まめる
【標準語】まみれる、加わる、よくしゃべる
【品詞】動詞
【意味等】
(1)「まみれる」のまめる
《意味》塗れる、外部にまといつく、外部に付着する、まぶされる、塗られる
《同義》まめくりつく、まめりつく、まめる
《参考》（弱い） まめる＜まめりつく＜まめくりつく（強い）
《用例》
・すりこ木で、半殺しいしたご飯ば丸めたとい、餡子のマメットウとが…おはぎたな
→すりこ木で、ほどほどに潰したご飯を丸めたのに、餡子がまといついているのが…おはぎだよ
・地下室いな行きとうなか、クモのえばの顔いマメルけん、気色わるかっちゃもん
→地下室には行きたくない、クモの巣が顔にまといつくので、気持ちが悪いんだもの
(2)「加わる」のまめる
《意味》仲間に入る、組織に入る、大きなものにくっつく
《用例》
・うちの馬鹿息子の、ひきそざされて、やくざいマメッタと…親不孝もんが、あらあ勘当たい
→私の馬鹿息子が、不良に誘われて、暴力団の組織に入ったんだ…親不孝者が、あいつは勘当だ
・わが社な来月から博多グループの傘下たい…景気の悪かけんマメッタ、潰るるよりゃマシたい
→わが社は来月から博多グループの傘下だ…景気が悪いので仲間に入った、倒産するよりマシだ
(3)「よくしゃべる」のまめる
《意味》おしゃべり、舌が回る、淀みなくしゃべる
《参考》うまくしゃべれない、活舌が悪い場合は…「舌のまめらん」という
《関連》この「まめる」の由来は諸説、個人的には…舌が油などに塗れてよく回ることと解釈
《用例》
・ああたあ噺家さんやろ？そえんよう、面白かごと舌のまめるねえ…プロやん、立板い水やん
→あなた、噺家さんでしょ？そんなによく、面白いようにしゃべるねえ…プロだ、立板に水だね
・天ぷら食うたろ？初めての司会進行んとい、舌のマメッテ、ニュースキャスターのごたった
→天ぷら食っただろ？初めての司会進行なのに…舌が回って、ニュースキャスターのようだった
・おらあ、人前い出たら緊張するけん…挨拶するときゃあ、酒ば飲まなあ舌のマメランっちゃん
→俺は、人前に出たら緊張するので…挨拶するときは、酒を飲まないと上手くしゃべれないんだ
【参考】由来は古語の「まめる（塗る）」、基本となる物体に他の物体を付着させること
●「まめる」に関連する語彙
まめくりつく、まめりつく
【標準語】まとわりつく、粘りつく
【品詞】動詞
【意味等】
(1)「まとわりつく」のまめくりつく・まめりつく
《意味》まつわりつく、絡みついて離れない、そばから離れない、つきまとっている
《用例》
・うちのネコな…あたしばいっち好いとんなあけん、家い帰ったらマメクリツイテきなあと
→わが家のネコは…私を一番好きなので、家に帰ったらまとわりついてくるんだ
・うちゃあ…子供な好かん、マメリツキなあたあよかばってん、鼻水やら服い付こうが
→私は…子供は嫌い、まとわりついてくるのはいいんだけど、鼻水なんかが服に付くでしょ
(2)「粘りつく」のまめくりつく・まめりつく
《意味》粘りついて離れない、へばりつく、ひっついて取れない
《用例》
・部屋いおてとったチューブば踏みしゃいでしもうたけん、床い接着剤のマメッテ…おおごと
→部屋に落ちていたチューブを踏み潰してしまったので、床に接着剤が付着して…大変
・おらあ整備士ばってん、エンジンば扱うたあ好かんと…機械油の手いマメリツイテ、取れめえが
→俺は整備士だけど、エンジンをいじるのは嫌いだ…機械油が手に塗れついて、取れないだろ
【同義】まめくりつく、まめりつく
【参考】
・まめくりつく：まめ（まみれる）＋くり（繰り返し）＋つく→繰り返しまみれるようにつく
・まめりつく：まめり（まみれる）＋つく→まみれるようにひっつく
イラストによる状況解説
【翻訳】
・まめる１
「まとわりつくな！モテル男はつらいぜ」
「キャー！待ってー」「好き！」
・まめる２
「ここだけの話ですよ…で、ですよ…ちょっと奥さん…そうなんですよォ」ペラペラ
「あの販売員は、昼に天ぷらを食べてるよ、よく…舌が回っている」
【博多・糸島弁検索】
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