へっぱく
【標準語】屁理屈、無駄話、滑稽
【品詞】名詞
【意味等】
(1)屁理屈の「へっぱく」
《意味》差し出口、減らず口、口出し
《参考》出しゃばって口出しすること、また、人の厚意に口応えすること
《用例》
・さあき、話し合いで決めたろうが…今のういなって、ヘッパク言いなんな
→さっき、話し合いで決めただろう…今ごろになって、屁理屈を言うなよ
・おまやあ、はしかか男やねえ…へっぱく言わんで、ちったあ協力しないや
→おまえは、扱いにくい男だなあ…減らず口を叩かず、少しは協力しろよ
(2)無駄話の「へっぱく」
《意味》無駄口、無駄話、でたらめ、嘘
《用例》
・ヘッパク言わんで、仕事ばしない…いっちょん、はかのいきよりめえが
→無駄話せずに、仕事をしなさい…ちっとも、仕事の効率が良くないでしょ
・あらあ、ああたい好かりょう思うて…つやつけて、ヘッパクばっかり言いようが
→あいつ、あなたに好かれようと思って…カッコつけて、噓ばっかり言っているよ
(3)滑稽の「へっぱく」
《意味》滑稽、ひょうきん、冗談
《同義》ぞうたん、へっぱく(やや毒のある攻撃的な冗談)
《用例》
・あの人の来なったら…ヘッパクばっかし言いなるけん、みんな大笑いやん
→あの人が来たら…滑稽なことばかり言うので、みんな大笑いだよ
・社長のヘッパクな、ぞうたんで言いよんなれんときのあるけん…えずかっちゃん
→社長の滑稽話は、冗談で言っていない場合があるので…怖いんだよ
【参考】語源は不明、主に九州北部、また四国の一部で(3)の意で使われる
【関連】「へっぱく」を使った言葉
◎へっぱくいう
《意味》雑談する、とりとめのない話をする、無駄話をする
《参考》へっぱく(無駄話や冗談)+いう→雑談する
《用例》
・あたきゃあ、酒飲うで…ああたとヘッパクイウとが、いっち楽しか
→私は、お酒を飲んで…あなたととりとめのない話をするのが、一番楽しい
・ひさしかぶりいおうて、旦那の悪口やら、げなげな話やら…ヘッパクイウテきた
→久し振りに会って、旦那の悪口やうわさ話など…とりとめのない話をしてきた
イラストによる状況解説
【翻訳】
へっぱく①
「ゲームばかりしないで、少しは勉強しなさい!」
「ちょっと息抜きしているだけだよ!うるさいなあ」
「さっきから…ずっとしているでしょ!減らず口を言わないで」
へっぱく②
「先祖が貴族で…育ちがいいから、子供の頃は下男や下女がたくさんいてねぇ…」
「へーっ」
「また…出鱈目を言ってる…少しは高いお酒をキープしろ…」
へっぱく③
「それがねえ!ああで…こうで!それは、もう…たいへん」
「とりとめのない話ばかり言って…」
「おもしれえ…」「ははは…」
【博多・糸島弁検索】
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