてくりこかす、ぼてくりまわす、ぼてこかす 【用例】「あらあ…のぼしかえっとうけん、1回なボテコカサなあいきめえや」 →「あいつ…つけあがっているので、1回はぶっ飛ばさないといけないだろう」 |
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102 | ぼてふれ |
【標準語】担ぎ棒、行商人 【意味等】行商用の張りぼての担ぎ棒、天秤棒を担いでの物売り 【参考】漢字で「棒手振」、商品の入った張りぼてを担ぐ天秤棒やそれを売り歩く商人 【関連】天秤棒での行商は大昔の商売方法で時代劇やイベントなどでしか見られない 【同義】ぼてふれ、ぼてふり |
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103 | ぼてふり |
【標準語】担ぎ棒、行商人 【意味等】「ぼてふれ」に同じ |
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104 | ぼてぼて 《詳しくはこちら》 |
【標準語】動きが緩慢な様 【意味等】軽快ではない様、足元がおぼつかない様子 【類義】ぼとぼと:よぼよぼ(高齢による衰えた動き) 【参考】「ぼてくりこかす」から、ボコボコや無茶苦茶にされるイメージがある 【用例】「おまえやら…いっちょん好かん、ボテボテいなるごとくらいちゃあ」 →「おまえなんか…大嫌いだ、動けなくなるくらい殴ってやる」 |
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105 | ぼてれん |
【標準語】妊婦 【意味等】お腹が膨らんだ妊婦 【参考】由来は「ぼて(はりぼて)」のようなお腹であることから言う 【関連】「ぼて腹」は、張りぼてのような大きいお腹で、妊娠腹を言う |
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106 | ほとくる |
【標準語】解ける 【意味等】ほどける、結んだり絡まった紐などが解ける 【参考】「解ける(ほどける)」の音変異 【用例】「靴紐ば新しい替えたとばってん…すぐいホトクル、歩きにっかや」 →「靴紐を新品に替えたんだけど…すぐに解ける、歩きにくいよ」 |
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107 | ほとけさん |
【標準語】成仏霊 【意味等】亡くなって成仏した死者、太陽や月、神・仏 【同義】ほとけさん、のんのんさま(幼児語)、まんまんさん(幼児語) 【用例】「やかましばばさんやったが、ほうけて…ホトケサンのごとなっとんなあ」 →「口うるさい婆さんだったけど、認知症で…成仏霊のようになっちゃった」 |
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108 | ぼとつく |
【標準語】よぼよぼする 【意味等】足元がおぼつかない、歩き方が頼りない 【参考】由来は、足取りがボトボトとおぼつかない様から言う 【類義】ふらつく:足取りがフラフラとおぼつかない状態 【用例】「爺しゃんのボトツキよるけん、病院さい行きなあとい、車で送っちゃり」 →「爺ちゃんの足元がおぼつかないので、病院に行くのを、車で送ってちょうだい」 |
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109 | ほとばかす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ふやけさせる 【意味等】水分を吸わせて膨らかす、水につけて柔らかくする 【同義】ひらかす、ふやかす、ほとばかす、ほとびらかす 【参考】「ほとばかす」は古語で、ふやけさせること ・ひらかす:ひら(開く)+かす(~させる) ・ふやかす:ふや(増える)+かす(~させる) ・ほとばかす:ほとば(潤おう)+かす(~させる) 【関連】「ほとびる」は、ふやけること 【用例】「手作り味噌ば作るけん、そこの大豆ば水い漬けて、一晩…ホトバカイテ」 →「手作り味噌を作るので、そこの大豆を水に漬けて、一晩…ふやけさせて」 |
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110 | ほとびらかす 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ふやけさせる 【意味等】「ほとばかす」に同じ 【用例】「小豆ばホトビラカスたあ、魔法瓶さい豆と熱湯ば入れたら…一晩ででくる」 →「小豆を軟らかくするには、魔法瓶に豆と熱湯を入れたら…一晩でできる」 |
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111 | ほとびる 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ふやける 【意味等】水に浸かって軟らかく膨れる 【参考】漢字で「潤びる」、古語でふやけるの意 【用例】「長湯ばしとったら、お湯で指のホトビテ…しわしわいなっしもうた」 →「長湯をしていたら、お湯で指が軟らかく膨らんで…しわしわになってしまった」 |
