もつる、もてる
【標準語】耐える、保つ
【品詞】動詞
【意味等】
(1)「耐える」のもつる
《意味》我慢できる、継続できる
《用例》
・50年以上前のカメラやが…まだ使わるる、昔のメイドイン・ジャパンな…長うモツル
→50年以上前のカメラだけど…まだ使える、昔のメイドイン・ジャパンは…長く使える
・こえん暑かとい…日していじゅう働いて、よう身体のモテルねえ…具合の悪うならんね?
→こんなに暑いのに、一日中働いて…よく身体が我慢できるなあ…具合が悪くならないかい?
・靴ば買替えたかばってん…破れんでようモツルけん、母ちゃんの「つあーらん…我慢せれ」げな
→靴を買い替えたいけど…破れずによく使えるから、母ちゃんが「ダメ…我慢しなさい」だって
(2)「保つ」のもつる
《意味》維持する、保存がきく
《用例》
・この頃の豆腐な…保存料な使うちゃれんとい、ようモツル…なしかいな?」
→「この頃の豆腐は…保存料が使われてないのに、よく保存がきく…なぜだろう?」
・このパック牛乳なすごか…高温殺菌やけん、常温で1年間もモテルげな
→このパック牛乳はすごい…高温殺菌なので、常温で1年間も保存できるそうだ
・明日あ昼前から雨げな…運動会やけん、せめて昼過ぎまで天気なモテテほしかとばってん
→明日は昼前から雨だって…運動会なので、せめて昼過ぎまで天気が保ってほしんだけど
【同義】もつる、もてる
【参考】由来は「持てる」で、保たれるや維持されるの意がある
【対義】もてん
対義語の「もてん」
【標準語】堪えられない、保てない
【品詞】動詞
【意味等】
(1)「堪えられない」のもてん
《意味》我慢できない、続かない
《用例》
・開店していっときやぁ客の多かったが、最初だけ…あの店な…もう3か月とモテンばい
→開店してしばらくは客が多かったけど、最初だけ…あの店は…もう3か月も続かないよ
・なんと、えぐりもうらしかか…じっとしとったっちゃ汗じっくり、エアコンのなからんとモテン
→なんて、蒸し暑いんだ…じっとしてても汗ぐっしょり、エアコンがないと堪えられないよ
・腹減った…昼の弁当から何も食うとらんちゃん…ラーメンなっと食わなあ、晩飯までモテン
→腹減った…昼の弁当から何も食ってないんだ…ラーメンでも食わないと、晩飯まで我慢できん
(2)「保てない」のもてん
《意味》維持できない、保存がきかない
《用例》
・このケーキな美味かとばってん…モテン、こだわりの逸品やけん、店内でしか食われんと
→このケーキは美味しけど…保存がきかん、こだわりの逸品なので、店内でしか食えないんだ
・正義感の強うして真面目か男やけん…あえな仕事ばさしたら、精神のモテンごとなんなあが
→正義感が強くて真面目な男なので…あんな仕事をさせたら、精神が維持できなくなっちゃうぞ
・保冷剤ば入れてもろうたばってん、モテンやった…おかあしか味のする、ねまりかけようごたあ
・保冷剤を入れてもらったけど、保存が効かなかった…変な味がする、傷みかけているようだ
【参考】「もつる、もてる」の否定形
イラストによる状況解説
【翻訳】
・もてる1
「コロナに…食材の高騰…この店、秋まで耐えられるだろうか?」
・もてる2
「すごい~この牛乳!常温で5年間も…保存が効くと書いてある」
【博多・糸島弁検索】
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