おめく、おらぶ
【標準語】大声を出す、大声で鳴く
【品詞】動詞
【意味】
(1)「大声を出す」の「おらぶ」
《意味》叫ぶ、高く鋭い声を発する、大声を出す、大声で泣く
《用例》
・はらかいたけんって…そえんオメキなんな、近所中に聞こえろうが
→怒ったからって…そんなに大声を上げるなよ、近所中に聞こえているだろ
・俺が悪かったって言いよろうが、そえんオメキなんな…おおじょうするや
→俺が悪かったって言ってるだろ、そんなに泣き叫ぶなよ…困ったなあ
・えらいオラビよんなったばってん、よっぽど悔しゅうしてたまらんやったちゃろうね
→すごく叫んでいたけど、よほど悔しくてたまらなかったんだろうね
・おんなーちゃなかとや?ちょっとオロウデンない
→居るんじゃないのかい?ちょっと大きな声で呼びかけてみなさい
(2)「大声で鳴く」の「おらぶ」
《意味》鳥などが鳴く、犬などが吠える
《用例》
・春いなってきたけん、朝方あようウグイスのオラビようね
→春になってきたので、朝方はよくウグイスが鳴いているね
・隣のニワトリの…毎日夜中の2時頃さいオメキなあけん、寝不足いなりよう
→隣のニワトリが…毎日夜中の2時頃に大声で鳴くので、寝不足になっている
【類義】おめく、おらぶ
【参考】語源は古語
・「おめく」は「喚く」で古語の「をめく」の音変異
・「おらぶ」は古語の「哭ぶ(おらぶ)」で意味は同じ
【関連】
・おらんでんない、おろーでんない→大きな声で呼んでみなさい
・おらびなんな、おめきなんな→大きな声で騒ぎたてるな
・おらびまわる→大きな声で叫びまわる
「おらぶ」を使ったことば
ひのおらび、けわしごえ
【標準語】絶叫
【品詞】名詞
【意味】大声で叫ぶこと、高く鋭い声を発すること、火事を知らせるような叫び
【同義】けわしごえ、ひのおらび
【参考】
・けわし(余裕がない)+こえ(声)→大声での喚き、怒号
・ひの(火の)+おらび(哭び)→「火事」を知らせるときの叫び:絶叫
【用例】
・はらかいとうけんって、そえんケワシゴエば出さんっちゃぁ…聞こえとる
→怒っているからって、そんなに大声で叫ばなくても…聞こえている
・嫁子の…ヒノオラビしよんなあ、お隣な…また夫婦喧嘩のごたあね
→奥さんが…大声で怒鳴ってる、お隣は…また夫婦喧嘩のようだね
・昨日…公園でおなごのヒノオラビの聞こえよったが、露出狂の出たとげな
→昨日…公園で女性の絶叫が聞こえていたが、露出狂が出たようだ
イラストによる用例解説
博多・糸島弁
【翻訳】
「亭主が浮気しているーっ!私は、悔しーっ!ぐおおーっ!うわああああ…」
「ご、誤解だよ!俺はそんなにモテない!浮気なんかしてないーっ、大声で叫ばないで!」
「落ち着いてくれよぉ」
【博多・糸島弁検索】
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。