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112 | ぼとぼと |
【標準語】よぼよぼ 【意味等】老化の姿態、高齢による衰えた動き 【参考】由来は不明、老化のためボトボトと足を落とすように歩く状況の擬音か? 【類義】ぼてぼて:動きが緩慢な様 【関連】ぼとつく:よぼよぼする、足元がおぼつかない 【用例】「婆さんの亡うなって、急いボトボト…「お迎えのこんかいな」が口癖やん」 →「婆さんが亡くなって、急に老け込んで…「お迎えが来ないかなあ」が口癖だよ」 |
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113 | ほとめく 《詳しくはこちら》 |
【標準語】もてなす 【意味等】歓待する、歓迎する、ご馳走する 【参考】由来は諸説、古語の「ほとめく」は、コトコトと音を立てるの意 ・漢字で「熱めく」ならば、心が熱く…熱意を持つこと→熱烈歓迎 ・漢字で「火処めく」なら、御馳走作りに精を出すこと→ねんごろに待遇 【関連】漢字で「女陰めく」で、「ときめく」の隠語説というのもある 《類義》ほめく:上気する、欲情をもよおす 【用例】「旅行で博多い来るとなら、糸島いも寄り…うちい来たんだあホトメクばい」 →「旅行で博多に来るんなら、糸島にも寄って…我が家に来るなら歓迎するよ」 |
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114 | ほにょって 《詳しくはこちら》 |
【標準語】かろうじて 【意味等】ようやく、なんとか、やっと 【同義】ほにょって、ほにょっと、かっとかっと、やっとこっと 【参考】由来は不明、「骨を折って」の音変異と思われる 【用例】「部活で…受験勉強ば始むるとの遅れて、あの高校いホニョッテ通んなった」 →「部活で…受験勉強を始めるのが遅れて、あの高校に何とか合格したんだ」 |
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115 | ほにょっと 《詳しくはこちら》 |
【標準語】かろうじて 【意味等】「ほにょって」に同じ 【用例】「彼女の手作り弁当…不味かと…ばってん、言われんけんホニョット食うた」 →「彼女の手作り弁当…不味いんだ…でも、言えないのでやっとの思いで食べた」 |
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116 | ほねがましい |
【標準語】小骨が多い 【意味等】小骨を取るのがめんどくさいこと、小骨が多くて食べにくい 【参考】ほね(骨)+~がましい(~の傾向がある)→骨の傾向がある 【用例】「こえんコノシロば釣って…ホネガマシカけん、酢のもんぐらいしかならん」 →「こんなにコノシロを釣って…小骨が多いので、酢の物にくらいにしかならない」 |
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117 | ぼぼ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】性交、女性器 【意味等】 (1)性交の「ぼぼ」 《意味》セックス、交尾、男女が交接すること、まぐわうこと 《用例》「東京ラブストーリーの「かんち、ボボしょう!」の科白いな興奮したばい」 →「東京ラブストーリーの「かんち、セックスしよ!」の科白には興奮しちゃった」 (2)女性器の「ぼぼ」 《意味》女陰、人の女性の生殖器 《同義》ぼぼ、めめこ、めめさん 《用例》「なんや…ボボやら無修正のエッチか画像や?うわぁ~…俺いも見しちゃり」 →「何だと…女性器など無修正のエッチな画像だと?うわぁ~…俺にも見せてくれ」 【参考】由来は古語の「ぼぼ」で同じ意味 【関連】古語の「ぼぼ」について ・「日葡辞書」(1603)にも掲載、女性器の幼児語としても使われていたらしい ・由来は「産子(おぼこ)」の説もあり、東北地方を中心に「赤ん坊」の意が強い |
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118 | ほぼしか |
【標準語】(視力が)衰える 【意味等】目がかすむ、加齢により思うように見えなくなること 【参考】由来は不明、佐賀を中心に九州北部の一部地域で使われる 【用例】「年やな…目のホボシシュウなって、新聞の細か字やら読みゃされん」 →「年だな…目がかすんじゃって、新聞の小さな字なんか読むことができん」 |
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119 | ほほらぬくい |
【標準語】ほんのり暖かい 【意味等】ほのかに暖かい、生暖かい 【同義】ほほらぬくい、ほほらぬっか 【参考】ほほら(ほのかに、ぼやっと)+ぬくい(温かい) 【用例】「便座のホホラヌクイたあ…さあきまで誰か座っとったごたって、好かん」 →「便座がほのかに暖かいのは…さっきまで誰か座っていたみたいで、嫌だ」 |
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120 | ほほらぬっか |
