くじる、つくじる
【標準語】穿る(ほじくる)、弄ぶ(もてあそぶ)
【品詞】動詞
【意味】
(1)「穿る(ほじくる)」の「くじる」
《意味》つつく、いじる、潜り込ませる、つねる、いじる、引っ掻く
《用例》
・あんたぁ、いっつも鼻の穴ばクジリよるけん…鼻んすの大きゅうなったっちゃなかな
→あんた、いつも鼻の穴をほじっているから…鼻の穴が大きくなったんじゃないのかい
・でけもんば、きしゃなか指でツクジンなんな…あばけっしもうとろうが
→吹き出物を、汚い指でいじくっちゃいかん…化膿してしまってるだろうが
・耳んすば…耳かきでクジリよったら、こえなおきなか…耳粉の出た来た
→耳の穴を…耳かきで穿っていたら、こんな大きな…耳糞が出てきた
(2)「弄ぶ(もてあそぶ)」の「くじる」
《意味》ちょっかいを出す、からかう、ふざけかかる、女性の生殖器を触って弄ぶ
《用例》
・女子ばクジッテ、泣かいてしもうたけん…先生いえらいがられた
→女子をからかって、泣かせてしまったので…先生にひどく怒られた
・ああた…あたしばようツクジルばってん、ほんなこたあ…あたしば好いとろ?
→あなた…私によくちょっかいを出すけど、本当は…私が好きでしょ?
・その犬な…馬鹿で凶暴やけん、ツクジリよったら…食いつかるるよ
→その犬は…馬鹿で凶暴だから、ちょっかい出した…噛みつかれるよ
【同義】くじる、つくじる
【参考】
・「くじる」の由来は、古語の「くじる」
・「つくじる」は、つく(突く)+くじる
【類義】せる、せせる、せせくる、せせがう、もざくる
《意味》突く、弄る、扱うなど
《参考》
・ほぼ同義語だが、他の意味があるため類義語として取り扱うこととした
・「せる」「せせる」「せせくる」「せせがう」は「せる(競る)」が由来となる
・「もざくる」は「もじゃ(ぐちゃぐちゃにする)」が由来となる
・類義語としたこれらは、それぞれ詳細を解説しているのでご確認ください
「つくじる」を用いた言葉
つくじりまわす
【標準語】いじりまわす、構い過ぎる
【品詞】動詞
【意味】
(1)「いじりまわす」の「つくじりまわす」
《意味》穿りまわす、突きまわす、扱いまわす
《用例》
・でけもんば…ツクジリマワシよったら、赤うなって…汁の出てくさりよう
→お出来を…突きまわしていたら、赤くなって…汁が出て化膿している
・授業中い…鼻んすばツクジリマワシよったら、鼻血の出て…おおごったい
→樹氷中に…鼻の穴を穿りまわしてたら、鼻字が出て…大騒ぎだよ
・そえんネコば…ツクジリマワシよったら、掻き割かるるばい
→そんなにネコを…扱いまわしていたら、引っ掻かれちゃうよ
(2)「構い過ぎる」の「つくじりまわす」
《意味》世話を焼き過ぎる、過干渉をする
《用例》
・過保護やなかな?そえん息子ばツクジリマワシよったら…でけそこなうが
→過保護じゃないか?そんなに息子の世話を焼き過ぎていたら…だめ男になるよ
・ぬすとネコい餌ばやったり…家い入れたりツクジリマワイタら、住み着いてしもうた
→野良ネコに餌をやったり…家に入れた構いすぎていたら、住み着いてしまった
・好いとうけんって…ツクジリマワイたらいかん、男糸って…都合のよかおなごいなるが
→好きだからって…構い過ぎちゃ駄目、男にとって…都合の良い女になっちゃうよ
【参考】
・つくじる(弄る)+まわす(まわす)
・(弱い)→「くじる」<「つくじる」<「つくじりまわす」←(強い)
【類義】せせくりまわす、せせがいまわす
《意味》突きまわす、弄りまわす、扱いまわすなど
《参考》
・ほぼ同義語だが、他の意味があるため類義語とする
・言葉の由来は「せせくる」「せせがう」で、基本は「せる(競る)」が発祥となる
・類義語としたこれらは、それぞれ詳細を解説しているのでご確認ください
《関連》(弱い)→「せる」<「せせくる」<「せせくりまわす」←(強い)
イラストによる状況解説
【翻訳】
《上段》
「やめなさい!鼻の穴が大きくなるよ…」
《下段》
「あんた…鼻血が出ちゃうぞ!」
「ふん」「ふん」
【博多・糸島弁検索】
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