おえる、とうのたつ

【標準語】盛りが過ぎる、年ごろが過ぎる

【品詞】連体詞

【意味】

(1)「年ごろが過ぎる」の「とうのたつ」

《意味》

 年齢を重ねる、長い年月が経つ、年増の女性、女性経験の多い高齢男性

《用例》

・「そこの…じょうもんさん」って声ば掛けるといなあ、ちったあトウノタットウごとある
 →「そこの…綺麗なお嬢さん」って声を掛けるのには、ちょっと年頃が過ぎているようだ

・あの夫婦な…昔っからうんきゅうのつがいで、丁度よかごとトウノタッテござあ
 →あの夫婦は…昔からおしどり夫婦で、丁度いいように年齢を重ねてある

・昔ゃあ…愛らしゅうして人気のあったばってん、アイドルとしたらオエちゃあ
 →昔は…可愛くて人気があったけれども、アイドルとしたら老けている

(2)「盛りが過ぎる」の「とうのたつ」

《意味》

 野菜などの花茎が伸びて硬くなり、食用に適する時期を過ぎている

《類義》

・おいすける:食べ頃を過ぎる
・由来は、古語「おいすげ」の音変異、老い過ぎること

《用例》

・何な、このダイコンなあ…トウノタットウ、筋の硬うして…食われんぜ
 →何だ、このダイコンは…盛りを過ぎている、筋が硬くて…食えないよ

・急い温うなってきたけん、もうハクサイのトウノタチかけようが
 →急に暖かくなってきたので、もうハクサイの花軸が伸び始めているよ

・ダイコンなオエル前い、天日い干いて切干大根…ハクサイな、つけもんたい
 →ダイコンは盛りが過ぎる前に、天日で干して切干大根…ハクサイは、漬物だ

【同義】

 おえる、とうのたつ

【参考】

・「とうがたつ」→とう(花茎)+の(が)+たつ(伸びる)
・「とう」は、葉もの野菜などの花茎、これが伸びると硬くなり…食べごろを過ぎてしまう
・「おえる」の由来は、古語の「おゆ:盛りを過ぎる、衰える、老いる」のこと

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イラストによる状況解説

 

【翻訳】
①「このガールズ・バーは、年増の女性ばかりだ」
 「若いお兄さんが来た!いらっしゃ~い、可愛いー」
②「食べられない」「これは…筋があって硬い!食用に適する時期を過ぎている」
 「美味しいでしょ?自家用野菜のダイコンの煮付けだよ…」

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