あすび、あすびごと、あすぶ
【標準語】遊興、好きなことを楽しむ
【品詞】名詞、動詞(あすぶ)
【意味】
(1)「遊興」の「あすび」
《意味》料亭や酒場など風俗でのお遊び、慰みごと
《用例》
・今度、なかずいアスビい行こうえ…なんて?ぜんのなか?しけとうことば言いなすな
→今度、中洲に遊興に行こうよ…何だって?金が無い?つまんないことを言うなよ
・あんた…よか噂な聞かんばってん、うちの娘とアスビゴトで付き合いよりめえな
→あんた…好い噂は聞かないけど、うちの娘と慰みごとで付き合ってないだろうな
・わっかとっからアスビ好きで…飲うでそうつきよんなったが、とうとう借金で夜逃げたい
→若い時から遊興が好きで…飲みまわっていたけど、とうとう借金で夜逃げだよ
(2)「好きなことを楽しむ」の「あすび」
《意味》趣味など好きなことをして楽しむ、手遊び、弄び、冗談、悪戯
《用例》
・アスビでしようって言わっしゃあばってん、ああたの作品な…アスビの域ば越えとります
→好きでしているっておっしゃるけど、あなたの作品は…趣味の域を越えています
・今から「夏休みの過ごし方」ば話すけん、アスビゴトせんで…よおと聞いときんしゃい
→今から「夏休みの過ごし方」を話すので、手遊びをせずに…よく聞いておきなさい
・傷薬ば取っちゃり、アスビでネコばもざくりよったら…はらかいて掻き裂かれっしもうた
→傷薬を取って、悪戯でネコをいじくりまわしてたら…怒って引っ掻かれてしまった
【同義】あすび、あすびごと
【活用】「あすぶ」は動詞としても使う
【参考】
・由来は、古語の「あすぶ」で同じ意味
・「あすびごと」は玩具の意味もあり、「あすびもん」「あすんもん」と同意
「あすび」を使ったことば
あすびもん、あすんもん
【標準語】玩具、慰み者
【品詞】名詞
【意味】
(1)「玩具」の「あすびもん」
《意味》おもちゃ、遊びに使う道具、遊ぶための道具
《同意》あすびごと、あすびもん
《参考》あすび(遊び)+もん(もの)→遊び物(玩具)
《用例》
・昔ゃあゲームやらなかけん、棒やら石やら…何っちゃアスンモンいしてアスビよった
→昔はゲームなんかないので、棒や石など…何でも遊びの道具にして遊んでいた
・うちい来たっちゃ…よかアスビモンのなかけん、このごらあ…孫の寄り付きもしなれん
→我が家に来ても…気に入った玩具が無いので、最近は…孫が寄り付きもしない
・お年玉ば…たいそもろうたが「貯金せれ、アスンモンやら買うたらならん」って言われた
→お年玉を…たくさん貰ったけど「貯金しろ、玩具なんか買っちゃいかん」って言われた
(2) 「慰み者」の「あすびもん」
《意味》いじめられっ子、からかいの対象
《参考》玩具にされる対象が人や動物の場合
《用例》
・息子じょうな…学校でアスンモンいされて虐められようげな、はよ…相談したがよかよ
→息子さんは…学校で慰み者にされて虐められてるらしい、早く…相談した方がいいよ
・掻き裂かれて…泣きよる?ほーらネコばアスビモンいしなんなって、言いよっつろうが
→引っ掻かれて…泣いてる?ほーらネコを虐めの対象にするなって、言ってたでしょう
イラストによる用例解説

【翻訳】
「中洲(なかす)に遊びに行きたいけど、お金がない!」
「天神(てんじん)くらいだったら、遊びに行けんかねぇ?」
【博多・糸島弁検索】
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