そざす
【標準語】誤る、壊す
【品詞】動詞
【意味】
1)「誤る」のそざす
《意味》仕損じる、しそこなう、間違える
《参考》「動詞+そざす」といった使い方をする
《同義》~そこのう、~そこ間違う、~そざす
《用例》
・書きソザイた官製はがきな、郵便局で5円で新品に変えちゃんなあとぜ
→書き損じた官製はがきは、郵便局で5円で新品に変えてくれるんだぜ
・乾杯の音頭で…あがっしもうて、乾杯ば万歳って言いソザイテ…あこうなったや
→乾杯の音頭で…緊張してしまって、乾杯を万歳と言いそこなって…恥かいちゃったよ
2)「壊す」のそざす
《意味》壊す、駄目にする、狂わせる、破る
《用例》
・こらあ…たっかカメラばい。あんたい貸いたらソザソウごたるけん…貸されん
→これは…高いカメラだよ。あんたに貸したら壊しそうだから…貸せない
・爪砥ぎで…柱やら、ふすまやら、たんすやらソザイテしまうけん、ネコな飼われん
→爪砥ぎで…柱やふすま、たんすなどをダメにしてしまうから、ネコは飼えない
・パソコンしながらコーヒー飲みなんな。この前…こぼいて1台ソザイタばっかりやろうが
→パソコンしながらコーヒー飲むなよ。この前…こぼして1台壊したばかりでしょうが
【参考】語源は古語の「損ざす(損ずる、傷める)」で、国内の広範囲で使われている方言
【関連】「そざす」の活用
1)そずる、そぜる:受動的な活用
《意味》壊れる、駄目になる、狂う、破れる
《参考》身体や機械などの一部に異常が起こって働きが損なわれること
《用例》「バーンって、そえん強う閉めなんな…優しゅう閉めない、ドアのソズルたい」
→「バーンと、そんなに強く閉めないで…優しく締めなさい、ドアが壊れるよ」
2)そぜた:1)の過去形
《意味》壊れた、駄目になった、狂った、破った
《用例》「ディスカウントショップで買うたズボンのファスナーのゾゼタ…安もんないかん」
→「ディスカウントショップで買ったズボンのファスナーが壊れた…安物はいかん」
3)そぜとう:1)の状況説明
《意味》壊れている、破れている、故障している、狂っている
《用例》「おかあしかと思うとったら、腕時計のソゼトウ」
→「おかしいと思ったら、腕時計が狂っている」
4)「そざす」を使った言葉:ひきそざす
《意味》誘って悪仲間に加える、真面目な人を不良仲間に引き入れる
《参考》ひき(引き込んで)+そざす(駄目にする)→誘って悪仲間に加える、誘惑する
《用例》「酒ば飲まいて、夜遅うまで連れ回いて…娘ばヒキソザサンどっちゃらん」
→「酒を飲ませて、夜遅くまで連れ回して…娘を不良に引き入れないでくれないか」
イラストによる状況解説
【翻訳】
両親「あーっ、やめて~」子ども「くきゃきゃ…あうあうバブブ…」
【博多・糸島弁検索】
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