いがく

【標準語】茹でる、虐める

【品詞】動詞

【意味】

(1)「茹でる」の「いがく」

《意味》茹でる、長時間熱湯で加熱する

《類義》いびる

《参考》

・由来は「湯掻く」と思われるが「湯掻く」は短時間の湯通しを言い「茹でる」とは違う

・「湯掻く」と「茹でる」が同義の地域も多いので、「湯掻く」の音変異と思われる

・「いびる」には、焼くや炙る、炒めるなどの調理方法の意味もある

《用例》

・エダマメばイガイタけん…食べり、家庭菜園の採れたてやけん…旨かよ
 →エダマメを茹でたので…食べて、家庭菜園の採れたてなので…旨いよ

・おらあ…目玉焼きも卵焼きも好いとうばってん、イガキ卵がいっち好いとうと
 →俺は…目玉焼きも卵焼きも好きなんだけど、茹で卵が一番好きなんだ

・このタケノコな…掘ってすぐイガイとうけん、えぐみののうして…美味かー
 →このタケノコは…掘ってすぐ茹でているので、えぐみがなくて…美味いー

(2)「虐める」の「いがく」

《意味》いびる、責め苦しめる、いじめる

《類義》いびる、こなす、にくじゅうする、いらう、いろう

・「こなす」は、主に肉体的に暴力を加えて苦しめること

・「にくじゅう」は、主に精神的にからかって苦しめること

・「いらう」「いろう」は弄んだり、いじって苦しめること

・「いがく」「いびる」は、肉体的や精神的に関係なく虐め苦しめること

《用例》

・あらあ…のぼしかえっとうけん好かん、皆でイガイテ…仲間外しいしょうえ
 →あいつは…生意気だから嫌いだ、皆で虐めて…仲間外れにしようぜ

・練習って言うて先輩のイガキなあ、こらあ…特訓やなかぜ、こなしよんなあだけぜ
 →練習と言って先輩がしごくんだ、これは…特訓じゃない、虐められているだけだ

・あらあ…しゃばぞうやけん、ちょっとイガイたら…すぐ泣くぜ
 →あいつ…弱虫なので、ちょっと痛めつけたら…すぐ泣くよ

「いがく」を使ったことば

いがきあげる

【標準語】責め立てる、虐め倒す

【品詞】動詞

【意味】

(1)「責め立てる」の「いがきあげる」

《意味》詰問する、執拗に責める

《用例》

・あらあ海千山千…只者やなかばい、まーだイガキアゲらなあ…白状せんばい
 →あいつは海千山千…只者じゃないよ、もっと執拗に責めないと…白状しないよ

・事故の責任なあの会社やけん、社長ばイビリアゲテ…慰謝料ばまあだ出させない
 →事故の責任なはの会社だから、社長を責め立てて…慰謝料をもっと出させなさい

・気持ちゃあ分かるばってん、あの人ばイガキアゲタっちゃ…元いな戻らんとばい
 →気持ちはわかるけど、あの人を責め立てても…元には戻んないんだぜ

(2)「虐め倒す」の「いがきあげる」

《意味》執拗にいじめる、執拗に苦しめ困らせる

《用例》

・あんたあ…男のカスやねえ、しゃばかとばイガキアゲルたあ…たいがいいしとけ
 →あなたは…男のカスだねえ、弱いヤツを執拗に虐めるのは…いい加減にしなさいよ

・何で…そえんイビリアゲルとな?おらあ…はらかいとうけん、何ばするかわからんばい
 →なぜ…そんなに必要に困らせるんだ?俺は…怒ってるから、何をするか分からないぞ

・あんまとイガキアグルもんやけん、相手の切れて…刺されて大怪我しとう
 →あまりにも執拗に苦しめるものだから、相手が切れて…刺されて大怪我している

【同義】いがきあげる、いびりあげる

【参考】いがき・いびり(責める・虐める)+あげる(上げる)→執拗に責める

■TOP画面に戻る
■「知っとう、博多・糸島弁」に戻る

イラストによる用例解説


【翻訳】
「俺は…ゆで卵が一番好きなんだもん!」

 

【翻訳】
「き、き、き、貴様…締め上げるぞ!ミホちゃんを…俺が好きなミホちゃんを…お前は!」
「俺が何をしたって言うんだよ!」
「ミホ…こっちのほうが好きなの…」

■TOP画面に戻る
■「知っとう、博多・糸島弁」に戻る

【博多・糸島弁検索】

あ(ア) い(イ) う(ウ) え(エ) お(オ)
か(カ) き(キ) く(ク) け(ケ) こ(コ)
さ(サ) し(シ) す(ス) せ(セ) そ(ソ
た(タ) ち(チ) つ(ツ) て(テ) と(ト)
な(ナ) に(ニ) ぬ(ヌ) ね(ネ) の(ノ)
は(ハ) ひ(ヒ ふ(フ) へ(ヘ) ほ(ホ)
ま(マ) み(ミ) む(ム) め(メ) も(モ)
や(ヤ)   ゆ(ユ)   よ(ヨ)
ら(ラ) り(リ) る(ル) れ(レ) ろ(ロ)
わ(ワ)       ん(ン)