うと、うど、うろ

【標準語】空洞

【品詞】名詞

【意味】

・洞、空洞、洞穴

・崖や岩、大木の根元・朽木などにある洞、空洞、洞穴

・河岸や渓谷、崖、岩場などの、えぐれている洞、空洞、洞穴

【同義】うと、うど、うろ

【参考】由来は、うつ(空)の音変異

【類義】ほげ、ほげたん

《意味》穴ぼこ、穿った穴

【用例】

・木の根のウトい…卵のあるが、鳥んとかいな?蛇んとかいな?
 →木の根の空洞に…卵があるけど、鳥のかなあ?蛇のかなあ?

・山ん中腹い…ウドのあろうが、あらあ戦時中…戦車ば隠いとったウドげな
 →山の中腹に…洞穴があるだろ、あれは戦時中…戦車を隠していた穴だそうだ

・芥屋の大門のウロな…雷山千如寺のウロい繋がっとうげなが、ほんなことかいな?
 →芥屋の大門の洞窟は…雷山千如寺の洞穴に繋がっているそうだが、本当かなあ?

「うと」に関連する言葉

うとさく

【標準語】阿呆

【品詞】名詞

【意味】馬鹿、阿呆、ぼんやりしている人

【参考】空洞を擬人化:うと(空洞)+さく(人名化)→頭(脳)に空洞がある人

【用例】

・あれが…ウトサクやもんやけん、ボーッとして…やりそこないばっかししなあと
 →あいつが…馬鹿なものだから、ボーッとして…失敗ばかりするんだ

・あっちの息子な…ウトサクと思うとったが、うちの息子より…学校のでくると
 →あちらの息子は…阿呆と思っていたけど、うちの息子より…成績が良いんだ

うとけ、おとけ

【標準語】空洞の状態

【品詞】形容動詞

【意味】空洞ができた様、内部異常で空っぽな様

【同義】うとけ、おとけ

【参考】

・野菜などに異状が起っきてできた空っぽな部分、またその状態を言う

・ウトケ大根 → 成長し過ぎなどによって中に空洞ができた大根

・スイカのオトケ → 1番果のスイカなどの中心部にできる空洞

【用例】

・このダイコンな…おえとう、とうの立って…硬うなってオトケのでけとう
 →このダイコンは、終わっている、成長しすぎて…固くなって空洞ができている

・病気の入って…売りもんにならん、何の病気かいな…ウトケカボチャいなっとう
 →病気が入って…売り物にならん、なんの病気だろう…空洞カボチャになっている

・そんくらい…我で考えれ、脳みそい…ちったあオトケでけとらんや?
 →そのくらい…自分で考えろ、脳みそに…少し空洞が出来てないか?

うぐる、うとける、おとける

【標準語】空洞ができる

【品詞】動詞

【意味】空洞ができる、内部異常で空の部分が出来る

【参考】

・野菜などに異状が起っき空洞ができることを言う

・「うとける」「おとける」は「うとけ」「おとけ」の動詞活用

【用例】

・この大根な…ウトケとうが、とうの立って…おえとうごたる
 →この大根は…空洞ができている、成長し過ぎて…駄目になっているようだ

・やっぱあ…真ん中のオトケとう、このスイカあ…いがんどうもん
 →やはり…中心部分に空洞ができている、このスイカは…歪んでいるもの

・おまやあ…うんてれがんやね、頭ん中のウゲトウとやなかや?
 →お前は…マヌケだな、頭の中に、空洞が出来ているんじゃないか?

【同義】うぐる、うとける、おとける

【参考】

・「うぐる」の由来は、うげ(うぐ=うと:空洞)+る(動詞活用)

・「うとけ(る)」の由来は、うと(空洞)+ける(助動詞「けり」の連体形)

・「おとけ(る)」は「うとけ(る)」の音変異

 

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イラストによる状況解説

【翻訳】
「あらっ…空洞ができている」

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