こくっと、ころっと

【標準語】ぽっくり、まったく

【品詞】副詞

【意味】

(1)「ぽっくり」の「こくっと」

《意味》ぽっきり、もろく壊れたり折れる様、ころりと、あっけなく亡くなる様

《参考》「こくっと」「ころっと」共通の意味

《用例》

・鉄筋の入っとらんコンクリート柱な、ちいっと揺れたくらいで…コクット折るる
 →鉄筋が入ってないコンクリート柱は、ちょっと揺れた程度で…ぽろっと崩れる

・ばばさんの転んで手ばついたら、コクット骨の折れたげな。骨粗鬆症やったげな
 →お婆さんが転んで手をついたら、ぽろっと骨が折れたそうだ。骨粗鬆症だったようだ

・いっつも…ぞうたんば言うて笑わせよんなった爺さん、昨日…コロット逝きなったげな
 →いつも…冗談を言って笑わせていた爺さん、昨日…ポックリ逝っちゃったそうだ

(2)「まったく」の「ころっと」

《意味》けろりと、すっかりと、ことごとく、すべて、みんな

《参考》主に「ころっと」で「こくっと」を使うことはない

《類義》ごそっと、ごろっと

《用例》

・しもうた…今日な歯医者ば予約しとったが、忙しゅうして…コロット忘れとった
 →しまった…今日は歯医者を予約してたのに、忙しくて…すっかりと忘れていた

・昔ゃあ…よう虫捕りい来よったが、宅地造成で…景色のコロット変わっしもうた
 →昔は…よく虫取りに来てたけど、宅地造成で…風景がまったく変わってしまった

・野菜ば無人販売しよるが…悪かとのおる、野菜もぜんも…コロット盗まれとう
 →野菜を無人販売しているが…悪い奴がいる、野菜もお金も…ことごとく盗まれている

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イラストによる用例解説

 

【翻訳】
「元気そうだったけど…ポックリ逝かれましたねえ!」
「階段から落ちて、首の骨がポッキリといったようだねえ…南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」
「俺は今日が葬式だってこと、コロット忘れてたよ」

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