とっぴょうしもなか、どひょうがんな、ひょうしむなか
【標準語】とんでもない、意外な、途方もない
【品詞】形容詞、形容動詞
【意味等】
(1)とんでもないの「とっぴょうしもなか」
《意味》とんでもなく調子はずれだ、突飛だ
《同義》とっぴょうしもなか、どひょうがんな、とひょうしもなか、ひょうしむなか
《用例》
・真冬いかき氷やら…トッピョウシモナカ、あんた…ほんなことい食うと?
→真冬にかき氷なんて…とんでもない、あんた…本当に食うのかい?
・親父の「じつぁ…おまやあ宇宙人の子どもやが」やら、ドヒョウガンナことば言いなあ
→親父が「じつは…お前は宇宙人の子どもなんだ」なんて、突飛なことを言うんだ
・「オレオレ…100万円振り込んじゃり」って、息子が電話でトヒョウシモナカこと言うと
→「俺々…100万円振り込んでくれ」って、息子が電話で突飛なことを言うんだ
・ほんに…ヒョウシムナカことで、店い車の突っ込んできて…もうヒッチャンガッチャン
→本当に…とんでもないことで、店に車が突っ込んできて…もうグチャグチャ
(2)意外なの「とっぴょうしもなか」
《意味》思いもよらない、想定外な
《同義》とっぴょうしもなか、とひょうしもなか、ひょうしむなか
《参考》「どひょうがんな」は同義語ではない
《用例》
・ああた、たまいトッピョウシモナカことば言うけん…面白かやなあ
→あなた、たまに思いもよらないことを言うから…面白いなあ
・普通の会社員でなあもしとらんとい…勲章ばもらわるるやらトヒョウシモナカ
→普通の会社員で何もしていないのに…勲章を授与されるなんて意外だ
・交通事故の被害者んとい…相手いまどわないかんやら、ヒョウシムナカこったい
→交通事故の被害者なのに…相手に弁償しないといけないなんて、思いもよらぬことだ
(3)途方もないの「どひょうがんな」
《意味》途方もない、道理に合わない
《同義》とうなか、とつけむなか、とつけもなか、とてつもなか、とほうもなか
《類義》とひょうしもなか、ひょうしむなか など(同義で使う場合もある)
《用例》「親父の…5億円借金のあるけんどえんかせれやら、ドヒョウガンナこと言いなあ」
→「親父が…5億円借金があるので何とかしろなんて、途方もないことを言うんだ」
【参考】とっぴょうしい(突然に、突拍子に)~「とっぴょうしもなか」関係の語彙
・だしぬけに、不意に、突如
《同義》とっぴょうしい、ひょくっと
《用例》「トッピョウシイ大声ば張りあぐるけん、たまがって…心臓のあおぎよう」
→「だしぬけに大声を張り上げるから、びっくりして…心臓がバクバクしている」
・調子はずれに、度はずれに
《同義》とっぴょうしい、どひょうがんな
《用例》「カラオケい行たら、あれがトッピョウシイ歌うけん…おかしゅうしてたまらん」
→「カラオケに行ったら、あいつが調子外れに唄うもんだから…おかしくてたまらない」
【関連】「どひょうがんな」関連の言葉
・「どひようかん」→大道化者、並外れたおどけ者
《参考》どひよう(とっぴょうし:度外れな)+かん(漢:おとこ)→度外れな人
《用例》「おかしかと…馬鹿やねえってあきるるぐらい、ドヒョウカンばい」
→「面白いんだ…馬鹿だなあって呆れかえるくらい、並外れたひょうきん者だよ」
イラストによる状況解説
【翻訳】「俺は手首の内側が性感帯なので…そんなに強く握らないでくれ…イってしまいそうだよ」「ばあさん、やめて」「あなた、死にかけているのに、何を…突飛なことを言っているの?」「父さん、行くな」
【博多・糸島弁検索】
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。