ふする、ふせる

【標準語】繕う、寝込む、植え付ける

【品詞】動詞

【意味等】

(1)繕うの「ふする」

《意味》布などの破れたところを補修する、繕う

《同義》こそくる、ふする、ふせる

《参考》語源は「伏する」に由来、17世紀に編纂された「日葡辞書」にも掲載

《用例》

・靴下の穴ば…フスルやら、うちの家計な…そえんやおいかんと?
 →靴下の穴を…繕うなんて、我が家の家計は…そんなにひっ迫しているの?

・しゃがみこうだ時い…ズボンのケツの破れっしもうた、母ちゃん…フセチャらん
 →しゃがみ込んだ時に…ズボンの尻が破れてしまった、母さん…繕ってちょうだい

(2)寝込むの「ふする」

《意味》病気で寝込む、臥床、病気

《同義》ふする、ふせる

《参考》語源は「臥する」に由来

《関連》関連することば:「ふせっとる」→病気になっている

〈意味〉寝込んでいる、具合が悪くて横になっている

〈用例〉「すんまっせん…フセットルけん、来らっしゃったとい…お茶も出さんで…」
 →「すみません…病気で寝込んでて、おいでになったのに…お茶も出さずに…」

《用例》
・コロナの流行り始めな…フセットンシャアって聞いたら、えらい…心配やった
 →コロナの流行り始めは…病気で寝込んでいると聞いたら、とても…心配だった

・体調の悪かってな…聞いとったばってん、フスルごとひどかって…知らんやった
 →体調が悪いとは…聞いていたけど、寝込むほどひどいとは…知らなかった

(3)植え付けるの「ふする」

《意味》苗や種、種イモなどを植え付ける、保存のためイモを土に埋める

《同義》ふする、ふせる

《参考》語源は「伏する」に由来、土をかぶせるの意

《関連》関連することば:「ふせもん」→植付用の種イモ・イモ苗

〈意味〉植付用の種イモ、植付用のイモ苗

〈用例〉「温室いサツマイモば…ふせて、ツルの出て来たんだあ…フセモンいすると」
 →「温室にサツマイモを…埋めて、ツルが出て来たら…植付用のイモ苗にするんだ」

《用例》

・日曜日い…夏野菜の苗ばフスルけん、今日中い畑ば鋤いて…畝ば立てとって
 →日曜日に…夏野菜の苗を植えるので、今日中に耕起して…畝を立てておいて

・サツマイモな…寒に弱かけん、保存用のいもがまば掘って…イモばフセトッテ
 →サツマイモは…寒さに弱いので、保存用の芋穴を掘って…イモを埋めておいて

●関連することば

ふせ

【標準語】繕い、あて布

【品詞】名詞

【意味等】

(1)繕いの「ふせ」

《意味》衣服の破れの補修、布を当てて繕うこと

《用例》

・服の虫穴ば…掛け接ぎい出いたが、フセの部分の分らんごと…きれゆうでけとう
 →服の虫穴を…掛け接ぎに出したけど、繕いの部分が分からないほど…綺麗にできてる

・母ちゃん、防具の小手のばぶれて…中実の綿の出てきようけん、フセばしとっちゃらん?
 →母さん、防具の小手が破れて…中の綿が出てきてるので、破れを補修してくれない?

(2)あて布の「ふせ」

《意味》服の補修にあてる接ぎ布、小布片

《同義》ふせ、ふせぎれ(ふせ(繕い)+ぎれ(布切れ))

《用例》

・ああたのセーター、両肘い革布でフセばして…えらい、お洒落いなっとう
 →あなたのセーター、両肘に革布で補修をして…とっても、お洒落になっている

・洒落とろ?このシャツのフセギレな、エルメスのスカーフばい」
 →お洒落だろ?このシャツの繕い用の布は、エルメスのスカーフだよ

【参考】破れを「伏せ隠す」事や物に由来

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イラストによる状況解説

【翻訳】
上:「あなた…大丈夫?熱があるようね」
  「寒いー、寒いよー」

下:「おばさーん、破いちゃってるよ」
  「転んだら…破れちゃった、母ちゃん、布をあてて…繕ってちょうだい」

 

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