おうどう、おおどう、おうろう、おおろう
【標準語】大胆、横着
【品詞】形容動詞
【意味】
(1)「大胆」の「おうどう」
《意味》図太い、肝の座った
《用例》
・けそけそしやんな…男やったら、オウドウ構えて…やってんない
→おどおどするなよ…男だったら、どんと構えて…やってみろ
・今度の新人な…オウドウか男ばい、がられたっちゃ…屁のごとしとう
→今度の新人は…肝が座った男だよ、怒られても…動じる気配がない
・オウドウかとが…よか、やかましゅう言われて…うつ病いなるごたあたあ無理
→図太い人が…いい、クレームを付けられて…うつ病になるような人は無理
(2)「横着」の「おうどう」
《意味》粗略、ぞんざい、横着に構える
《同義》おうちゃっか、おうどう
《用例》
・おまやあ…醤油買いやろ?オウドウいしとらんで…気ば利かいて動け
→お前は…新参者だろ?横着に構えてないで…気を利かせて手伝え
・優しいかばってん…愛想ななかし、言いようもオウドウやけん…えずがられる
→優しいんだけど…愛想はないし、話し方もぞんざいなので…怖がられる
・あんたオウドウかねえ…あたしゃ先輩バイ、何な…その言いこぼしな
→あなた横着だねえ…私は先輩だよ、何だよ…その口の聞き方は
【同義】おうどう、おうろう、おおどう、おおろう
【参考】由来は「横道」、道を外れたことや邪道、よこしまを意味する
「おうどう」を使ったことば
おうどうもん、おうろうもん、おおどうもん、おうろうもん、ふとうもん
【標準語】大胆な人、乱暴者
【品詞】名詞
【意味】
(1)「大胆な人」の「おうどうもん」
《意味》肝の座った人、器の大きい人、頼りになる人、不屈の人
《参考》標準語の「おうどう(横道)」は否定的な意味だが、肯定的にとらえられる
《用例》
・あすこでホームランば打つやら…やっぱあ、大谷な…オウドウモンばい
→あそこでホームランを撃つなんて…やはり、大谷は…凄いやつだ
・社長い「ああたあ間違うとう」って意見しよう、わっかとい…オウドウモン
→社長に「あなたは間違ってる」と提起してる、若いのに…肝が座った奴だ
・やられたっちゃ…やられたっちゃ、しかかってきなあ、あら…フトウモンやが
→やられても…やられても、挑んでくるんだ、あいつは、不屈の人だ
(2)「乱暴者」の「おうどうもん」
《意味》道理に外れた乱暴者、横着者、前科者、横着者
《用例》
・何やあらあ…俺いガンつけよる、オオドウモンのごたあけん…くらいちゃろう
→何だあいつい…俺にガンつけてる、横着者のようなので…殴ってやろう
・フトウモンって聞いて…心配しよったが、礼儀正しか…よか青年やが
→乱暴者と聞いて…心配していたが、礼儀正しい…好青年だよ
・おまやあ、食う、寝る、あすぶばっかしの…オウロウモンやねェ
→お前は、食う、寝る、遊ぶだけしかしない…横着者だな
・今はあげんしとんなあが、わっか時ゃ…悪そうばっかしするフトウモンやったと
→今はあんなふうだけど、若い時は…悪いことばかりする無法者だったんだ
・あらあ…優しかろうごとしとうばってん、人殺しの…オウドウモンたい
→あいつは、優しそうにしているけれど、殺人を犯した…前科者だ
【同義】おうどうもん、おうろうもん、おおどうもん、おおろうもん、ふとうもん
【参考】
・「おうどうもん」は、おうどう(横着・大胆)+もん(者)
・「おうろうもん」「おおどうもん」「おうろうもん」は「おうどうもん」の音変異
・「ふとうもん」は、ふとう(不屈)+もん(者)
・福岡では「肝が座っている」など、良い意味に捉える場合が多い
イラストによる用例解説
【翻訳】
「俺は、ヤクザなんか嫌いだ!今から組事務所まで行って、抗議してこようと思っています」
(俺に任せろ愛と正義)(愛と正義に怖いものなし!)
「怖くないのかなあ…凄いね、あの人は…肝が座っているねえ」
「違うよ!議員になりたいからパフォーマンスだよ!」
◎「おうどうもん」を使った伝承
《伝承》「博多んもんなオオドウモン、青竹割ってへこいかく」
《意味》
・博多の者は激しい心意気を持っているので(褌が乾かなければ)、青竹を割って締めるくらいの大胆な者という、心意気を表したもの
【翻訳】
(博多の男は大胆な者、青竹を割って締め込みにする…)
「いてて…ワイルドだろ~」
「痛そうだなあ…お尻から血が出てるよ…あらーっ!大変」
【博多・糸島弁検索】
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。