【標準語】ほんのり暖かい 【意味等】「ほほらぬくい」に同じ 【用例】「おんぶしとったら、まりかぶんなった…じわーっと背中のホホラヌッカや」 →「おんぶしてたら、お漏らししちゃった…じわりと背中が生暖かいなあ」 |
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121 | ほめく 《詳しくはこちら》 |
【標準語】蒸し暑くなる、欲情する 【意味等】 (1)蒸し暑くなるの「ほめく」 《意味》ムンムンする、はなはだしく暑くなる 《用例》「夕立の降ったけん、涼しゅうなるかと思うたら…えらいホメキますなあ」 →「夕立が降ったので、涼しくなるかと思ったら…たいそう蒸し暑いですなあ」 (2)欲情するの「ほめく」 《意味》火照る、欲情をもよおす、いちゃつく 《同義》ほとめく、ほめく 《用例》「温泉宿で、長湯でホメイテ…彼と一緒やけんホメイテ…ああ、いやらっさ」 →「温泉宿で、長湯で火照って…彼と一緒なのでいちゃついて…ああ、いやらしい」 【参考】漢字で「火めく・熱めく」で、気候や心身が熱くなることをいう |
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122 | ほもめん |
【標準語】帆布 【意味等】木綿や麻などを使った平織で織られた厚手の生地、帆やテント用の布 【参考】ほ(帆)+もめん(木綿) |
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123 | ほや |
【標準語】電球、籾殻 【意味等】 (1)電球の「ほや」 《意味》灯りの入ったガラス製の容器、電球、ランプの球 《参考》漢字で「火屋」、灯した火を配置する容器 《関連》「でんきのほや」は電球、電気の灯りを収めた容器 (2)籾殻の「ほや」 《意味》米麦の殻 《参考》漢字で「穂屋」、米や麦の身を覆う皮や殻 |
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124 | ぼやーんと 《詳しくはこちら》 |
【標準語】ぼーっと、ぼんやりと 【意味等】「ぼさーっと」に同じ 【用例】「ボヤーントした子やったが…やっぱあ、ボヤーントしたおせいなんなった」 →「ボーッとした子供だったけど…やはり、ボーッとした大人になっちゃった」 |
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125 | ほやけ |
【標準語】あざ 【意味等】痣、火傷跡、皮膚の色素沈着や血管の増殖拡張などによる肌の赤い部分 【同義】ほやけ、ぼやけ 【参考】漢字で「火焼け」、火傷の跡やそれに似た皮膚の痣を言う 【用例】「ももんどうのホヤケば悩みよるげなばってん、うちゃあセクシーかと思う」 →「太ももの痣を悩んでいるそうだけど、私はセクシーだと思う」 |
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126 | ぼやけ |
【標準語】あざ 【意味等】「ほやけ」に同じ 【用例】「頬べんたいボヤケのあったが…おせいなったら、分からんごと薄うなった」 →「頬っぺたに痣があったけど…大人になったら、分からないくらい薄くなった」 |
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127 | ほら |
【標準語】山間の地 【意味等】 木が多く生えた山あいの土地、山と山の間の地方、谷 |
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128 | ぼら |
【標準語】暗い切り通し 【意味等】木が茂って昼でも暗い切通しなど |
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129 | ホリイレ |
【標準語】ウリカワ 【意味等】瓜皮、オモダカ科オモダカ属の水生植物 【参考】水田雑草の一種 |
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130 | ぼる |
【標準語】法外な金額を請求する 【意味等】不当な利益をむさぼる、不当な料金や対価を取って暴利を稼ぐ 【用例】「ビール1本飲うで8万円?えらいボルねえ…じつぁ福岡県警の潜入捜査たい」 →「ビール1本飲んで8万円?すごく法外な請求だな…実は福岡県警の潜入捜査だよ」 |
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131 | ほろく |
【標準語】ほどく 【意味等】解く、結んだ紐などを緩めて外すこと 【参考】「解く(ほどく)」の音変異 【用例】「タコ糸の絡まってしもうたとや?貸してんやい…俺がホロイちゃあ」 →「タコ糸が絡まってしまったのかい?貸してごらん…俺が解いてやろう」 |
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132 | ほろせ |
【標準語】湿疹 【意味等】蕁麻疹、発疹、あせも 【参考】赤い発疹を伴う突然の痒みで、短時間で消えるアレルギー疾患 【類義】くさ:湿疹、あせこ:汗疹 【用例】「アレルギーのあって、ホロセの出るけん…卵な食われんと」 →「アレルギーがあって、発疹が出ちゃうんで…卵は食えないんだ」 |
