ほいとう

【標準語】乞食、ものもらい

【品詞】名詞

【意味等】

(1)乞食の「ほいとう」

《意味》乞食、食物や金銭などを人にねだって生活する者、馬鹿者

《参考》全国各地で使われるが、地域によって「いそうろう」「食客」の意もある

《用例》

・景気の悪うなって…ホームレスやらホイトウの増えてきたんだあ、治安も悪うなる
 →景気が悪くなって…ホームレスや乞食が増えてきたら、治安も悪くなる

・「ぜんば貸いちゃれ」って…ちょこちょこ借りなあが、返しなれん…ホイトウと一緒やん
 →「お金を貸して」って…ちょいちょい借りるけど、返さないんだ…乞食と一緒だよ

・俺い意見ばするとや?のぼすうな…お前のごたあホイトウが、偉そうなことば言うな
 →俺に説教をするのか?つけあがるな…お前のような馬鹿者が、偉そうなことを言うな

(2)ものもらいの「ほいとう」

《意味》麦粒腫、瞼にある脂腺や汗腺に細菌が感染して起こる急性の化膿性炎症

《参考》語源は「ものをもらう(→ほいとうする)と治る」という江戸時代の民間療法

《用例》

・砂場で遊うだきしゃなか手で、眼ば擦んなんな…ホイトウのでけるばい
 →砂場で遊んだ汚い手で、眼を擦っちゃいかん…ものもらいができちゃうぞ

・眼帯ばつけとうが…ホイトウでもでけたと?それとも、誰かい…くらされたと?
 →眼帯をつけているけど…麦粒腫でもできたの?それとも、誰かに…殴られたのかい?

【参考】漢字で「陪堂」のほか、「乞食」や「乞児」とも書く
・禅宗の僧侶が僧堂外で陪食(ばいしょく:食事のもてなし)を受けたことに由来
・その行為のほか、もてなす食事、もてなしを受ける僧侶を「ほいとう」と言う
・乞食を蔑む言葉として「馬鹿者」という意味もある
・「ほいとう」のほか「ほいと」の言い方でも使われる

【関連】「ほいとう(ほいと)」を使った言葉

◎ほいとうされ、ほいとされ

《意味》乞食、馬鹿者(人を卑しんで言う語)、「ほいとう」(1)に同じ

《同義》ほいとうされ、ほいとされ

《参考》主に「馬鹿者」の意味が強い、糸島弁

《用例》

・このホイトウサレが…妹ば誘惑しよろ?ひきそざいたら…くらすうぜ
 →この馬鹿たれが…妹を誘惑しているだろ?悪い道に誘ったら…ぶん殴るぞ

・あっちの亭主なあ、仕事好かずのホイトサレやけん…嫁ごな、えらい苦労しよんなあげな
 →あちらの亭主は、仕事嫌いの大馬鹿者だから…奥さんは、とても苦労をしているそうだ

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イラストによる状況解説

【翻訳】
①「お恵みを~、お恵みを~」
②「できた」
 「わたしも」
 「カッコイイでしょ?みんな眼帯をつけているの」「あは」

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