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133 | ほん |
【標準語】本勝負 【意味等】利害の伴う勝負、ビー玉などを掛け…勝った方が戦利品を取るガチの勝負 【用例】「今度あ真剣勝負…ホンやけん、勝ったらビー玉もらうけん、泣きなんなよ」 →「今度は真剣勝負…本勝負だから、勝ったらビー玉をいただくので、泣くなよ」 |
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134 | ボンエンバ |
【標準語】アカトンボ 【意味等】体色の赤いトンボの総称、アキアカネやナツアカネなど国内21種のトンボ 【参考】ボン(盆)+エンバ(トンボ)→お盆の頃に飛び始めるトンボ |
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135 | ぼんきいする |
【標準語】冗談が通じない 【意味等】何でも疑わず信じ込む、人を信じて疑いを持たない 【参考】ほんきい(本気に)+する 【用例】「あらあ…言うたら何っちゃホンキイシナアけん、ぞうたんも言われん」 →「あいつは…言えば何でも疑わすに信じ込んでしまうので、冗談すらいえない」 |
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136 | ぼんきゃく |
【標準語】正客 【意味等】縁組の式場に招待されて参加する人、結婚式の正式な列席者 |
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137 | ぼんくどき |
【標準語】盆踊り唄 【意味等】盂蘭盆の寄るに踊られる盆踊りの地唄 |
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138 | ほんげんきょう |
【標準語】左義長 【意味等】「ほうげんぎょう」に同じ |
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139 | ぼんごし |
【標準語】鉄槌 【意味等】大型の金槌、鉄製の杭打ち 【同義】ぼんごし、やたて 【参考】由来は諸説 ・「棒くい打ち」の音変異説 ・使い方が悪いと腰を痛め、完治するまで時間がかかり盆を越えるので「ぼんごし」説 |
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140 | ぼんさん |
【標準語】お坊さん 【意味等】僧侶、出家して仏門に入った人、僧、僧徒、沙門 |
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141 | ぼんちゃん |
【標準語】丸いイモ(幼児語) 【意味等】サトイモやジャガイモの愛称 【参考】由来は、坊主頭みたいに丸く…煮っころがしなどの料理が美味しいため 【用例】「おいさんがたのボンチャンな、煮て食うたんだあ…ねっとりして旨かあ」 →「小父さんちのサトイモは、煮て食ったら…ねっとりして旨いなあ」 |
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142 | ホンツゲ |
【標準語】ツゲ 【意味等】黄楊、ツゲ科ツゲ属の常緑低木 【参考】ホンツゲはツゲの別名、西日本でよく使われる 【関連】木質が詰まっていて、印鑑や櫛、将棋の駒などに細工される |
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143 | ほんどくろう |
【標準語】本格的 【意味等】本格的である様、本式、まともな状態 【同義】ほんどくろう、ほんろくろう 【参考】由来は不明 【用例】「ホンドクロウか実績もなかとい、胡麻摺って出世しなった…おかしかろ?」 →「まともな実績もないのに、胡麻摺って出世しちゃった…間違っているだろ?」 |
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144 | ほんなこつ 《詳しくはこちら》 |
【標準語】真実 【意味等】本当の事、本当に、「ほんなこと」に同じ 【参考】ほんな(本当の)+こつ(事の音変異):糸島西部から西側で使用 【用例】「嘘やなか…ホンナコツ、ああたば好いとうと…やけん、ぜんば貸しちゃり」 →「嘘じゃない…本当に、あなたを愛してる…だから、お金を貸してくれ」 |
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145 | ほんなこと 《詳しくはこちら》 |
【標準語】真実 【意味等】本当の事、本当に 【同義】ほんなこつ、ほんなこと 【参考】ほんな(本当の)+こと(事):福岡県北部で広く使用 【用例】「ホンナコッタイ、宝くじい当たったと…10億円当たった夢ば見たと」 →「本当だよ、宝くじに当たったんだ…10億円当たった夢を見たんだ」 |
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146 | ほんに 《詳しくはこちら》 |
【標準語】まことに 【意味等】本当に、実に、間違いなく、なるほど 【同義】ほんに、ほんにい 【参考】語源は、古語の「ほんに」で同じ意味 【用例】「もう何十年って、宝くじば買い続けよるが…ホンニ当たらんもんやねえ」 →「もう何十年と、宝くじを買い続けているが…本当に当たらないものだねえ」 |
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147 | ほんにい 《詳しくはこちら》 |
【標準語】まことに 【意味等】「ほんに」に同じ、やや強調した言い方 【用例】「ホンニイよかお天気で…」「ホンニイ春めいて…ツクシも生えよります」 →「まことに好いお天気で…」「まことに春めいて…ツクシも生えてきました」 |
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148 | ほんばしら |
【標準語】中心となる人 【意味等】リーダー、指揮者 【参考】漢字で「本柱」、建物などを支える要の柱 【用例】「ああたしか…おらん、ああたがホンバシラいならなあ、この企画な進まん」 →「あなたしか…いない、あなたがリーダーにならないと、この企画は進まない」 |
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149 | ぽんぽ |
【標準語】お腹(幼児語) 【意味等】腹、腹部、胸腔と骨盤の間にあって胃腸などの内臓を包む身体の一部分 【同義】ぽんぽ、ぽんぽん 【参考】腹部を叩いたときのポンポンという音 【用例】「そえん何本も、アイスキャンディーば食いなんな…ポンポの痛うなるばい」 →「そんなに何本も、アイスキャンディーを食うなよ…お腹が痛くなっちゃうぞ」 |
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150 | ぽんぽん |
【標準語】腹 【意味等】「ぽんぽ」に同じ 【用例】「布団ば蹴散らかいて、ポンポン出いて寝とうけん、風邪やらひくったい」 →「布団を蹴散らかして、お腹を出して寝ているから.風邪なんかひくんだよ」 |
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151 | ぽんぽん |
【標準語】ずけずけ、どんどん 【意味等】 (1)ずけずけの「ぽんぽん」 《意味》つけつけ、遠慮や加減なしにものを言うさま、感情を丸出しに言い切るさま 《参考》太鼓を叩く音のように、ぽんぽんと勢いよくものを言う様 《用例》「確かい俺が責任者ばってん…そえんポンポン文句ば言わんでよかろうもん」 →「確かに俺が責任者だけど…そんなにずけずけと文句を言わなくてのいいだろう」 (2)どんどんの「ぽんぽん」 《意味》どんどんと、次々に 《参考》太鼓の音のように、ぽんぽんとリズミカルに物が進む様 《用例》「昨日の雨で、地面の軟らこうなって…面白かごとポンポン、雑草の取れる」 →「昨日の雨で、地面が軟らかくなって…面白いように次々と。雑草が抜き取れる」 |
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152 | ぼんぼん |
【標準語】ぼうぼう 【意味等】どんどん、激しく燃える様 【参考】燃えさかる炎の音「ぼうぼう」×次々にの「どんどん」→ぼんぼんと思われる 【用例】「裏山のボンボン燃えよう…早よ消さなあ燃え広がって、大事いなるが」 →「裏山がぼうぼう燃えてる…早く消さないと燃え広がって、大変なことになるぞ」 |
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153 | ほんまが |
【標準語】代掻き(農業用語) 【意味等】仕上げの代掻き、牛馬(トラクター)を使っての念入りな代掻き 【参考】ほん(本:主となる)+まが(馬鍬(まぐわ)による代掻き) 【関連】代掻き:田植え前の下準備(水を張った水田の土を砕いて平らにならす作業) |
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154 | ほんや |
【標準語】本家、母屋 【意味等】 (1)本家の「ほんや」 《意味》血統が嫡流である家筋、分家に対して本家の意、長男 《参考》ほん(本筋の)+や(家)→血統が本筋の家系の家 《対義》分家、隠居 《用例》「ホンヤのおいさんが、父ちゃんのあんしゃん…爺ちゃんが二人の父親たい」 →「本家の伯父さんが、父さんの兄さん…お爺ちゃんが二人の父親だ」 (2)母屋の「ほんや」 《意味》屋敷の主が住む主要な家屋 《参考》ほん(主要な)+や(家屋) 《同義》おもて、おりや、ほんや 《対義》離れ 《用例》「家族な本家いおるが…離婚して帰ってきたおばしゃんな、離れい住んどう」 →「家族は母屋にいるけど…離婚して帰ってきた叔母は。離れに住んでいる」 |
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155 | ほんろくろう |
【標準語】本格的 【意味等】「ほんどくろう」に同じ 【用例】「コーヒーば飲むとい、家で豆ば煎って挽いて…えらいホンロクロウかねえ」 →「コーヒーを飲むのに、自宅で豆を煎って挽いて…すごく本格的だねえ」 |